尾てい骨が出てる原因は?症状や改善方法を紹介!

生まれつきや老化や怪我や出産を境に「尾てい骨が出てる」「尾てい骨が人より長い」ことから痛みが発生していて困っている人は意外といらっしゃいます。

尾てい骨は丁度お尻の割れ目の部分にあたる部分に存在している骨になりますので座ったときやで転がった時に圧迫によって痛みを発生させてしまうことが多くあります。

腹筋運動を行う時に痛く出来ないという人はこの問題を知らない内に抱えているかもしれません。

ではこの尾てい骨の問題はどうして発生してしまうのか、治療方法や痛みを和らげる対処法などはないのかという質問に対して回答していきたいと思います。

尾てい骨とは

骨盤のゆがみからくる腰やその周りの痛みやしびれなどの不調

尾てい骨とはどんな骨のことなのでしょうか。どんな役割や経緯があって存在している骨なのかについて知っている人は少ないでしょう。

尾てい骨が持っている役割について紹介します。

尾てい骨の場所、役割

脊柱の後端部分にあるとがった骨を尾骨といいます。尾骨はお尻の肛門の上あたりに位置し、脊椎の一部です。背中を丸めてお尻の割れ目より少し上部を触ってみると骨の存在が感じられると思います。

脊椎は頭蓋骨から骨盤に向かい、頚椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)、仙椎(せんつい)、尾椎(びつい)、と順に並んでいます。仙椎のまとまりのことを仙骨と呼び、尾椎のまとまりが尾骨です。一般的に尾てい骨と呼ぶ骨は、この仙骨であったり尾骨のことを指しています。もしくは尾骨の一番下の、座るときに椅子に触れる骨のことを尾てい骨と呼ぶ解釈も一般的です。

尾骨と仙骨は混同されがちですが異なった役割を持っています。

仙骨(せんこつ)

仙骨は体のほぼ中心に位置し、脊椎を支える土台としての役割を担い、また人の動きの中心として機能します。脊椎を正しく保ち姿勢や運動の要になる所です。

尾骨(びこつ)

尾骨は、座ったり立ったりする際の人の姿勢を支えたり正したり、姿勢を安定させるのに役立っているようですが、後で触れるように尾てい骨は痕跡器官といわれている骨であり、現在では本来の役割ほどは機能していないのかもしれません。

尾てい骨の成り立ち

妊娠7週間目の人間の胎児の頃の写真を見てもらえば理解るのですが、みんなお腹の中で成長をしているときにはオタマジャクシのように尻尾が生えていて数個の尾椎に分かれています

それが成長とともに癒合して尾骨となります。この尾椎の数は個人差があるため、人によって尾骨の長さが違うということも起こりえます。

尾てい骨は尻尾の名残とも言われていて、進化の過程で不必要な尻尾は退化して現在の形になったと考える説もあります。

ご存知の通り人間は昔、猿の仲間であるの霊長類から進化した動物です。昔は天敵から身を守るために木の上で生活していたのでバランスを取るためなどに尻尾が生えていたと思われます。

この名残が今でも残っているというわけですね。中国では尻尾がついた赤ちゃんが2011年に出産されて大きくニュースにもなったことがあります

尾てい骨は痕跡器官

尾てい骨は「痕跡器官」だといわれます。つまり退化したけど残っている器官ということです。人の尻尾が退化してしまった今では、当時の役割は果たしていない器官だといえます。

尾てい骨以外にも痕跡器官といわれる進化の名残は存在します。有名なのは「動耳筋」や「盲腸」です。動耳筋は耳をピクピク動かす筋肉ですが、あの動きができるのは古代の名残ということです。

盲腸は、人間の摂る食事に今よりもずっと多くの繊維が含まれていた頃には食物の分解を助け善玉菌の維持する機能があったようですが、現在では虫垂炎(いわゆる盲腸と呼ばれる病気)を引き起こす厄介な存在で現代の食習慣ではほとんど機能していないと言います。

追記

最近になって実は盲腸は重要な働きをしていたことが明らかになりました

それは盲腸で発達しているリンパ節が免疫機能を向上させるということです。盲腸を切除した人よりも盲腸があるマウスのほうが免疫力が高く、長命であったことが報告されています。

それだけでなく盲腸には腸内フローラ(善玉菌)の退避場所としても機能していて、感染症などになった時に一部の善玉菌を盲腸に避難させて、身体が元気になってくると再び腸内に戻って素早く症状を回復し免疫力を高める効果があるのです

尾てい骨が出てる事で発生する症状

尻

尾てい骨は先にも述べたように構成する骨の数に個人差があります。

そのために尾てい骨が出ている、飛び出しているという人もいるようですが、そのような先天的な要素より、座る姿勢などの後天的な要素が原因となっている場合の方が多いようです。

尾てい骨が出ていることで起こる症状

座ると痛い、硬い床に寝そべると骨があたって痛い、などが主な症状です。痩せていてお尻の脂肪が少ない人にとくに多いです。腹筋運動やストレッチなどが痛くてできない人もいるようです

また、強く刺激があると尾てい骨が炎症を起こしてしまうこともあり、そうなると通常の歩行や排便などでも強い痛みが出てしまうこともあります。また見た目にもはっきりわかる場合は、そのことを悩む人もいるようです。

しかも症状が地味で病的な症状ではないために整形外科などの病院に行っても取り合ってもらえず、我慢するしか無いという状態を抱えている人も居ます。

肛門付近の骨に当たる部分ですので、腸の神経が集中していたり排泄機能に後遺症などの影響が及ぶ可能性があるので患者のことを考えると医者さんも出来れば手術はしたくないというのが本音のようです

出産にも影響する?

