眼底骨折ってなに?失明する可能性もある?症状や治療法を知ろう!

眼底骨折は「眼窩底骨折」というのが正式です。「眼窩骨折」「吹き抜け骨折」ともいいます。交通事故やスポーツ、喧嘩などで、眼球に前方から強い鈍的圧力がかかり、眼球を支えている薄い骨が破損することです。

眼窩骨折が起こると、物が二重に見えるようになったり、眼球運動が障害されたり、眼球が陥没したりします。

眼球骨折は、いつ、だれに起こるかわかりません。眼球骨折の原因・症状・治療法と医療機関の選び方について、お伝えしますね。

眼底骨折とは?

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人間は、眼から多くの情報を得ています。眼の病気によって、情報収集が的確に行えなくなる可能性があります。「眼底骨折」は、眼の病気の1つと言えます。

「眼底骨折」は、正式には「眼窩底(がんかてい)骨折」といいますが、眼科医の中にも「眼底骨折」という方がいます。「眼窩(がんか)骨折」「吹き抜け骨折」ともいいます。

まず、眼底骨折(眼窩底骨折)の基礎知識からお伝えしますね。

[眼球を支える骨]

眼球を支えている眼球周囲の骨を、医学用語で「眼窩」といいます。眼窩は、蝶形骨・前頭骨・頬骨・篩骨・涙骨・上顎骨など、多数の骨がつながって構成しています。眼部の底になる骨と考えてもいいですね。

そのため、眼球周囲の骨が骨折した場合は、大腿骨骨折とか鎖骨骨折とか個々の骨の名前で呼ばず、どの骨が骨折しても、眼窩底骨折とか眼窩骨折と呼びます。

眼窩周囲の骨は、厚さが0.5mm以下で、とても薄い骨です。外から力が加わると、すぐに骨折します。

上顎骨と口蓋骨

顔面の頭蓋骨の中で、中央部に位置する最も大きな骨が、上顎骨です。上顎骨は左右の頬骨とつながり、鼻腔側壁や鼻腔底、眼窩底を形造っています。

口蓋骨は、上顎骨と蝶形骨にはさまれた左右一対の薄い骨です。上顎骨や蝶形骨、篩骨に接して、眼窩底の後ろの部分となっています。

[眼窩底骨折の種類]

眼窩底骨折は4つに分類することができます。

①眼窩内側壁骨折

眼窩の内側の壁となる骨が骨折することです。

②眼窩下壁骨折

下側の眼窩壁となる骨が骨折することです。

①と②では、物が二重に見えること(複視)が起きる可能性が高いので、「吹き抜け骨折」といいます。

③眼窩外壁骨折

外側の眼窩壁となる骨が骨折することです。

④眼窩上壁骨折

眼窩の上側の壁となる骨が骨折することです。

[眼窩底骨折の原因]

眼窩底骨折は、眼球部が前方から鈍的外傷を受けて起こります。

眼球部が前方から硬い物で強く押されると、眼球は逃げ場がないので、眼窩の内圧が上昇します。眼球周囲の骨は0.5mm以下の薄い骨なので、内圧上昇に耐え切れず、骨折が起きます。特に、眼窩の内側や下側の壁となる骨は、極めて薄く、骨折しやすいのです。

眼窩下側の骨が骨折すると、眼球を動かす筋肉が骨折部に挟まれたりして、眼球運動障害が起きたり、眼球がうまく動かせないために複視が起きたりします。

眼窩底骨折の原因は、事故・スポーツ・喧嘩などです。交通事故などの事故による眼窩底骨折は、だれにでも起こります。男女の差もありません。ただ、スポーツや喧嘩が原因となる眼窩底骨折は、男性の方が多いようです。

①事故

交通事故に遭ったり、転んで何かに顔をぶつけたり、うっかり何かが顔に当たったり、事故により、眼窩底骨折を起こすことが、よくあります。

高齢者は足下が不安定で、歩行中に転ぶことが多くなります。転んで、地面に顔から突っ込んだり、何か硬い物にぶつかったりして、眼窩底骨折が起こります。転倒すると、手首や上腕、大腿骨頸部に骨折が起きたり、腰椎に圧迫骨折が起きたりすることも、多くなります。

