「どくだみ茶」と聞いて皆さんはどんなイメージを持ちますか?苦い?美味しい?臭い?
なんとなく体に良いことは知っているものの、実際にはどんな効果効能があるのかは分からない人が多いのではないでしょうか。実はどくだみ茶には「300種類の病気を治す」ともいわれる、驚きの効果効能があったのです。
今回はそんなどくだみ茶について説明します。飲むことで身体にどのような効果があるのか、注目の成分や安全性、注意点など細かくまとめました。
どくだみとは
どくだみ茶とはその名の通り「どくだみ」と呼ばれる野草から作られたお茶のことです。どくだみはとても生命力が強く、北海道を除く全国のあちこちに生息しています。
どくだみは独特なニオイから嫌われがちですが、日本三大薬草のひとつとされ、10種類以上の薬効成分を持っていることから、「十薬」いう生薬名がつけられています。
どくだみと呼ぶだけあって「毒」があると思っている方もいるかもしれませんが、優れた効果効能から「毒を抜く・毒を矯み」という意味が名前の由来となっているともいわれています。
どくだみに含まれる有効成分
どくだみには私たちの体内な必要な複数の有効成分が含まれています。
●カルシウム…歯や骨を丈夫にする
●鉄…造血作用、貧血予防、疲労回復、タンパク質の代謝促進
●ビタミンB2-子供の成長促進、皮膚・粘膜・爪の再生、老化防止
●マンガンー抗酸化作用、生殖機能の活性化
●マグネシウムー血圧調整、体温調整、血糖値の調整
●パントテン酸ー糖質、脂質、タンパク質の代謝促進
●フリンー血液を中性に保つ
●ナイアシンー脂肪や糖質の分解、皮膚や粘膜の炎症を防ぐ、エネルギー作り
●ビタミンK-止血作用
●コリンー脂肪肝予防、コレステロール値の改善、疲労回復
●デカノイルアセトアルデヒドー殺菌・抗酸化作用で皮膚の疾患に効果的
●クエルシトリンー便秘解消、利尿作用、抗炎症作用
●イソクエルチトリンー毛細血管強化、血流改善
どくだみ茶の作り方
どくだみの持つ優れた有効成分を気軽に取り入れる方法として、お茶にする方法があります。み茶として様々なメーカーから商品化され、使いやすいようにティーパックに入れられた状態でも市販もされてますが、実は自分でも簡単に作ることができます。
どくだみの採取からお茶の作り方まで説明します。
どくだみがと採れる時期
どくだみは白い花が咲く初夏の6月~8月ごろが採取に適した時期です。特に花が咲くこの時期が一番有効成分の効果が最も高まる時期でもあります。
どくだみの採取場所
どくだみは生命力が非常に強くどこでも生えています。しかし、道端など車の通行量が多い場所は排気ガスなどの有害物質が付着している可能性があるので、できるだけ避けましょう。
また、農薬や除草剤が付いてる恐れがある場所での採取も気を付けましょう。
どくだみ茶作り方
①根の部分は不要なので切り落とします。汚れや余分な雑草が混ざってないかを確認し、水で綺麗に洗いましょう。なるべく刈り取ってからすぐに作業に入ってください。
②洗ったどくだみの水気をしっかり切り、数本ずつに分けてビニール紐などで縛って束ねます。この状態で風通しの良い場所でしっかりと陰干しさせます。目安としては、パリパリと音をたてるくらいまで乾燥すればOKです。
③乾燥させたどくだみをハサミで適度なサイズにカットします。特に大きさに決まりはありませんが、お茶にすることを意識したサイズにしましょう。
④カットしたどくだみをフライパンで煎ります。こうするこどで余分な水分がなくなるのと、
カビが発生しにくくなり保存にも便利になります。火が強いと焦げやすいので弱火で煎ります。
⑤最後に保存容器に入れ湿気させないように保管してください。煎った後に粉末にすれば
更に長持ちします。
どくだみ茶を淹れる前の注意点
茶ばを鉄製や銅製の鍋ややかんで煮出してしまうと、タンニンが鉄分と結合し、人体に有害なタンニン鉄がお茶に溶け込んでしまう可能性があります。
どくだみ茶を淹れる場合は、土瓶やホーロー、耐熱ガラスで作られた鍋ややかんを使用してください。
どくだみ茶の淹れ方
■茶葉を煎じる方法
よりどくだみの効果を高める淹れ方としては、乾燥したどくだみ茶葉10gに対して水500mlを入れ、20分以上火にかけて煮出し、水分が2/3もしくは1/2になるまで煮詰める方法があります。あまり強火で沸騰させてしまうと、せっかくの有効成分が破壊されてしまうので火加減には注意しましょう。
また、30分以上煮込んでしまうと、かえって人体に悪影響を及ぼす成分が出てきてしまうので、煮出しすぎないようにしてください。煮出した茶葉は必ず取り出すようにしてください。そのまま放置しておくと、せっかく溶けだした有効成分が茶葉に再び吸収されてしまいます。
■粉末を使用する場合
