膝裏の痛みの原因は?解消方法や炎症について

「膝が痛い」というのはそんなに珍しくない症状ですが、「膝の裏が痛い」という症状に悩まされている方も意外と多くいらっしゃいます。

しかし膝の裏が痛い場合、自分では何が原因なのか分からないことも多いかも知れません。

実は膝の裏には沢山の筋肉が集まっており、大きな血管やリンパ管もある為、痛みや腫れ等を起こしやすい場所なのです。

そこで今回は、膝の裏の痛みについて考えられる原因や改善方法についてまとめてみました。少しでも症状が楽になる手助けになれば幸いです。

膝裏の痛みの原因

走る

膝の裏が痛くなる原因や、痛みを伴う病気は意外と多く考えられます。心当たりがある症状が確認できる場合は、注意してみて下さい。

筋肉疲労

日頃運動不足で急に運動を始めた人や、ランニングのような長時間運動を続けている人の中には、筋肉疲労によって膝の裏に痛みを感じる場合が多いようです。

膝周辺の筋肉や筋に負荷がかかって、痛めてしまっている可能性もあります。痛みが生じた場合は無理に運動は続けず、なるべく膝を使わないようにして下さい。

膝を休めていれば自然と痛みは治まりますが、改善されない場合は整形外科等医療機関を受診しましょう。

運動不足の筋肉痛の場合運動の2〜3日後になってから痛みが急に訪れる事があります。運動の後すぐには筋肉痛が訪れないことがありますので、前日に運動を行っていない場合も筋肉痛の可能性がありますので、2〜3日前に運動を行っていないか確認してみましょう。

血行不良

痛みの他に膝裏や膝周辺の血管にボコボコとしたコブのようなものがある場合、下肢静脈瘤によるものかも知れません。

下肢静脈瘤は、長時間の立ち仕事や妊娠、出産等によって脚が血行不良となり、血液の逆流が起こることがあります。

逆流した血液は脚の下に溜まり、血管が拡張されてコブのように見えてきます。

この他にも足のむくみや疲れやすさがありますが、やはり静脈のコブが見た目で分かりますので、スカートを穿かれる女性は特に気になってしまうかも知れません。

手術やレーザー治療等幾つか治療方法がありますので、外科や皮膚科、あるいは数が少ないですが血管外科や下肢静脈瘤専門のクリニックがお近くにあれば、そちらで受診することをお勧めします。

リンパの詰まり

膝の裏にはリンパ管が通っています。

リンパ管には血液中の血漿(けっしょう)という成分が染み出したものやタンパク質、他の病気と闘う為の細胞が含まれるリンパ液という液体が流れており、老廃物を運び出したり、侵入したウイルスや細菌を処理する働きがあります。

運動不足や血行不良により、このリンパ液の流れが滞り詰まりやすくなります。もし痛みの他に膝の裏にふくらみを感じるようなら、リンパ管が詰まっている可能性があります。

この場合は、マッサージやストレッチを行いリンパの流れをよくすることで改善されます。

方法としては、

  • 足の裏全体を親指を使って優しく押す
  • 足の甲全体を同様に優しく押す
  • 足の指を一本ずつ、付け根から先に向けて軽く引っ張るように優しく揉む。
  • 足首から膝の裏に向かって両手でさすり上げる。
  • 膝から脚の付け根まで、太ももの内側を両手でさすり上げる。
  • 同様に太ももの外側もさすり上げる。

力を入れず”優しく”行うのがポイントです。

マッサージ出来ない場合は、屈伸運動をこまめに行うことでもリンパの流れを良くする効果があります。

リンパの流れを良くするとむくみの解消にもなりますので、痛みの改善だけではなく、脚が細くなる効果も期待できますよ。

また、リンパは膝の裏だけでなく、股関節や首周りや脇の下などにも多く通っているため、膝裏に症状が現れた場合は、膝だけでなく身体全体のリンパをマッサージして流してあげましょう。

じん帯の損傷

膝の裏には、後十字じん帯(こうじゅうじじんたい)と呼ばれるじん帯があります。スポーツや事故、転倒等でこの後十字じん帯を損傷すると、膝の裏に痛みが生じます。

軽度の損傷であれば痛みは一時的なもので、時間と共に治まっていきますが、じん帯が断裂してしまっていると膝がグラグラして不安定となってしまいます。

レントゲンで検査を行い、適切な治療を受けることが大切です。もし膝の裏に痛みが生じる前に、膝を強打するようなことがあった場合はこのじん帯損傷の可能性が高いですので、整形外科を受診しましょう。

痛みの症状の特徴としては、特に伸ばした時に痛みが強くなるという特徴があります。膝を伸ばした状態で、膝裏の筋肉を押して確認してみて痛い場合は靭帯の損傷の可能性があります。

靭帯が傷ついている場合、自然治療を行おうと放置して治癒する場合もありますが、強度は確実に弱くなりまた簡単に痛めてしまう可能性が高くなます。可能であれば病院を受診し、適切な施術を施してもらいましょう。

