びらん性胃炎の症状って?原因や治療方法について!

胃炎は誰にでも起こる可能性のある病気です。日常的にストレスを感じたり暴飲暴食をしている人で、胃に不快感を感じた事のある人はいませんか?自分では気付いていないかもしれませんが、胃炎を起こしているかもしれません。

また、軽い症状でよく起こる事だと放置しておくと取り返しのつかない事態に陥るかもしれないのです。特にびらん性胃炎は胃潰瘍に繋がる確率が高いので、胃炎を軽視せずしっかり理解しましょう。

胃炎とは

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胃に何かしらの原因で炎症が起き、荒れてしまう事を胃炎を言います。大きく分けて急性胃炎と慢性胃炎の2つに分類できます。

急性胃炎

急性胃炎は胃粘膜の急な炎症で、腹痛、嘔吐、消化管の出血が突発的に症状が発生します。主な原因はアルコール、薬物、ノロウイルス病原性、ストレスなどがあり、24時間以上症状が続きます。

慢性胃炎

慢性胃炎は、胃粘膜の炎症が何らかの原因で繰り返し起こる事を言います。胃の中には食べ物を消化する為に胃の細胞壁で塩酸が常時作られています。食べ物が物理的に胃粘膜に障害を起こしている可能性もあります。

ですので年齢を重ねる事に胃の粘膜が荒れていくというのが当たり前と考えられていましたが、1982年に発見されたピロリ菌の存在が慢性胃炎の大半を占める事がわかったのです。

慢性胃炎は急性胃炎のように完全に治るという事はあまり無いと言われています。一時的に症状が治まっている状態で、いつまた炎症を起こしてもおかしくない状態なのが慢性胃炎の特徴です。慢性胃炎に分類されるものは以下の通りになります。

  • 粘液の増加・胃液の透明性低下
  • 多発びらん
  • 過形成性ポリープ
  • 腸上皮化生
  • 黄色腫
  • 鳥肌胃炎
  • 萎縮性変化

自律神経と胃の関係

胃炎の多くはストレスが原因で起こります。なぜそんなにストレスが関係してくるのかというと、胃は自律神経の影響を大きく受けているからなのです。

自律神経とは内臓・血管・神経・免疫力・ホルモンなどをコントロールし体内環境を整えている重要な神経です。緊張する時に働く交感神経とリラックスしてる時に働く副交感神経に分かれています。

通常時はこれが交互に働きバランスを保っているわけですが、ストレス状態になると交感神経、副交感神経のどちらか片方だけが働いてしまうのです。すると勿論自律神経のバランスが崩れコントロールしている器官にも影響が行ってしまうのです。

●胃もたれ型

交感神経が過剰に働いた場合に起こります。血圧や心拍数が上昇し、内臓器官などの血管が萎縮してしまい胃のぜん動運動が鈍くなり、胃液の分泌も少なくなってしまいます。

血管が萎縮している事もあり粘膜に血液がうまく行き渡らず粘膜の免疫が弱くなり、食べ物の消化が出来ず胃の内部は荒れてしまいます。

●胸焼け型

副交感神経が過剰に働いた場合に起こります。胃酸の分泌が通常よりも増え、それに耐えられない胃壁が荒れてしまうのです。それによって胸焼けの症状と共に胃の不快感を覚えます。

びらん性胃炎

胃

では、びらん性胃炎について紹介します。

どんな病気なの?

粘膜組織が剥がれ落ちてしまい表面がただれている状態の事をびらんと言います。びらん性胃炎はこの状態が胃の入り口で起こり、でこぼこした状態になり粘膜が深くえぐられ、巾着袋を絞ったような見た目になります。

そうすると、当然胃の組織が正常な働きをしてくれないので体に不快感を与える事になるのです。びらん性胃炎の中でも急性胃炎と慢性胃炎があり、最初は急性胃炎として症状が出ます。

びらん性胃炎の症状

びらん性胃炎は必ず胃粘膜が損傷し、出血が起こるのが特徴的です。びらんが発生してから2日~7日で下血や吐血が現れます。

他には「食欲不振」「消化不良」「吐き気」「嘔吐」などが見られます。経度の胃炎だと症状が無い事もあります。

びらん性胃炎の原因

びらん性胃炎の原因で最も多いのがストレスになります。ストレスと身体の関係は深く、特に胃最も影響を受けやすい場所になっています。食べ物を消化する為に行う、ぜん動運動が弱まったり胃液や粘液の分泌量が異常に多くなったり少なくなったりするのです。

ストレスの他にはアルコール・ウイルス感染・血管損傷・直接的な外傷などがあります。また、暴飲暴食も1つの原因です。胃の許容範囲を超えた量の食事を毎日摂取していると胃の活動が追い付かず胃の粘膜が荒れてしまいます。

検査と治療

びらん性胃炎を疑われたら、まず胃の内部を確認する事が必要です。胃カメラという言葉を聞いた事があると思います。細い管の先にとても小さな小型カメラが付いており、それを口か鼻から挿入し胃の内部を見ていきます。びらん性胃炎は胃の入り口がでこぼこした状態になるので判断がしやすいものです。びらん性胃炎と診断されたら主に薬物療法で治療していきます。

  • 胃酸を中和させる効果のある制酸薬のマーロックス
  • 胃酸の分泌を抑える効果のある胃酸分泌抑制薬のガスター・タケプロン
  • 胃の粘膜を保護してくれる効果のある胃粘膜保護薬のムコスタ
  • 胃の働きを活性化させる効果のあるガスモチン

胃潰瘍

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胃炎が進行すると胃潰瘍になりますが、胃炎に気付かず症状が悪化してしまい胃潰瘍になってから気付くという人も少なくありません。

