赤ちゃんを母乳で育ると愛情が育つだけでなく、信頼や心の豊かさにつながりますよね。しかし、その大事な乳房に痛みが出てきたら不安になると思います。
そんな不安なママの気持ちを安心に向かわせるために調べて来ましたから参考にしてみてくださいね。そう、今日のテーマは乳腺炎についてなのです。
「赤ちゃんに母乳を飲ませても良いのかな?」などママにとっては深刻な疑問を1つずつ解いていきましょう。
乳房が痛いって病気?
出産が無事に終わって、赤ちゃんを入浴させたり家事をしたりと、育児に忙しく自分の身体のチェックまでは手がまわらないと思う人も多いのではないでしょうか。
もしも、おっぱいが張ったりする授乳前などに乳房に痛みを感じたら「乳腺炎」の可能性があります。少し気を付けて次のことを思い出してみましょう。
- シコリは出来ていませんか?
- 熱はありませんか?
- 痛みはありませんか?
- 風邪のような症状はないですか?
- ひどい肩こりはありませんか?
いつもの体調と違うと感じたら、確認をした方が良いですね。乳腺炎といっても少しずつ原因等が違う場合があります。原因が違う場合には症状も治療も異なる場合がありますので自分の症状を把握する必要がありそうです。
母乳育児と乳房
「そもそも母乳にこだわらなかったら乳腺炎にならないんじゃないの?」という人もいるかもしれませんので、母乳のメリットとデメリットを比較して考えてみますね。
母乳育児のデメリット
- 身体のラインが崩れてしまうことがある
- 授乳室があるか確認をしないとお出かけ時に不安になる
- 乳腺のトラブルを起こしてしまうことがある
- 夏は胸が蒸れてしまうので臭くなってしまう
確かに「しんどい」と感じることも出てくるでしょう。しかし、このようなマイナートラブルがある一方で、大きなメリットが実は授乳にはあるんです。
母乳育児のメリット
- ママと赤ちゃんの信頼関係を築くことが出来る ➡ 気持ちのゆったりした子どもに成長しやすい
- 母乳は体温なので粉ミルクのように温度調節をしなくて良い ➡ いつでも適温
- 外出時に荷物が少なくてすむ ➡ 負担が少ない
- 母乳なので何より経済的 ➡ ずっと無料
ちょうど赤ちゃんがお乳を飲んでいるときの目とママの目の距離が良い影響を与えることも知られています。もちろん何かしらの事情で母乳をあげることが出来ない人もいるため、「必ず母乳で育てさせる」という強制力は誰にもありません。ママの意思を尊重することも大切ですからね。
ただ授乳をすることが可能な人は、「おっぱいトラブル」を出来るだけ避けることで母乳育児に、ぜひ積極的に挑戦してくださいね。そのためにも、今日の記事をしっかりと読んで参考にしてみてください。
熱が出てしまったら
頑張って授乳をしたのに、だんだんと乳房が乳輪のあたりまで痛みが出てしまうことがあります。このようなときに、軽症の場合には授乳を続けるという考えもあります。
授乳中は出来るだけ病院には行きたくないですからね。特に赤ちゃんの口に入る母乳にはママの飲食したものが含まれるため、薬などは使用したくないものです。
でも、もし熱が出てしまったら1番つらいのはママ本人なのですよね。では、そうならないためにはどう対処をしたらいいのか良いのか一緒に解決法を考えていきますね。
熱が高いとき
水分補給をしっかりしないと脱水を起こす危険があります。母乳をあげている期間は、母乳と一緒に身体から常に水分が出ている状態です。そんな時に脱水を起こすと、さらに熱が高くなってしまうからです。
