食道アカラシアの症状とは?治療方法や診断方法を紹介!

「私、ときどき食事のときに喉が詰まったような感覚になるんだけど、なんだろうなあ・・・」とか「たまに、酸っぱい胃液みたいなものが喉や口まで上がってくるんだけど、どうしてだろう・・・」なんて、お悩みの方はいらっしゃいませんか?

そのような症状をお持ちの方、もしかすると、「食道アカラシア」かもしれません。きちんとした治療が必要なときがあります。まずは、病院に行って医師の診察を受けてみるのも一案です。

お心当たりのあるそんなあなたのために、今日は食道アカラシアについてお話ししたいと思います。

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食道の働き

食道がん 症状

ヒトは、口腔内で咀嚼した食物を咽頭からのみこみ、食道を通じて胃へと送り出します。このとき、食道では、食物の消化や栄養素の吸収などは一切しません。食道壁の筋肉を上手に収縮させて、口の中で噛み砕いた食物を胃に運ぶのが、食道の働きです。

ここで、食道を広辞苑で確認しておきましょう。

消化管の一部。咽頭と胃との間の管で、嚥下(えんか)する食物の通過する経路。気管の後方を通り、胸部を直送し、胃の噴門に達する。粘膜・筋層・漿膜(しょうまく)から成り、日本人の成人では長さ約25センチメートル。

広辞苑第五版 岩波書店

広辞苑の定義だと、食道は、消化器官の一つで、咽頭と胃の間にある管であり、飲み込んだ食物の通路であることがよくわかりますね。また、日本人の成人男性では25㎝もあることも理解できますね。

通常、食道は胃の上部ではなく、胃の右上部に開口しており、その開口部の噴門部にあるのが、下部食道括約帯(LESーLower Esophageal Sphincterの頭文字をとって「レス」と呼ばれています)と言われる部位です。

この部位、何気無いようでいて、胃の中にある内容物が食道へ逆流しないように、普段はカメラのシャッターのように閉じており、食道筋を上手に収縮させて食物を胃の中へ運ぶときに開くという、実は消化器系の中でも重要な役割を果たしている器官の一つなのです。

食道が、食道筋層を巧みに操って食物を下部食道括約帯にまで運ぶと、それまでシャッターのように閉じていた食道括約帯が開き、食物を胃の中へとすんなり流し込みます。そして、食物が食道に逆流してしまわないように、再び閉じるのです。

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食道アカラシアとはーその原因と症状

食道 違和感

食道アカラシアという病気は、この下部食道括約帯が緩んでしまい、カメラのシャッターのように閉まらなくなってしまうことに起因しています。食物が食道から胃へとスムーズに流れていかなくなってしまうために、食物が食道に溜まっていき、食道が少しずつ太くなっていってしまいます。

すると、「食物をうまく飲み込めない」あるいは、「食物が口や鼻から逆流する」、「胸に痛みを覚える」などといった症状を自覚していくことになります。

食道アカラシアは、良性の疾患なので、この病気自体が直接的な原因となって死亡することは、基本的にはありませんが、食道癌にかかってしまうリスクが高まってしまうとも言われています。約10万人に1人の割合で発症すると言われていますが、実際に食道アカラシアを発症すると、食事の摂取にも影響を及ぼすことになります。

前述した通り、食物をうまく飲み込めないので、食べ物が食道に詰まって胸が苦しくなることも珍しくありません。食物を飲み込むことも、吐き出すこともできないので、患者さんは本当にものすごく苦しい思いをしているのです。

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食道アカラシアの分類と診断方法

食道 痛み

食道アカラシアには、いくつかのタイプがあります。

この分類をするための診断方法が、食道運動機能検査という特殊な検査です。食道運動機能検査では、食道括約帯の筋肉圧やはたらき、食道運動の正常性などが検査の対象となります。食道運動は、胃カメラやバリウム検査ではすべてを診断できないのです。したがって、食道内圧測定検査という検査方法を用いて、食道アカラシア特有の食道運動障害を特定することになります。

しかし、食道内圧測定検査に使用する機器は、まだそれほど一般病院にまで普及していないため、通常はバリウム検査で食道アカラシアの疑いがあるかないか、という診断がなされているようです。

