指の関節を曲げると痛い、なんだか指がこわばっているような気がする。昔よりも指が大きくなったように見える、周りからはリウマチなんじゃないの?などといわれたことがある。などの経験のある人は居ないでしょうか?
指が痛くなってしまうと、足が痛ければ歩けなくなりますし、手の指が居たいと何をするにも不便になりますよね。このまま長期的に痛みが出続けてしまう場合や、更に症状が悪化してしまう危険性がある場合は早めに病院へ行くことが必要になります。
既に指に関節痛が出てしまっている人でこの様な事で悩んでいる人は居ないでしょうか。
そんな方は、是非見てください!手指の変化には、色々な症状と対処法があります。漠然と不安を抱えるよりも、自分の症状を把握し、対処法を考えていきましょう。
指の腫れの症状について
一口に指の腫れといっても、その症状は様々です。まずは可能性のある疾患を考え、自分の指の状態を知って対処法を考えましょう。
自分の指に具体的にどの様な症状が出てしまっているのか痛みが強くなる角度や動き、炎症の有無などを確認していきましょう。
どのような腫れ?
普段、見慣れている自分の手の状態は、なかなか異常に気がつきにくいものです。手指の腫れを経験した方たちは、どのように自分の指の腫れを発見したのでしょうか?
病気ごとの腫れの症状の特徴を紹介していきます。
・関節リウマチ
多くの関節リウマチ性疾患の方は、必ずといっていいほど朝方の手や足のこわばりを経験しています。普段と変わらず朝に目覚めたのに、手指や足の先がこわばっていてすぐに動かすことができません。そのような症状を経験した後に、手指または足の関節が腫れるようになり、受診する方が多くいます。
朝起きてから1時間くらいの時間この症状が見られます。指の症状は強い力で物を長時間持っていた後に発生する手の強張りに似ています。爪側から数えて第二、第三関節の部分でこの異常を強く感じます。
指の腫れ方は穏やかな曲線の腫れで触った感覚はゴムのように弾力を持っています。左右対称に症状を発生させやすく、左が痛むと同じように右にも症状が現れます。多くの人が手から症状を発症し、その後放置しておくと全身の関節に症状が及んでいきます。
リウマチの初期症状は、手袋を付けているように手の感覚が鈍い、指の真ん中の関節が腫れて痛い、端や歯ブラシなどの日常行為が難しくなる、物を掴んでも落としやすい、力が入りにくく重いものを持てなくなった、などの症状を感じることから始まります。
・ヘバーデン結節やブシャール結節
また、ヘバーデン結節やブシャール結節などの経験をした方は、日々の暮らしの中で段々と手指の第一関節、または第二関節が太くなってきたり、こぶのようなものができ、赤みを帯びてきて痛みを伴ってくるのを経験されています。
本来はその時点で、適切な医療機関に受診するべきなのでしょうが、特に日常生活に支障がないとそのままにしておくことも多くいます。しかしその後、気がつくと指を曲げることに抵抗がでてきたり、変形していることに気がつき、受診されるといった方が多くいます。
原因はまだ今のところ、明らかになっておらず原因不明の病気でもあります。ヘバーデン結節は最終的には指の形が変形してしまう病気でもあります。治療法もはっきり確立されておらず治療が困難な病気でもあります。
女性に多く発生する事が確認されており、40代以上の女性の発症確率が特に高くなっています。見た目にも大きく影響を与える病気なのがヘバーデン結節なので、心を病んでしまうなどの影響を与えるものでもあります。保存治療を早めに行って進行を食い止めていきましょう。
・ひょう疽
ひょう疸の場合は、日常生活の中で指に傷を作ってしまったり、湿度の高い環境で不衛生な状態でいることを放置している場合が多いということです。気がつくと指先が痛みを伴って腫れているということが多くあります。免疫力が下がっていることで発生する自己免疫疾患でもあります。
正式な名称は化膿性爪囲炎(かのうせいそういえん)と言います。軽い病気というふうに認識しがちですがひどい場合は、爪が剥がれてしまったり全身に症状が転移し重症化してしまうこともある病気でもあります。
原因となる菌は連鎖球菌や黄色ブドウ球菌などの肌の常在菌による感染症になります。身近な菌でも感染してしまうことがある病気でもあるので、普段からの手洗いが重要になります。
・変形関節症
関節の摩擦や軟骨の変性などの影響により関節周囲に炎症が引き起こり、それに伴い血管や神経に影響を及ぼし、痛みや指の腫れなどの症状が現れます。更に滑膜に炎症が継続してしまうとだんだんと関節が変性していきます。
軟骨がすり減ることで摩擦が更に強くなっていき最終的には骨にまで影響が及び骨の変形が起こるようになります。もしこの影響で骨にまで変性が認められ、変形してしまった場合は治療では元に戻すことが出来ません。変形関節症は初期症状の内に早めに病院での治療を行っていくことが重要になります。
手の指での発生しやすいですが、膝や腰や背骨で特に起きやすい問題でもあります。リウマチや膠原病などの症状が影響して引き起こる場合もあります。指の腫れは長期間放置してしまうと、変形に繋がってしまう危険性がありますので合わせて注意していきましょう。
・膠原病
膠原病はたまに聞かれる病気ですが明確に認識している人は少ないのではないでしょうか。膠原病は血管や筋肉や関節などに現れる病気を指す総称となる言葉です。主に該当する病気にはシェーグレン症候群や関節リウマチやシェーグレン症候群などの病気があります。
関節に腫れや痛みや強張りなどの症状を感じる症状を持つ病気になります。原因不明の関節症状や発熱や湿疹などの多くの症状が発生します。
皆さんの日常生活の中で、思い当たることはありますか?
