副乳の症状や原因、診断方法を知ろう!手術で治療することができる?

副乳とはどのようなミルクなのでしょう?ミルクではありません。副乳とは通常の乳房の他に、乳房が存在している状態のことを言い、女性だけでなく、男性にも存在しています。女性は5%男性は2%副乳を持っている人がいます。また新生児のような赤ちゃんでも、副乳のある赤ちゃんがいます。

哺乳動物は犬や猫にも見られるように、一度に5~6匹の赤ちゃんに、お乳を与えている光景を目にします。見た方もおられると思います。哺乳類は沢山の子供を出産して、育てるために幾つもの乳頭があるのです。哺乳動物の乳頭の並ぶ道筋ラインを「ミルクライン」と言います。

牛には左右2対で4個、犬は4対で8個、猫は5体で10個あります。それでは同じ哺乳類の人間には幾つあるのでしょう。人間の乳房は通常左右1対2個になっています。人間が進化する過程で2個になったもので、これは他の哺乳類と同じで、人間にも複数の乳房があったと推測され、退化しきれなかった乳房が副乳として、現在も残っている人もいるということです。

副乳とは

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哺乳類の動物の乳房には、複数の乳房が存在していて、副乳は人間の進化と共にその乳房が、退化したものが副乳として、現れる人もいるという訳です。日本でみられる頻度は、2~22%と結構多いようです。

副乳のタイプ

副乳には色々なタイプがあります。乳腺組織が今も残っている「副乳線(多乳房症)」や乳頭だけが目立っている「副乳頭(多乳頭症)」さらに乳輪だけが残っているものなどあります。

副乳は乳腺堤と言われる、弓状線のラインがあって、このラインをミルクラインと呼んでいます。このミルクライン上にあれば、どの場所でも副乳ができる、可能性を秘めているのです。ですから副乳ができる部分は、人によって様々です。ミルクラインの片側だけに、いくつもできたり、母乳の周辺にできたり、新生児にできていたり、男性にできていたりと色々なケースを見ることができます。

副乳に気が付くとき

女性が副乳の存在に気が付くときは、どの様な時なのか探ってみました。

思春期

女性は思春期になると「ホクロ?」「イボ?」と思って様子をみたり、副乳の情報をさがしたり、皮膚科に受診したりいたします。「イボ?」と思って受診する人が、意外に多いようです。これが副乳であると気が付く最初になる人もいます。

副乳は乳房が膨らみ始める思春期や、妊婦時に気が付く場合が多いのは、女性ホルモンの影響を、乳房と同じように副乳も受けるからなのです。ホルモンバランスが崩れやすく体が大きく変化するときに、気が付く人が殆どです。

妊娠期

また女性が妊娠期になると、多くの女性がこの副乳の、位置に気が付くことがあります。左右両方にある乳房の他に、リンパ節に近い、わきの下やその付近にできる乳房に気が付いて、エストロジェンの作用で色が濃くなって、ビックリされる人がとても多いです。

妊娠を機会に気が付いて、助産師さんや看護師さんに尋ねたり、妊娠健診の時に相談される妊婦さんや、妊娠後期に乳房が張る様になって、初めて気が付く人など、様々な人がいます。

妊娠するとホルモンの影響で、メラノサイトという色素細胞が、刺激されるようになります。これは妊娠すると、エストロゲンやプロゲステロンの女性ホルモンが、大量に分泌されることになるためです。この様にメラノサイトが刺激されることで、色素が濃くなったり、またエストロゲンの影響で、胸や乳房が張ってきたりして、身体の変化が起こることで、余り今まで意識していなかった、副乳に初めて気が付く人が、とても多いように思われます。

また母乳が出てくる産後3~4目ごろの授乳期の頃から、正常の母乳の乳腺と同じように、副乳線も成長します。ゴルフボールの様なしこりになり、腫れるようなこともあります。

生理

女性は生理が近づくことで、生理前のホルモン分泌が、多くなる黄体期の時期に、副乳線が痛みを伴ったり、腫れたりすることが稀にあるのは、黄体期に入る期にホルモンのバランスが崩れて、急激に体が変化するためです。

これは正常乳腺と同様に、乳腺組織が副乳線にもあるために、ホルモン分泌が行われ、女性ホルモンが出されることで、それに反応して副乳も、その影響を受けることになります。

その為女性は生理前になると、体の変化とともに、副乳線が腫れたり痛くなったりする症状が起こるため、初めて副乳のあるのに、気が付く人もいるそうです。

副乳の原因

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副乳の原因を紹介します。

副乳の原因のできる過程

人間の場合乳房は、母体のお腹の中にいる、胎生6週目ごろには、乳腺堤ができ、ライン上に乳腺の基となる7~9の「乳腺元基」ができ始めます。そして胎生9週目頃には、一対の乳房が成長して、次第に正常な乳房へと、発達して通常の乳房になります。通常脇から大腿の根本まで乳腺堤ができています。

