美肌や健康、ダイエットに良いとされる茶はたくさんあります。その中でも、玄米茶は、日本人には馴染みがあり、手軽に手に入りやすく飲みやすい茶です。栄養価の高い成分がたくさん含まれており、様々な働きが期待できます。
玄米茶とは一体どんな茶なのか、どんな成分が入っていて、どんな効能があるのか、選び方や飲み方についても見ていきましょう。
玄米茶とは
玄米茶とは、蒸して炒った白米と玄米、遅い時期に収穫して苦味が少なくなっている番茶の2つを、同じぐらいの量にして混ぜて作られている茶です。
緑茶の一種である煎茶と番茶が混ざっているため、香がとても濃いですが、苦味は少ないです。
メリット
緑茶に比べると、玄米茶に含まれるカフェインの量はコーヒーの約1/30と、少ないため子供から大人まで年齢を問わず飲むことができます。妊婦の人は、目安1日に5杯までは許容範囲とされていますが、自身の体では本当に良いのか、飲む前に担当医に相談しましょう。
全くカフェインが含まれていないというわけではないため、医師にカフェインの摂取を禁止されている人は、気を付けましょう。
緑茶に比べて安価で得られているため、入手しやすいです。飲んだ時の感覚は個人差がありますが、比較的、香ばしい香とサッパリとした味わいであり、口の中もスッキリさせるため油物との相性も良いです。冷やして飲んでも良いですが、温かくして飲むと新陳代謝が上がりやすいです。食事の際に、一緒に玄米茶を飲むだけで良いですし、多忙な生活をしていても、スッと飲むだけで体内に取り込むことができます。
デメリット
緑茶に比べると含有成分の濃度が薄くなるため、緑茶に比べると渋さや味の濃さ、うま味が減ります。
濃い茶が好きな人にとっては、物足りなさを感じるでしょう。
こんな人にオススメです!
ストレスが多い、イライラしがち、外食が多い、偏食、便秘症(最低1日に3回以上、便を出していないと便秘症です)、肥満ぎみでダイエットをしたい、疲れやすい、コレステロールや中性脂肪が気になる、血糖値が高くて気になる、生活習慣病が気になる、血圧が高い、ニキビ・吹き出物や乾燥など肌荒れが気になる、肌や内臓の老化が気になる、口臭や虫歯が気になる、といった人にオススメです。様々な悩みを解決してくれそうなところが玄米茶の魅力です。
なぜ、こういった人にオススメなのか、これから説明する玄米茶に含まれる成分とその成分から期待できる効能を見ると納得がいくでしょう。
玄米茶の成分・効能
玄米茶には、栄養価が高く、様々な成分が含まれており、様々な効能が期待できます。健康成分となる栄養素がたくさん含まれていると言えるでしょう。
しかし、あくまで食べ物であり、薬ではないため必ずしも玄米茶によって変化が得られるわけではありません。何らかの変化を得られる可能性はあるため、試してみると良いでしょう。
ビタミンB群
この茶にはビタミンB群は豊富に含まれています。新陳代謝を助ける働きがあります。新陳代謝が良くなれば、体内に入る脂質代謝も良くなり、脂肪燃焼されてダイエット作用が期待できます。
また、疲労回復や貧血の予防、便秘解消や体の成長を促進させます。このことより、肌や体の老化に対しても作用し、健康やアンチエイジングには必要不可欠な栄養成分となっています。
ビタミンC
茶には、煎茶や番茶が混ぜられています。これらには、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは、美白作用・抗酸化作用があるとされています。シミの予防や、内臓・皮膚の酸化による老化の予防・改善に役立ちます。
肌の皮膚は、タンパク質やコラーゲンなどによって構成されており、美肌を保持するためにはコラーゲンが必須となります。ビタミンCは、このコラーゲンの生成を補助して肌のハリをアップさせます。
更に、免疫力を高め、風邪や花粉症といった病気の予防にも役立ちます。
ビタミンE