茶葉を毎回煎じて飲むのは時間と手間がかかって面倒だと感じる人は、粉末タイプがオススメです。粉末はそのままお湯に溶かして飲むので、実は茶葉を煎じて飲む場合よりも約5倍の薬効があるといわれています。
つまり水500mlに足して粉末を2g溶かせば十分な効果が得られます。
どくだみ茶をもっと美味しくのむ工夫
体に良いと分かっていても、どくだみ茶の持つ独特な味や香りが苦手な方もいるのではないでしょうか。そこで少しの工夫で美味しく飲みやすくなる方法をいくつかご紹介します。
■直前にフライパンなどで煎る
お茶を淹れる前にフライパンなどで軽く茶葉を煎ることで、香ばしさが増し麦茶のような味に
なり飲みやすくなります。しかし長時間煎ると焦げて苦みが出てしまったりする場合もあるので、火加減や時間には注意しましょう。
■他の茶葉とブレンドして淹れる
どくだみ茶はノンカフェインです。ですので他の茶葉とブレンドする場合もできればノンカフェインの物を選びブレンドしましょう。どくだみ茶と相性が良く美味しく飲めるオススメの茶葉は「ほうじ茶」「ハトムギ茶」「杜仲茶」「枇杷の葉茶」などがあります。
ブレンドする際の割合には決まりはありませんが、1:1を目安にまずはブレンドしてみてください。よりどくだみ茶の効果を高めたい場合はどくだみ茶葉を多くし、飲みやすくしたい場合は他の茶葉の割合を多くするなど調節してみてください。
■バナナを入れる
どくだみ茶とバナナは合うの?と思われるかもしれませんが、実はバナナにはどくだみ茶の持つ独特な芳香成分である「ラウリルアルデヒド」と「デカノイルアセトアルデヒド」を緩和させる働きがあります。
バナナを輪切りにしてしばらく蒸らすだけで、簡単に飲むことができます。バナナの持つフルーツの甘みの加わってより飲みやすくなります。
どくだみ茶は冷やして飲む場合もありますが、バナナを入れて芳香成分を緩和させる場合は、温かい状態のものをオススメします。
■スパイスを入れる
スパイスをちょい足しするだけで香や風味に変化が出て飲みやすくなります。また、どくだみ茶の味に飽きてしまった場合にもオススメの飲み方です。どくだみ茶と相性の良いスパイスは「シナモン」「カルダモン」「クミン」「クローブ」などです。
この4つだけでなく他にも相性の良いスパイスはたくさんあります。色々と試してみてオリジナルのどくだみ茶を作るのもよいかもしれません。
どくだみ茶の驚きの効能
どくだみにはたくさんの有効成分が含まれていると分かりましたが、具体的にどくだみ茶を
飲むことによって私達の体にどのような効果効能があるのでしょうか。
デトックス効果と便秘解消効果
どくだみ茶の持つ注目の健康効果として、強いデトックス作用があります。体内に蓄積された余分な毒素や老廃物を排除する効能に長けています。
また、女性に嬉しい効果もたくさんあります。それは便秘解消効果です。どくだみ茶に含まれるマグネシウムには腸内環境を整える働きがあります。固くなった便を柔らかくし、便秘解消を促します。便秘を解消することでダイエット効果にもつながります。
膀胱炎の改善
どくだみ茶には強い利尿作用があります。膀胱炎とはトイレを我慢することによって、膀胱内に細菌が繁殖して炎症を起こす病気です。
どくだみ茶の利尿解毒作用によって、膀胱内の細菌を尿で排出し改善させます。
高血圧を予防する
どくだみ茶に含まれるクエルシトリンやイソクエルチトリンには、毛細血管の老化を防ぎ、
血管を強化する働きがあります。血管を強化することで高血圧を予防する効果が期待できます。
動脈硬化を予防する
どくだみ茶には、日々の食習慣や運動不足、ストレスなどが原因で起こる動脈硬化を予防する効果があります。
動脈硬化とは血管がもろくなってしまう症状ですが、どくだみ茶を飲むことによって、血管が強化されるので動脈硬化が起こりにくくなるのです。
肩こりを予防する
どくだみ茶には血流改善の効能があり、血行が高まり新陳代謝が良くなることで、日々の肉体疲労からくる肩こりの改善や予防に効くといわれています。
糖尿病を予防する
どくだみ茶には生活習慣予防効果があります。その生活習慣病の中でも特に注目なのが糖尿病予防効果です。どくだみ茶には抗糖化作用があります。これはクエルシトリンやイソクエルチトリンにふくまれる有効成分の働きによって、血糖値を正常に保つ作用が大きく関係しています。
また、糖尿病予防だけでなく、糖尿病による合併症の予防にも効果が期待されています。
心臓病を予防する
狭心症や心筋梗塞などの心臓病は、血行不要などによる心臓への圧迫が原因で起こる病気です。どくだみ茶には、血液の中の血小板に働きかけ血液をサラサラにする効果があります。
その結果、血流が良くなり心臓への負担が減るので心臓病の予防につながります。
冷え性を予防する
特に女性に多い悩みの一つとして冷え性があります。冷えは健康面だけでなく美容面においても女性にとっては改善したい深刻な問題です。
