鵞足炎とは?治療法・症状・原因・予防法を知りましょう!

鵞足炎(がそくえん)という足が痛くなる症状を知っていますか?おそらくほとんどの人が初めて聞く言葉だと思います。ネットで調べれば、それこそたくさん引っ掛かりますが、そもそもそれほど検索されるほど、知られている病気でもありません。

ただ、スポーツをしている人にとっては、結構聞いたことがあると思います。割と激しい、細かく動く回るスポーツではかかりやすいようです。今回は、鵞足炎について、お伝えいたします。

鵞足炎の特徴

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鵞足というのは、ガチョウの足を意味していて、人の足を後ろ側から見ると、膝の辺りの三つの筋が、ガチョウの足に似ているところから、鵞足炎となったようです。

この三つの筋が、縫工筋、薄筋、半腱様筋といいます。この三つの筋が、運動した時に内側に捻られたり、外側に引っ張られたりする影響で、筋肉や筋が擦れたり、伸びたりすることで炎症を起こすのが、この鵞足炎というわけです。

縫工筋

この筋肉は、股関節から膝関節まで伸びている、人体で一番長い筋肉といわれています。主に股関節の伸び曲げを外側に回す役目をしています。これは、あぐらをかいている時に延びて張っている筋肉です。

薄筋

こちらは逆に股関節を内側に回すときに使われる筋肉です。太ももの内側に細く延びている筋肉で、股を閉じる、歩行時や走行時にまっすぐに動かすように補助をする筋肉です。

年を取ると、この筋肉が硬くなるため股関節が回りにくく、さらに筋肉が固くなることで、動かすと痛みを帯びる可能性があります。

半腱様筋

この筋は、膝を曲げる時、または股関節を回すときに主に使うもので、歩行時もしくは走るときに使われる筋肉で、ハムストリングスと呼ばれています。足の筋肉ではかなり重要なもので、短距離走者はこの筋肉がものすごく発達します。

この筋肉が弱ると、歩行困難などを引き起こします。また、股関節にもつながっているために、足の上げ下げなどにも影響がでます。

鵞足炎の症状

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鵞足炎の症状について紹介します。

炎症

大まかにいいますと、この鵞足にあたる部分が炎症を起こしていることで痛みや、熱を発症することです。

ランニングなど、足を使う運動で、純粋に真っ直ぐ足を出し、ステップを踏んでいくと筋肉や筋、骨も正常に動きます。その際にはほぼ問題はないのですが、各人の走る癖や、方向転換したり、ストップしたりすることで、膝が曲がった状態や、よじれた形で別な方向から力がかかったりすると、筋肉や筋、骨などに負荷がかかってしまいます。

それが度重なったり、過度な負荷がかかると炎症を起こすわけです。ランニングなどの運動や、サッカー、バスケットボール、ラグビーなどが鵞足炎になりやすいスポーツです。

痛みや腫れ

運動する時に、膝の裏側や内側に痛みが生じたり、押すと痛みが生じます。この場合は、レントゲンなどで確認しても、骨には異常などはありません。特に若い人に多く、かなり無理をしている状態のときです。若い人は比較的、上からの強制であったり、自ら痛みを押して運動を行う傾向にあるためです。

さすがに動くだけで痛みが生じると、ようやく医者に行くことになりますが、すでに症状が重くなっていることも多い傾向にあります。

鵞足炎の原因

アメフト

鵞足炎の原因について紹介します。

急な動き

先にも述べました、ランニング、サッカー、バスケットボールなどのスポーツで、急に方向転換するような動き、膝をよじる様な動きを頻繁に行うことにより、炎症を起こしやすくします。

また、ランニングもゆっくり目であまり膝に負荷のかからない程度のものですと、問題はありませんが、スピードを出してカーブを走ったりすると、外側に力がかかりやすくなります。これも原因の一つとなります。

X脚気味の人

X脚とは、膝が若干内側に入り気味で、足と足首の部分が外側に出ている傾向がある人です。正面から見るとXに見えることからこの名前がついているのですが、女性に多い、いわゆる内股のような格好になっている人です。

このような格好になっていると、走っている時などに膝の内側に過度の負荷がかかっているために内部の筋肉が擦れて炎症を起こしやすいのです。走行時に足がストレートに出ていないと、この鵞足部分に負荷がかかりすぎたり、他の筋肉と擦れあったりして炎症を起こしやすくなります。

がに股はがに股で異常を来たしますが、内股も割りと気づかないうちに影響が出てしまいます。

靴選び

靴の底の減り具合を見てみると、妙に外側が減っていたり、逆に内側が減っていたりと個人個人でかなり差がありますが、割と癖があったりで、均等に減っていないものです。これなども鵞足炎の原因になります。

どちらかが偏って減っているということは、それだけ負荷がかかっているからです。自分の靴の底を見て、癖を確認することで、膝の部分に負荷がかかるのを防ぐことも重要です。

負荷をかけるスポーツ

普段から運動を行っている人は、やはり鵞足炎になりやすいといえます。大人の人は、ちょっときつくなったららすぐに休憩をしたり、運動自体をやめるということが多く、あまり無理をしないので、ほぼ問題はありません。

ところが子供や、高校、大学の体育会系の運動をする人は無理をする傾向があります。無理をしているというよりもさせられているといってもいいと思いますが、そのような無理な状況の傾向にあると、むしろ鵞足炎になりやすいようです。

