春になると芽を出すタケノコですが、旬のタケノコを食べると本当に美味しいですね。たけのこのコリコリした食感はいいですね。
たけのこは、無農薬、無肥料の野菜です。タケノコには食物繊維3.3gと割合豊富にあり、カロリーが100g30キロカロリーと、ダイエット向きの食材です。また栄養がないというのは本当でしょうか?そのタケノコを食べすぎて、どのような害があるのか調べてみました。
たけのことは?
タケノコとは、イネ科タケ亜科の若芽を言います。3~4年目の芽が温帯では春先、熱帯では夏に伸びはじめ、その勢いは地表に顔を出す頃は数センチだったのが、10日ごろには数十センチから1メートル超えるものまであります。つる性を除く被子植物の内で、最も成長の早い植物です。
筍の字の由来は、筍の成長が早いため10日(一旬)で成長して竹になるので、竹冠に旬と言う字を組み合わせたそうです。
硬いタケノコの皮は、柔らかい本体を保護するだけでなく、節の成長を助けるために若竹の皮をむくと、その節の成長が止まり、顔を地上から出して間もなく、成長が止まり枯れて腐ってしまいます。タケノコを過度に採取すると、竹林に影響を催します。
たけのこの種類
- モウソウチク・・・時期は3~4月頃に採取でき皮は黒班租毛に覆われています。
- ハクチ ・・・時期は4~5月頃に採取でき、皮は淡紅色です。
- マダケ ・・・時期は5~6月頃に採取でき、皮は薄い黒班に覆われています。
- ネマガリタケ・・・時期は5~6月頃に採取でき、タケノコが弓状に曲がって生えます。
- カンチク ・・・時期は10月黄色または黒紫色です。
たけのこの栄養価
- カロリー 27キロカロリー
- 炭水化物 糖分3g 食物繊維2.2g
- 脂肪 飽和脂肪酸0.069g 多価不飽和脂肪酸0.134g
- ビタミンB (B1)0.15mg (B2)0.07mg (B6)0.24mg 他0.831mg
- ビタミンC 4mg
- ビタミンE 1mg
- ナトリウム 4mg(ミネラル)
- カリウム 533mg(ミネラル)
- アスパラギン酸 0.425g(タンパク質)
- チロシン 690mg(アミノ酸)
たけのこの効果効能
タケノコの栄養成分として、食物繊維、ミネラルのカリウム、アミノ酸のチロシンの効能があります。うまみ成分にはアスパラギン酸があります。
食物繊維
食物繊維は最近では6大栄養素の一つと言われていて、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素に続くものです。腸内で老廃物を運搬して不要な物質を、体外に排出する働きがあり、人間の消化酵素では消化されません。
糖質の吸収抑制作用や、コレステロール値低下作用などの様々な生理機能を持っています。食物繊維には大腸がんの予防や、高血圧、糖尿病、動脈硬化を予防する効果や、ダイエット効果もあります。
腸内環境を整える効果
食物繊維は水溶性、不溶性共に体内の不要な、腸内で溜まった老廃物を、体の外へ排出する働きをして、腸内環境を整える整腸作用があります。
また善玉菌を増やしてくれる作用があり、便秘や下痢の人には効果的な成分となります。
水溶性食物繊維
人間の身体にとって不要な物質の吸収を妨げて、水に溶けゲル化します。そして便として排出させる働きを、水溶性食物繊維は持っています。
不溶性食物繊維
水には溶けず水を含んで膨張します。膨張することで腸を刺激して、腸の蠕動運動を活発にして、食べ物の残りかすを速やかに、体外に排出する働きをしています。
糖尿病予防
水に溶けると水溶性食物繊維はゲル化して、食べ物の移動を胃から小腸へ穏やかに行います。
そうする事は糖質の吸収速度を緩やかにして、食後の急激な血糖値の上昇を防ぐことになります。糖尿病はインスリン不足から起こる病気で、血糖の上昇が緩やかであれば、インスリンが無理なく作用し、不足することもなくなるでしょう。
現代人は脂質や糖質の過剰摂取により、急激な血糖値の上昇をまねき、インスリン産生に負担をかける結果になって、インスリン不足が起こることから、糖尿病の患者が多いと考えられています。水溶性の食物繊維は、インスリン産生に負担をかけないように、糖質の吸収速度を緩やかにするため働きますので、糖尿病を予防する効果が期待できるのです。
肥満予防
不溶性食物繊維を2.5gも多く含むタケノコは、口の中でよく噛む必要があります。早食いによる過食を防ぐため、咀嚼回数が増えることで、口の中の唾液の分量が増して、満腹感を味わうことが容易になります。
また胃の中で消化する時間が長いため、長時間満腹感を味わう事が得られて、食べすぎによる肥満を予防する効果があります。
高血圧予防
高血圧を予防する効果は、水溶性食物の中でも特に、アルギン酸に顕著に現われ、食品の中のカリウムなどミネラルと結合するアルギン酸は、胃酸の影響によって、カリウムを放して、小腸でナトリウムと、結びつき排泄されていきます。