また、脱水は身体の弱った状態で起こすと生命に関わることがあるので過信をせずに、水分補給と保温に気を付けましょう。
熱が出た時の対処法
特に急性化膿性乳腺炎の場合には、38℃以上の高熱になることから体力を消耗してしまうことが心配ですね。赤ちゃんのお世話をするためにも早く元気になりたいと焦って無理をするとかえって調子を崩すことがあります。
高熱で身体を冷やしたい時には、出来るだけ薬ではなく氷で冷やすというアナログ的な対処を先に試してみましょう。
理由としては、赤ちゃんの栄養源であるママの体だからというだけでなく、細菌と戦っているための熱なので、むやみに科学的な方法で下げるのは控えた方が身体には良いからです。
どうしても病院へ行くまでに一度熱を下げたい時には、ドラッグストアでも購入が可能な市販薬で、タイレノールAという解熱鎮痛剤が安全性が高いと言われていますので出来るだけ赤ちゃんに影響の少ない薬を選択して下さいね。
乳腺炎で高熱が出る理由
まず、ママの体の変化についてお話いたしますね。
出産後から、ママの体は赤ちゃんに栄養を与えるために、母乳を作る働きが活発になっています。乳管の発育が未発達であったり、十分な開口をしていないことも多いのです。そうなってしまうと、母乳が乳管内で詰まってしまうので、乳腺の中では母乳が溜まりやすくなってしまいます。
また、乳腺が張った状態のデリケートな乳房を誤った方法でマッサージすると痛めてしまう場合もありますが、そういうときにも高熱が出ることがあるのですね。母乳が内側で溜まってしまわないように赤ちゃんにしっかりと吸ってもらうことも痛みが楽になり、乳腺炎を防いだり和らげてくれます。
氷で冷やすポイントは?
高熱時の氷の当て方は、優しくタオル等で包んだ氷をまず、頸部(首の横あたり)、腋(わきのくぼみ)、股関節のあるところに、それぞれ左右に挟み置いて休みます。
大きな血管がある場所に氷を当てることにより、冷えた血液が全身をめぐることで少し下がることが多いので、小児科の看護師さんも病棟では行っている方法です。
氷の量は家庭用の冷蔵庫で作る大きさで一か所につき2~3個もあれば十分です。ただ、悪寒がする(寒けや震え)がある間は高熱があっても、必ず保温を優先させるようにします。
解熱剤は使える?
解熱鎮痛剤の場合には、安全のために医師の処方をしてもらったものを使うようにしましょう。それは、熱の原因が本当に「乳腺炎」の熱なのかを見極めてもらうことが大切だからです。
偶然にも違う疾患を併発している場合に、熱を下げてしまうと「本来起こっているはずの症状」が分かりにくくなるために「原因である疾患の診断が難しくなってしまう」場合もあるのです。
きちんと検査をしてもらうと後にお話する解熱鎮痛剤を処方してもらうことが出来ます。本当に乳腺炎であることが証明できれば、熱を下げるだけでは感知しないので抗生物質などの薬剤も必要になります。
飲食はどうする?
通常通り食べることが出来るといいのですが、どうしても食事が摂れない場合には水分補給が大切です。スポーツドリンクならアクエリアスよりは「ポカリ」の方をお勧めいたします。熱が高い間は、2000cc/日程度の摂取をするようにしましょう。
ポカリには、アクエリアスよりエネルギ―になる成分があるので、栄養補給もすることが出来るためです。脱水をふせぐためなら「OS1」とかも手軽に購入できますね。
元気な時にストックも出来るので、あると安心です。また、赤ちゃんを感染から防ぐためにも、人ごみに連れて行くことは不安があると思いますのでネットで注文する等、家に居ながら配達してもらえるサービスを利用しましょう。
授乳はどうする?
