生理が終わった後に出血することがありませんか?生理による出血なのか、生理とは全く関係のない出血なのか、病気なのか否か、それは検査をしなければわかりません。
放置をしてしまう人もいますが、下手をすると、生殖器の病気であったり、不妊症になる可能性もあります。見ていくととても恐ろしいものが原因として挙げられます。
では、どういった原因があるのか、どのように対応していくと良いのか、見ていきましょう。
不正出血とは
不正出血の原因を知る前に、不正出血とは何なのか、症状や量、不正出血の期間について触れていきます。
まず、不正出血とは、月経の期間以外に性器から出血する事を言います。
年齢は関係ない
不正出血は、初潮を迎える10歳代(早いと10歳未満)や、生理が安定してくる⒛~30歳代にも起きます。
更年期障害が起き始める40歳代や50歳代の女性にも起きます。
不正出血の症状
不正出血は、女性全体の約6割が経験をし、更年期には増加するとされています。それは、次から記述する機能性の原因でわかります。
不正出血の症状は、鮮血が多いことや、おりものが茶色い、おりものに血が混在しているといったことが挙げられます。
出血の期間や量は、例えば「量は多いけど生理が1日で終わる」、「生理が2回あるように思う」、「生理がいつもより短期間で少量だった」、「大量の出血がやたらと長い期間続く」、など、人によって異なります。少量出血と大量出血を交互に繰り返して生理が12日間以上続く場合もあり、個人差があります。これを不正出血ではなく、通常の生理だと勘違いするケースは多いです。
その他の症状は、下腹部痛や腹痛、腰部の鈍痛、吐き気などが挙げられます。
これらの不正出血は、病気である場合(器質性)と、そうではない場合(機能性)があります。次に、これらは何が違うのか、それぞれどういった不正出血なのかについて説明していきます。
機能性出血の原因と症状
不正出血には、器質性と機能性の2種類のタイプがあります。双方共に、原因や病状が全く異なるため、それぞれを分けて説明をします。
機能性の不正出血は、女性ホルモンのバランスの乱れや更年期に生じるタイプです。更年期女性であれば、誰しもが経験をするような自然な現象とも言われるため、大きく心配する必要はありません。では、最初に、機能性について説明をしていきます。
骨盤の歪み
比較的、10代~⒛歳代前半の若い年齢の女性では、生理の出血は生理の期間のみに起きます。しかし、年を重ねて骨盤の歪みが原因となり、生理の際に骨盤が十分に開かず、経血がスムーズに排出されなくなり、生理後に子宮に残存した経血が出血することがあります。
骨盤の歪みは、特に体がある程度老化する20代後半に起きるとされていますが、個人差があります。
昔から、足を組んで座ったり、いざり座りや猫背になる癖がある人は骨盤が歪みやすいです。また、元々スポーツや筋トレを良くするような運動をしている人は骨盤が歪みにくいですが、全く運動をしていない人では筋肉がしっかり骨盤を支えることができず、歪み易くなります。
女性ホルモンのバランスの乱れ
更年期になると、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌量が急に減少します。これのようにホルモンバランスが乱れると、子宮内膜が剥がれて出血したり、排卵の機能が低下していき、機能性出血を引き起こして、不正出血や生理不順が起きます。
女性ホルモンが乱れる原因は、更年期症状によるもの以外に、身体的にも精神的にもストレスがかかっている場合や、疲労が強い場合、体が冷えこんでいる時も挙げられます。
つまり、更年期障害による女性ホルモンの減少は、ストレスや疲労、冷え込みは関係ないということです。更年期障害によるもの以外の原因は、器質性に含まれます。
閉経
閉経は女性特有の状態です。男性は性器が使えなくなることはありませんが、女性は妊娠するための機能を無くさせる「閉経」の時期がきます。
閉経をすると、一気に女性ホルモンのバランスが乱れるため、これが不正出血の原因となる可能性があります。生理が来なくなって何か月も経つが、出血した、という場合は不正出血が考えられるでしょう。
閉経は、30歳代後半になる人もいれば、40歳代、50歳代でなる場合もあり、個人差があります。
卵巣機能不全
卵巣機能不全は、無排卵性月経や黄体機能不全といった卵胞ホルモンや黄体ホルモン分泌に関与する部位の不調によって起きます。いずれも、女性ホルモンの分泌に関与する、脳下垂体や卵巣の作用が低下していることが原因です。
無排卵月経は、出血がダラダラと続きます。黄体機能不全は、月経前に少量の出血が続く状態です。
中間期の出血
機能性出血には、月経と月経の間に出血をする中間期出血があります。これは、排卵期に卵胞ホルモンの分泌が一時的に低下することで起きます。毎回、排卵日の時期に出血する場合は中間期出血の可能性があります。