交通事故・墜落事故などでも、骨折は眼底骨折だけではありません。骨盤底の骨折や四肢の骨折、肋骨や脊椎骨折もよく起こります。

②スポーツ

ボクシングや空手、球技などのスポーツでも、眼窩底骨折が起こる可能性は高いと言えます。

ボクシングや空手、レスリングなど格闘技では、眼球部に拳(こぶし)が当たることがよくあります。格闘技選手には眼底骨折が多いようです。

野球やバレーボール、ラグビー、などでは、ボールが眼球部を直撃して、眼窩底骨折が起こります。

スポーツによる骨折は、眼窩底骨折の他に足の種子骨でもよく起きます。種子骨とは、手足の腱や靭帯の中に発生する小さな骨です。

③喧嘩

喧嘩で、眼球部を殴打されると、眼窩底骨折がよく起こります。

最近は、「喧嘩」というより「イジメ」「集団暴行」で眼底骨折することが多くなっているようです。幼児虐待や家庭内暴力でも、眼窩底骨折が起こります。

(広汎性発達障害)

「広汎性発達障害」は、自閉症・アスペルガー症候群・トゥーレット症候群・小児期崩壊性障害を含み、0.5~0.9%割合で発生する発達障害です。

重症になると、知的能力に障害が見られます。しかし、知的障害のない高機能広汎性発達障害やアスペルガー症候群では、周囲も本人も発達障害に気づかないことがあります。

広汎性発達障害は、社会性やコミュニケーション能力の発達が障害されます。食事や行動に強いこだわりがあります。他人に対して全く無関心・無反応であったり、他人の気持ちなど考えずに一方的に自分の好きなことをしゃべり続けたり、冗談や皮肉がわからなかったりします。

そのため、クラスメートとトラブルを起こすことが少なくありません。独特の話し方や強いこだわりのために、イジメの対象になることもあります。

広汎性発達障害の児童・青少年が、集団暴行を受けて眼底骨折をする可能性は、高いと言えます。

眼窩底骨折の症状と治療

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眼窩底骨折は、眼球を支える骨が破損しますが、眼球自体への損傷は比較的少ないようです。眼窩底骨折が視力低下・視力障害の直接原因となることは、めったにありません。

治療は保存的治療と手術治療ですが、自然治癒することも少なくありません。

[眼窩底骨折の症状]

①眼の周りの疼痛・腫れ(腫脹)・内出血

強い衝撃・圧力を受けた眼に眼底骨折が起こると、骨折部位の周囲に疼痛が生じます。かなり激しい痛みです。

眼の周りが腫れます。内出血が起こるために、目の周りに黒いアザ・青紫のアザができます。

②皮下気腫

皮下気腫とは、皮下組織に空気が侵入して溜まっている状態です。交通事故や転倒事故、殴打やボールの衝突などで、目の周囲の皮膚に外傷を受けると、そこから空気が侵入して溜まります。

眼窩底骨折が起きているのに鼻をかんでしまい、空気が眼の周囲の組織に入って溜まることがあります。

③鼻出血(鼻汁をかむことは絶対ダメ!)

眼窩底骨折を起こすと、血性の鼻汁が出ることがあります。

眼球に強い衝撃を受け、鼻血が出たり、鼻汁に血が混じっていたりする時は、鼻汁(はな)を絶対にかんではいけません!鼻汁をかむと、骨折部位から空気が眼の周囲の組織に侵入します。そのために、視力障害を起こす可能性があります。

④眼球運動障害

眼窩底骨折を起こすと、眼球の運動機能に異常が生じます。眼球を思うように動かせなくなります。特に上方に動かしにくくなります。そのため、上の方が見にくくなります。

眼を動かすと痛みを感じます。

⑤複視・視野の一部が欠ける

眼窩底骨折のため眼球の運動が障害されると、物が二重に見える複視になることがあります。「視界がグニャグニャになる」と表現する人もいます。

急激に複視が起きると、吐き気が生じ、気分が悪くなります。嘔吐することもあります。頭痛が生じる人もいます。

眼球運動障害のため、視野の一部が欠けることもあります。

⑥頬や上口唇がしびれる

眼窩の下壁には知覚神経があります。眼窩底骨折により知覚神経が損傷されると、頬や上口唇に感覚麻痺が生じ、しびれたような感じになります。

⑦眼球の陥没と変形

眼窩底骨折が起きると、眼球を支える骨が破損されて、破損部分から眼窩内容物の脂肪や筋肉が少しずつ副鼻腔(上顎洞)へ脱出してしまいます。そのため、眼球陥没や変形が生じます。