授乳中に痛みが出て見た目にも、いつもと違う感じがあれば一度母乳育児をお休みしましょう。きちんと確認をしてから母乳をしっかりと飲ませましょうね。
なぜなら万が一乳腺が細菌感染していた場合には、母乳を出して赤ちゃんが口に含む乳頭にも、血液や膿といったものが付着している可能性もあるのです。そうすると、赤ちゃんには「美味しくない」だけでなく、質の低下してしまった母乳を飲ませてしまうことになってしまうのです。
1番良いのは、出産した産院で助産師さんか看護師さんに「おっぱいマッサージ」を教えてもらっておくのが理想です。そうはいっても「聞いたつもりだったんだけど」って不安になることも確かにありますね。
乳腺炎について
いろんな症状が出てしまうと病院へ行ってほしいのですが、今すぐに出来る対処法としては、痛くて腫れている乳房を保冷材や冷えピタ等で優しく冷やすことです。
急激な冷やし方は避けてくださいね。(※ママの乳房はデリケートな乳腺という組織で出来ていますので繊維を傷つけないように力加減や温度には注意をしてくださいね)
しかし出来るだけ早く病院に行った方が治療も早く出来るというのは言うまでもありませんが、次のような症状がある人は早急に病院で診察を受けた方が良いと思われます。
乳腺炎の症状
冒頭でも少し触れましたが、症状は段階的にもタイプ的にも変わってきます。
- 乳房に痛みがある
- 乳房が腫れる
- 乳房の張りや熱感がある
上記の症状は共通する事項ですので病院の診察が必要となります。ひどくならないうちに治療を始めましょう。赤ちゃんの栄養や成長にも関わってきますからね。
乳腺炎はどれも同じ?
乳腺炎は、大きく分けると3つに分類されます。共通点を除くと少し違った症状が出てくるので分かると思います。
- 急性うっ血性乳腺炎 ➡ 授乳時期に乳腺の中で母乳が溜まってしまい乳管が詰まった状態
- 慢性乳腺炎 ➡ 慢性的に(いつも)乳腺に炎症が起こっている状態
- 急性化膿性乳腺炎 ➡ 乳腺の中で細菌感染が起こってしまった状態
どれも同じ乳腺炎なのですが、このように疾患にかかってしまう患者の状態や原因が少しずつ違いますので、それぞれの症状を見ていくことにしましょう。
急性うっ滞性乳腺炎
急性うっ滞性乳腺炎では、熱感や張り、痛みに加えて、一部分が固くなり押すと痛いといった症状が出てくるようになります。なお、乳管が詰まっていることから、乳頭より母乳が漏れるといったことがあります。
慢性乳腺炎
慢性乳腺炎では、文字の通り「慢性」ですから、治らないまま少しずつ炎症を起こしてきたものになります。常に乳腺には炎症が起こっているために、乳房内には押すと痛いしこりが感じられ、膿瘍が出来るため「膿が漏れ出す」こともあります。
急性化膿性乳腺炎
急性化膿性乳腺炎では、慢性乳腺炎や急性うっ滞性乳腺炎などよりも、症状が強く起こるために注意が必要です。また、一般的に急性化膿性乳腺炎のことを「乳腺炎」と指している場合が多いようですので、今日は次にこの急性化膿性乳腺炎について詳細にお伝えいたしますね。
急性化膿性乳腺炎の症状
急性化膿性乳腺炎の場合には、とても症状が強く出ることが多いです。炎症を起こしている側の乳房は炎症のために、下記のような状態が見られます。
- 局所の熱感や発赤(乳房が熱を持ったり赤くなる)
- 強いシコリ(硬くなる)
- 全身倦怠感(だるく、しんどい)
- 悪寒戦慄(全身が強い寒気で震える)
- 頭痛
- 関節痛
- 脇のリンパ節が痛んだり腫れる
- 38.0以上の高熱
このように強い症状が体に出るため風邪かと間違えてしまうかもしれませんが、早く治療を始めましょう。(※また、これらは目安であり全てが必ず起こるというわけではありませんので気を付けてくださいね)
乳腺炎の原因とは
乳房が痛いと人には話しづらく、男性である旦那さまにも分かってもらえない症状なのですが、実はたくさんのママが経験をしているので自分だけと考えなくても大丈夫ですからね。
そして、乳腺炎の原因というのは意外にも「赤ちゃん」が原因だったりします。赤ちゃんの乳歯(初めて生える歯)は、およそ3ヵ月~9か月と個人差があるので大きな幅はありますが、その頃に生えてきます。その可愛らしい乳歯が当たってしまうと痛いですよね。
赤ちゃんが原因になることもある
生後1ヵ月を過ぎる赤ちゃんを持つママに多いことからも、母乳を飲んでいるときの赤ちゃんの乳歯がママの乳首に当たることで傷がつき、その傷口から赤ちゃんの口腔内細菌が侵入して感染を起こすのではないかと考えられています。
その頃のママの乳房は、授乳期ということで浮腫状になっているのですね。この乳腺まで侵入した細菌は、乳腺組織を通じて拡散してしまい炎症が難治性になってしまうこともあるのです。
早期の治療が必要なことも分かりますね。また、離乳食が始まるころの赤ちゃんのケアについても後ほど考えていきましょう。
何科に行けばいい?