男性に比べて女性は熱を作り出す筋肉量が少なく、皮膚の表面温度も低い傾向になります。また、冷え性の人はミネラルが不足しているため、熱生産量が下がってしまっている状態になります。どくだみ茶には豊富なミネラルが多く含まれるため熱生産を高め、フラボノイド類で血行を改善し、冷え性を予防する働きがあります。
蓄膿症を予防する
蓄膿症とは鼻の奥にある副鼻腔とよばれる場所に膿が溜まる病気のことです。蓄膿症には自律神経が上手くコントロールできなくなってしまう場合があり、自律神経が乱れると精神が不安定な状態になったり不眠になってしまったりします。
どくだみ茶には殺菌作用や自立神経をコントロールする作用もあるため蓄膿症の治療に効果的です。
アトピー性皮膚炎や花粉症のアレルギー症状改善・予防・緩和
どくだみ茶には解毒作用と血液浄化作用による体質改善効果があります。これにより体質を
改善させることによって、皮膚トラブルの一つでもあるアトピー改善効果や、花粉症などのアレルギー症状を改善・予防・緩和させることができると期待されています。
生理痛や生理不順を改善する
生理痛や生理不順の原因の一つとして体の冷えによる血行不良が考えられます。どくだみ茶には血の巡りを良くし熱生産を高める働きがあるので、生理痛や生理不順の改善に効果があります。
ニキビや吹き出物の改善
どくだみ茶には抗酸化作用やターンオーバーを正常に保つ作用があります。そのため、内側から肌質を改善し美肌・美白に導きます。つまり、美容効果・美肌効果・アンチエイジング効果といった女性には嬉しい効果ばかりです。
また、抗菌作用・消炎作用によってニキビや吹き出物といった肌トラブルを改善してくれます。
疲労回復効果
どくだみ茶のデトックス効果や血流改善による新陳代謝向上効果から、疲労回復にも期待できるといわれています。肉体疲労だけでなく、慢性疲労やだるさの緩和、夏バテ防止にも役立ちます。
むくみ解消
むくみの原因には血行不良や体の冷え、便秘などがありますが、どくだみ茶にはその全てを
改善する効果があることから、むくみ解消にも期待できるといえます。
不妊改善や妊娠率の向上
どくだみ茶には天然の抗酸化物質、フラボノイドであるクエルチトリン、イソクエルチトリン、デカノイルアセトアルデヒドなどが含まれています。抗酸化物質は精子や卵子の老化を防ぎ、妊娠率を向上させる働きがあるといわれています。
ですから不妊で悩んでる方やこれから妊活を始める方には積極的に摂取をオススメします。
どくだみ茶の摂取量
どくだみ茶の一日の摂取量は、健康な成人であれば1~2リットルが適量だといわれています。
一度に飲むとお腹を冷やす可能性があるので、できれば数回に分けて飲むようにしてください。また、妊婦の場合は一日にコップ2杯程度が目安とされています。
注意点
どくだみ茶にはカフェインを一切含まないことから、妊婦や授乳中の方、高齢者、乳児など
誰でも安心して飲むことができます。しかし過剰に摂取してしまうと副作用などを引き起こす
危険があります。必ず摂取量を守って以下の点に注意しましょう。
■下痢になる
クエルシトリンが持つ緩下作用によって飲み過ぎた場合、下痢になることがあります。
■高カリウム血症になる可能性がある
肝臓機能の低下しがちな高齢者や腎疾患を患っている方は、高カリウム血症になる可能性があります。
■流産や早産のリスクが高まる
子宮を収縮させる作用があるので妊婦は流産や早産を引き起こす原因となる場合があります。
お茶以外の利用方法
優れた有効成分を持つどくだみは、お茶として飲むだけでなく、他にも利用方法があります。
是非参考にしてみてください。
化粧水
どくだみに含まれる豊富な美容成分を活かした化粧品があります。自宅でも簡単にオリジナルの化粧水を作ることができます。
また、どくだみには炎症を抑える効果や、アトピーを改善する効果があることから、敏感肌の人でも安心して使用できます。
入浴剤
どくだみの葉を入浴剤として利用したどくだみ風呂があります。どくだみ風呂の効果効能としては、血行促進によく温浴効果、美肌効果、デトックスによるダイエット効果があります。
まとめ
いかがでしょうか。どくだみは今まで邪魔な雑草として何気なく目にしていただけかもしれませんが、実は驚きの効果効能を秘めた十薬だったのです。
美容効果や健康効果など、私たちが元気で健康的に生活するうえ欠かせないものばかりです。寝起きの一杯、食事と一緒に、水分補給に、など毎日飲むお茶をどくだみ茶に変えるだけで、
知らず知らずのうちに美や健康を手に入れられます。
どんなに頑張って努力しても身についた生活習慣はなかなか変えられないものです。少しずつ始められる小さなことから健康を意識してみるのも良いかもしれません。
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