若い女性では、尾てい骨が出ていることが出産に影響する場合もあります。出産後、尾てい骨の痛みを訴える女性は多くいます。普段尾てい骨は内側に湾曲していますが、分娩時には赤ちゃんが産道を通りやすいように尾てい骨が反り返ります。そのために産後には尾てい骨が痛むのです。

この分娩時に、普段から尾てい骨が長くかたちが変形しており、とくに内向きに突き出していた場合、赤ちゃんの通り道の邪魔になってしまう可能性があります。産道を通り抜けるのを阻んでしまっている間に、赤ちゃんの呼吸ができないような状態になれば、後遺症が残ったり最悪の場合窒息死してしまう可能性もあります。このため、尾てい骨が通常より変形している妊婦さんは、帝王切開による分娩を選択することもあるようです。

急いで座った時に骨にヒビが

勢い良く座ったり、疲労が蓄積していて脱力して座ってしまうと、すべての衝撃が尾てい骨にっかかってしまいかなりの痛みとともに骨にヒビが入ってしまうことがあります

しかし尾てい骨のヒビ(いわゆる骨折)が発生したとしても固定できるわけでもないし、特にこれと言った治療法がありません。ですのでほとんど自宅での療養がメインとなります。

しかし炎症が広がらないように薬を出してもらったり、骨が曲がった状態でくっついてしまわないかなどを検査したり早く回復するようにアドバイスが貰えますので一度検査にだけは行ったほうがいいでしょう。

骨は早ければ1週間で癒合を始めますので、放置しすぎると変形して骨癒合してしまう可能性がありますので注意してください

慢性的な打撲に注意

長時間座り仕事をしている人からすると、尾骨が出ているという症状はかなり致命的な症状でもあります。

長時間尾てい骨が一点集中的に圧力を受けていますので、打撲の症状になります。また打撲をきっかけに恥骨が曲がってしまう事もあります

骨には適度な弾力がありますので、長時間一方向に力を与え続けると湾曲の問題に繋がってしまいます。

たまえに座る姿勢などを変えたり、しっかり骨盤を立てて座ることを心がけると尾てい骨への負担は軽減するでしょう。長時間着席時の打撲の症状は猫背の人に特に発生しやすいので注意してください

尾てい骨が出てる原因とその対処

骨盤矯正 効果

尾てい骨が出てしまう原因と対処法について紹介します。

先程も記載したように尾てい骨の痛みだけで骨を削る手術などは、患者のことを考えると後遺症や感染症のリスクが20%ほどの確率で発生してしまいますので出来れば行いたくない治療法になります。

原因をしっかり理解して、症状が発生することや慢性化することを予防し、対処法をしっかり行って痛みの症状に繋げないようにしましょう。

尾てい骨が出てる原因

では、尾てい骨が出ている原因は何でしょうか。生まれつきということもありますが、多くは姿勢の悪さによって起こります。

猫背や後傾姿勢は骨盤を歪め、本来よりも尾てい骨を外向きに飛び出させてしまう原因になります。仕事などで長時間座ったままの姿勢でいることが多い人も注意が必要です。

その他にも以下の様な原因が考えられています。

妊娠中期に尾てい骨の歪みが発生する

安定気に入ったとされる妊娠中期ですがこの時期から徐々にお腹が大きくなり始めます。

お腹の赤ちゃんが大きくなっている事で腹部の内蔵などは圧迫されて脊柱から繋がる骨盤なども大きく湾曲します

これによって骨盤が大きく開くとともに、尾てい骨の先端が内側に入り込んできたり、尖った部分がより鋭利に突出してくる形になるのです。

この影響で出産を期に骨盤の開から尾てい骨の痛みなどを感じるようになる女性が居らっしゃいます。

出産後の姿勢が尾てい骨突出の原因に

出産を難なく終えられた後にもこの問題が発生する事があります。それは、出産後の姿勢にあります。

出産まで全く痛くなかったのに出産してしばらくしてから痛くなる人が居ます。専門家の推測によるとこの問題の原因は出産後の姿勢にあるといいます。

帝王切開での出産を行った場合、その傷口を守ろうとして前かがみの姿勢や正常な姿勢でない体勢を無意識的に取ってしまうことで尾てい骨の突出につながっている可能性があります。