通常は残りは退化していくのですが、この時消えないで残って発育した、乳房が副乳となっているのです。胎児の中で副乳の原型が作られ、胎児の成長と共に、進化を遂げていくのです。この様にお母さんのお腹にいるときに、おっぱいの素となるものができているのです。副乳は身体の変化が著しく出る、出産や妊娠時に初めて気が付く人がとても多いです。

この様に1対の乳房だけ成長し続けて、残りは消えていきます。そのため多くの場合、目立たなくなり、ほとんどの方が副乳の存在に、気が付くことができないのです。

母乳の仕組み

副乳の元である母乳の仕組みを、ご存知かもしれませんが、おさらいの意味で母乳の仕組みについて見てみます。母乳には2つの女性ホルモンが、なんといっても大きくかかわっています。それはプロラクチンとオキシトシンです。

女性ホルモン・プロラクチン

血液を材料に母乳を作る様に、命令するのがプロラクチンです。このプロラクチンは母乳を分泌する女性ホルモンの一つです。脳下垂体の前葉から分泌されます。乳腺を刺激した母乳を、作る様に、プロラクチンは命令をします。プロラクチンはどのように、分泌されるかと言いますと、赤ちゃんが乳首をすう刺激で分泌されるのです。赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことが、母乳を沢山だすことになります。

プロラクチンは赤ちゃんが、おっぱいを吸う刺激だけでなく、母乳を作る様に命令を出す場合、そろそろ母乳の時間かな?赤ちゃんがおっぱいを欲しがっている、愛おしいと思うだけでこの女性ホルモンは分泌するのです。ですからこのプロラクチンは、愛情ホルモンともよばれています。

女性ホルモン・オキシトシン

一方オキシトシンは脳下垂体後葉から分泌される、これも女性ホルモンの1つです。このオキシトシンは、母乳を運ぶ役目の働きをしています。乳腺の周りの胸の筋肉をキュッと収縮させ、母乳を乳管に押し出すとき、副乳も刺激され大きくなることもあります。このホルモン分泌は、赤ちゃんが乳首を吸う刺激で、母体を回復させ産後の、子宮の筋肉も収縮させる働きを、このオキシトシンの女性ホルモンは果たしています。

この様に出産育児をすることは、この女性ホルモンのオキシトシの分泌を盛んにして、愛情ホルモン、幸せホルモンに包まれて、光り輝く幸せのホルモンシャワーを、浴びることができます。これは出産して赤ちゃんを授かり、その赤ちゃんを育てるための、おっぱいがあるためにできるママたちの特権です。妊婦になる幸せを、出産する幸せ、育児をする幸せを、十分味わうことができるでしょう。

乳房組織の退化

研究家の中でも人間には、もともと乳房組織が9対ある、という人もいるそうです。新生児にも副乳が見られるのは、乳房組織の退化の程度によって、副乳として残っている人もいるためです。新生児の場合は副乳から、お乳が出る場合があるようです。

副乳の残存状況も様々で、片側だけに確認できるものや、左右両側やまた男性にも見られて副乳を確認できる人もいます。

副乳の症状

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副乳の症状について記載します。

副乳の変化

生理前に胸の張りを感じたり、副乳のしこりが大きくなり、痛みを伴ったりすることがあるのは生理のところでも書きましたが、女性ホルモンのバランスが崩れるためです。

また妊婦時には女性ホルモンが分泌される影響で、副乳の色が濃くなったり、いつもより大きく膨れたりすることもありますが、これは一時的なもので、授乳が終るころには、妊娠出産以前の様な、身体の状態に戻りますので、多くの場合心配はいりません。

母乳が出る?

副乳から母乳が出る?そうお乳が出るのです。副乳といえども退縮した乳房ですが、乳腺堤上にあるため、乳腺組織ができる可能性は十分にあります。通常の乳房と同様に張りを感じたり乳が出たりします。

どの様な時かと申しますと、産褥期や授乳期など、乳腺組織が活発に活動するときなどに、起こることがあります。この場合母乳のお乳は少量です。

痛みがあるとき

母乳が出る乳口がない副乳が多いですが、これらの副乳は乳腺を引き起こす可能性があります。それは乳口がないために、中に乳汁が溜まってしまうため、中で炎症が起こり乳腺炎を、引き起こす結果になってしまうのです。

しかし乳腺炎は保冷剤などの様なもので、患部を冷やすと一時的に止まりますが、何度も繰り返されるときは、専門医に相談してください。

副乳の痛みの対処

保冷剤をガーゼに包んだりして、保冷剤などが直接肌に触れないように注意して、副乳の腫れた患部を冷やすことで、妊娠中に副乳が腫れたり、痛みを感じたりした症状が、でた場合は対処してください。

また痛みが気になって、頻繁に副乳を意識して触ったりしていますと、痛みが増してしまうことや、感染症を引き起こすことがありますので、痛みが気になっても患部を冷やすことで、痛みが消えていきますので、腫れや痛みが出ても余り気にしないでください。腫れや痛みは一時的ですぐに消えていきます。

しかし何度も痛みや腫れが繰り返される場合は、自己判断をしないで、病院を訪れて、消炎剤を処方してもらうなど、医師に相談してください。

脇の下の副乳

副乳が脇のわきの下にあるばあい、副乳多汗症の疑いがある場合がありますが、中々その原因を見抜くことができない場合があるので、医師にそのことも相談すると良いと思います。

副乳のワキあたりから汗をかきやすく、特有なにおいなど感じられる場合には、副乳多汗症の症状を引き起こしている場合があります。医師に伝えて様子を見るか、切除するかは多汗症の症状によって医師に相談することが大切です。

副乳の検査

超音波

副乳の検査にはどのような物があるのでしょうか?

