親指の付け根が痛い原因とは?手や足で変わる疾患について

ドアノブをまわす、ペンを握る、車のブレーキを踏みこむなど、私たちの日常生活には無数の動作が存在します。普段は意識せずに行っているそんな何気ない動きが、ひとたび痛みに見舞われるとたちまち苦痛になってしまいます。

こうした痛みは原因を特定するのが難しく、様子を見てもよいものか?それとも受診すべきか?判断に迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは親指の付け根に痛みを生じる可能性のある代表的な疾患とその治療法について概観していきます。

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手の親指の付け根に痛みを生じる疾患

親指

母指CM関節症

これは手の親指の付け根の関節に起こる変形性関節症です。

親指の付け根部分にあるCM関節(第1手根中手骨関節)は、親指が他の4本の指と向かい合いつまみ動作が行えるように大きな動きのある関節です。そのため使いすぎると関節軟骨(関節をつくる二つの骨の端を薄く覆っている軟骨)がすり減ってしまい、進行すると関節の腫れや親指の変形をきたします。母指CM関節症は男女ともに見られますが、閉経後の女性に比較的多いといわれています。

◆症状

・親指付け根周辺の痛み

・つまむ、瓶のふたを開ける、はさみを使うなどの動きで痛みがでる

・CM関節を押すと痛みがある

・親指をねじると強く痛む

・親指付け根の腫れ、赤み、熱感

・症状が進行すると親指の付け根付近が膨らみ、親指が開きにくくなる

・親指の変形

◆対処法と治療

整形外科医の診察・レントゲン検査などを経て診断をあおぎます。親指が痛みを感じる動作を控え、患部を休ませることが最も重要です。また必要であればCM関節を保護する装具や消炎鎮痛剤入りの湿布を用い様子を見ます。医師の判断で注射や外科的治療が行われる場合もあります。

ドケルバン病

これは手の親指の狭窄性腱鞘炎で、妊娠期・産後・更年期の女性やスポーツ・仕事でよく手を使う人に見られます。親指はその動きに関与する2つの腱を持ちますが、それらは腱鞘(けんしょう)というトンネルのような鞘(さや)の中を走っています。

親指を動かすことが多い人の中には、このトンネルの壁の一部に炎症が起き壁が厚くなってしまう人がいます。厚くなった壁は中を走る腱鞘を締めつけるため、腱表面に傷がつき腱鞘がさらにきつく腱を締めつける状態になってしまいます。

◆症状

親指付け根周辺の痛み・腫れ

・手首を下に向け親指を前後に動かしたときに痛みがある

・乳児を抱き頭部を支えるなどしたときに痛みがある

対処法と治療

整形外科医の診察・エコー検査などを経て診断をあおぎます。親指が痛みを感じる動作を控え、患部を休ませることが最も重要です。患部に炎症止めの注射を行うことで痛みの多くは改善されます。また手の安静保持を目的に、着脱可能な装具を2~3週間用いる場合もあります。

注射や固定療法を行っても痛みが改善せず再発を繰り返す時は、厚くなり腱を締めつけている腱鞘を切開し、通りをスムーズにする外科的治療が行われる場合もあります。

ポピー

ばね指

これは指にある靭帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)に生じる腱鞘炎です。腱によって指は曲げ伸ばしをすることができますが、手を握るなどの動作は肘から手の間にある筋肉が担い、腱がその力を伝えています。この力を伝える途中で、指を曲げる屈筋腱が浮き上がらないように押さえているのが靱帯性腱鞘です。

靭帯性腱鞘は指に至りますが、ちょうど腱鞘が終わる指の付け根付近は負担がかかりやすく炎症を生じやすいところでもあります。そのため付け根部分の腱や腱鞘が炎症を起こすと腱鞘炎になり、症状が進むと引っ掛かりが発生して”ばね現象”が起こります。このため”ばね指”と呼ばれるのです。

更年期や妊娠出産期にある女性に多く、またスポーツや仕事などで指を良く使う人にもよく見られるのが特徴です。
◆症状

・指の付け根の痛み、腫れ、熱感

・親指、中指に多いが、どの指にも生じる

・朝方に症状が強く、手を動かす日中には軽減することがある

・症状が進むとばね現象が生じばね指となり、悪化すると指が動かなくなることがある

◆対処法と治療

整形外科医の診察で診断をあおぎます。シーネなどで固定し患部の安静を保ちながら、薬、注射で症状の軽減を図ります。注射は有効ですが、再発することも少なくありません。症状が改善しない時や再発を繰り返す場合は、腱鞘の鞘を開く手術を行います。