主に下記の科に受診することになりますが、もし対応が出来ずに違う科に行くことになると待たせている赤ちゃんのこともあるので、前もって問い合わせをすると時間的なロスを減らすことが出来ます。
- 赤ちゃんを出産した産院
- 乳腺外科
- 女性外来
- 母乳外来
病院によっては表示の仕方や医師の担当が変わることがあるので、これらを目安にして問い合わせをすると、受診がスムーズになるでしょう。
治療を受ける前に
勝手に鎮痛剤を飲むことは控えておきましょう。母乳を飲む赤ちゃんに影響してくるので痛みをとる場合には、必ず医師の処方で薬を使うようにしてくださいね。
胸元を開くことが出来るような軽い服装で受診をするようにすると、診察や検査の時にスムーズにいきます。
検査について
病院では、ママの状態(臨床的な症状)や血液検査をしたり、乳房を超音波で調べることもあります。
血液検査では、白血球の増加やCRPの上昇によって炎症の度合いを数値化します。超音波は痛みもなく安心な検査ですので安心してくださいね。
ただ、原因になることは複数あり特定をすることは困難な場合もあります。検査によって起因菌(※原因となる細菌)が判明することで、ある程度の原因は分かることが多いです。
乳腺炎の治療
乳腺炎がはっきりと診断できた時には、抗生物質を処方されたりしますので医師の指示通りに服用していきましょう。また、高熱がある場合には解熱鎮痛剤を同時に処方をしてくれます。
授乳している期間内に、病院を受診すると薬の服用のために「授乳を控えるようにしてください」と言われてしまうことがあります。そんな時のためにも、出来るだけ母乳育児を続けたいという相談をすると医師も対応を考えてくれることが多いです。
解熱鎮痛剤(痛みや熱を抑えてくれるもの)
熱や痛みがあると本当に辛く落ち込んだりして心身ともに良くありませんね。そんな時に病院へ行くと解熱鎮痛剤としては下記のようなものを処方されることが多いです。
- アセトアミノフェン ➡ カロナール、コカール、ピリナジン
- イブプロフェン ➡ ブルフェン
解熱鎮痛剤は、比較的には解熱鎮痛剤の中でも優しいものなので、安心して医師の指示通りに服用していきましょう。
抗生物質(原因菌や炎症を抑えるもの)
経口用セフェム系抗生物質を使用する場合には、下記のような薬剤を処方されることが多いです。
- フロモックス
- メイアクト
- セフゾン
- トミロン
そして、この抗生物質も小児の治療薬として使用するようなもので、体に優しい効き目ですので授乳が禁止になることは少ないです。(※抗生物質の中での強さです)
服用するときの工夫
赤ちゃんには、出来るだけ薬が移行していかないようにしたいものですね。実は私も経験があるのですが、授乳の直後に服用することである程度、時間の間隔を稼ぐことが出来ますね。
大事なのは、「ママが気を遣いすぎて、疲れてしまうことを防ぐ」ことなので、いつもと同じよう授乳間隔で母乳をあげて赤ちゃんを優しく育ててあげてください。
投薬の他に、症状がひどい場合には点滴をすることもありますので、病院からの帰りが遅くなってしまうことが考えられます。もし、協力してくれる人が周囲にいる場合には、赤ちゃんを預かってもらう等の「赤ちゃんもママも両方の負担が軽くなる」方法を選ぶようにすると治療も受けやすいですね。
第2類医薬品の使用
今は、ドラッグストアでの購入が可能になったものもありますが、やはり授乳中の内服に関しては、病院や産院の医師の指示に従った方が賢明です。一時的に、痛みを抑えたとしても、根本的な治療とはいえないのです。
膿瘍について
急性化膿性乳腺炎の場合には、膿瘍が出来てしまうケースもあります。そんな時には、もう少し強い抗生物質が必要な場合があります。
