皆さんVDT症候群という病気をご存知ですか?現在の様な世の中では、パソコンやタブレット、スマホ等で、画面を見続けることが多くなってきています。また現代のお仕事では、パソコンを使ったお仕事が多くなってきているので、どうしてもVDT症候群のような症状を伴う人は、多く存在することと思います。
VDT作業を行っているもののうち、精神的疲労を感じているものが36.3%身体的疲労を感じているものが、77.6%いるそうです。
厚生労働省はVDT症候群のガイドラインを出しました。ということはもしVDT症候群になったとして、そのガイドラインに沿って、企業が改善をしていなかったら、改善を求めることが出来たり、損害賠償が取れるようになったということです。
一度VDT症候群について詳しく見ていきましょう。
厚生省のVDTにおけるガイドライン
さて平成14年に設定された、厚生労働省のVDT症候群のガイドラインには、どのようなものがあるのでしょうか?
対象となる作業はデーターの入力、検索、照合など文書・画像などの作成、画像などの作成・編集・修正など、プログラミング、監視などを行う作業
このガイドラインは会社の中の、事務所におけるお仕事です。事務所外のお仕事については書かれていません。
作業時間について
一連続作業時間が1時間を超えないようにする。
一連続作業時間が1時間を超えないようにするには、VDT画面を見ないお仕事を増やす方法を、見つけなければなりませんね。1時間を超えないようにしたら、私など仕事がはかどりません。仕事が遅い人は、かえって厳しくなるかもしれません。VDTのお仕事から外されるのかもわかりませんね。
連続時間と作業時間の間に、10~15分休止時間をもうける
これは良いですね。10~15分の休止時間を設けながら、VDTのお仕事をする事は必要かもしれませんが、期日までに仕上げなければいけない、画像の編集や・作成・修正などは中々難しいところがあるかもしれません。また監視などしているお仕事だと、人数がかなり増やさないとやっていけませんね。
一連続作業時間内において、1~2回程度の小休止をもうける
これもお仕事をする方からするととても良いことですね。でも時間が決められなくて、時間にゆとりのあるお仕事ならできるでしょうが、現実的に時間が決められいつまでに、やらなければいけないお仕事の場合は、難しいことがあるでしょうね。
VDT機器などの選定
VDT機器、関連什器等についての基準を定めて、これらの基準に適合したものを選定、適切なVDT機器を用いることとした。
イ. デスクトップ型機器 ロ. ノート型機器 ハ. 携帯情報端末 ニ. ソフトウェア ホ.椅子 へ. 机または作業台
VDT機器も関連什器なども、すべて作業者がやりやすい物を購入するのでしょうね?
VDT機器の調整
作業者にディスプレイの位置、キーボード、マウス、椅子の座面の高さなどを総合的に調整させること
場所や椅子の高さまで支持がしています。とても良いですね。これらの事が守られなければ作業者として、改善を求めることが出来るのです。
健康管理
作業者の健康管理を正しく把握し、健康障害の防止を図るため、作業者に対して次により管理を行うこととした
1.健康診断など
イ.健康診断 VDT作業に新たに従事する作業者に対して、作業及び作業時間に応じ、配置前健康診断を実施し、その後1年以内ごと1回定期に定期健康診断を行うことにした
ロ.健康診断結果に基づく事後処置 健康診断の結果に基づき、産業医の意見を踏まえ、必要に応じ有所見者に対して、保健指導などの適切な処置を講ずるとともに、作業方法、作業環境などの改善を進め、予防対策の確立を図ることとした
2.健康相談
メンタルヘルス、健康上の不安、慢性疲労、ストレスなどによる症状、自己管理の方法などについての健康相談を設けるよう努めることとした
3.職場体操
就業の前後または就業中に体操、ストレッチ、リラクゼーション、軽い運動等を行うことが望ましいとした
等の厚生労働省のガイドラインが出されました。ガイドラインが出ることは、働く側にとってはとても良いことなので、会社側に要求することはできるかもしれません。しかしこのような事が出来る会社が、日本に何社ほど存在するでしょう。まず公務員はこのような働き方をするのでしょう。うらやましい限りですね。
またこの様な改善を要求して、会社が処分する事はないでしょうか?今の様に正社員が減る中このような事を要求することは、働く者にとってとてもリスクがあります。
厚生労働省としてのチェックはないのでしょうか?聞き取り調査とかはしないのでしょうね。
VDT症候群とは?
さて本題のVDT症候群とはどのようなものなのでしょうか?