ビタミンEの抗酸化作用はとても強力です。抗酸化作用によって肌の錆びやシミ・シワといった老化の防止に役立ち、美肌効果が期待できます。ビタミンEの抗酸化作用を高めるためには、ビタミンCと一緒に摂取すると、相乗効果が得られるとされています。
また、ビタミンEは血行の促進や新陳代謝の促進、コレステロール値を下げるといった働きもあります。血行が促進されると血の流れが良くなり、血圧を安定させることができます。更に、新陳代謝が良くなったり、コレステロール値が下がると、糖尿病や肥満、動脈硬化といった生活習慣病の予防や改善に役立ちます。ダイエットにも良いです。以上の働きより、ビタミンEは若返りビタミンとも言われ、肌や体内のアンチエイジングには必要不可欠な栄養素の1つです。
これらの他に、女性のホルモン分泌を正常な働きができるように導く作用もあるとされています。玄米に豊富に含まれるビタミンEのホルモンに作用する働きによって、生理不順や生理痛、月経前症候群や更年期障害の予防・改善ができる可能性があります。女性には嬉しい栄養素です。
カテキン
カテキンは、茶の葉の成分に含まれるポリフェノールの一種です。これには、強い抗菌作用(殺菌作用)があるため、風邪の原因となるウイルスや細菌から体を保護し、食中毒の予防や虫歯・口臭の予防・改善にも役立ちます。
また、ビタミンEと同様、強い抗酸化作用もあり、内臓や皮膚が酸化して腐り、老化することを防ぐことができ、アンチエイジングに良いとされています。
その他、悪玉菌の増加を防ぎ、コレステロールの吸収を阻害し、体脂肪の増加を抑制して減少させる働きがあります。よって、小腸や大腸の蠕動運動も活発化しやすく、便秘の予防・改善や、中性脂肪の増加・肥満の予防や改善を期待できます。
血糖値の上昇も抑制する働きがあり、糖尿病の予防・改善にも繋がります。ダイエットをしている人には特にオススメです。
テアニン
テアニンはアミノ酸の一種で、茶のうま味成分になります。テアニンの働きは、脳の興奮の抑制を補助して興奮を鎮静化させ、緊張を緩和させることが期待できます。
よって、心身のリラックスや、集中力や記憶力を高めることができる可能性があります。緊張感や不安感、イライラしてストレスが溜まっている人にはオススメです。
タンニン
茶の葉の成分がもつタンニンはカテキンを含むポリフェノールの一種です。カテキンの作用を見てもわかるように、タンニンには、動脈硬化や肌・内臓の老化につながる活性酸素の活動を抑制するための抗酸化作用があります。
この働きより、老化の予防・改善やアンチエイジングが期待できます。
GABA(ギャバ)
この成分は、アミノ酸の一種です。コレステロールと中性脂肪の増加を抑制する働きがあります。このことより、肥満や糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病の予防や改善の助けになるとされています。「テアニン」と類似した作用があります。
その他に、興奮状態にさせて覚醒を上げさせる神経伝達物質であるアドレナリンの分泌を抑制して興奮を鎮静化させる補助をしたり、血圧をコントロールする働きもあります。このことから、特定保健用食品にも認定されています。GABAは、リラックス時に脳が発するα波を増やす作用があるとされているためです。この働きがあることにより、リラックス効果も期待できます。
また、血圧をコントロールして血圧を効果させることから、動脈硬化や脳卒中などの脳血管障害に対しても役立ちます。
ストレス社会にある日本の現代人は、ストレスが溜まりやすいです。生活習慣も乱れ、ストレス食いをしてしまい、肥満にもなりかねません。そういった人は、玄米茶を飲む習慣をつけると良いでしょう。
更に、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の双方がバランス良く含まれているため、便秘の予防・改善も期待できるとされています。便秘解消・腸内環境改善に伴い、ダイエット効果も期待できます。
フィチン
