蕁麻疹と言えば聞き覚えがある言葉でしょう。発疹が発生する症状のことを指しますが、この「顔蕁麻疹」は通常の身体の蕁麻疹よりも強く出るという特徴があります。一見ただの蕁麻疹だと軽視できない病気です。
今回はこの「顔蕁麻疹」について触れていこうと思います。
顔蕁麻疹って何?
では、まず顔蕁麻疹について詳しく見ていきましょう。
顔の蕁麻疹
蕁麻疹という言葉はよく知っていると思います。発疹が発生し、痒みが出ることの総称を指しますね。しかし、この顔蕁麻疹というのは、読んで字のごとく、顔に蕁麻疹が発生することを指し、そして通常の蕁麻疹よりも症状が酷くなることが挙げられます。
通常蕁麻疹と言えば発疹が出て痒みを伴うというものが一般的ですが、この顔蕁麻疹というのは激しい痒みと共に痛みも伴います。痒くて掻きむしってしまいさらに症状が悪化してしまうのも特徴的とも言えるものです。
この顔蕁麻疹で言えることは通常の身体に出る蕁麻疹よりも症状が重くなると言われています。
通常、蕁麻疹というのは、蕁麻(イラクサ)という植物の葉に触れることで皮膚に発疹が出るというものです。見た目的には虫刺さされのような赤い膨らみが至る所にできて痒みを発症するのが一般的ですね。
ほとんどのものはある程度の時間で収まることが多いのですが、この蕁麻疹は症状が頻繁に出ることが特徴的なこととして挙げることができます。
顔蕁麻疹の主な症状とは?
ここでは主な症状に触れたいと思います。
激しい痒み
まず蕁麻疹の特徴として激しい痒みというものが挙げられます。ただ痒いというものだけではなく激しい痒みが顔の至る所で起こるということで、さらに掻くと皮膚を傷つけて悪化の一途を辿ってしまうので掻かないようにすると、痒みを我慢するというストレスに襲われます。
さらにこのストレスによって掻きむしってしまうこともしばしばあり悪化することが多く、多くの顔蕁麻疹の場合はこれの所為によって通常よりも酷い症状が出ることが特徴的と言えます。
一見ただの発疹であると思われることで、掻いてしまい皮膚がタダれるような状態になり、アトピー性皮膚炎と間違われることもあるようです。しかしアトピー性皮膚炎とは別物であり、顔蕁麻疹は他にも特徴的なことがあります。
激しい痛みと腫れ、赤い発疹
蕁麻疹の特徴としてもう一つアトピー性皮膚炎との違いは激しい痛みと共に強い腫れが見受けられます。そして赤い発疹が発生します。
アトピー性皮膚炎の場合は湿疹が表れる位置が左右対称的であったり、カサカサとした皮膚になったりすることが挙げられますが、この顔蕁麻疹ではその症状はありません。
そしてアトピー性皮膚炎の場合はステロイド薬を塗ることでこの症状が緩和されることも挙げられ、症状を抑えることが可能になりますが、顔蕁麻疹の場合はこの薬の効果は現れず、発疹が出たり、消えたりを繰り返すことが特徴的と言えます。出て、消えて、を何度も繰り返すということで、一見症状がなくっ多様に思えてもまた酷く表れることを1日に何度も繰り返すのが特徴的です。
そして同時に赤い腫れもまた頻繁に出たり消えたりします。厄介なのはこれが治った、または治ったと勘違いしていまい放置してしまうことにあります。実際は治っておらず、また再び表れることがほとんどです。
そして痒みがアトピー性皮膚炎よりも強いことが挙げられます。
顔蕁麻疹の原因
では、顔蕁麻疹の原因について詳しく見ていきましょう。
子供に多いとされていて、原因の一つはストレス
蕁麻疹というのは子供に多いとされています。子供の肌は大人の肌よりも、よりデリケートなものなのでその所為だと言われています。なので蕁麻疹の搔きむしりにより肌を傷つけないようにより注意が必要となってきます。
