みなさん胃痛を感じたことはありますか?胸のあたりがもやもやしたりむかついたりとちょっとしたことでも感じたことがある人は多いかと思います。
ただこういった症状が出ていたとしても放置してしまうことが多いかと思われます。しかしその胃痛はただの胃痛ではないかもしれません。
今回ご紹介するのは初期症状が軽い胃痛とよく似ている鳥肌胃炎という病気の症状と危険性、そして、もしかかってしまったとき気をつける生活方法などをご紹介していきたいと思います。鳥肌胃炎は悪性のがんになりやすい病気ですのでしっかりと予備知識を身につけておきましょう!
鳥肌胃炎って何?
まずは鳥肌胃炎についていろいろ知っていきましょう。まずは鳥肌胃炎が起こす問題と症状について簡単にご説明します。
鳥肌胃炎が起こす問題
鳥肌胃炎とはその名の通り胃カメラで見た際に鳥肌のように見えることから名づけられています。原因としては細胞の集合体であるリンパ濾胞の増生を伴う炎症により起こってしまいます、この症状を鳥肌胃炎と言います。
この症状が起こす問題とは何なのか、それは胃がんになりやすいということです。しかもそのほとんどは悪性のものになりやすいのでかなり危険です。
また、この鳥肌胃炎は20代くらいの若い女性の方に起こりやすいともいわれていますので、若い方ががんになりやすい要因として注目されています。
鳥肌胃炎が起こる原因と症状
ピロリ菌の感染が原因となることがほとんどです。また女性ホルモンの影響もあるので女性の方が起こりやすい理由と言われています。
鳥肌胃炎の症状は特有のものはないので胃痛のものとほぼ変わらず、胃のむかつきやげっぷ上腹部の痛みなどが症状として現れます。内視鏡検査やのぞかない限り鳥肌胃炎と気づくことはほぼないといってもいいでしょう。ですので異変を感じたら病院で精密検査を受けてみるのをお勧めします。
鳥肌胃炎の治療法
ピロリ菌を除去することが最優先です。一回の除菌で必ずうまくいくとは限りませんがほぼ三回行うと大体は成功するといわれています。
しかしピロリ菌を除菌しても治らない場合もあるので年に一度ほどの定期検診は受けることになるかと思われます。
鳥肌胃炎と胃がんの関連性
先ほどご説明させていただいた通り鳥肌胃炎が発症してしまうと胃がんにかかる可能性が高くなるといわれています。少し掘り下げてご説明させていただきたいと思います。
鳥肌胃炎の人は必ず胃がんが発症してしまうの?
必ずしも鳥肌胃炎の方が胃がんにかかるということではありません、あくまでかかりやすくなってしまうというだけです。ですが危険であることには変わりありません。
鳥肌胃炎の方はそうでない方の60倍胃がんになりやすいといわれています。なので決して放置せず異常を感じたら病院で検査を、発覚している方は早めの治療をお勧めします。
悪性がんになる可能性が高い?
鳥肌胃炎最大の怖い部分はがんに、それも悪性のものにかかりやすいということです。先ほどの説明通り、若い方に多く見られます。
なぜがんになりやすいのかというと胃酸分泌能力の低下から起こりやすいといわれています。
胃がんの種類について
胃がんは大きく分けて二つの種類に分けられます。《分化型》と《未分化型》に分けられます。
《分化型》
成熟している細胞ががん化したもののことを指します。ちゃんと成長した状態でがん化したものなので粘膜の構成がしっかりとしているのでがん化した際に出血などわかりやすい症状が出るので自覚症状がわかりやすいです。ので早期発見がしやすいですし治療もやりやすく転移の心配もあまりないです。どちらかというと悪性度の低いものとなります。
《未分化型》
成長しきっていない細胞ががん化したもののことを指します。先ほどの分化形と違い未成熟の細胞なので粘膜の構造もしっかりしていないため自覚症状がほぼないので気付きにくいです。しかも進行も早く転移もしやすいい、いわゆる悪性度の高いものです
スキルス胃がんについて
未分化型胃がんの中でも一番怖いのはスキルス胃がんと呼ばれるものです。
スキルス胃がんは胃がんの中で最も進行が早く予後も非常に悪いと言われています。しかも転移しやすく自覚症状も出にくいものとなっています。
鳥肌胃炎は若い方が起こる可能性が高いものです、なので若い細胞ががんに侵される可能性が高いということです。悪性のものにかかりやすいといわれている理由はそこにあります。ですが必ずしもということではない、イコールではないということを覚えておいてください。
詳しくは、スキルス胃がんの症状とは?特徴や原因、治療方法を紹介!を読んでおきましょう。