胃炎と胃潰瘍の違い

胃炎は粘膜が炎症を起こしている状態の事を言いますが、胃潰瘍は胃炎の炎症が悪化し胃酸が胃粘膜を消化し続け胃壁や筋肉までも溶かしてしまう状態にまでいきます。更に悪化すると胃に穴が開いてしまい、この状態を胃穿孔と呼びます。胃に穴が開いてしまうとそこから胃の外に食べ物が漏れてしまうという恐ろしい自体になりとても危険な状態です。

胃カメラで胃の炎症度合を確認します。炎症を起こしている部分が粘膜の炎症で収まっている場合は胃炎、筋肉層を超えて炎症を起こしているようならば胃潰瘍と診断されます。

胃潰瘍の症状

胸焼けや食欲不振やみぞおちの痛みが起こります。胃炎でも同じ症状があるのですが胃潰瘍になると胃炎よりも腹部周辺から腰に掛けて鈍い痛みが起こるのが特徴的です。

目に見える症状として吐血・下血・黒色便があげられます。詳しくは、胃潰瘍の症状をチェック!治療するための方法は?を参考にしてください。

ヘリコバクター・ピロリ菌について

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このピロリ菌は胃炎の原因の1つです。

ヘリコバクター・ピロリ菌とは?

ピロリ菌本体の長さは4ミクロンで2,3回ゆるやあに右巻きに捻じれた形をしています。そしてこの菌は、胃の粘膜に生息している悪性の菌で胃や十二指腸の病気の元になります。

感染している人の大体の人は子供の頃に感染し胃の粘膜に生息しています。なぜ金属をも溶かしてしまうほどの強い胃酸の中でもピロリ菌が存在していられるのかと言うと、ピロリ菌の中にウレアーゼという酵素を沢山所持しており、この酵素が尿素からアンモニアを作り、それによって胃酸を中和させているからなのです。

胃の内部には食べ物を消化する為に塩酸が存在しています。その塩酸の働きは食べ物を消化するだけでなく、口から胃の内部に侵入してきた細菌を殺菌する働きもあります。しかし胃の活動が弱まると食べ物を消化する力が弱まると同時に殺菌作用も行われなくなってしまい、子供の頃に感染していたピロリ菌の活動が活発化し、胃が炎症を起こしてしまうのです。

ピロリ菌の検査

ピロリ菌に感染しているかの検査は2つあります。1つは内視鏡検査で胃粘膜の視察と共に胃の組織を採取します。

もう1つは内視鏡を使わずに血清抗体を測定する方法や呼気中の二酸化炭素を分析する尿素呼気試験などを行います。

治療

ピロリ菌は胃の粘膜に住み着いているというのが厄介なところで、単独の抗生剤で駆除するというのが難しいのです。いくつか薬剤を併用する方法で駆除していきます。

抗潰瘍薬のプロトンポンプ阻害薬・アモキシシリン・クラリスロマイシンの3つが日本で主に使われている薬で1週間で90%と高い確率で除菌効果が表れています。

びらん性胃炎の時の食事は?

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胃炎は字の如く胃に炎症が起こっている状態です。食事をする時にはとても気を付けなければなりません。

痛みが酷い場合は胃の消化作用が働いていないので、食べ物を摂取する事は避けて下さい。

消化の良い食べ物

胃の中で消化される時間が短く、食物繊維の少ない食べ物が良いです。

・おかゆ 蒸しパン 柔らかくしたうどん にゅうめん じゃがいも

これらの食材は普通でも消化の良い食べ物ですが、通常よりも煮込んであげると更に消化しやすくなります。詳しくは、消化に良い食べ物を紹介!調理方法や食べ方も!を読んでおきましょう。

胃炎に効く食べ物

痛みが少し和らいできたと思ったら、消化の良い物と一緒に胃の粘膜を強くしてくれる食べ物も一緒に摂取すると、治りが早くなります。

・牛乳

牛乳は胃の中に薄い膜を作ってくれるので食べ物から胃への刺激を少なくしてくれる作用があるので、オススメです。

・だいこん

だいこんにはビタミンCが多く含まれ消化酵素であるアミラーゼが大量に含まれています。ですのでタンパク質の消化を促進してくれる作用があるので、こちらも柔らかく煮込み食べるのがオススメです。

・たまご

胃が痛い時は食欲不振になりますし、消化の良い物を摂取する事が大事になるので栄養がどうしても偏ってしまいます。卵はビタミンや鉄分やタンパク質は豊富なので、栄養補給に最適です。生の状態で摂取する事は避け、茶わん蒸しや卵スープにして食べる事をオススメします。そうすれば消化もしやすくなります。

摂取していけない食べ物

胃炎の時に食べてはいけない物があります。胃酸の分泌を促進させる効果のある物や、胃粘膜を刺激する食べ物はNGです。

  • 柑橘系や酢などの酸味がある食べ物
  • 唐辛子やワサビなどの香辛料
  • カフェイン

これらは胃酸の分泌を促進させる効果があります。

  • 脂肪分の多い肉類
  • イカ、タコ、貝など海鮮類
  • タケノコ、レンコン、キノコなど繊維が多い物

これらは消化するのに時間がかかり胃に負担をかけてしまいます。

さすがに脂肪分の多い物などは、胃痛などによって元々食べる気も起きないとは思いますが気を付けて下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか?ストレスが溜まりやすい現代の社会で、いかにストレスを溜めないように工夫するかが大事になってくるようです。

特に胃腸にはストレスの影響が出やすくちょっとした事でもお腹が痛くなってしまう人が多いようです。ストレスの次にピロリ菌が原因で胃炎になってしまう事もわかりましたので、菌を体内に取り込まないようにする事も大事になります。

どちらも普段の生活の見直しが重要になります!

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