ディスプレイやキーボードなどで作られているものをVDT(Visual Display Terminals)と言います。VDT症候群とは、これらの機器をつかって長時間作業や見続けていると、目や身体、心に支障をきたす病気です。
多くの場合眼精疲労で診断されることがありますが、VDT症候群は別名、テクノストレス眼症とかIT眼症とも言われています。
VDT症候群は目だけの病気ではなく、身体全体に現れるものや、精神的にダメージを受けるものもあり、重症化すると日常に支障をきたすこともあります。
VDT症候群の症状
では一体VDT症候群の症状には、どのようなものが有るのでしょうか?
目の症状
目の症状としては、目の痛みや、目がかすんだり、目が乾いたりします。そして目が疲れてきて物がぼやけて見えるようになり、視力が落ちてきます。また近視や角・結膜炎、ドライアイなどの目の異常が起こってきます。
目の疲労がなぜ起こるのかと言いますと、瞬きがモニターを凝視することで通常の半分以下に減少したり、視線が書類やキーボードや、画面に激しく移動するために、目に負担をかけることでドライアイや眼精疲労になってしまうのです。
目のその他の症状としては、目のしょぼしょぼ感、異物感、充血などの症状がみられ、視力が低下してきます。
眼精疲労、テクノストレス眼症、ドライアイ、屈折異常の進行等が病気としての疾患となります。
身体の症状
身体の症状としては長時間、仕事をし続けることで、同じ姿勢を強いられるので、筋肉が緊張して、肩が凝ったり、腕が痛んだり、首から肩にかけて凝ったり、身体がだるい症状が慢性化してきます。また背中の痛みや、手指のしびれ、首、肩、腕、腰などのコリや痛みが出てきます。
悪い姿勢を長時間続けて作業をしていると、筋肉が緊張し疲労して乳酸が溜まり、乳酸が血管を圧迫していきます。血管が圧迫されると血液の流れが悪くなり、痛みの物質が発生して神経を刺激します。そうするとまた筋肉が緊張して疲労して、乳酸が溜まり悪循環が生まれます。
また額の圧迫感やめまい、吐き気まで起こすことがあります。
精神の症状
精神的な面では、情報処理スピードが求められたり、高度な判断を要求されたりするので、精神的に疲労を感じるようになります。
精神的な症状として、頭痛やイライラや不安感を招いたりします。そして症状が進むと疲労感が出て食欲不振となり、無気力になり躁鬱状態になることがあります。
VDT症候群の原因
それではVDT症候群の原因は何なのでしょうか?
明るさ
部屋の明るさは、書物の文字が無理なく読める程度を目安にして、過剰な光の明るさを調節します。過剰な光の明るさは、目に負担を増加させます。目の疲れを軽減するためには、明るさの調節が必要です。
周りに極端に明るい場所や、暗い場所があると目が疲れてしまいます。窓際は特に明るいのでカーテンやブラインドを利用して、明るさの調節が必要となります。光が反射することで、目に負担をかけることになります。パソコンなどの置く場所を工夫して、目の負担を和らげることが必要となります。
青色光の可視光線は380~495nm(ナノメートル)波長の、とても強いエネルギーを持っています。青色光(ブルーライト)は波長域の、波長の短い青色の光をだして、紫外線に一番近く、目の一番奥の網膜まで届いてしまうのです。
可視光線の中でも一番強い、高エネルギーの光です。ちらつきやまぶしさが起こるのは、この波長の短いブルーライトが光を、散乱させてしまう性質があるからなのです。LEDの明るさはこのブルーライトが発生している、ちらつきやまぶしさで目の負担を大きくし、眼精疲労などになるのです。
部屋の明るさは自然の光を取り入れて明るくして、画面の明るさと手元の明るさを調節することが大切です。自然の光を採光窓から直接取り入れて、作業者の目に負担をかけない様に工夫することが大切です。
また窓からの光や、照明の光が画面に映りこまない様、物の見えずらさの防止をしないといけません。
姿勢
同じ姿勢や無理な姿勢を長時間作業で行うと、肩こりや腰痛が起こります。椅子に座った姿勢が正しい姿勢になるよう、椅子の高さにも気を使い、不自然な姿勢にならない様注意が必要となります。椅子の高さもとても大事な条件になってきます。
空調
部屋の中の空気環境の管理は、作業する人の負担にならない様にすることが大切です。例えばエアコンの送風など、目に直接風が当たらないようにして、周辺環境の工夫をすることが必要となってきます。
空調が当たるところは、乾燥が増すのでVDT機器からの発熱と気流に配慮し、適度な室内温度と、湿度を働きやすい環境に設定することが大切です。
VDT症候群の検査
さてVDT症候群に対して、企業は検診を義務付けられています。どのようなものがあるのでしょうか?