胃でアルギン酸から離されたカリウムは、腸で吸収されて血液の中のナトリウムを、身体の外に排出する働きをします。ですからナトリウムを体外に、排出する水溶性食物繊維は、血圧を下げ、高血圧を予防する効果が期待できるわけです。
コレステロール値を下げる予防効果
詳しいメカニズムはまだわかっていませんが、水溶性食物繊維はマンナンやペクチンなど、ゲル状になりやすい、食物繊維を食べることで、便への胆汁酸排泄量を増やす働きをします。
ですから水溶性食物繊維は、コレステロール値を低下させる、効果があるわけです。胆汁酸とは、脂肪の消化・吸収に関わり、肝臓でコレストロールを原料として作られます。胆汁酸の排泄を促進する働きがある、水溶性食物繊維は、コレステロール値を下げる効果があると言ってよいでしょう。
また不溶性食物繊維のリグニンとヘミセルロースにも、コレステロールを下げる働きがある物質です。
カリウム
カリウムには高血圧の予防効果、むくみを予防・改善する効果、筋肉を正常に保つ効果などがあります。
筋肉の収縮はアセチルコリンの神経伝達物質が、筋肉細胞と脳内の神経細胞の間で、神経伝達物質を信号としてやり取りしている、シナプスに放出されます。筋肉細胞がアセチルコリンを受け取ると、電位変化がナトリウムとカリウムの間で起こり、この様な変化により筋肉が収縮します。
チロシン
チロシンは代謝や自律神経の調整の働きがあるため、甲状腺ホルモンや、髪の毛や皮膚の黒色の色素である、メラニンの材料となり、また必須アミノ酸の一種で、うつ病を改善する効果がある、神経伝達物質の原料となります。
ですからチロシンには、うつ症状を改善する効果や、集中力を高める効果、白髪を予防する効果があります。チロシンはアドレナリンの量を増加させるので、血圧上昇を招く恐れがあり、注意をして食べることが大切です。
疲労回復の効果
チロシンは疲労回復効果や、ストレスを緩和する効果や、集中力を向上させる効果などがあります。
人間は強いストレス状態になると、アドレナリンやノルアドレナリンを消費します。それにより些細な事でも攻撃的になって、疲労を感じるようになります。チロシンはアドレナリンやノルアドレナリンの前駆体にになるので、神経機能を調節します。ですからストレスが緩和されるのです。
チロシンは慢性疲労も改善する効果があり、神経伝達物質を生成することで、脳の働きを活性化して、慢性疲労症候群を改善することが出来るのです。
たけのこの食べ過ぎによる不調
タケノコの適正な量は穂先なら1/3本、根本なら3cmぐらいが一日の摂取量として適量だそうですが、これも人によって違いが出てきます。若い人から年寄りまで同じではありません。
便秘や腹痛
タケノコは不溶性食物繊維を多く含むので、たけのこの食べすぎは便が硬くなり、大腸が通りにくくなって便秘の原因になります。
胃腸が余り強くない方や、繊維質の多いゴボウなどで腹痛の、症状を起こされる方などは、たけのこの食べすぎに、注意が必要となります。適量なら便秘解消になるところ、食物繊維の取りすぎによって、便秘や腹痛を起こし悪影響を起こします。
胃腸による不調
中医学でいうタケノコは、甘味の寒涼性の食材ということです。のぼせを解消して体の熱をとって毒を取り除く食材で、寒涼性とは食材の性質の事をいい、甘味とは五感の一つの甘味を意味して、気血を増やして体力を増進させ、疲労を回復する食べ物だと中医学では、タケノコの事を言っています。
胃腸の弱い人や食物繊維の多い食材を食べて腹痛などの症状を起こされた方は、タケノコの様な硬い食べ物は消化に時間がかかりますので、たけのこの食べすぎは、胃腸を壊し下痢や胃もたれ、胃痛などを起こす場合があります。
アレルギー
たけのこはアレルギー症状に似た症状の、仮性アルゲンと呼ばれる症状を起こします。アレルギー物質がもともと、タケノコに含まれているわけではないのですが、たけのこを食べることによって、仮性アルゲンのアセチルコリンが反応するのです。
この仮性アルゲンは喉のイガイガや皮膚が赤くなったり、腫れてかゆくなったりと肌荒れが起こり、また下痢や嘔吐、気管支喘息などの症状を、起こすこともあるそうです。仮性アルゲンは加熱することで取り除くことが出来るので、下処理でしっかりとアク抜きをすることが大切です。たけのこの食べるときの注意点は
- アク抜きをしっかりと行うことです。
- 充分火を通して調理することです。
- 体調不良の時はタケノコを食べるのを控えることが大切です。
また胃の中に長時間停滞して消化に時間がかかるため、口角炎、湿疹、吹き出物と言った肌荒れの症状を発症し、アレルギーに似た症状を引き起こすことがありますので、たけのこの食べ過ぎには注意が必要です。
シミを濃くする