見た目が損なわれるので、早めに眼窩底整形手術・眼窩底修復手術を受ける必要があります。

⑧視力低下・失明

眼球に鈍的外傷を受けて、眼窩底骨折を起こし、多量に出血した場合、視神経が圧迫されて、視力が低下することが、まれにあります。

眼窩底骨折を起こした部位が視神経に近く、視神経を損傷することがあります。視神経が損傷されると、視力障害や失明が起きる危険性があります。

⑨合併症の網膜剥離

眼窩底骨折を起こすような強い衝撃を眼球に受けると、網膜に裂け目ができ(網膜裂孔)、網膜剥離が起きることがあります。

網膜剥離が起きると、視力が急激に低下し、失明することもあります。

[眼窩底骨折の診断]

眼窩底骨折の診断は、視診・触診・画像診断・視野検査が主となります。

視診・触診・問診

病院の医師は、眼科でも整形外科でも、まず衝撃や外傷を受けた顔面の様子、眼の状態をよく観察します。皮下気腫や腫脹を触診することもあります。

外傷や衝撃を受けた状況について、よく聞きます。交通事故や集団暴行、幼児・小児虐待の可能性があれば、警察へ通報することもあります。

画像診断

単純X線・CT・MRIなどの検査により、画像診断を行います。

(単純X線検査)

費用も安く、放射線被ばく量も少なく、結果もすぐに出るので、必ず行われる検査です。出血している様子もわかります。

(CT検査)

単純X線でわからない骨折もCTならば、発見できます。眼窩脂肪や下直筋の状態がわかるので、患者さんに複視が起きている可能性も察知できます。

眼窩底骨折のため、眼窩脂肪や下直筋の可動性が制限されると、眼球運動の障害が起き、複視になります。

(MRI検査)

MRIでは、磁気で人体断面写真を作成します。放射線被ばくがないので、安心して検査が受けられます。骨だけでなく眼窩脂肪や筋肉の状態をより正確に把握することができます。

視野検査

視野に異常がないか、欠損部分はないか、調べます。

複視については、ヘススクリーンという機械を使用して、ヘスチャート検査を行います。ヘスチャート検査で、目の動きを調べます。

眼球の動きが多少ずれることは、よくあります。5度以上ずれていると、眼球運動障害が起きていると見做します。

交通事故などでは、複視の程度がよく問題になります。きちんと検査を受けておく方が、余計なトラブルを避けられるようです。

眼の癌(がん)との識別

眼の癌でも、複視や視野の欠損、視力障害が起こります。画像診断で、癌と識別することは難しくありません。

[眼窩底骨折の保存的治療]

眼窩底骨折の治療方法は、保存的治療と眼窩底手術・整復手術の外科的治療です。

眼窩底骨折は自然治癒することもあるので、経過観察を行いながら保存療法をすることが多いようです。複視や眼球陥没が起きている場合は、手術しなければ元には戻りません。

保存的治療で回復するには、1ヶ月から半年くらいかかります。特に、頬や上口唇のしびれが消失するのには、時間を要します。

経過観察

眼窩底骨折の程度が軽症で、骨折した部位とその周辺の痛み、内出血によるアザ、腫れ、頬や上唇のしびれくらいで、眼球運動にそれほどの障害がない場合は、経過を観察します。

眼球運動

軽い複視がある場合は、眼球運動というトレーニングを行います。顔の正面に糸で5円玉をつるし、前後左右に振り子運動をさせます。顔を動かさず。目で5円玉の動きを追います。軽症の複視は、眼球運動で回復しますが、2週間行っても回復しなければ、手術する必要があります。

[眼窩底骨折の手術]

眼窩底骨折が重症の場合は、手術が必要です。眼窩底骨折が起きてから2週間以内に整復手術を受けることが望ましいと言います。特に、小児は早めの手術が必要です。眼窩底手術には、入院が必要です。

