目尻が痛いのは病気?原因や治療方法を知って対処しよう!

目尻が痛い時、それは何かが原因で何らかの病気になっているのかもしれません。眼の痛み方は「眼の表面の痛み」と「眼の奥の痛み」の2通りがあります。今回記述する内容は目尻の痛みになるので、前者の痛みについて述べます。

眼の周辺の肌は非常にデリケートで病気にもなりやすい場所です。目尻が痛いことから、よく「ものもらい」と思われる方も多いと思いますが、その他にも可能性が考えられる病気がいくつもあります。

これから、目尻周辺はどのようになっているか、眼の痛みの原因や症状、病気の可能性について述べていきます。

眼の神経について

目尻が痛い 目

顔には様々な感覚を支配する多数の神経が存在しています。

その中でも、三叉神経は脳に伝える脳神経の中でも最も大きい神経とされ、温・冷覚、痛覚(温かい、冷たい、痛い、痛くない)等の感覚を担っています。眼の周辺はこの三叉神経が通っているため、痛みを感じやすい場所となっています。

目尻の痛みから考えられる病気

医師

眼の痛みから考えられる病気は、上記に述べたものもらい以外に、結膜炎、ただれ目、加齢黄斑変性症、ドライアイ、眼精疲労、老眼、スマホ老眼白内障緑内障、飛蚊症、翼状片・瞼裂斑、近視、斜視、糖尿病性網膜症、網膜剥離、VDT症候群、結膜弛緩症、眼瞼下垂、瞼の痙攣、眼瞼痙攣、眼瞼ミオキシア、はやり眼(流行性角結膜炎)が考えられます。

目尻の痛みでは、ものもらい(麦粒腫、霰粒腫)、結膜炎、ただれ眼が考えられます。以下に、その病気の症状、原因、対処法を詳しく述べてきます。

麦粒腫(ものもらい)

ものもらい

俗にいう「ものもらい」の1つです。

目尻の痛みとなる原因は、細菌の感染によって化膿して発症します。人の手や皮膚、髪の毛、空気中のホコリ、キッチン等、特に鼻に多くに存在する黄色ブドウ球菌がその感染源です。眼瞼には汗や皮脂を分泌する分泌腺や毛穴がたくさんあります。

そこに黄色ブドウ球菌が入り込み目尻の最も弱いところに入り込み感染します。そして、感染部に炎症をきたし、膿(うみ)が溜まります。

痛みは「霰粒腫」よりも強いです。

麦粒腫の対処方法

比較的、早く治癒します。抗菌作用のある点眼薬、飲み薬、軟膏を利用し、これらの抗生物質の効果が得られている場合、おおよそ1週間~10日間で痛みが消失していきます。これらの薬が効果を発揮している過程では、血液の循環が良くなることで目が充血して腫れたり、痛みが強くなります。決して、悪化してるわけではないので安心して下さい。心配な場合は担当医に相談をしましょう。

市販されている薬の使用も可能ですが、数日使用しても効果を得られない場合は眼科を受診しましょう。また、市販では検査なども受けずに買うことになるので、様々な種類のある薬の中で正しい物を選択する事は困難と思われます。よって、なるべく最初から眼科を受診されることをオススメします。

状態が悪化している場合、つまり大量の膿が溜まっているケースや、膿によりシコリが残っているケース、膿による激痛があるケースでは手術により除去します。この手術は、眼瞼に局所麻酔の注射あるいは点眼麻酔を施し、眼瞼の裏側や外側と必要な箇所を切開し、膿やシコリを除去する方法になります。

皮膚は切開されない為、傷跡は残らず麻酔も施すため施術時の痛みは生じません。但し、麻酔が切れるとある程度の痛みは生じると思われます。手術に要する時間は5~15分間程です。術後は、担当医と相談しコンタクトの利用やアイメイク、洗顔等の仕方に注意をしましょう。

霰粒腫(ものもらい)

まつ毛の生え際 目尻

こちらも、「ものもらい」の1つで、麦粒腫との2種類になります。

原因は、眼瞼のまつ毛の生え際にある「マイボーム腺」という分泌腺(眼を保護する為に脂を分泌する腺)に脂肪が詰まり、眼の裏の皮膚などに硬い異物が生じることで発症します。この異物により炎症を引き起こし、痛みを生じさせます。