玄米自体には、GABAに記されている食物繊維に加え、フィチンがあります。フィチンは、体内でフィチン酸に変換され、有害物質と結合してから体外へ排出されます。食物繊維は腸内の老廃物を体外へ排出します。双方ともに、デトックス効果があり、老廃物や有害物質といった異物を体外へ排出し、腸内環境を良い状態に保つ助けをしてくれます。
よくダイエットの本や健康の本などで目にする毒素排出と同じです。これらの解毒作用は強力です。様々な食べ物から体内に蓄積された添加物や水銀、鉛、農薬などの毒素にも効果があるとされています。
但し、フィチン酸は、体に必要不可欠な栄養素であるミネラルと結合することもあるため、玄米を長期的に継続して摂り続けると、体内のミネラルが不足する可能性があります。
γ(ガンマ)-オリザノール
γ-オリザノールは、ポリフェノールの一種です。これは、玄米茶の原料となる玄米に含まれています。ポリフェノールは、コレステロールや脂肪の吸収を抑制し、これステロールや中性脂肪の値を下げる働きがあります。これより、肥満や糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病の予防・改善を期待できます。
その他に、腸内環境を悪くさせる原因となる悪玉コレステロールを減少させる働きもあるため、便秘や動脈硬化の予防・改善にも繋がります。
以上の事より、この栄養素は、ダイエットの効果も期待されます。
その他の栄養素
カルシウムなどのミネラルや鉄分が含まれています。鉄は貧血を予防・改善に必要です。カルシウムなどのミネラル成分は骨を強くしたり、疲労回復に必要な栄養素です。
オススメの玄米茶の取り入れ方
玄米茶の栄養を、より意味のあるものにするためには、選び方のポイントを押さえ、より効果を高めてくれるような方法を取り入れて飲むことをオススメします。
選び方のポイント
特に、茶に対するこだわりがある人や、妊婦や子供、健康に厳しい人は、玄米茶の選び方に気をつけると良いでしょう。
原材料によっては、避けた方が良い物や、医師に相談してから飲んだ方が良い物もあります。では、どういったポイントがあるのか見ていきましょう。
・玄米の形
まず、玄米茶を選ぶポイントを押さえましょう。玄米は、爆ぜた玄米(ポップコーン状の物)が多すぎない物を選びます。より香ばしさが欲しいという人は、玄米にこだわりのある業者や玄米の比率の高い物にしましょう。特に、餅米玄米を使用しているものは、より香ばしいです。
・外観と味覚
日本の茶特有の風味や甘味、鮮やかな緑色といった外観と味覚にこだわりがある人は、茶葉の比率が高い物を選ぶと良いでしょう。
また、抹茶入りの物もオススメですが、抹茶にはカフェインが多く含まれているため、妊婦や子供、その他に気にカフェインが気になる人は気をつけましょう。
・混合物の有無
残留農業の茶の葉もあり、妊婦や子供、健康に厳しい人は無農薬栽培の茶の葉を選ぶことをオススメします。
・病気のある人は注意
玄米茶には塩を含むものもあります。糖尿病や高血圧の人、動脈硬化などのおそれがあるなど生活習慣病の可能性がある人は気を付けましょう。原材料の欄に記載されているので、そこで確認をしましょう。
・急須ではないと駄目なのか
茶は通常、急須で入れますが、面倒臭いという場合は、ティーパックにしてみましょう。方法としては、急須で入れる際も、ティーパックを用いても味の濃さを自分で調整できます。
・ペットボトルは良いのか
ペットボトルには、酸化防止剤や着色料、香料などの添加物が多く含まれていることがあります。これらが気になる人は、避けた方が良いでしょう。
玄米茶の効果を上げる飲み方
アンチエイジングといった美容への効果、女性のホルモンを整える、ダイエット作用、生活習慣病などの多くの作用を期待できる玄米茶を、せっかく飲むのであれば、より良い方法で飲みましょう。とても簡単なので、幾つか紹介をしていきます。
・添加物が気になる人