多少の無理は若いということもあり、それほどの影響はあまりありませんが、やはり過度の負荷がかかっていますので、無理は禁物と考える方がいいかと思います。

最も大人の人の中には、アスリート系の人でストイックな方はかなり無理をする傾向がある人は、なりやすい傾向にあります。

姿勢

身体の姿勢が悪いと、腰から足へと負荷がかかり、原因の一つです。運動する際の姿勢も重要ですが、もっと気を配らないといけないのは、普段の座る姿勢や立っているとき、寝転んでいる姿勢もそうです。つまり運動以外の時の姿勢が重要なのです。

この普段の座っている時の姿勢は、腰にかなり負担がかかってきています。正しい姿勢で座っている分にはいいのですが、これがなかなか正しい姿勢をしている人はそう多くはありません。

同様にソファーでくつろいでいるような時も、気をつけなくてはいけません。やわらかいクッションの効いたソファーなどは、重心が腰辺りに集中してしまい腰痛を起こすことも考えられます。これは絶対に避けるべきと思われます。

筋肉の固さ

普段から身体を動かしている人の筋肉は、ほぐれているのでそれほど心配はありません。ですが、普段あまり身体を動かさない人は、筋肉も固くなっている傾向があるため、運動する際には注意しないと、筋を違えたり負荷がかかります。

若干でも負荷がかかった状態で、運動を行っている以外のところでその負荷をかばう動きが出る可能性があります。そのかばうということが意外に悪影響を与えます。

かばう行為は気付かぬうちに、他の部分に負荷がかかります。よって、本々悪くなっている部分を完治してから始めないと、結局のところは別の部分も痛めてしまうことになります。

鵞足炎の治療法

休息

鵞足炎の治療法を知りましょう。

安静

軽い症状の時は、膝をあまり動かさないようにして、安静にしていれば自然に治ります。ただ、どれくらいのレベルかは判断が難しいかと思われます。やはり医師の診断を受け、その指示に従うべきかとは思います。

アイシング

痛みがかなりひどい時は、患部を冷やすアイシングが有効な治療法です。これも安静にしながらということになりますが、ある程度の時間は冷やし続けることが炎症を抑え、痛みもやわらげる方法です。

テーピング

アイシングや安静などが個人の判断で行うことが出来るので、問題はありませんが、このテーピングはきちんと医療関係者やスポーツマッサージの方に行ってもらわないと、効果が望めません。きちんとテーピングをしないと、全く効果が半減してしまいます。

このテーピングの特徴として、効果はすぐに出て、痛みも感じません。これは患部をテープで巻き、筋肉や筋が本来の動きをするように補佐するものです。

つまり、すぐ動けるようになりますが、けっして炎症を治す方法ではありません。痛みや腫れはありますが、継続して運動しなければならない場合に使用します。決して、普段からテーピングをするものでもないようです。

インソール

鵞足炎の原因が足にある場合で、内側だけが靴のヘリが早いとか、外側のみという場合は、体への負荷は気付かすにかかっています。その場合、靴の中敷き、いわゆるインソールを外側に厚くするとか、内側を厚くするなどで対処します。そうすることで、負荷がかかっている部分を補正もしてくれるので、じょじょに改善されてきます。

鵞足炎の予防法

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最後に、鵞足炎の予防方法を知っておきましょう。

靴のサイズ

靴のサイズが合っていることも重要なことです。ぴったり合うということもなかなか難しいことかもしれませんが、中でずれないとか、きつ過ぎることがなければ問題ないかと思います。それと衝撃を吸収する要素も重要です。

運動する時は、ダイレクトに身体、特に膝に衝撃がこないように、クッションの効いたものを履くようにすることが望ましいと思います。

走行フォーム

できうる限り、負荷のかからないストレートな走行スタイルを目指します。サッカーや、バスケではなかなかそのように走ることは厳しいかもしれませんが、それはその後のクールダウンなどでカバーします。

場所(地面が固い)

運動もしくはランニングをする時は、地面が柔らかいことがいいのですが、条件的にそこまで求めるのは難しいこともあります。少なくとも、ランニングの時ぐらいは地面の上で、平坦な道を走るようにすることが望ましいかと思います。アスファルトの上ですと、衝撃も大きいのですが、ダイレクトに膝に響きます。

ウォームアップ・クールダウン

運動前には必ず身体の動きをスムーズにするために、ウォームアップすることが、筋肉を傷めずかつ動かしやすくなるコツです。特にこれから激しい運動をするときはなおさらです。

また、運動後もその筋肉をさすったり、もんだりして疲労の元を取るようにクールダウンをします。

適度の運動量

一概に使いすぎで鵞足炎になるとは決まっていませんが、やはりオーバートレーニングは原因の一つです。前にも書きましたが、適度の所で合間合間に休みを入れて行うようにすることが望ましいかと思います。

姿勢と休息

再度述べますが、運動している時だけが問題となる訳ではありません。座っている時なども、負荷がかからないようにすることも重要な要素です。そして、運動中もきついと感じたら、即座に休息に入るべきです。決して我慢比べのように、頑張りすぎてはいけません。

まとめ

いかがでしたか。あまり馴染みがない病気でも、理由や原因が解れば、その後の対処法も簡単に行うことができる上に、すぐに改善できます。この場合はあまり頑張りすぎないことですが、最近はそれほど頑張りを強いることはなく、いい傾向にあると思います。

以上のことに注意しながら、スポーツを楽しんでください。

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