しかし、複視は、眼窩底手術をしてもすぐに治るわけではありません。人によっては、半年~1年かかることもあるようです。

眼窩底骨折の治療は、気長に行うことが大事です。

手術を必要とする場合

①物が二重に見えたり、視野の一部が欠損したりしている人は、手術が必要です。

②眼の筋肉が圧迫されて、痛みがあり、血圧が低下したり、脈拍がゆっくりになる場合は、手術が必要です。

③骨がひどくずれていて、骨の欠損部から眼窩内容物が上顎洞に脱出している場合は、骨折した部分の整復手術を行います。

④眼球陥没が起きたり、形が変わったりして、顔の外見が変化して、そのままでは不適切と思われる場合は、形成手術を行います。

手術の方法

眼窩底骨折の手術は、骨折した骨の整復手術です。眼窩底手術は通常、全身麻酔で行います。

損傷した骨を元の位置に戻し、眼球や筋肉を眼窩内に戻します。必要ならば、眼球や眼窩内容物が落ちないように固定します。

(骨欠損部の再建)

しかし、眼窩周辺の骨は極めて薄く、整復作業で欠損することもあります。重症の眼窩底骨折では、整復作業が難しくなります。そこで、眼球や筋肉などをきちんと眼窩内に戻して、骨の欠損を再建するようにします。

再建の材料は、自分の骨の骨移植・自分の軟骨の軟骨移植、チタン・シリコン・セラミックなどのプレートです。吸収性プレートという、人体に吸収されてしまうプラスチックのプレートを使うこともあります。これらの再建材料を眼窩内に入れて、眼球を支える土台を作ります。骨移植や軟骨移植で、骨の融合を促進することもできます。

小児は骨か柔らかいので、骨移植やプレートによる再建を必要としません。

(上顎洞バルーン)

上顎洞バルーンという風船のような素材を、鼻腔内に挿入して、眼球を支える方法もあります。挿入期間は2~4週間です。

手術する部位

手術で切開する場所は、医師の手術方針や損傷部位によって異なります。鼻腔内粘膜・口腔内粘膜部・下眼瞼の睫毛(まつげ)沿いの皮膚部・下眼瞼内側結膜部などを切開します。

複視のリハビリ

眼窩底骨折の手術をしても、複視はすぐに治りません。手術後1週間くらいは二重に見えて、頭痛や吐き気など不快な感じが続きます。2~3ヶ月もすると、日常生活に不自由がなくなるようですが、元の視界が戻るには、半年~1年くらいかかるといいます。

複視を治すためには、保存療法で行う「眼球運動のトレーニング」が効果的です。できるだけ眼球を動かすことで、眼球の運動機能の回復を促進することができます。

眼窩底骨折の医療機関

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眼窩底骨折は、眼科で診療を受けるのか、整形外科で治療してもらうのか、迷いますね。もちろん、眼科で治療してもらってもいいのですが、形成外科や頭頚部外科、耳鼻咽喉科で手術することができます。

[まず、救急外来や脳外科で診てもらう]

眼窩底骨折の原因を考えると、多くの場合、救急外来に運ばれます。交通事故・墜落・転倒などの事故、スポーツの事故、格闘技中の事故、喧嘩など、眼底骨折だけではなく、身体の他の部分に外傷・損傷を負っていることが多いので、救急外来が最適です。

脳外科で脳に異常がないか確認してもらう

眼窩底骨折を起こす場合、顔面や頭部に強い衝撃や鈍的外傷を受けていることが多いので、脳外科に運ばれることも少なくありません。整形外科に運ばれることもあります。

顔面や頭部に強い衝撃や鈍的外傷を受けた場合は、脳外科で脳の異常がないか、確かめてもらうことが大事です。

[眼窩底骨折を的確に治療できる病院]

救急外来・脳外科・整形外科で、眼窩底骨折の疑いがあれば、検査で確認してもらい、眼窩底骨折の治療を的確に行える病院を紹介してもらいます。

形成外科専門病院、または、頭頚部外科・形成外科・耳鼻咽喉科・眼科のある総合病院や大学病院がオススメです。

総合病院・大学病院の眼科は手術もできますし、形成外科と協力することもできます。

目の病気なのに、耳鼻咽喉科?

