枯草菌ってなに?その特徴や効果、腸との関係性について知っておこう!

枯草菌(こそうきん)は、土の中や空気の中に混じるバクテリアで、実際には地球上のあらゆる自然界の場所に存在する菌で、身体にいい作用を及ぼすものと、悪い影響を与えるものがあります。有名なのが納豆菌で、これは身体にいい作用を及ぼします。

このようにいい菌は、日常も摂取することにこしたことはありません。特にいまどきの食事は、身体に悪いどころか、寿命を縮める上に、苦しい病気にかかってしまう可能性が高くなっています。

ここ数十年、死因の多くが悪性腫瘍であるというのが増えているのもこのような、身体にいい菌が不足していることを考えるとうなずけます。これらの細菌は有用微生物と呼ぶのですが、昔から人体に相当の影響を与えてきていました。

ではありますが、いまさらこれまでの食習慣を変えることはかなり難しいと思います。そのような場合には、多少なりとも身体にいい作用を及ぼすものを摂取するだけでも違ってきます。その代表格が枯草菌です。

専門的になりますが、JST科学用語日英対訳辞書にはBacillus subtilis (バラシス サチリス)となります。世界的に有名な菌として登録されています。

今回は、その枯草菌についてお伝えいたします。

細菌の種類

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私たちを取り巻く環境は、広い目で見ると、動物、植物、そして自然など通常の目で見えるものがどうしても目に付きますが、目に見えない本当に小さな微生物の世界も存在しており、それはまた非常に重要な要素を持っています。それが細菌というものです。

枯草菌

多くの発酵食品に含まれている真正細菌で、主に整腸作用があり、人体に良い影響を与えるものです。これらの菌は醤油、味噌、納豆などに主に含まれています。

この菌が発見され、枯草菌の価値や有用性が高いことから、現在もカルピスという会社で研究がかなり進んでいます。さらに腸内環境維持のためにも、サプリメントまで開発し販売もしています。

セレウス菌

同じ枯草菌でも、このセレウス菌は人体に悪い影響を与えます。一般的な消毒である加熱や消毒剤などが効きにくく、食中毒を引き起こす菌です。

この菌の消毒に関しては、次亜塩素酸ナトリウムを含んだ高水準消毒薬が有効です。セレウス菌は、次亜塩素酸ナトリウム抵抗性がないため、排除するには適しています。

よく家庭用の洗剤で使われている、キッチンハイターなどの漂白剤が有名です。こまめに消毒は行うことで、食中毒防止にもつながります。

破傷風菌

破傷風という伝染病の病原体で土壌などあらゆるところで存在しています。この病原体が体内に入ると、初期の軽い症状として肩が凝ったり、会話がしにくくなるような口の開閉が難しくなります。

そして、重症になると身体をのけぞるくらいの痙攣となり、背骨が骨折してしまうことや呼吸困難となり、やがて死にいたります。この病気は世界中で恐れられています。

この菌は、傷口から入ることで感染します。菌を中和する薬を注射することで治癒しますが、そのためには早期の発見と対応が必要となります。

ボツリヌス菌

この菌が体内に入ると、四肢の麻痺を引き起こします。その他にも視力がぼやける、発汗、排尿異常などを引き起こします。乳児が主にかかる乳児ボツリヌス症というのもあり、腸などの器官に異常がみられ、便秘などを引き起こします。

この乳児がかかる場合のほとんどは、ハチミツにボツリヌス菌の芽胞という種が混じっていることが理由です。ですから、乳児にはハチミツを与えないようにしなければいけません。

この菌は、熱に弱いため、加熱することでかかる心配は余りありません。以前は、加工食品の中に紛れ、繁殖して食中毒が発生したケースがありました。

詳しくは、ボツリヌス菌に注意!感染して起きる症状や特徴を紹介!食中毒が起きる原因は?を参考にしてください。

納豆菌

なんといっても枯草菌といえば、一番知れているのは納豆菌です。納豆菌はもちろん納豆に多く含まれている訳ですが、もともとは納豆を作る際に発酵させるために保存する稲の葉に生息しているものです。稲から大豆へと菌が移り発酵して納豆が出来上がります。