そして原因の一つとしてストレスが挙げられますが、子供にはストレスがないと思われがちです。大人じゃないのだからと思って子供はストレスがないと思われていますが、そんなことはありません。子供でも意外とストレスというのは溜まりやすいものなのです。
さらにストレスというものだけではなく、遊んだ後などの過度の疲れによっても蕁麻疹が出ることがあるとされています。
自分のお子様に蕁麻疹が発症した場合、我慢できずに掻きむしってしまうことがほとんどです。これが悪化の原因にもなりますし、後々痕が残ってしまうこともしばしばあります。搔きむしりによる痕というのはなかなか消えないので親御様にはより注意が必要とされています。
この場合は早めの皮膚科での治療が必要となってきます。蕁麻疹の痒みというのは相当のものであり大人であっても我慢するのは中々難しいものなのです。なので子供のならなおさらというわけですね。なので早期に病院で治療を受けて痒みを緩和させてあげることが大事です。後々のことを考えるとそうするのがベストと言えます。
そして蕁麻疹の根底にあるストレスや疲れというのは一見子供なのでわかりにくいものなので、なるべく早めに察知してあげて、話を聞いてあげることや、ゆっくりと休ませることに気を配るようにしましょう。
お子様は案外疲れていることやストレス抱えていることも多いと思われます。共働きやシングルマザーの増加によりこの傾向が増えているのも事実ですので、子供のことを一番に考えるのであれば、なるべく1日あった出来事を聞いてあげること、そしてなるべく一緒にいる時間を増やすことでストレス緩和に繋がりますし、そして疲れてるというのは親であるならすぐに察知できると思うのでその場合は早めに休ませることや、睡眠などをよくとらせてあげることなどが重要となってきます。
食べ物、食品添加物による原因
蕁麻疹の特徴的な原因として、食べ物や食品添加物のアレルギーによるものも挙げられます。これの原因というのはアレルギーの元である食べ物や食品添加物による免疫反応が原因です。アレルゲン物質となるものを体内に取り込む、もしくは触れることによって身体が免疫反応を起こし蕁麻疹を発症するという仕組みになっています。
これは食べ物だけに限りません。人によっては食べ物以外にも、植物や動物、猫アレルギーなどもそのうちの一つに挙げられます。また薬のアレルギーもあります。通常問題ない薬であっても身体が危険因子であると勝手に判断し、免疫反応を起こしてしまうことをアレルギー反応というので、これは各々の体質によるものが大きいので人によって変わってきます。
ただ、食べ物によるアレルゲン反応というのは多いです。一番多いと言っても過言ではないでしょう。これの原因の一つとして花粉も挙げられます。アレルギー性の蕁麻疹というのはその対象物に近づけさせない、もしくは摂取しないことによって防ぐことができますが、原因物の特定は迅速におこなる必要があります。知らず知らずの内にアレルギー反応を起こしてしいうことや突然なることもありますので、お子様がそうなる可能性も否めません。親御様はお子様の些細な症状にも注意を払って見ている必要があると言えるでしょう。
アレルゲンの原因となるのは、肥満細胞内にあるヒスタミンというものが大量に分泌されることが原因であり、これによって蕁麻疹を発症するという経緯が挙げられます。
できる限りアレルゲンに近づかないよう気を配りましょう。
顔だけに蕁麻疹ができるのはなぜ?
通常、顔に蕁麻疹が出るというのはほとんどありませんが、顔に出るというのはなぜなのでしょうか?