鳥肌胃炎の症状と原因
最初に軽く説明させていただきましたが、もう少し詳しく鳥肌胃炎の原因と症状などについてご説明させていただこうかと思います。
鳥肌胃炎の症状
自覚症状について
鳥肌胃炎の自覚症状はご説明させていただいた通り通常の胃炎と変わりません。むかつきやげっぷ上腹部の痛みなどといったものになります。
鳥肌胃炎にしか見られない特有の症状などは特にありません。
発見方法
自覚症状などでは判断しづらいのでこのような症状が出た場合は内視鏡検査をすることによって鳥肌胃炎を発見することができます。
実際に見なければ鳥肌胃炎と判断する方法がほかにないので、少しでもおかしいと思ったときはただの胃炎だからと放置せず特に若い方は一度内視鏡検査を受けてみましょう。
内視鏡検査で見られる症状
鳥肌胃炎の名の通り胃の内部がまるで鳥肌が立ったかのように見られます。このようになる原因はリンパ濾胞の増生によるものです。リンパ球がこのような形状になってしまうことにより胃の粘膜を傷つけてしまいます。
鳥肌胃炎になる原因
なぜリンパ球がこのようになってしまうのか。それはピロリ菌の感染によるものだといわれています。
鳥肌胃炎にかかる明確な理由はまだはっきりとしていませんがピロリ菌感染者にこの症状が多くみられるため主な原因としてあげられています。またピロリ菌感染者の中でも20歳以上の方は萎縮性胃炎へ移行することが多いとされ20歳以下の方が鳥肌胃炎にかかりやすいといわれています。
一部では女性ホルモンとの関係性が疑われ女性に多いといわれています。が男性の方にも症状が現れることがありますので女性だけの病気ではないということを覚えておいてください。
鳥肌胃炎の治療法とアフターケア
鳥肌胃炎の主な治療法と治療後、治療中に気を付けなければいけないことについてくわしくご説明させていただきたいと思います。
鳥肌胃炎の主な治療法
先ほど簡単にご説明させていただきましたが、まず鳥肌胃炎に対して真っ先に行われるのはピロリ菌の除菌です。鳥肌胃炎だからといって必ずしもピロリ菌が原因とは言えないので除菌を開始するのは血液や尿などの検査でピロリ菌が発見された場合に除菌治療が開始されます。
多くても三回の除菌治療でほぼ除菌は成功するといわれています。もちろん一度目や二度目の治療で除菌できた場合そこで終了となります。除菌できた場合、大体一年ほどで萎縮性胃炎に変わっていきます。
ですが除菌できても鳥肌胃炎が収まらないことがあります、が胃がんの発生率は抑えることができるといわれています。ですので除菌後、一年ほどは経過観察が必要となります。
気を付けたい食事と生活習慣
鳥肌胃炎の治療中、または治療後でも気を付けなければならないのは食事と生活習慣です。特殊なケースではありますが元をたどれば胃炎であることに変わりはないので刺激の強い食べ物は特に避けたいところです。
生活習慣についてですがもちろんのことタバコと飲酒は控えましょう。辞められるきっかけになるかもしれません。
あとはストレスをため込むこともよくはありません。ですがどうしてもストレスというものは溜まってしまうものです、こればかりはどうすることもできませんがため込むことを控え適度に発散するようにしましょう。
食事メニューや気を付けたいもの
治療中や治療後に気を付けたい食事と胃にやさしい食事メニューなどを知っておけば鳥肌胃炎に限らず役に立つものとなるでしょう。
この内容を深く掘り下げる理由としては食事は生きていくうえで一番気にする内容だと思います、ですのでより深く調べていきましょう。
控えたほうがいいもの
先ほどあげた通りわさびやトウガラシ、にんにくなどの刺激物は胃酸の分泌を促す作用があるので控えましょう。これと同じ理由でレモンやみかんなどの柑橘類も控えたほうがいいです。
カフェインを多く含む紅茶やコーヒー、緑茶などの飲み物も控えたほうがいいでしょうこれも先ほど記述した理由と同じです。また胃に刺激を与える炭酸類とアルコールも控えましょう。
脂身の多い肉類などの脂質が多いものは消化に時間がかかってしまい胃に負担をかけてしまいます。そのためこういったものや脂っこいものも避けたほうがいいでしょう。念のため甘いものも控えましょう。
あとは消化に悪い食べ物も控える対象です。タケノコやごぼうの食物繊維を多く含んだ野菜、イカやタコ、貝類、こんにゃくといったものは消化時間が多くかかるため胃に負担をかけやすいです。
胃にやさしい食べ物
ではどんな食べ物などが胃に負担をかけないのでしょう?