中間期出血は、生理的な現象であり病気には含まれないため、特に心配する必要はありません。しかし、気になる人は基礎体温のチェックを定期的に行ったり、医療機関の専門医に相談すると良いでしょう。
甲状腺ホルモンの異常
確率としては低いパターンが、甲状腺ホルモンの異常による機能性の不正出血です。
不正出血のほか、頻発月経や過少月経、無月経といった症状が見られることもあります。
ほとんど一時的な症状
不正出血に加えて下腹部の痛みや吐き気が起きるといった症状が見られるのは一時的であることが多いです。
これらの原因がなくなったと思われる時にも症状が継続していたり、状態が悪化しているようであれば、早めに病院へ受診しましょう。
妊娠初期の出血
妊娠初期には、少量の出血が起きる場合があります。いつもよりも月経の量が少ないのであれば、妊娠している可能性があります。
妊娠後のトラブル
妊娠した後は、誰しもが通常の流れで出産できるとは限りません。特に、ピルを使用している人は注意が必要です。ピル等のホルモン剤の服用を中止してから2ヶ月以上経過しても月経がない場合、あるいは、ピル等の何らかのホルモン剤を元々服用していない通常の状態で、2ヶ月以上月経がこない場合は、妊娠をしている可能性が高いです。
その時期に腹痛を伴う不正出血が続く時は、流産、切迫流産や子宮外妊娠をする可能性があります。様子を見ずに、早急に産婦人科の専門医がいる病院を受診しましょう。
ホルモン剤の服用による不正出血
ピルやその他のホルモン剤は、生理不順や月経困難症、避妊治療に用いられます。ピルの飲み忘れや使用方法を間違えると、不正出血が起きることがあります。
また、ピルの服用によって月経をずらすことは可能ですが、これによって不正出血を引き起こすこともあります。自己判断で止めたり、飲み忘れで飲む日を変えるようなことは避けましょう。何か間違えてしまった場合は、早急に担当医に相談しましょう。
器質性出血の原因と症状
器質性の不正出血は、子宮や膣など、性器に病気や状態の異常な変化が起きることで生じます。器質性の病気には、良性の病気として子宮筋腫や子宮内膜ホリープ、子宮腟部びらん等があり、悪性の病気として、子宮筋腫、腟がん、子宮体がん、子宮頚がんといった子宮がん等が挙げられます。
これらの状態の変化や病気に伴って不正出血が起きます。これから紹介する状態の変化や病気の他に、全身の病気や血液の病気が不正出血の原因となる可能性もあります。では、それぞれの状態や病気について簡潔に説明をしていきます。
この状態が見られたら検査をする
鮮血の量が多すぎたり、少なすぎたり、色が赤ではなくピンク色をしている場合や、茶色の時は注意が必要です。
症状は一定ではありませんが、病気の可能性があります。早めに医療機関に行き、検査を受けましょう。
子宮内膜ポリープ
このポリープは、子宮内膜に出現する良性腫瘍です。増殖する子宮内膜の一部がポリープ状となり、子宮内腔に突出して出血します。
子宮粘膜下筋腫
俗に言う子宮筋腫です。子宮の構成物には筋肉も含まれます。この子宮の筋肉の筋層から子宮内腔に向かって突き出る筋腫を子宮粘膜下筋腫と言います。
これは、月経時の出血が多くなり、不正出血もよく起きます。
子宮内膜症
子宮内膜に細菌が入り込んで炎症が起きると子宮内膜炎になります。
下腹部痛や腰痛、発熱が生じ、おりものには膿(うみ)が混在します。
卵巣腫瘍
卵巣に生じる腫瘍です。原因は不明であり、年齢に関係無く発症する可能性があります。
子宮がん
40歳以降の女性は、特に子宮がんになりやすくなります。子宮がんには、子宮体がんと子宮頚がんがあります。これらは、癌の発生の原因も部位も異なります。
・子宮体がん
この癌は、子宮体部の子宮粘膜から発生します。自覚症状は、不正出血や血性のおりものです。原因は、女性ホルモンの分泌量やその他の分泌物のバランスが乱れることです。
・子宮頚がん
この癌は、子宮の入口~頸管に発生します。ヒューマンパピローマウイルス(HPV)の感染が関与しているとされています。
HPVは、主にHPV16、HPV18型などが原因として挙げられています。性交渉を経験している女性の全体の約8割は、感染している可能性があります。これは、子宮頚癌の元となる菌を男性の性器が保有しているためです。
HPVは、感染後に自然消滅しますが、感染を継続すると子宮頚がんを発症しやすくなります。性交渉に関わる仕事をしている人は特に、子宮頚がんを発症しやすくなります。
子宮頚管ポリープ
子宮経管の粘膜が増殖すると発生する良性の腫瘍です。
膣内に突き出ることがあり、少しの刺激でも出血し、不正出血として体外へ流れ出ます。
特に、性交渉の際に擦れて出血する場合が多いです。
子宮膣部びらん
子宮腟部は子宮の出口で、この部分が赤くただれるような形状になります。これを子宮膣部びらんと言い、多くの女性に見られます。