ペットボトルのところで記載したように、市販で既に完成して売られている物は、添加物が大量に含まれていることが多いです。もし、それが気になるという場合は、自分で玄米茶を作ることをオススメします。方法はとても簡単です。
茶の葉から作る玄米茶を飲むことをオススメします。手元に煎茶と番茶の茶葉、玄米が揃っていると玄米茶を作ることができます。2つの茶の葉に玄米を軽く煎って混ぜ合わせると出来上がりです。
・作る時は低温か高温か
高温にすると、玄米茶の香や香ばしさも深く出すことができ、健康成分の効果も十分に得ることができます。高温であれば、体も温まりやすく、新陳代謝も良くなります。
しかし、健康成分である全ての栄養素がしっかりととれるわけではありません。高温にすることで、カテキンが溶けだしやすくなり、体内に吸収できるカテキンの量は通常よりも減ります。
かと言って、玄米茶は他の茶と異なり、低温にすると、香や香ばしさは得られにくいです。
・作る時のオススメの材料
玄米茶に限らず、日本茶を作る時に言えることですが、茶を作る時に用いる水は、軟水がオススメです。外国産の水は、ミネラルが多い硬水がほとんどです。硬水を取り入れすぎると、ミネラルの栄養ストレスによってお腹を壊してしまい、下痢などの原因になります。水を選ぶ際には、十分に気を付けましょう。
ちなみに、日本の水道水はほぼ軟水なので安全性は高いです。沸騰させて塩素を飛ばし、冷やすと、飲める水として使えます。所により、飲んではいけない水が出てくる水道もあるため、確認をしてから使用しましょう。
・急須での作り方
茶の葉は商品によって異なるため、自分の好みに合わせて内容量を確認して買いましょう。買った茶の葉と、約35℃の熱湯を急須に入れて30秒置きます。できあがったら、湯呑に最後の一滴になるまで入れましょう。急須の中に茶を残さないことがポイントです。
きれいに空っぽにしておくと、2回目に作った時がとても美味しく仕上がります。もし、急須の中に茶を残したまま2回目の茶を作ると味が濃くなりすぎてしまい、苦い味に仕上がります。
・アレンジもオススメ
毎日同じ方法で飲んでいると、個人差はありますが、人間の舌には飽きがきます。ちょっとした簡単な一工夫を加えると、気分転換になるでしょう。
特に、冷え症の人にオススメの飲み方は、玄米茶に摩り下ろした生姜(しょうが)を加える方法です。生姜の量は少量で大丈夫です。風邪や熱がある時にも取り入れる生姜は、体を温めるため、新陳代謝にも良いです。
・保存方法には注意をする
日本茶は、とてもデリケートな性質をしており、ちょっとした事で品質が低下します。長期保存をする場合は、未開封・開封済み関係なく冷蔵庫に保管しましょう。茶葉は他の香を吸収しやすいため、未開封の物でもしっかりラップで包んでチャック付のビニールで密閉しましょう。なるべく石鹸や香の濃い食べ物は近くに置かないように心がけましょう。
開封済みの茶葉は、密封できる容器に移し替えましょう。茶筒は、蓋も狭く、酸素に触れる時間が少ないため、包む物は茶筒がオススメです。酸素に触れると茶葉が酸化して劣化するため、できるだけ酸素に触れないようにして、1ヶ月以内、できれば短期間で使い切りましょう。
また、ストーブやガスコンロといった高温の物の近くや、直射日光が当たる高温の場所、湿気にも負けて湿気てしまうため、多湿の場所も避けましょう。茶の葉を包む容器も、直射日光が透けて入ると茶の葉が劣化するため、透明の容器に入れることは避けましょう。
まとめ
玄米茶には、外食や偏食、食の欧米化によって不足しがちになっている栄養素がたくさん含まれています。また、日本は疲労やイライラとしたストレスが溜まりやすい環境にあります。
仕事や家事で多忙な日々を過ごしていても、玄米茶なら直ぐに取り入れることができます。いろいろな効能も期待できるので、一度試してみてはいかがでしょうか。
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