VDT症候群の検診内容は、企業企業によって違いがあります。現在は一部の大手企業しか行われていないのが実態の様です。それではどのようなものがあるか?貴方の会社ではこの検診は行われているか、いないかなど見てみたいと思います。
問診
問診でパソコンの作業の中身を聞きます。また過去の健康障害などの、有無についても聞かれます。またアンケートや調査などを行い、現状の身体の状態自覚症状などについても、聞いていきます。
見ることに対する負担などはないか、手や腕の動作に異常はないか、身体を動かさずに力を入れる静的筋労作などを聞いて、心や身体に与える影響を診断します。
眼科的検査
眼科的検査
眼科的検査では50㎝および5m近い、近方視力の検査を行います。5m視力で0.6以上は必要とします。また近視・遠視・乱視の状態を調べるために、屈折検査をおこない、正視かどうか調べます。
眼位検査
眼位検査では斜視の状態を調べるため、左右の目の眼位のずれがないか調べます。
立体視検査
立体視検査の異常を調べます。立体視とは立体的に物体を、とらえられるか見るもので、物体を両眼視した時に、左右の像の視差が生じます。視差が生じて物体を立体的にとらえることが出来るかどうか見るものです。
また明瞭に見える明視の範囲を調べます。遠点から近点に挟まれた空間を測定して明瞭に見えるかの有無を調べます。この調節力は加齢とともに衰えてきます。
色覚検査
色覚検査では色覚に異常(色盲・色弱)が有るのかないのか調べます。
眼圧検査
眼圧検査では眼球内部の圧力を測定します。
眼科診察
眼科診察では疾患にともなう二次的な眼底の変化を、検眼鏡を用いて眼底の状態を調べ、強度な近視や、高眼圧やその他の疾患などの症状を見ます。眼底に変化がないか医師の、診療した判断が行われます。
整形外科診察
整形外科の診察では医師により、打鍵作業によって疲れなどがでると、手・腕など動かしているときの、筋肉の疲労や筋肉に連なる骨の機能的・器質的障害の有無を調べます。
また手や腕を動かさないでいるときの筋肉の疲労や、打鍵作業で手や腕などが、筋肉や骨などが無駄がなく機能しているか、または骨などが変形していないかを見て、あればどの程度かを検査します。
また目などの疲れによって肩こりが起きているかなども調べます。
検査方法としては握力検査(右・左)タッピング検査(タイプを打つ速度)では左右の2指を30秒みます。また1~2指の握力を図るピンチりょく検査が行われます。このピンチりょく検査は一般に親指ではかります。5指やるところもあるようです。
VDT症候群の治療
さてVDT症候群にはどの様な治療があるのでしょうか?
まず目薬として目に潤いを与える点眼薬や、ビタミンB群が配合された目薬や、ドライアイ用の目薬が処方されます。
身体や目の緊張をほぐす飲み薬や、ブルーライト保護用の専用眼鏡をかけると、液晶モニターから発せられる、緑色光を遮ることが出来ます。でもこれをかけると少し暗くなるので、どうしても外してしまいますが、目には悪いですね。
VDT症候群の予防
それではVDT症候群の予防はあるのでしょうか?
毎日の生活の中でどのような事に、気をつければ良いのでしょうか?職業病だとあきらめる前に、予防することはあると思いますので、できるだけ予防して、自分の身体を守って行きましょう!
まず毎日リラックスすることが大切です。ストレスが溜まりやすいですので、できるだけお仕事をしているときは、適度な休憩時間をとってリラックスします。
厚生労働省のガイドラインにもあるように、1時間に10~15分の休憩を挟むと良いと思います。また軽い体操をしたり、ストレッチで時々身体を動かし、身体を柔らかく身体の緊張をほぐす事も大切です。
また眼鏡は自分の目にあった、度のあったものを使用して、異常を感じたら早期に眼科を受信することが良いと思います。
パソコンの位置や仕事をするときの姿勢などは、画面が真正面ではなく、少し下がる角度がベストの様です。画面まで40㎝以上離すと良いそうです。
私は60㎝ぐらい離していますが、遠視が最近すごく進んでいるので、本当に40~70㎝話す方がよいのか疑問に感じてきています。また液晶の緑色光をカットするために、ブルーライトカット用の眼鏡や、パソコンにシールを貼ると違ってきます。
室内が乾燥していると、目も乾きますので、温度や湿度の調節も行った方がよいです。
まとめ
皆さんVDT症候群についてお分かりいただけましたでしょうか?皆様も多かれ少なかれこのような症状になっているのでは無いでしょうか?
VDT症候群は目から始まりますが、やはり目を酷使すると、身体全体に及びます。私は1年ほど前に色々な症状が出て、眼精疲労と言われましたが、現在は可成り改善されて、良くなっています。やはりリラックスは大切ですね。
厚生労働省のガイドラインのような訳にはいきませんが、自分で色々工夫しながら自分の身体を労ってやることで、かなり違ってきますので、少しでもガイドラインに沿ったやり方をしながらお仕事に励んでください。