これらの病気は膠原病科を表している病院やリウマチ科、形成外科、皮膚科、整形外科などの専門医の先生がいる病院を受診しましょう。特に皮膚症状が強く出ているひょう疽の病気が推測される場合では皮膚科、関節関係に関してはその他の関節関係の病院が適しているでしょう。
指の腫れの疾患
指が腫れる症状のある疾患について知っておきましょう。心当たりがある場合は、すぐに病院へ行きましょう。症状を感じやすいシーンや問題となる行動などを紹介していきます。
またそれぞれの病気の病院での検査方法などについても紹介していきます。合わせて参考にしてみてください。
関節リウマチ
関節リウマチは手に限らず、全身の関節の腫れや痛みがあり、悪化すると各部位の関節が炎症を起こし、変形する全身性の疾患です。 関節リウマチを疑うときには、まず第一に朝の状態を見てみましょう。
関節リウマチは、手指に限らず朝起きたときに起こる関節のこわばりが特徴です。こわばりが常態化した後に、痛みや腫れといった初期症状が起こります。この病気を疑うときは、まずは朝起きたときに手指だけではなく、それ以外の場所のこわばりも確認すると良いでしょう。
関節リウマチの疑いがある場合は、整形外科やリウマチ専門の科、膠原病科を受診することをオススメします。整形外科で行う検査には、
①血液検査
②関節液検査
③X線検査
といったものがあり、細かく見てもらうことができます。また関節リウマチは、進行性の疾患といわれ緩和と悪化を繰り返します。早期発見することで、薬の効き目やリハビリにも効果が出やすくなります。関節リウマチについては、リウマチの初期症状をチェックしよう!指のしびれに要注意!の記事を参考にしてみてください。
ヘバーデン結節
ヘバーデン結節は、指の第1関節が変形し曲がるという症状のある原因不明の疾患です。第1関節付近に、2つのコブができるという特徴があります。
ヘバーデン結節を疑うときは、指の第1関節のみに症状がでているかどうかを確認しましょう。赤く腫れてきたり、痛みを伴っていたり、時には水泡のようなこぶが発生します。第1関節を曲げたり伸ばしたりすることに抵抗を感じたら、整形外科を受診しましょう。
整形外科で行う検査では、X線検査をします。リウマチと違うのは、
・指の第1関節のみに症状がでていること
・リウマチのような全身症状が無いこと
といったことが挙げられ、痛みや腫れ、関節の曲がりを診断してヘバーデン結節と診断されます。ヘバーデン結節の治療には、薬以外にテーピングや安静にするという方法がとられます。
ブシャール結節
ブシャール結節は、手指の第2関節の軟骨が減り、指の関節の腫れや痛みがある疾患です。痛みや腫れによって、指の関節が変形するという症状があり、手指の第2関節に炎症や変形が発生するといった特徴があります。
ヘバーデン結節もブシャール結節も多くは手指を酷使する方に多く見られ、酷使した関節や加齢による原因で関節の炎症が起きやすくなります。ブシャール結節を疑うときは、手指の第2関節の腫れや痛み、変形があるかどうかを確認しましょう。
疑いがある場合は、整形外科を受診してください。整形外科で行う検査では、X線検査をします。リウマチやヘバーデン結節と違うのは
・指の第2関節のみに症状がでていること
・リウマチのような全身症状が無いこと
といった点が違い、痛みや腫れ、関節の曲がりを診断してブシャール結節と診断されます。
ブシャール結節は、前述のヘバーデン結節のように原因は不明です。治療には、テーピングや薬、安静にするといったこと以外に、電気や温熱療法もあります。
ひょう疽(ひょうそ)
ひょう疸は、手指、または足の指の先に細菌(黄色ブドウ球菌、連鎖球菌など)が感染して起こる疾患です。
指の先が赤くなり、腫れ、ひどい痛みを伴うものもあります。爪の先に感染し、ひどくなると、膿をもつような状態になることもあります。
・爪の周りに傷がある
・指しゃぶりをする
・爪を切りすぎた
・水仕事を常にしている
・手荒れのしやすい人
といった人に多く見られる疾患です。
ひょう疸の疑いがある場合は内科や皮膚科で受診しましょう。 診断は、腫れのある箇所の細菌やウイルスの検査で診断します。治療には、痛み止めの薬や冷シップ、細菌の場合は抗生物質などが投与されます。膿がある場合は、切開して排出することもあります。
変形性関節症
調査の結果では60代以上から変形関節症の発症が増加していく傾向が見られます。更に男性に比べて女性に発症する確率が高いことも確認できます。80歳になるまでは男女比に2倍近くの開きがあります。
原因となる行動は関節の負担となるような運動ですが、女性に発生の確率が高い理由に筋肉量が少なく、脂肪量が多いことが考えられます。
また指に問題が発生している場合は重いものを持ち運びする機会が多い事が関係しているでしょう。また指の怪我などを経験したことのある人もこの問題につながりやすくなります。
ひどい場合では手を真直に伸ばした時に隣の指に変形した指が接触してしまうまで変形してしまうこともあります。
指の腫れを予防するには?