尾てい骨が出ていることによる痛みの対処

対処法について見ていきましょう。

・姿勢を正す

原因が姿勢の悪さなのであれば、姿勢を正す対処が必要です

座る・立つ・歩くときに背筋をしっかりと伸ばすことを意識しましょう

また、寝るときの姿勢も重要です。もし尾てい骨が出ているせいで仰向けに寝るのが痛くてつらい場合は、膝の下に枕を入れて寝ることにより腰が反って尾てい骨が床面に食い込むことが防げます

・ストレッチ

仕事上同じ姿勢を取り続ける必要があり、それが原因で尾てい骨や周辺の筋肉に負荷がかかってしまう場合にはどうしても対策できません。

そのような場合はストレッチをすることで緊張した筋肉がほぐれ、筋肉や骨のバランスが改善して痛みの症状が緩和できる可能性があります

・骨盤ベルトで矯正する

骨盤のゆがみが尾てい骨が飛び出している原因である場合には、骨盤矯正は有効な手段です。しかし、勝手な自己判断で骨盤矯正を行うのは危険な場合があります。

骨盤ベルトで矯正をすると骨盤に圧がかかるので、尾てい骨が変形している場合にはさらに歪めてしまう可能性もあります。血流を悪くすることで症状がますます悪化することも考えられます。きちんと整形外科の医師に相談するなどしてからの使用とした方がよいでしょう

・ドーナツ型クッションなどを利用する

間違った姿勢で長時間椅子に座り続けると、その加重によって尾てい骨が変形したり、痛みを生じたりします。

正しい姿勢で座ることができれば、尾てい骨でなく両方のお尻の奥にある坐骨が体重を支えます。この正しい姿勢で座ることをサポートしてくれるドーナツ型クッションなどを日常生活に取り入れることで、姿勢の矯正とともに尾てい骨が直接椅子や床に触れることも防げるので、痛みも緩和されます

その他の尾てい骨痛

腰痛い男性

尾てい骨が出ていることが直接の原因でないのに痛む場合もありますので、代表的なものをご紹介します。とくに尾てい骨が出ているとは思わないけれど痛みに悩んでいるという方は、こちらを参考にするといいでしょう。

滑液包炎(かつえきほうえん)

「尾てい骨が痛い」と訴える人の中には、尾骨または仙骨部分で起きた滑液包炎が原因となっているケースがあります。

滑液包とは少量の液体が入った袋状のもので、硬い骨と皮膚、筋肉、腱、靭帯などとの間でクッションの役割を果たしています。滑液包は組織同士がこすれて互いに損傷を加え合うのを防いでいます。滑液包炎は、この滑液包が怪我をしたり刺激を加えられすぎたりして炎症を起こした状態です。外傷、痛風、偽痛風、関節リウマチ、感染症などが原因となって起こることもあります。

尾てい骨部分では、硬い椅子などに長時間座り続けたことによって尾てい骨周辺の滑液包が炎症を起こします。痛みがあり、腫れることもあります。滑液包炎はひどいものでなければ安静にし、患部を冷やしてあげるだけで治ってしまうものもあります。痛みが強い場合には鎮痛薬が必要になり、局所麻酔とステロイド剤を直接滑液包に注射する治療が行われることもあります。

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)

坐骨神経とは、人の体の中で最も太く長い末梢神経です。腰から足の指先までずっと伸びています。坐骨神経痛では、この坐骨神経が筋肉などに圧迫されて痛みを感じます。

尾てい骨周辺で坐骨神経が原因となって痛みを感じる場合は、お尻の筋肉が硬くなって坐骨神経を圧迫したりひっぱったりしていることが考えられます。痛みだけでなく、しびれやつっぱり感などが生じます。

お尻の筋肉の「凝り」が神経を刺激するのが原因ですので、この「凝り」を解消することが治療となります。マッサージ、ストレッチ、適度な運動、温熱療法などが効果があります。

詳しくは、坐骨神経痛の原因とは?症状や治療方法、予防方法も紹介!を読んでおきましょう。

その他に考えられる尾てい骨痛

その他には、打撲や腫瘍などが痛みの原因として考えられます。

打撲はもちろん打った当初は痛みますが、何日も経ってからでも痛みが取れない場合は、骨が損傷していたり変形している可能性があります。骨の変形は後々痛みや後遺症を発症する恐れがありますので、病院を受診した方がいいでしょう。

また、尾てい骨の痛みの原因に腫瘍が隠れいていることも稀ではありますが考えられます。原因不明の痛みが長く続く場合にはやはりきちんと検査を受けるべきでしょう。

まとめ

尾てい骨が出ていて、そのために日常生活で感じる痛み、不快感。この大きな要因は姿勢にあることがわかりました。

尾てい骨痛だけでなく、骨盤や腰周辺の痛み・異常には姿勢が大きく関係していることが多いです。なぜならこのあたりの器官は冒頭で述べた通り人体の中心にあり姿勢や動作を司っていますので、姿勢が悪いとその負荷を一番に受けてしまう場所だからです。それが出産にまで影響すると思うと、よい姿勢で生活することの重要性を改めて感じるのではないでしょうか。

背筋を伸ばして生活すると、健康への効果だけなく気分も明るくなるはずです。できる限り心がけていきましょう。

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