この納豆菌は、整腸作用に効果があることで知れていますが、ほかにも非常にいい効果をもたらします。

・美肌効果

枯草菌の特徴である耐久性にすぐれ、ポリアミンという成分が、肌にも作用し美肌をつくります。化粧品でもこのポリアミンを取り出したものも出ています。

・血栓を溶かす

脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす、血管内の血液の塊を納豆菌の中の成分である、ナットウキナーゼが溶かしてくれます。血栓は、知らず知らずのうちに増えて、後々身体に悪影響を与える可能性が非常に高いものです。

ある時に突然その血栓が脳内の狭い血管で詰まってしまうと、身体の一部分が麻痺したり、動かなくなることがあります。

このようなことを防ぐには、納豆を一日1パック、なるべく夕飯時から夜にかけて食べると、血栓を溶かし、脳梗塞や心筋梗塞リスクを下げます。

・血液がサラサラになる

血液は、普段の食べているもので、さらさらの状態にあるか、ドロドロの状態にあるかは重要です。血栓の他にドロドロの状態ですと、やはり血流が悪くなり、同様に脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。

最近の食品の傾向として、添加物や質の悪い油が多用されているので、納豆を意識して摂取することをお勧めします。

枯草菌の特徴

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この身体によいとされる枯草菌をたくさん摂取することで、普段の不摂生な健康状態から、多少なりとも守ることができます。

熱に強い

一般的に熱に強いといわれており、100度でも耐えることができます。これは、なかなかすごいことで、通常は熱に弱いために煮沸消毒など熱を加えることで菌が死滅します。ですから、料理などで加熱すると、菌が死んでしまい身体にいい作用を及ぼさないことがあります。

酵素などがその例で、野菜や刺身など、生のものに豊富にあって、身体に良いとされていますが熱に弱いのです。ところがこの枯草菌は熱に非常に強いため、煮沸では死滅しないし、排除もできません。もっとも身体にいい菌で病原性はないので、排除の必要はありません。

善玉菌を増やす

腸の中には乳酸菌を含め、たくさんの菌が生息しています。それこそだいたい100兆という数です。この菌は主に3種類に分けられ、善玉菌、悪玉菌、日和見菌です。

このような菌の生息する環境を腸内フローラ環境と呼び、その人の健康度がわかります。この善玉菌なるのが枯草菌であり、善玉菌が減ると体調を崩す原因ともなります。

枯草菌を意識的にとることで、善玉菌が増えるとともに腸内環境が改善し、健康になります。腸内の環境というのは、普通の人でもあまりいいバランスの人はおらず、必ずと言っていいほど悪い方へ傾いています。便秘などがその例ですが、食べても太ってしまうことや肌荒れなどもその内の一つになります。

生きて大腸へ

熱に強いということもありますが、身体の中に入ると、通常は胃液などの強い酸で溶けてしまい、肝心の腸まで届きません。ですが、この枯草菌は胃液にも溶けずに胞子となって小腸や大腸へと移動します。つまり、胃液では死なずに、生きて腸に届くことで腸内の環境をよくします。

増殖スピード

この枯草菌は増殖スピードが非常に早く、あっという間に菌で一杯になります。だいたい40分で2倍になります。そして、この増殖時にその栄養源として回りにある微生物や有機物を分解することから、殺菌などの効果も非常に高いということで有効利用されます。

共存能力

他の有用微生物と共存できる能力があり、酵母菌、乳酸菌などと共に、良好な働きをします。これら善玉の微生物と共存できることは、人体にある時は非常に意義のあることで、健康管理には高い効果を上げます。

枯草菌の効果

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身体にいい事づくめの枯草菌ですが、果たしてどのような効果があるのでしょうか?ただ、この効果は継続して摂取することが大前提です。