変形性関節症

膝の関節にある軟骨がすり減り、摩擦によって軟骨や組織のかけらによって炎症を起こしたり、水が溜まって腫れが起こる病気を変形性関節症と呼びます。

軟骨がすり減ってしまうことや時に骨が骨が硬くなったり、骨棘(こつきょく)と言う棘のような骨が出て、関節の変形を生じます。

発症する原因は、遺伝や加齢によるものが主として挙げられていますが、スポーツ選手等関節に大きな負担をかけている場合は若い人でも発症します。男女ともに起こりますが、女性の方が多いようです。

初期段階では、限られた動きの時のみ痛みを感じますが、放置すると進行していき動かなくても痛みを感じるようになってしまいます。

症状が悪化し重度に一度変形した関節は元に戻らない為、早めに整形外科を受診しましょう。治療や薬物療法や運動療法、手術等により行われます。

特にこの症状は体重による負荷の強い、腰や膝や股関節などの関節に特に起こりやすい特徴があります。またその他にも変形性関節症指と言って足の指にも症状が現れることがあります。指変形も症状が悪化すればなかなか症状の回復を行うことが難しくなるので早めに軽症のうちに専門機関を受診しましょう。

関節リウマチ

関節リウマチは自己免疫疾患の一つです。

原因は明らかとされていませんが、免疫の異常により自分の関節細胞を攻撃し、炎症を起こしてしまう病気です。

進行と共に体の様々な関節に炎症が広がり、動くことが困難となってしまう恐ろしい病気です。

膝の裏の痛み以外に、起床後に手指がこわばってしまう症状がある場合、関節リウマチの前兆症状ですのですぐに整形外科または内科を受診しましょう。

関節リウマチは、早期発見早期治療が最も大きな鍵となります。関節リウマチについては、リウマチの初期症状をチェックしよう!指のしびれに要注意!の記事を参考にしてください。

反張膝

あまり聞きなれない名前かと思いますが、膝の裏全体に痛みがある場合、反張膝と呼ばれる状態となっている可能性も高いです。

膝を伸ばした状態で、膝の裏側が弓のように反り返っているのが特徴です。主な原因は日常生活での姿勢、歩き方です。

立ち仕事で片方の足に体重をかけて、膝が反り返った状態を長時間続けたり、つま先を上にあげて歩く癖がある場合に反張膝となってしまうケースが多いです。

反張膝は悪化していきますので、心当たりがある場合すぐに治療を開始する必要があります。

治療方法としては姿勢や歩き方の見直し、改善、症状が強い場合は装具を利用した矯正を行います。

早く治療を行うことで完治も可能です。

ベーカー嚢腫

こちらも聞きなれない名前ですよね。

ベーカー嚢腫とは、膝の裏に炎症が起こり、関節液が溜まって腫れが起こる状態を言います。

変形性関節症や関節リウマチ、反張膝、外反母趾、浮き指との合併症として現れることがほとんどで、50代以降の女性に発症しやすいと言われています。

いずれも足に歪みがある状態で、膝の裏に負荷をかけ続けることが原因です。症状としては、痛みというよりも腫れによる圧迫感の方が強いようです。

痛みが弱い為に放置するとどんどん炎症がひどくなり、膝の裏だけでなく周辺の静脈も傷つけてしまうことがありますので、早めに整形外科で検査、治療を受けましょう。

痛風

痛風により膝の裏の痛みを感じる人も少なくありません。

初めて痛風になる人はあまり膝の裏が痛くなることはないようなので、既に痛風を患ったことがあり、何度目かの発症で痛みを生じるケースが多いようです。

この場合の膝の裏の痛みは、筋に尿酸の結晶が溜まってしまうことによります。また、痛風によって変形性関節症を引き起こす場合がある為、それにより痛みが発症している場合もあります。

かかりつけの病院で相談し、薬物治療や生活習慣の改善によって痛みが和らいできます。痛風については、痛風の症状の前触れって?再発が起きる前に対処しよう!を読んでおきましょう。

成長痛

成長期のお子様や中高生で膝の裏に痛みを訴えている場合、成長痛が考えられます。小学生以降だけではなく、早い場合は幼稚園児くらいの年齢でも発症します。

痛みはずっと続く訳ではなく、30分~1時間程度で治まるこがほとんどです。病気ではありませんが、痛い時に無理して動かしたりすると炎症や痛みを強くしてしまう可能性があります。

また、意外かも知れませんがストレスや疲労、自律神経の乱れによって成長痛を強く発症させる傾向があります。

骨が成長を行う際に痛みを伴うのは骨の成長に伴い筋肉の成長スピードが追いつかず筋肉繊維を引き伸ばしてしまって痛みを発症させていると言うものがあります。しかし、この現象の詳細な結果は判明されておらずあくまでも憶測による診断に過ぎないようです。

基本的に骨の成長下での痛みは現時点では確認されないというのが医学的な見解で、過度な運動での骨端線という成長中の軟骨部分が炎症を起こすものの場合か、心理的な痛みの可能性が高いと言われています。