たけのこのえぐみ成分は、ホモゲンチジン酸です。ホモゲンチジン酸はチロシンが酸化してできたもので、チロシンを食べすぎるとメラニン色素を、多く作る作用があるので、食べすぎるとシミやそばかすが濃くなることがあります。
しかしチロシンは必須アミノ酸の一種で、不足するとうつ病や、痴呆症また乳幼児だと発達障害や、成長障害を起こしますので、摂りすぎず少なすぎず食べることが大切です。
水溶性食物繊維は、ネバネバ系の海藻類と一緒に食べると、理想の食物繊維が取れます。バランスは不溶性:水溶性=2:1です。
たけのこのアクを抜く
シュウ酸やホモゲンチジン酸と、その配糖体などがタケノコの、アクの主成分です。タケノコのアクの取り方は、アルカリ性の水の、コメのとぎ汁や米ぬか、重曹で取り除くことが出来ます。タケノコにはアミノ酸の一種のチロシンが、非常に豊富に含まれています。
チロシンは100g中690mg含まれてこれが酵素により、ホモゲンチジン酸に次第に変化していきます。ですから加熱して酵素を失活させて、アク止めをする必要が出てくるのです。また青酸配糖体もふくまれているので、毒性があります。薄く切って8~10分程煮込んで料理すると安全になります。
スーパー等では水煮の状態で、タケノコは売られているのが多いですが、これは収穫してすぐにアク抜きをしないと、えぐみがどんどん強くなり、悪影響が出る成分が増加するためで、タケノコは収穫したら1分1秒でも、早くアク抜きをする方が良いのです。
アク抜きの方法は(家庭でやるばあい)
- 鷹の爪2~3本と米ぬかカップ1杯ほどを用意します。米ぬかがないときはコメのとぎ汁でもよいです。または重曹なども利用できます。
- タケノコをきれいに洗います。先を斜めに切り落とし、火の通りを良くするため縦に深く1本切り込みを入れます。
- 鍋にタケノコと米ぬか、鷹の爪を一緒にいれ火にかけます。火にかけて沸騰してくると勢いよく沸騰するので、弱火にして1時間ほど茹でます。竹ぐしを指して、中まで難なく入ったら火を止めます。
- そのまま火を止めて湯がすっかり冷めるまで一晩おきます。
アクの処理はおいしく料理するためにも、必要な手順です。タケノコのアスパラギン酸のうまみ成分が、料理の味を引き立たせてくれますので、アク抜きを確りするか、アク抜きしたタケノコを料理するか、タケノコを食べるうえでは必要になります。
アク抜きを上手にきちんとしないと、タケノコ恐怖症になってしまいます。また胃腸の弱い方が食べすぎると胃に負担が掛かり、気持ち悪くなることがあります。アク抜きをきちんとやらないことが、気持ちが悪くなる原因です。たけのこは天然ものの野菜です。自然食品として、昔はどの家庭でも季節になると、食卓に出されていた食物です。アクをきちんと取り除いて、タケノコの季節には、おいしいタケノコを食べたいですね、
シュウ酸の取りすぎ
シュウ酸の摂りすぎは、尿路結石の原因となります。腎臓や尿道の通り道にできる結石は、シュウ酸の摂りすぎによるものですが、カルシウムと一緒に取ることで、結石の予防をすることが出来ます。タケノコなど食べるときはワカメなどと一緒にタケノコ煮にして食べると良いでしょう。
たけのこの保存方法
普通に保存
アク抜きしたタケノコの保存方法は、タッパに水をいれて、茹でたタケノコをしたして、冷蔵庫で1週間ぐらいで使い切ることが良いです。その時毎日水は新しいのに変えることが必要です。
長期保存
長期保存の場合塩漬けにすると1年ぐらいは持つそうです。この方法はタッパに塩を敷いて、その上にゆでたタケノコを入れて、周りを塩で詰めていきます。塩はたっぷり使います。塩漬けなら1年ぐらいは大丈夫だそうです。
塩漬けの使い方としては、取り出して薄めの塩で洗い流してから使うと良いそうです。真水で洗うと食感が失われ、味が落ちますので、気を付けてください。
冷凍保存
また冷凍保存のやり方もあります。この時は冷凍するときに砂糖を入れると、煮物などの時に食感を失わなくて食べれます。また普通に冷凍するときは、茹でたタケノコを7~8mmぐらいに切ってジップロック袋に入れて冷凍します。
冷蔵庫によってこの冷凍は違いが出てきているようです。冷凍保存できる冷蔵庫と、そうでない冷蔵庫があるようですので、一度ご自分のところで少し冷凍して、様子を見られると良いと思います。
まとめ
如何でしたか?たけのこの食べすぎと、たけのこについて調べてみました。栄養が余りないと言われてきたタケノコですが、結構栄養もあり、ダイエット効果もあるようです。
旬のタケノコはできるだけ早くアク抜きをして、料理することが大切です。アク抜きに失敗すると、気持ち悪くなったり、タケノコ恐怖症にもなる方もいますので注意してください。
春の季節になると旬の食材として、おいしくて食べすぎないようにして、味わってみてください。
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