それと並行して「切開をする」「排膿をする」といった治療を行ったりします。膿を出すだけでも、かなり症状は和らいでくるので楽になると思います。また、切開の場合には、切開方法が医師によっても少し変わってきますが炎症が非常に強い時には傷跡が少し残ってしまうことがあります。
膿瘍の検査
膿瘍の中に穿刺して、吸引すると膿汁をとることが出来ます。その穿刺したものを細胞診断することで「乳がんではないこと」を確認する場合もあります。乳腺炎は、乳がんの症状と似ている場合があります。
赤ちゃんの卒乳
薬の強さによっては、一時的に断乳しなければならない可能性も出てきます。もしも、月齢が7か月以降なら場合によっては、これを機に卒乳する形をとっても良いでしょう。
赤ちゃんの卒乳は、離乳食をしっかりと食べられるようになる生後7か月以降から通常は行います。
しかし、一時的に断乳になった場合には、母乳を吸ってもらうことが出来ないために、自分の母乳の出方が減ってくることがあります。そんな時には、感知してから新たに母乳を再開するよりも、卒乳を考えた方が良い場合があります。
ママの心と身体
出産の後には、ママの体の中で「子宮を元に戻して育児をするために健康を取り戻す」ように回復をする大切な期間でもあります。中には、初めての赤ちゃんだけでなく、上の子どもさんがいる場合もありますね。
そうすると、なかなか自分の身体に手をかけてあげられないのが現状だとは思います。しかし、妊娠中~出産後のママの体を大切にケアすることは赤ちゃんのためでもあり、パパになった旦那さまのためにもなることなので、家族の協力をもらって自分の身体を労わるようにしましょう。
そこで予防するための方法として、次の記事を参考にしてみてくださいね。
ママの体のお手入れ
普段の乳房のお手入れをすることが少しでもトラブルを防ぐ方法となります。入浴時に自分の乳房を見てお手入れをすると、温かいうえに毛穴も開きます。乳腺炎の予防としても乳房の衛生を保つことは大切ですので、意識して乳輪から乳首等を清潔にしていきましょう。
また、ポイントとしては、普段の生活の中で「お肌のお手入れと一緒にする」という形が効果も上がり、簡単に行いやすい予防法でもあるのでおすすめです。
白斑(はくはん)について
乳腺炎になるまえの状態でもありますが「白斑」というのがあります。白斑とは、乳腺の出口が詰まり乳首に「白い脂肪分の塊」が出来てしまうことが原因となり、しこりが発生してしまうことです。
これは、乳首の白斑が取れてくると母乳が詰まらなくなるため、しこりも小さくなっていくのです。入浴の際には、ボディーチェックで白斑がないか確認をして、もしあると気が付いたら早く取れるようにしましょう。(※白斑ひどくなると乳腺炎に繋がります)
また、白斑と言っても「尋常性白斑(じんじょうせい はくはん)」とは全く異なるものなので混同しないようにしましょう。(※尋常性白斑とは、皮膚が白くなる皮膚科や免疫に関する科の疾患となります)
乳房マッサージ
母乳の出方をよくするためや、白斑を起こさないためには乳房マッサージが有効なことがあります。特に左胸は心臓の近くにあるため、赤ちゃんを抱くことが多く母乳の出方も多いと思いますので、偏らない授乳も大切です。
また、一度白斑になってしまうと白斑になる前のものが多く存在している可能性が大きいので気長にマッサージをしていきましょう。
熱めのお湯で作った「おしぼりタオル」で乳房を温めてから、柔らかくする母乳マッサージをすると母乳が詰まらないうえに、母乳が出やすくなるため赤ちゃんにとっても満足のいく授乳タイムとなります。
母乳がたくさん出る人は、搾乳器を使う人もいるかもしれませんが乳腺を傷つけてしまう恐れもあるため、出来るだけ人の手でマッサージをするようにしましょう。
簡単な方法
お風呂で乳房が温まったら、軽く全体を揉みほぐします。乳首の先を軽くつまんで母乳の出口の汚れを押し出します。この時に決して無理やり強く引っ張らないようにしましょうね。(※角栓を取るようなイメージです)