これは、「病気」ではなく「状態」を言います。子宮の出口がただれることで分泌物が多くなり、出血が起きる可能性があります。特に、性交渉の際は出血・感染・炎症を起こしやすいです。
20歳~30歳代では、分泌が活発になることは多いですが、子宮がんの可能性は極めて低いです。
膣炎(ちつえん)
膣炎の原因や種類は多数あります。代表的なものでは、カンジダ膣炎やトリコモナス膣炎が挙げられます。カンジダ膣炎は、カッテージチーズの様なおりものが増加する現象が起きます。
トリコモナス膣炎は、トリコモナス原虫という虫によって生じます。膣が萎縮する萎縮性腟炎もあります。
膣がん
膣壁に発生する癌です。性交渉をすると、膣内の壁に強い摩擦が起きると、炎症や感染、出血の原因となります。
治療と対策・予防方法
不正出血が起きた時、どのように対応をすると良いのか、どのような対策をとっておくと不正出血を予防することができるのか、それらの方法について、紹介をしていきます。
婦人科系の病院の受診
上記の原因を見て、自分に当てはめて、「これの」可能性はあるかな?などと判断することはできますが、確定診断は自分ではできません。
出血をしているというだけで、病気かどうか、本当に体が大丈夫なのかどうかを自己判断することは避けましょう。病気も徐々に進行しているとわかりません。不正出血が起きる病気はたくさんあります。適切な検査を受けて原因を突き止める必要があります。激しい腹痛や大量の不正出血、吐き気や下腹部の痛みなど、特に異常が強い場合は早めに受診しましょう。
また、年に1回は定期健診を受けるようにすると、病気の予防にも繋がります。状態によっては、がん検査が必要なこともあります。
基礎体温表をつける
基礎体温表は、診断をつける上で重要な参考書類になります。
月経不順もなく安定している人も念のために記帳しておくと良いですが、特に、月経不順と不正出血の区別がつかない人は、適時、基礎体温表を記帳しておくと、検査や治療が行いやすくなります。病院へ受診する際には、持参して医師に提示しましょう。
骨盤ケア
骨盤の理想の状態は、必要な時にスムーズに開閉することです。骨盤の歪みや筋力の低下は、妊娠においてもダイエットにおいても大切なことです。
この骨盤の動きが悪い時は、子宮内に経血が残る場合があります。骨盤の動きを良くするためには、骨盤底筋の筋力トレーニングがおすすめです。肛門から腟へ向かう筋肉を意識してゆっくり力を入れ、数秒かけて力を抜くという方法です。
こうすることで、ボディラインを綺麗に作ることもできます。
生理用品を常備する
特に、更年期の女性は不正出血や生理不順が起きやすいため.いつ出血するかある程度余地することが難しいです。
生理用品を常備しておくと、外出先で出血しても直ぐに対応ができます。
更年期は特に食事の栄養バランスに気をつける
ホルモンバランスの乱れは、極端に肉類や油物を摂取すると悪化しやすいです。疲労やストレスも蓄積されやすいです。消化吸収、代謝の良いバランスの整った食事を摂るように心がけましょう。
更年期の不正出血の対処法として押さえておくポイントは、エストロゲンのホルモン分泌の減少を予防するような栄養を摂取することです。自律神経バランスの調整など、エストロゲンの分泌の活性化やエストロゲンと同じような働きをしてくれる大豆イソフラボンやサボニンが含まれている高麗人参がおすすめです。
サボニンという成分は、自律神経の調整やホルモン分泌の量を増やそうとするほか、血流の改善やコレステロール値の低下、肥満予防、抗酸化作用といった働きも期待できます。不正出血のほかに生活習慣病の予防にも役立つ可能性があるということです。
おすすめの人気サプリ
更年期の女性におすすめのサプリは、サボニンが含まれている高麗人参が組み込まれている高麗美人というサプリです。これは、高麗人参を使用していることで、他の人参よりも含まれている栄養価が高く、98種類の栄養が含まれています。いずれの栄養成分も女性の健康には不可欠なものです。リピート率も高く、人気があります。
もちろん、きちんとした食事をした上でサプリを飲む意味があります。偏食や外食が多い人、ライフサイクルも乱れている人は、それらも改善しつつサプリを試してみると良いでしょう。症状も回復も様々な要因が相乗して起きます。サプリは効果・効能を謳える万能な薬ではなく、食品です。一度全てを見直して試してみると、何か変化を得られるかもしれません。
まとめ
上記のことより、不正出血には年齢によるものもあれば、病気の可能性も考えられることがわかります。
きっと大丈夫だろうと安易に見ていると、病気が進行したり、取り返しのつかない末期癌になってしまったり、不妊症になる恐れがあります。
少しでもおかしいと感じた場合には、早期に病院へ受診するようにしましょう。
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