眼窩底骨折の手術は、鼻腔内粘膜を切開して行うことがあるので、耳鼻咽喉科の診療をススメる医師が少なくありません。上顎洞バルーンも鼻腔に挿入します。

頭頚部外科とは?

最近、大学病院や総合病院に設置されることが多くなりました。首から上の部分全体を扱います。口の中、鼻の中・耳の中・眼・気管・咽喉・食道上部・顔面・頭部などを診ますから、耳鼻咽喉科との関連が強い外科です。頭部を扱うと言っても、脳は脳外科で診療します。

病院によって、眼球の手術は眼科で行います。

外見を重視するなら形成外科

眼球が陥没して、顔の外見が不適切なほど変わってしまっている場合は、形成外科で元通りになるように整復手術することをオススメします。

だれでも、見た目は気になりますよね。欠損した骨を再建するにしても、どうすれば外見が良くなるか、形成外科医に相談して手術するのが安心です。

[眼科の診療所やクリニックはNG?]

複視など視界に異常がある場合は、よく知っている眼科診療所や近くの眼科クリニックを受診することが多いですね。手術設備の整っていない眼科の診療所やクリニックでも、眼窩底骨折の可能性があることは十分わかります。

必要なら手術のできる総合病院・大学病院の眼科を紹介できる診療所・クリニックであれば、全く問題ありません。懇意の眼科医とよく相談すれば、気分も落ち着きます。

また、手術を終えて退院した後も、気楽に相談できる医師がいると、焦らずに治療を続けることができます。

[眼窩底骨折の治療費]

眼窩底骨折の治療には、初診料・画像検査費用・医療管理費などかかります。手術となると、手術費・麻酔費・入院費等がかかり、かなり高額になります。

でも、健康保険が適用されますし、限度額認定証や標準負担額減額認定証を医療機関の窓口に提出すると、1ヶ月の負担が自己負担限度額までになります。

[眼窩底骨折が起きている時に、してはいけないこと]

眼窩底骨折の起きている時に、鼻をかむと骨折が悪化します。

眼をこすったり、押さえたりすると、眼窩底の破損部から眼窩内容物が脱出しやすくなります。眼球陥没が起きやすくなります。

まとめ 眼底骨折は早めの治療が必要です

眼底骨折(正式には眼窩底骨折)は、目の前方から強い衝撃・鈍的外傷を受けて、眼窩底の薄い骨が破損される病気です。眼球を支えている骨は極めて薄く、破損されやすいのです。

眼窩底骨折の原因は、事故やスポーツ、喧嘩です。

交通事故・墜落・転倒などの事故で顔面を強く打ったり、ぶつけたりすると、眼底骨折が起きます。交通事故や高齢者の転倒事故では、眼底骨折の他にも重傷を負うことが多くなります。

スポーツでは、野球・バスケットボール・ラグビーなどでボールが眼球を直撃して、眼窩底骨折を起こします。ボクシング・空手・プロレスなどの格闘技選手が、よく眼窩底骨折を起こします。

喧嘩・集団暴行・児童虐待・家庭内暴力でも、眼底骨折が起きます。

眼窩底骨折が起きると、眼球運動に障害が起きたり、そのために複視が生じたりします。眼球を支える骨が破損されるので、眼球陥没が起き、顔の外見が変わることもあります。

眼窩底骨折は軽症ならば、自然に治癒するので、経過観察を行う保存的治療で回復できます。ただし、1ヶ月から半年程度かかります。

複視や眼球陥没、目を動かす筋肉が圧迫されて痛みを生じる場合など、重症の眼窩底骨折は整復手術をしなければ治りません。眼窩底手術は眼底骨折が起きてから2週間以内に行う必要があります。

眼窩底骨折の治療は、軽症の場合は眼科や整形外科で大丈夫です。手術が必要な場合は、形成外科専門病院か、大学病院または総合病院の形成外科・眼科・耳鼻咽喉科・頭頚部外科に行くことをオススメします。

眼窩底骨折の予後は悪くありませんが、複視は手術してもすぐに回復しません。視界が元に戻るまでに半年~1年かかるようです。気長に眼球運動などのリハビリを行うことが大事です。

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