このように、腫れて痛みを生じさせるものは、脂肪が自然に吸収されにくいです。痛みが伴わないことで大丈夫だと思って放置をしてしまうと症状が悪化し、ポリープ状の肉芽が何カ月も残る可能性があります。

霰粒腫の対処方法

一般的には自然治癒するケースが多いです。また、温湿布を貼付して患部を温めることで血液の循環を促進させることも早く治すポイントです。炎症が強い場合や感染症がある場合は、非ステロイド剤やステロイド剤の抗炎症剤、抗生物質または点眼薬を投薬します。

最悪のケースは、異物の周りに袋が形成されて異物が硬くなり、角膜を圧迫させている状態です。この場合、局所麻酔を施行して手術により除去するか、副腎皮質ホルモン剤の注射を施行して、この異物の吸収を促進する方法をとります。

手術をするに至るケースは視力への影響や異物感による不快感などが挙げられます。霰粒腫については、霰粒腫は放置しても大丈夫?その治療法や症状を紹介!を読んでおきましょう。

麦粒腫と霰粒腫に対するセルフケア

もし、眼科に行く余裕がなく早期の対応が難しい場合は、以下の様にセルフで行える対応をしていくと良いでしょう。常に顔と手を清潔にしておくことが大切になります。洗顔の際は低刺激の石鹸を使用することをオススメします。運動後の汗をかいた状態をそのままにしたり、汚れた手で目を触ると病気になるリスクを高めます。前髪は極力目にかからないようにすると汚れが目に入りにくくなります。

また、アイメイクやコンタクトレンズの多用により、眼にストレス負荷がかかり眼球の角膜が汚れたり傷が入ったりして発症しやすくなることがあります。特に病気の発症後は控えた方が良いでしょう。

他にも冷たいタオルで冷やすと痛みや痒みが治まる可能性があります。タオルはソッと当て、決して擦らない様にしましょう。症状が悪化してしまいます。また、蒸しタオルで眼瞼を温め、まつ毛の生え際に沿って並ぶマイボーム腺を軽く圧迫します。

そして、中の脂を軽く押し出すようにして10~15秒優しくマッサージを行います。これを、浴室で行うと顔も直ぐに洗えますし、血液の循環も良い状態で行う事ができるため、より効果的と言えます。

その他、栄養バランスのとれた食事で体の調子を整えておくことも予防になります。ものもらい双方とも症状や治療方法も多少異なるので、担当医にしっかり診断してもらい鑑別してもらいましょう。

ちなみに、眼帯をしてしまう方もいますが、これは間違った対処方法になります。眼帯をすることで局所的に暗く湿気も溜まりやすくなり、眼周囲の細菌を増殖させてしまい逆効果となります。

結膜炎(はやり目)

埃 結膜炎 目尻が痛い

まず、結膜とは袋の様な構造をしており、眼球の白目の表面と眼瞼の裏を覆っている薄い膜のことを言います。結膜の役割は、ホコリ等の異物が眼球の後ろ側に入り込まないように、入ってくる異物を受け止めて保護することです。これは、眼球と眼瞼が完全にくっつかずに多方向に自由に動かせる様に少し隙間を開けて存在しているためです。

次に、結膜炎の説明をします。これは、俗に言う「はやり目」です。結膜は、開眼している間は常に外気に当たっているため刺激を受け易い上に、涙(眼球を動かすための潤滑油)で常に濡れている状態なため細菌等の増殖もされやすい状態になります。

初期症状は、目尻や眼瞼に痛みや痒みが生じます。目ヤニも出るのでわかり易い病気です。眼を擦ったり掻いたりすると徐々に痛みが強くなっていき、眼瞼が赤く腫れ上がり結膜に炎症が生じます。そして、眼も充血します。

原因は、アデノウイルス(風邪の原因にも挙げられます)、エンテロウイルス、急性出血性結膜炎が挙げられます。いずれもかなり強い感染力があります。結膜炎を発症した方の眼を触った手で自身の眼に触れるだけで感染を引き起こします。

よって、感染するリスクは極めて高いので、こちらも予防策としては常に顔と手を清潔に保つことが必要になります。直接感染なので、空気上で感染することはありません。

さて、結膜炎と言っても結膜炎には主に細菌性、アレルギー性、ウイルス性(流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血結膜炎)の多種類があります。いずれも症状や原因、対処法が少し異なっていきます。これらの治療について下記に記していきます。