たまにしか摂取しないということでは、効果は半減します。

便通をよくし、下痢を防ぐ

人により差がありますが、便秘や下痢に効果があるといわれています。便秘の人は、善玉菌が少なく悪玉菌の割合が高い状態です。この悪玉菌が多いと、酸が増え腸内の環境が悪い状態になり善玉菌が追いやられます。その上に日和見菌が悪玉菌の見方をして、悪玉菌になってしまうのです。

この日和見菌は、どちらか優勢の方に形を変えるという特徴があります。つまり、善玉が多いと、善玉に、悪玉が多いと悪玉菌になってしまうのです。

これらを考慮したうえで、枯草菌を腸内に導き、善玉有利に比率を変えることで、腸内の環境がよくなり、便秘や下痢に対応することが認められています。

コレステロールを下げる

枯草菌は、コレステロールの高い人を平均の値にする作用があります。昔からコレステロール値が高いと、脳梗塞や動脈硬化、脳血栓などおそろしい病気にかかるとさんざん脅されました。

ですが最近では、単純にコレステロールが高いということではなく、その悪玉コレステロールと善玉コレステロールとの比率が重要ということになっています。

つまり悪玉コレステロールも必要であり、善玉の倍にならないのであれば正常ということです。

睡眠

腸を保護している菌全般に言えることですが、枯草菌に限らず、乳酸菌も日常的に摂取していることでが、良質な睡眠を招きます。若干人により効果の違いは出ますが、積極的に菌を取ることで変化を感じることができます。

ただ、基本的に身体によくないことをしておいて、それでいて良質な睡眠を取ることは難しくなります。

腸内環境を改善する

腸内はフローラと呼ばれる乳酸菌などが生息し、人の身体を内面から守っています。この腸内環境を整える役目を負っているのが枯草菌です。先にも述べた、善玉菌や悪玉菌、日和見菌などが環境感染を防ぎ、善玉菌を増やす役目を負っています。

便通の他に、免疫力を強める、消化吸収を助ける、肌をきれいにするなどさまざまです。

免疫力をつける

免疫力は腸内の環境が影響しています。善玉菌が多いことで免疫細胞が増えることになり免疫力もついてきます。逆に悪玉菌が多いと、免疫細胞が減ります。この免疫細胞の多いか少ないかが問題になります。腸の環境を整え、善玉菌を増やすようにすることが必要です。

血圧の正常化

食事が肉食中心であったり、あまり発酵食品や野菜類を食べないと、血管にコレステロールがたまります。その影響で血管が細くなることで高血圧になります。

高血圧は脳出血やがん、心臓病に影響を与えます。速やかに改善したいものです。

高血糖を抑える

枯草菌は高血糖を抑える働きがあります。枯草菌を始め乳酸菌も多糖類を生み出します。この多糖類は食物繊維の働きをして、血糖値をゆっくりと上げる要素を持っています。

高血糖は食事の際に糖類を急激に取ることで上昇します。ですが食物繊維があると、急には上がりません。よって、食事の時はまずたんぱく質や野菜類、そして最後に炭水化物を取るようにします。

この順番であれば、高血糖を防げます。枯草菌はこの食物繊維の働きをしますので、食事の際に一緒にとることにより、血糖値が緩やかに上がります。

がんの予防

腸内に環境がよくないと当然、細胞が突然変異を起こし、それががんとなります。これは、悪玉菌が増えすぎることが原因であるわけですが、腸内に善玉菌が多いとがん細胞と戦い、発がん物質を抑えてくれます。

発がん物質は、悪玉菌が増えることだけでなく、摂取するものも、原因になります。よって自らがその食べ物を改善する必要があります。

機能性胃腸症の改善

この症状は、胃に不快な症状を感じることです。がんでも潰瘍でもないのに、その症状に似た感じが常にします。この場合、ピロリ菌やストレスの影響もあることも多いのですが、枯草菌や乳酸菌を摂取することで改善されます。