エコー超音波

妊娠中の副乳の検査は、放射能の影響の心配がない、エコー超音波などの検査方法を、選択する方が良いように思います。その理由は乳がんの検査など、レントゲンであるマンモグラフィーは、放射能の影響の心配が微量ですがあります。

副乳だと思っていても、それが副乳でなくて他の病気のこともありますので、妊娠中出産後に乳房の張りや痛みなど、身体の変化しやすいときに、少しでも気になる症状があるときは、自己判断はやめて、医師に妊娠中だと知らせて、乳腺外科の専門の医師に相談することが、大切になります。

副乳の治療

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副乳の治療はあるのでしょうか?副乳そのものの治療はありません。美容目的で美容整形外科で、切除を希望される方もおられます。

新生児の場合以前は出産後乳汁が溜まって、感染を起こすとの理由で切除したほうが良いとされていましたが、現在では乳腺の発育が終わる12、13歳頃が望ましいとされているそうですが、ほとんどの場合は切除しないほうが良いそうです。

副乳の腫れ痛みの対処法

副乳が急に腫れることにより、ママもビックリ!ワキの違和感を感じて、切除手術を考える方もおられるようです。ちょっと待って!このような場合は、炎症している急所を冷やすことで、少しずつ治まってきます。

痛みの対処の方法

副乳が痛みや腫れてきた場合の対処法として、やり方としては保冷剤をガーゼなどで包みます。包んだ保冷剤で患部を冷やします。これを何回か繰り返すことで、腫れが治まってまいります。

もし患部が熱いと感じる場合は、ペパーミントの精油5~6滴を洗面器1杯の水で溶かし、おしぼりを数本洗面器の中に入れて、搾りジップロックでおしぼりを冷蔵庫で保存します。ペパーミントの精油を入れた冷たいおしぼりで、適宜交換しながら何回か繰り返すと、可なり改善されますので一度試してみてください。

痛みが強い場合や症状が、中々治らない場合とか、乳頭がないけど脇が硬くなって、大きさが異常に大きくなっていたりした場合は、漢方薬やホルモン剤などを、投与するホルモン剤治療を行うこともありますので、自己判断せずに、産婦人科や乳腺外科を受診して、アドバイスを受けてください。

手術

どうしても気になって切除したい方は、美容目的の切除となりますので、自由診療扱いとなって、保険が適用されません。治療費も高額となり、美容外科で行われることになります。

稀に母乳が溜まって感染症を、引き起こす恐れがあるために、切除を希望する人もいるようですが、基本的に健康上の問題が、発生するようなことはありません。必要性はないものの、日常生活で困るようなこともないと思います。

手術を行う場合タイミング的には、第二次成長期は乳房の乳腺組織が発達するために、この時期はやめた方が良いです。ですから12.13歳ころまでは、手術は行わないほうが良いです。

除去治療法

副乳の切除手術のやり方を見てみますと、一般的には局所麻酔で行われます。全身麻酔ではありません。副乳は通常脇から、乳頭をへて大腿の付け根まで、乳腺が伸びています。乳腺から副乳部分にかけて、切除手術の方法が行われます。大体時間は30分から1時間だそうです。

レーザー治療や電気分解法などの、方法の手術が行われるのは、小さめの副乳の治療の場合で、その場合1か所で5~10分程度の手術が行われます。

悪性乳がんの可能性

副乳と悪性がんの正確な診断は難しいです。

わきの下など正常な乳房の周りに、副乳と思われるようなしこりや痛みを感じる場合、副乳は乳がんと区別がつきにくく、リンパ節と間違いやすいこともあり、乳房周辺の副乳は、最新の注意が必要となります。まれに乳がんや悪性腫瘍である可能性も否定できないのです。

まとめ

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如何でしたでしょうか?副乳について少しお分かり頂けましたでしょうか?副乳は病気ではありません。

哺乳類の動物に備わったもので、哺乳類の人間の進化と共に、乳腺も進化し1対の乳房となったもので、その進化の過程で、残ったものが副乳として現れている人もいるということです。ですから副乳については、痛みや腫れがなければ、何も気にすることなく、生活をすることが大切です。

しかし副乳と思っても、その他の病気が潜んでいることもありますので、痛みや腫れが繰り返されるようでしたら、自己判断をしないで、専門の相談者に相談してください。

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