細菌性結膜炎の対処方法

健康な状態では免疫力があるため感染するケースは極めて少ないです。

しかし、特に幼児・高齢者・病気を患っている方など免疫力が低下し抵抗力が低下している際は感染のリスクが高くなります。乳幼児や子供ではインフルエンザ菌によるもの、高齢者や病気を患っている方では黄色ブドウ球菌によるもの、性感染症にあるクラミジア菌やリン菌による細菌性結膜炎が多いと言われています。性行為や母体の産道感染(乳児)により発症することがあるため注意が必要です。

以上より、手をしっかり洗い清潔を保ち、汚れた手で眼を擦るといったことをしないようにしましょう。また、免疫力が低下しないように休養をしっかりとり、栄養をしっかりとるようにしましょう。

アレルギー性結膜炎の対処方法

これは、アレルゲンによるアレルギー反応が原因で発症します。このアレルゲンに対して異物を排除しようとする免疫反応が過剰に反応して眼の神経や毛細血管等が刺激され、痒みや充血といった炎症が生じます。

対応としては、花粉やホコリなどアレルゲンとなる物質をできるだけ回避することです。外出時にマスクや眼鏡を装着することや、こまめに手を洗ったりうがいをすることをオススメします。また、ホコリを除去するために部屋の掃除をマメに行うと良いでしょう。

また、ダニなどが原因となることもあるため、寝具の手入れも最低でも週に1回は行うと良いでしょう。できる方は毎日行うことがモアベストです。

免疫を保持するために睡眠と栄養はしっかりとりましょう。ライフサイクルも見直し、アレルギーが出にくいようにタバコやアルコールの摂取にも気を配ると良いでしょう。

ウイルス性結膜炎の対処方法

原因となるウイルスはアデノウイルス、エンテロウイルス、ヘルペスウイルス等があります。

他社への感染力も強いです。流行性角結膜炎は「はやり目」です。このウイルスの潜伏期は約1週間~10日間で、最初は片目、数日後にもう片目に発症することがあります。最初の1週間がピークでその後徐々に寛解していきます。角膜(黒目)に炎症による混濁がある場合は、消失までに数カ月要することもあります。

咽頭結膜熱は「プール熱」と言われ、アデノウイルスにより発症します。潜伏期は流行性角結膜炎と同様です。症状は喉の痛みや39℃前後の熱を発します。

急性出血性結膜炎は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスにより発症します。潜伏期間は1日前後と短いです。日本においては近年の発症例はありません。

これらの結膜炎の対処方法は、副腎皮質ステロイド薬の点眼薬です。状態によっては、抗ウイルス薬や点滴を処方されます。

ただれ目

目尻が

症状としては、目尻や眼瞼が腫れ上がり、痛みや痒みが生じます。

原因は、麦粒腫と同様、黄色ブドウ球菌が眼瞼の縁のまつ毛の毛根を中心に入り込み感染し、炎症を引き起こすことが挙げられます。

また、ビタミン不足などのバランスの崩れた食事や、薬剤を投与することで起きるアレルギー、眼の病気の原因によく挙げられる基礎化粧品やアイメイク、肌に合わない化粧品の多用が原因に挙げられます。

ただれ目の対処方法

対処法としては、早期に眼科を受診することです。抗生物質の投与やホルモン剤入り軟膏の使用が不可欠です。治療期間中はビタミンの摂取も多く摂る必要があります。

これらの対処が遅延してしまうと、著名な視力の低下だけでなく失明する可能性もあり、場合によっては手術が適応されることがあります。状態の改善が見られない場合は、長期の通院が必要となり、再発のリスクも極めて高くなります。非常に恐ろしい疾患です。

まとめ

眼科 フルサイズ

「いつか治るから放っておこう」とすると後々大変な事になるので、何かおかしいなと思ったら早めに眼科へ行き対応していきましょう。

もし、眼科が休診日で他の科しかやぅていないとしても、眼科以外の科を受けることはあまりオススメできません。いくら医者と言えど、専門外の科に関してはとても詳しいというわけではありません。間違った処方を受けて間違った治療を受けると逆効果になることもあるため、初診から眼科を受けることをオススメします。

  
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