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 足の親指の付け根に痛みを生じる疾患

足

外反母趾

外反母趾はつま先が細くなった幅の狭い靴を履くことで生じます。

このような形状の靴は親指の付け根から先を圧迫するため、足に変形を起こしてしまいます。ヒールが高い靴ではつけ根にかかる力が一層増すためさらに状態は悪化します。

外反母趾は中年期に最も多くみられ、つま先を締め付ける靴の着用のほか肥満や筋力低下が原因で起こるものもあります。

◆症状

・親指の付け根の痛み、腫れ

・足の親指の先が人差し指のほうに”くの字 ”に曲がり、つけ根の関節の内側に

 突き出た部分が生じ、そこに痛みが出る

・親指の付け根の突出部を押した時に痛む、靴を履いた時に痛む、靴を脱いだ状態

 でも痛むなど、進行の度合いによって痛みの程度は異なる

・突出部が靴と擦れるために起こる靴ずれから痛みが出ることもある

◆対処法と治療

親指を外に開く体操や外反母趾用装具の着用が状態に応じすすめられます。親指のつけ根がフィットし先がゆったりとした余裕のある靴や、土踏まずが盛り上がったアーチサポートのある靴を選ぶことも重要です。

変形が進むと体操や装具では元に戻ることが難しくなる場合があり、痛みで靴を履いての歩行が困難になった場合は外科的治療が考慮されます。

種子骨炎

種子骨は足の裏(親指の付け根あたり)にある米粒のような形をした小さな骨です。

2つの種子骨の周りには筋肉や腱が集まっており、これらの筋・腱が効率よく動くのを助けています。つま先立ちやけり出し動作が繰り返される人では種子骨への負担が増し、周囲が炎症をおこすことがあります。また種子骨への血行が乏しくなり骨が萎縮してしまう場合があります。

スポーツやヒールの高い靴などの着用で、足に負担がかかった場合に起こりやすいといわれています。

◆症状

・親指の付け根の痛み、腫れ

・軽症・・・長時間の歩行やハイヒールの着用などで痛みが出る

・重症・・・常に痛む (外反母趾が原因で起こるものが多い)

◆対処法と治療

足の裏にかかる負担を軽減する厚く柔らかい中敷き(パッド)の使用が、痛みの軽減に効果的です。親指の付け根に当たる部位をくりぬき患部への圧を減らすなど、状態に応じてパッドを調節することもあります。

また底の薄い靴やつま先立ちになるタイプの靴を選ばないようにすることも重要です。パッドの使用では改善せず、強い痛みが持続し歩行が困難な場合に外科的手術が考慮されることもあります。

痛風

私たちの体の細胞内に存在する核酸は新陳代謝後にプリン体を経て、老廃物“ 尿酸 ”として尿中に排泄されています。

しかしこの尿酸の血液中濃度が過度に上昇すると、関節内に尿酸塩結晶が形成されそれが溶け出す際、強い痛みを引き起こすことがわかっています。これが痛風発作と呼ばれる状態です。腎臓の尿酸を排出する機能が低下や、暴飲・暴食によるプリン体の摂取増加、肥満、激しい運動、降圧利尿剤の服用などが原因になると考えられています。

◆症状

・足の親指の付け根の激痛・赤い腫れ

・足の関節・甲、アキレス腱のつけ根、膝関節、手関節にも激痛発作が生じることがある

・痛風発作前に前兆を感じる人もいる

・耳介に痛風結節や尿路結石が出来ることもある

・生活習慣病(肥満・高血圧など)の合併が見られることも多い

◆対処法と治療

干物や魚卵、レバーなどプリン体の多い食品の摂取を減らし、野菜や豆類中心の食生活に切り替え適度な運動を行うことが大切です。内服薬で血中尿酸値をコントロールする場合は、定期的に血液検査(尿酸値と腎機能検査等)を行います。

痛風発作時には、消炎鎮痛薬、局所麻酔剤入りステロイド関節内注入などで対応します。また発作の兆しを感じた時、起きた発作の鎮静化を図る時にはコルヒチンも有効です。

再発作を防ぐために、服薬は自己中断せず医師の指示に従い続けていくことが大切です。

トマト

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まとめ

シダ

手や足の親指の付け根に痛みを生じる可能性のある疾患として

以下が挙げられます。

・手の親指の付け根に痛みを生じる疾患

① 母指CM関節症

② ドケルバン病

③ ばね指

・足の親指の付け根に痛みを生じる疾患

① 外反母趾

② 種子骨炎

③ 痛風

また加齢による骨・関節の変化関節リウマチでも、手足をはじめとする

身体の様々な部位に痛みを生じることがあります。

痛みを起こす疾患はこの他にも多数存在するため、痛みが強く長引いている

場合は早めに専門医を受診しましょう。

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