このように、指の腫れと一口に言っても、様々な疾患があり、症状があることがわかりました。それでは、どうすれば辛い症状を日常生活の中で改善できるのか、またはこれから心配な方にはどうしたら予防できるのでしょうか?
生活習慣を改善
毎日の暮らしの中で、症状を改善するには生活習慣の見直しが必要になります。どの疾患にも通じて言えることは、
・健康的な食生活と早寝早起きの生活スタイル
・ストレスを軽くする
・適度な運動を心がける
といったことが挙げられます。身体の中と外から健康でいることが、予防の第一歩となります。どうしても生活習慣が乱れているとこれらの病気になりやすくなってしまいます。
更なる問題を引き起こさないためにも生活習慣を改善していきましょう。
ヘバーデン結節やブシャール結節を予防
日頃から手指を酷使する方に多いので、以下のことに気をつけましょう。
・なるべく休ませること
・たんぱく質をよく摂り、食べ物のバランスを考えて健康的な食生活にすること
・動かして熱を持ったら、すぐに冷やすことテーピングなどで、患部の固定も症状が和らぎます。
・ストレッチなどの適度な軽い運動も心がけること
以上のことに注意して生活を送るようにしてください。手指は自分が思っている以上に負担がかかっているということを知っておきましょう。もし手の指を酷使する仕事を行っている人の場合は利き手と反対側の手の使い方も鍛えておくといいでしょう。
簡単な作業や精密性を要さない部分に関しては利き手と反対側の手で行うようにすれば負担は軽減するでしょう。ボケの防止にもなるので有効ですよ。
関節リウマチを予防
全身性の疾患ですので、身体の中・外から健康にすることが重要です。
・十分な睡眠をとり、ストレスをなくす
・健康的にバランスのよい食事をとる
・口腔内を清潔にする(口腔内の細菌がリウマチの原因ではないかとの説もある)
・禁煙する(喫煙者に発症率が高いと言われています)
以上のことに注意して生活しましょう。なかなか自覚がないまま症状が進行する場合もあるので注意してください。しかし、禁煙を無理に行って逆にストレスを溜めてしまっている場合は問題になってしまいます。無理に改善を行うのではなく、健康のために自然に取り組める範囲で行うことが重要です。
ひょう疸を予防
傷や、酷使のためにウイルスや菌が入らないようにすることがもっとも重要です。
・手足の指を清潔に保つ
・じめじめした環境にさらさない
・手荒れのする環境にさらさない
・手に傷をつけない
このような生活習慣に気をつけていれば改善・予防に効果が期待できます。
まとめ
今回の記事内容をまとめてみました。
指の腫れには、様々な疾患・症状がある
・関節リウマチ
・ヘバーデン結説
・ブシャール結説
・ひょう疸
・変形関節症
・膠原病
症状の改善方法や予防法
・日頃から健康的な食生活に気をつける
・十分な睡眠をとり、ストレスを軽減させる。
・指の衛生環境に気をつけ、酷使することをさける。
いかがでしたか? 突然の指の腫れ。自分の身体の異変にびっくりすることもあるでしょうが、そこは冷静に症状を見極め、可能性のある疾患の疑いがある場合は、速やかに対応の医療機関に受診することをオススメします。
早めの対応で辛い症状は早く改善されます。是非自分の症状をよく観察してみてくださいね。
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