親の愛情を受けたいとかまってほしいと思う子供の心理が無意識的に痛みを発生しているように錯覚していることが関係しているのではないかとも考えられています。

病院で成長痛と診断され、その後痛みを強く訴える場合は、休養させるようにしたり、ご両親とスキンシップをとるなど、心の安定を図ることも痛みを和らげる上で大切な対処となります。

かぎ爪趾

この病気は長期間自分の足に合っていないサイズや形の靴を履き続けることや、足裏でのバランスが上手く取れないことで症状を発症します。特に小さいサイズの靴や高いヒールや、厚底の靴をはく場合にこの症状が起こるか可能性が高くなります。

足の指がカギ爪のように変形し地面側に常に足先の足指関節が折れ曲がってしまっていてフットバランスが取れなくなってしまいます。

膝の裏の痛みに繋がる理由は、足裏で上手くバランスが取れないことが関係し、足に無理な負荷が掛かることから足裏から、他の関節に負荷が集中し不具合が発生することが考えられます。

特に足裏のフットバランスは正しい緩やかなカーブにより保たれていて、足の裏で上手く全身の体重を分散させることで背骨と連動し全身の関節への負担を散らしています。

身体の関節に問題が発生する原因として足裏のバランス感覚が大きく関係している可能性が考えられます。頻繁に膝裏などの関節に痛みが訪れる場合は膝だけでなく、足裏のバランス、土踏まずや足の指などの異常も確認してみましょう。

膝裏の痛みの解消法

マッサージ

それでは、病院での治療の他に自分で出来る痛みの解消法をご紹介していきます。

ストレッチ

痛みを解消するストレッチ方法を二つご紹介します。

■寝た体勢で行う場合

  1. あおむけに寝て膝を直角に曲げる。
  2. かかとは床につけたままで、つま先をゆっくり上げる。
  3. そのまま上半身を反って静止。
  4. 一気に全身の力を抜く。
  5. 3回繰り返す。

■椅子に座って行う場合

  1. 痛い方の膝を伸ばして椅子に座る。
  2. 中指と薬指で痛む部分を5秒押す。
  3. 力を入れ過ぎないよう、5分程続ける。
  4. 膝を直角にし、今度は親指の腹で揉む。
  5. こちらも5分程続ける。

テーピング、サポーター

痛みが続く場合、テーピングやサポーターを使うことで痛みを和らげることもできます。

テーピングの巻き方は素人が行うと誤った巻き方をしてしまい悪化してしまっては困りますので、整形外科にて巻いてもらうか、指導して頂きましょう。

サポーターは病院で購入できますし、市販されているものも沢山あります。

沢山動かなくてはいけない人はタイツのような履くタイプのサポーター、あまり動かず痛みを和らげることを優先させたい場合は巻いてマジックテープ等で固定するタイプのサポーターがお勧めです。

サプリメント

関節の痛みに良いとされるサプリメントもあります。サプリメントでの回復は長期間の服用が必要になってきます。飲んですぐに効果が現れるものではないので、病院などでの治療と並行してこれらの方法を試すか、関節痛の兆候が現れる前から試すのが良いでしょう。

また効果の現れる商品には大きな個人差があります。自分に合ったものを探してみましょう。

・コンドロイチン

加齢とともに減少する成分で、主にサメの軟骨から抽出されるものを使った商品が多いです。膝裏の痛みだけでなく、様々な関節の痛みに効果があると言われています。

・グルコサミン

コンドロイチンと同様、関節の痛みや軟骨の再生に効果があると言われています。コンドロイチンと一緒に摂ることで効果が上がるようです。

薬ではありませんので即効性等は期待できませんが、試す価値はあるかも知れませんね。

温める

膝裏の痛みが発生している部分の関節筋を温めて血行を良くすることで痛みの症状を和らげる温熱療法という手段です。しっかり温めてあげて、痛みの原因になっている老廃物を膝裏から排出するのを促し、痛みを和らげていきます。

温湿布を貼ったり、カイロを使用したり、入浴でしっかり膝を温めてあげることも効果的です。マッサージも同時に行いながら関節を温めていきましょう。

特に老化による症状の場合や慢性的な関節痛の場合に有効です。しかし、痛みが現れてから時間が経っていない、炎症が起こっている可能性が考えられる場合は温めることは向いていません。この場合は逆に冷やしてあげて炎症の沈下を図りましょう。

また、患部が熱を持っている場合も冷やすことが必要な場合です。この様な熱や炎症が起こっている場合は温める行為が逆効果になってしまう場合がありますので、温める場合はまず症状の確認を行いましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

膝の裏の痛みと言っても、筋肉疲労による軽いものから様々な病気によって生じるものまで、原因は多岐に渡ります。

特に関節に炎症や変形を起こしている場合は病状が進行するものが多い為、放置をせずに早めに病院を受診し治療を開始することが大切です。

運動不足の人も痛みを生じさせやすい為、日頃から適度な運動をすることで予防効果が期待できます。

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