これの原因として挙げられるものは肝臓と蕁麻疹の関係が深いということです。これはあくまでも一つの症状として挙げられるものであって全てがそうではありません。
肝機能の低下がその大元と言えるもので、生活習慣のバランス、食生活、睡眠不足によるもので肝臓の機能が低下し蕁麻疹が出るというのが大きな要因となっているそうです。
これの関係性について詳細に述べるのであれば、肝臓の機能に意味が隠されています。肝臓というのは基本的に「解毒効果」そして「代謝」さらに「胆汁の生成」というものが主な役割として挙げられるものです。これは身体にとってとても重要な働きになってきます。
まず一つに「アルコールの分解」というのも肝臓が行なっています。これはいわゆる「解毒効果」の内に入ります。しかしアルコールの異常摂取により分解ができなくなってしまうことや、薬の多量服用によるものなども挙げられます。副作用というのが起きないのもこの肝臓がしっかりと働いてくれているからです。他にもストレスによるものや、添加物の多量摂取、農薬系統が多く含まれている食品を頻繁に口にする、満腹状態になるまで食べること、そして便秘なども挙げられます。これらが肝臓の機能を下げる元となっているのです。肝臓というのはある程度休ませる必要がありますので、こういうものを頻繁に口にしたり、満腹状態が長く続くと肝臓にストレスが溜まり肝機能が低下するということに繋がるということです。
上記で挙げたものの何かが原因で肝臓に異常を来すと、主に蕁麻疹、そして他の病気の原因となるわけです。もちろん蕁麻疹だけが症状として現れるだけでなく肝臓というのは身体にとって重要な役割を果たしているので、他にも重度の病気を負うことになり兼ねません。できる限り気をつけるようにしましょう。
身体に不調を感じるようになった場合は早期に病院へ行く、もしくは食生活や生活習慣、睡眠のリズムなどを見直して見るのもいい対策法と言えるでしょう。
紫外線による原因
アレルギー性の原因で紫外線というものがあります。紫外線のアレルギーというのは文字通りの意味で太陽光、紫外線を肌に受けることで免疫反応を起こしてアレルギー症状が起きることを言います。これは花粉症などと酷似したものであり、同じメカニズムであるということがわかっています。
花粉のアレルギーというのは、アレルギー物質よる耐性、アレルゲンに対する抗体というものが一定の値を超えることによって起こるとされています。紫外線にもこれと同じことが言えます。紫外線を多く浴びることによって、紫外線から身を守る一種の防衛反応、つまり免疫反応が起こり抗体が一定量を超えてしまい蕁麻疹という形でアレルギー反応を起こしてしまうというのがいえるでしょう。
顔蕁麻疹の対処法とは?
では、顔蕁麻疹の対処法について触れようと思います。
患部を冷やすこと
対処法としてまず挙げられるのが、「冷やす」ということがあります。掻きむしってしまい皮膚を傷つけてしまうと後々が怖いので、そうなる前に対処する必要があります。これは冷やすということによって痒みを抑えるということが一番の対処法となります。
痒くなければ掻くことはないので、冷やすという行為がとても効果的であると言えます。
実際的には患部を直接冷やす、つまり痒みが出ている部分を冷やしたタオルなどで冷やすことである程度の痒みが治まります。掻いてしまうと痕が残ったり、酷い場合は重症化してしまう可能性があるので、そうなる前に冷やして痒みを緩和しましょう。
ただ一つ注意が必要なことがあり、寒冷蕁麻疹というものが存在します。これは身体が冷えるということによって起こる蕁麻疹の一種であり、この場合については冷やすのは逆効果であるので、温めてあげることが重要となってきます。もし冷やすことによって症状が悪化する場合や、病院で寒冷蕁麻疹と診断されている場合は温めてあげるようにしましょう。
これによりある程度の痒みが抑えられて掻き毟ることを抑えることが可能です。
生活習慣の改善を図る
肝機能の低下という項目を挙げさせて頂いた通り、肝臓の機能の低下により蕁麻疹が起こります。これは生活習慣を見直すことで改善されます。最善の防止策とも言えるでしょう。特にアルコールの摂取を控えることや添加物の多いものの摂取を抑えることなどや、むやみやたらに薬を服用しないことも肝機能を守ることに繋がります。もちろん病院にかかっていて飲み続けなければならない薬がある場合は医師が良いと判断しているの問題はないでしょうが、市販薬、特に頭痛薬などの頓服薬は胃にも悪いのでできる限り多量の服用や頻繁な仕様は控えましょう。さらに常に満腹になるまで食べ物を食べるというのも肝臓に負担をかける原因となります。腹八分目という言葉があるのはそういう意味合いも含まれています。