基本的には普段の食生活が影響しています。意識的に先に述べた枯草菌を多く含む味噌、納豆、乳酸菌、ビフィズス菌の入った食事を積極的に取ることをお勧めします。

偽膜性大腸炎の改善

偽膜性大腸炎は、普段から抗生物質を服用することにより、腸内の善玉菌が減ることで腹痛、下痢などの連作障害を引き起こします。腸内の菌はそれほど重要で、この場合は直ちに抗生物質を止めて対応しなければいけません。

枯草菌と腸の関係

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普段の食事がインスタントが多いとか、火を通した料理等が多いと、腸内は完全に悪玉に支配されています。

枯草菌は、胃液にも強いということで、腸内で活躍します。特に今までにこのような菌を意識して取ってない人にとっては、体質も大幅に変わることになります。

腸内フローラ

腸内には100兆もの菌が生息していると述べました。この様子をお花畑のようであり、これを表現をしたのが「腸内フローラ」という腸内細菌叢というのです。このフローラを改善するためには、継続して乳酸菌などを取ることが効果的です。あるお医者さんは、一日500グラムのヨーグルトを毎日1か月摂取したともいいます。

また、ある研究によると、お通じが良い人の便を移植するという方法も有効だとして、実際に成功しています。さすがに便移植までは勇気がいりますが、乳酸菌などを継続的に摂取するぐらいはできそうです。

乳酸菌

腸にいい菌は枯草菌も当然いいのですが、乳酸菌やビフィズス菌が従来からいい作用をもたらすことでよく知られています。では、どう違うのかというと、乳酸菌は牛乳や乳製品に多く生息し、酸素があって生きながらえることができます。

ですから基本、腸内では死滅しますが、その死滅した菌がいい作用を及ぼします。ただ、いいとは言っても整腸作用としては若干弱いです。

ビフィズス菌

この菌は酸素が無くても充分に生息できるのが特徴です。ですから生きて腸に届き、主に人や動物の腸内に生息しています。ですからヨーグルトとして摂取するときは、乳酸菌よりもビフィズス菌のほうが整腸作用も高いのです。そして、善玉菌を増やすことにもビフィズス菌のほうが非常に有効です。しいて摂取するのであれば、このビフィズス菌を継続的に取ることをお勧めします。

プロバイオティクス

腸内細菌をコントロールすることをプロバイオティクスと呼びます。正式にはその腸内細菌そのものをプロバイオティクスと呼ぶのであって、腸内が異常状態にならないように改善し、健康に良い影響を与えてくれる生きた微生物のことになります。

バイオジェニックス

これは腸内フローラに関わらないで体質改善などを行い、身体にいい影響を与える食品の成分です。つまり、上記のバイオティクスに比べ、若干割高になりますが、確実に効果を上げることができます。

主に、サプリメントを利用し改善を図ります。副作用もなく、これからの時代にマッチした治療法だといえます。

プレバイオティクス

これは腸のフローラにいいといわれている、オリゴ糖で善玉菌を増やしたり、悪玉菌を減らす方法を意図的の行うことです。主にサプリメントが服用されます。

これら一般的なバイオティクスは段々とその普及が高まっています。

まとめ

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いかがでしたか?日本では主にヤクルトで先進的な研究をしていますが、辞書に用語として登録されているように、世界的な有名な菌です。

そして、人体に及ぼす菌としては非常に有効なものとして、もっと重要視するべきものということが、よくわかります。

最も専門的なことはさておいて、単純に腸内の環境を整える意味でも、枯草菌は毎日摂取したいものです。サプリメントでも摂取できますし、枯草菌の入った食べ物を摂取することで、腸内環境は整います。

高齢になると、腸内の環境が乱れがちになります。これは、ただ単に高齢によることよりも、必要な栄養素が摂取出来ていないこともあります。この辺は意識して食生活も改善することで、より健康的な生活が送れるようになることが望ましいかと思います。

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