消化しやすい食べ物が胃に負担をかけにくいのでそういったものを食べるように心がけましょう。たとえをあげるならばうどんやおかゆなどがいいでしょう。
野菜については先ほどあげた以外の野菜をよく煮てから食べるようにしましょう、そのほうが消化しやすいです。
果物も胃には優しいものです柑橘類を控えればいいだけでももやりんごなどは胃にやさしいので果物は柑橘類を控えれば大丈夫です。
肉類や魚類の場合はささみや白身魚がお勧めです。ささみは脂質が少ないので消化に時間がかかりません。同じ理由で白身魚もお勧めです。
飲み物についてですがヨーグルトや麦茶、ホットミルクなどがお勧めです
ヨーグルトやホットミルクが胃炎にいい理由
LG21というものが含まれたヨーグルトにはピロリ菌を減らす作用があります。もちろん除菌治療と併用することが大切です、あくまで減らすものであり完全に除菌できるものではないので気を付けましょう。
ホットミルクについてですが牛乳自体に胃酸を抑えることができる作用が見られます。これは牛乳には酸を中和するアルカリ性が含まれるためです。暖かくすることにより胃を落ち着かせられるので冷たいまま飲むよりもおすすめです。
ピロリ菌を抑える食べ物
先に記述してある通り、主にヨーグルトに含まれるLG21というものにはピロリ菌を抑える作用があるといわれています。これと同じくビタミンCにも同じ作用があると言われています。
ビタミンcを多く含むパプリカやブロッコリーを摂取するといいのですがあまり茹ですぎるとビタミンcが減少してしまいます。ですがよく煮たほうが胃には優しいものとなります。なのでお勧めの調理法はスープやシチューなど茹で出た煮汁などを一緒に摂取できるメニューです。
果物は柿に多くビタミンcが含まれているのでお勧めです、柑橘類によく含まれていますが胃にはあまり良くないので控えましょう。
またビタミンcにはアドレナリンを生成するために必要な要素だと言われているので、ストレス対策にも最適です。
生活習慣を改善しましょう
食事改善も大事ですが一番大切なのは記述にもある通り、生活習慣の改善も大切なことです。生活習慣の改善は胃炎だけではなく生活習慣病やその他の病気の改善や予防にもなります。これを機に普段の生活を見直してみましょう。
タバコやお酒はNG
言うまでもないですが絶対に治療中や治療後などはタバコやお酒はやめましょう。適度なアルコールは体にはいいと言われていますが、タバコは百害あって一利なしです。これを機に禁煙を考えるのが吉です。ですがそんなにすぐ辞められるものでもないと思います、ので数を減らしたり電子タバコなどで少しづつ改善していきましょう。
睡眠は十分に取りましょう
睡眠は生活の基礎となるものです。おろそかにすると胃だけではなく体全体のリズムを狂わせいろいろな病気を引き起こすこととなります。胃腸に関してですと、睡眠をとることにより胃腸のリズムを整えるのでこれを狂わせるともちろん調子が悪くなります。
また睡眠不足はストレスの悪化にもなりますのでしっかりとしたリズムで十分な睡眠をとるようにしましょう。お仕事の都合やどうしても寝れないときもあると思います。ですが睡眠をとることにより身体と精神のリラックスになると考え少しでも多く睡眠をとるようにしましょう。
ストレスをため込まないように
先の記述のもありますがストレスのため込みは体にも精神にもよくないです。胃腸の働きにももちろん関わってきますので適度なストレスの発散を心がけましょう。
運動などは発散とともに胃腸の働きなどを整えることもできるのでお勧めの発散方法です。
食事のリズムをしっかり整えましょう
食事のメニューや胃にいいものを先に記述しましたが一番は食事のリズムが予防とアフターケアにいいものです。
三食しっかりととり夜食を控え毎日の食事のリズムをしっかりと決めそれを実行するようにするのが一番の食事療法と言えると思います。
生活習慣の改善はすべてにつながる
生活習慣の改善はこれまでに記述したすべてのことにつながります。生活習慣を整えることにより食事もしっかりとるようになりますし、ストレスの発散も胃腸の働きや調子の改善につながります。
鳥肌胃炎の発症予防に直結するわけではありませんがかかってしまった後のアフターケアには生活習慣の改善こそが胃炎の改善にもつながるということです。なので普段の生活や喫煙飲酒などを見直すいいきっかけとなると思います。
生活習慣の改善は鳥肌胃炎のアフターケアだけではなくすべての病気や生活習慣病の予防にもつながります。なのでもし鳥肌胃炎と判断された場合ネガティブにとらえるだけではなく生活習慣を改善するいい機会になったとポジティブに考えるようにすることがこの病気だけではなくすべての病気に対して一番いい自分にできる最良の治療法だといえます。
まとめ
- 鳥肌胃炎は若い人にかかりやすい
- 胃がんにかかる危険性があり悪性にもなりかねないが鳥肌胃炎イコール胃がんではない
- 自覚症状は慢性胃炎とあまり変わりなく内視鏡検査などでしか発覚しない
- 原因はピロリ菌感染がほとんどで除菌による治療が一般的
- 食事や生活習慣の改善が一番のアフターケアにつながる
以上が今回のテーマである鳥肌胃炎についてのまとめになります。鳥肌胃炎はあまり聞かない病気であり、自覚症状もわかりにくいものとなっています。ですので少しでも異変だと思ったら放置せずに病院へ行き精密検査を受けることをお勧めします。
手間だと考えずに何事も早期発見が一番です。また若い方にかかりやすい病気ですので軽率に見がちな年ごろだと思いますが病気の重さに年齢は関係ありません。また鳥肌胃炎と診断されたからと言って胃がんと診断されたわけではありません、なので絶望せずにゆっくりと落ち着いて治療していきましょう。
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