食べる量をある程度抑えるのは肥満になる原因を抑えることにも繋がりますのでできる限り満腹状態を常に保つのはやめましょう。ただし、栄養を取るのは重要なので、食生活の見直しをすると良いでしょう。バランスの良い食事を取るということが大事です。そして腹八分目までというのを心がけましょう。
自律神経を整えること
これは生きる上でとても重要なことになってきます。自律神経とは無意識の内に働く機能のことを指しています。これは睡眠不足などや朝日を浴びないこと、また自律神経の乱れは蕁麻疹だけでなく、セロトニン(安定物質)の分泌を少なくしてしまうことにも繋がります。これはとても危険であり、セロトニンの分泌量が減ると精神的な病気になる可能性が高くなります。
パニック障害の代表例としてこのセロトニンの分泌量が減るというのがあります。3大ホルモンと言われるうちの一つであり、正常な精神状態を保つために必要不可欠なものでもあります。
なので、これを改善するには生活リズムはもちろんですが、特に睡眠のリズムの乱れを直すことにあります。睡眠不足や睡眠のリズムが狂うと自律神経が乱れます。
またスマートフォンや夜間のインターネットなども自律神経の乱れに繋がります。人間の脳というのは太陽が登ることによって目覚め(覚醒)、そして暮れることによって休むというリズムを自動で行なっています。これが乱れるということは体内リズムが狂ってしまっている証拠なので睡眠のリズムを整えるように心がけましょう。
皮膚科の受診
上記のもので緩和や回復が望めれば良いのですが、それではもう追いつかない場合もあります。その場合は皮膚科に早急に受診をすることが望ましいです。
早期発見と早期治療が病気を治す上で重要となってきますので、早めの受診を行なって、原因の元を探るということを行うようにしましょう。
原因がわかれば対処法も変わってくるので、適切な判断が可能となります。
顔蕁麻疹の治療法や市販薬など
では、治療法や顔蕁麻疹に効果的な市販薬などを紹介します。
抗ヒスタミン薬
蕁麻疹に効果的である薬品であるのがこの抗ヒスタミン薬です。ヒスタミンが多量に分泌されることによって発症が起きる蕁麻疹なので、この分泌を抑えるという意味で抗ヒスタミン薬が効果を発揮してくれます。
軟膏や塗り薬と思う方も多いでしょうが、内服薬が最も効果的であるということがわかっています。第一世代と第二世代の内服薬があります。ただし、第二世代の内服薬は副作用で眠気や集中力の低下が見られることがあります。個人差はありますが、強く現れる人もいますので服用する時は車などの運転は控えるようにしましょう。
第二世代の内服薬というと、アレグラFXやアレジオン10、ストナリニZなどが挙げられます。第一世代との違いは、効果が緩やかで副作用も少ないことが挙げられます。症状によって使い分けがいいと思います。
より症状が強い場合は第一世代の薬の服用をおすすめします。症状が軽い場合は第二世代を服用するようにしましょう。
ステロイド外用薬
もう一つの治療法としてステロイド外用薬というのがあります。一般的に塗り薬、軟膏などが挙げられます。これは病院で処方されることが多いものです。
これには5段階の強さが存在しておりますが、市販のものは3から5の薬しか売っていません。5というのは一番効果が薄いもの、また弱いものであるので症状によって使い分けが必要です。症状が軽い場合は市販のものでも十分効果が見られるでしょうが、症状が重い場合はやはり病院で処方される薬を使うのが一番いいでしょう。
まとめ
では総括に入ります。
早期発見と生活の改善
肝機能の低下、そして日常生活で起こりうるものがこの顔蕁麻疹のいちばんの要因となっていますので、まずは生活習慣の改善と、ストレスの発散など原因となるものを改善して見ましょう。睡眠のリズムを整えるなどは、蕁麻疹に限らず様々な病気の改善にも繋がるので是非実践して見てください。
症状が出てしまったり、重い場合は迷わず病院へ行きましょう。