どうしても自分で難しい場合には、大切な乳房を傷めるよりも出張助産師さんなどにお願いをする方が良いでしょう。(※揉みすぎや、乳首をつまみすぎるとかえって傷めることがあります)
お風呂は最適な空間
入浴をすることは、乳腺炎を未然に防ぐ「マッサージで対策をするのに良い場所」です。お風呂で身体が温まるとお手入れが出来るだけでなく、血行が良くなるので肩こりや一日の疲れを取ったり、ストレスを和らげたりと良いことがいっぱいです。アロマオイルを入れるバスタイムもリラックス効果があるのでおすすめです。
長時間の入浴は、さらに乳房の張りに繋がりますので、夏場ならシャワー、冬場なら風邪を引かないように最短で身体を温めるようにすると良いでしょう。
心の休養
乳腺炎には、白斑の詰まりや感染だけでなく、ストレスや生活リズムの乱れも影響してきます。心身に疲れが溜まってくると新しい細胞を作るような活性化に支障をきたしてしまうのです。そうなると、健康的な質の良い母乳を作ることが難しくなってしまいます。
心の不安や緊張は、身体に大きな影響を与えてしまうのです。たまには、赤ちゃんを預けて夫婦で温泉に行ったり、お友達や実家へ電話して「おしゃべりをする」だけでも気持ちが楽になってきますね。
母乳と下着
下着は合ってますか?妊娠~出産にかけて身体は大きく変化していきます。赤ちゃんの栄養源となる母乳を守るため、身体にあった授乳用のブラジャーを選ぶようにしていきましょう。
母乳が漏れた時のためにパッドもまめに取り換えるように気を付けてくださいね。(※漏れた母乳は傷みやすいので感染を考えると衛生面でもよくないです)
ママの食事と生活
毎日の生活で食事は本当に大切ですが、食べ物の質も大きな影響を与えます。脂肪多いスナック菓子類や甘いジュースばかりを取ることは控えましょう。ママが食べるものが赤ちゃんの体に入っていくのですからね。
もちろん、夜更かしや飲酒、たばこも我慢してください。
葛根湯 (かっこんとう)ってなに?
漢方薬を使う医師も増えているように、漢方薬には良いことが多いですね。中医では病気の手前を「未病」といいます。乳腺炎になってしまったあとでも、乳腺炎の手前でも、この葛根湯は良い効果を発揮してくれます。
もちろん漢方薬なので「即効性」は期待できませんが、この葛根湯は、基本方剤である桂枝湯(桂枝・芍薬・生姜・大棗・甘草)に葛根・麻黄を加えたものです。
このうち芍薬(しゃくやく)という成分は、解熱鎮痛作用があるので化学薬品より、身体に優しいと言えますね。
赤ちゃんの卒乳と離乳食
赤ちゃんの離乳食は、3ヵ月程度から始まりますが、出来るだけモグモグできるようなものを食べさせてあげてくださいね。家でなら軽くゆでたり、電子レンジでチンした野菜をすりつぶすなどで対応できますが外出先では困ることもあるでしょう。
外出先に離乳食があるお店があると良いのですが、そんな時には赤ちゃん用の離乳食を常備しておくと助かりますね。赤ちゃんコーナーにあるようなレトレトや瓶詰でも大丈夫です。将来、好き嫌いがないように色々な味や食感を体験させてあげましょう。
今日の学び
では、今日を振り返ってみましょう。
- 乳房に痛みや張りを感じたら「乳腺炎」の可能性が高い
- 高熱が出る時には急性化膿性乳腺炎で抗生物質が必要なときがある
- 授乳中であることを相談して薬の服用は医師の指示通りする
- 白斑がひどくなると乳腺炎になることがある
- 乳房マッサージをして自分の身体のケアをしっかりしておく
- 和食を中心とした規則正しい食生活を心がける
赤ちゃんとの生活は楽しいけど大変な時も多いですね。睡眠不足にもなりがちなので適度にお昼寝等で身体を休息させることも必要です。
関連記事として、
・副乳って何?症状や原因、診断方法を知ろう!手術で治療することができる?
これらの記事を読んでおきましょう。