バリウム検査では、患者さんがバリウムを飲み、そのバリウムが食道から胃に流れていく様子を観察することで検査を実施します。健常者の食道の横幅は、3㎝ほどですが、食道アカラシアの患者さんは食道括約帯が閉じている状態のために食道が拡張されてしまっている方が多いので、中には5〜6㎝ほどの横幅にまで達している患者さんもいるようです。

従来の分類を用いたX線拡張型では、以下の3つがあります。

  1. 紡錘型(Spindle type)
  2. フラスコ型(Flask type)
  3. S字(シグモイド)型(Sigmoid type)

紡錘型

紡錘型は、食道が、産業革命期に使われた初期の紡績機のような円錐の形をしていることに由来します。食道が紡績機の形のように拡張している食道アカラシアの一種です。

フラスコ型

フラスコ型は、食道の形が理科の実験で使ったようなフラスコの形状で拡張してしまった食道アカラシアです。こちらも、その形状が名前の由来のようですが、やはり症状も、食物が食道に詰まったり、胃の中の内容物が逆流してしまったりと、同様の症状が現れます。

S字(シグモイド)型

S字(シグモイド)型も、前述2種類同様、その名称は食道の形状に端を発します。食道が、S字型のような形状をとっているので、食物がいかに通りにくいか、容易に推測できます。

これらの分類とは別に、食道アラカシアは、「食道アカラシア取扱い規約」の中で、その重度によって分類されることもあります。

  1. I度 Grade
  2. II度 Grade
  3. III度 Grade

I度 Grade

こちらは、下部食道の最大横径が3.5㎝未満となります。

II度 Grade

II度は、下部食道最大横径が3.5㎝以上6.0㎝未満です。

III度 Grade

III度 Gradeとなると、下部食道最大横径は6.0㎝以上となります。

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食道アカラシアの治療方法

治療

日本では、現在、3つの主な治療方法があります。

  1. 薬物療法(服用療法)
  2. バルーン拡張術(内視鏡を使って風船で拡張する治療)
  3. 外科的治療方法(手術による治療)

薬物療法(服用療法)

カルシウム拮抗薬や亜硝酸薬などの血圧を下げる作用のある薬剤を服用することによって、下部食道括約帯の圧力を下げる治療方法です。ただ、残念ながら目を見張るような効果が見られるのではなく、他の治療方法を実施するまでの暫定療法としての位置づけのようです。さらには、血圧が下がりすぎるなどの副作用も懸念されています。

バルーン拡張術

内視鏡を使って観察しながら、下部食道括約帯でポリエチレンばルーンを膨らませます。その結果、食道の筋肉を引き伸ばし、LES圧(下部食道括約帯の圧力)を低くする効能があります。外科的療法に比して、患者さんの身体にかかる負担が格段に少なく、何度も施術できることが、このバルー拡張術の長所の一つでもあります。

初回治療時の有効率も95%と高く、1、2回程度の施術で5割程度の患者さんの下部食道括約帯の症状が改善されていますが、すでに食道アカラシアが進行して深刻化してしまった場合や若年層の場合は、目立った効果が現れないときもあります。

外科的治療方法

食道から胃にかけて、筋肉を一部切断してLES圧を低下せしめてから、胃の一部を食道に巻きつけます。胃の一部を食道に巻きつけることによって、胃の中にある内容物が食道へ逆流することを妨げるように手術するのです。この手術方法は、Heller and D’or手術と呼ばれています。

従来の施術方法である開腹による手術と、わずかな傷で身体への負担を軽くすることのできる腹腔鏡手術の2種類があります。

従来では、バルーン拡張術を施して、改善が見られない患者さんに対して外科的治療方法を施すことが多かったようです。

が、しかし、最近のヨーロッパなどでの研究によると、初めから外科的手術を施す方が、バルーン拡張術を施すよりも患者さんの術後経過が良好であるとする経過報告が示されつつあることもあり、最近では、最初から外科的治療が施されていることも少なくなくなってきているようです。

ただし、外科的治療には熟練した技術が必要なことから、施術可能な医師もある程度限定されているようです。

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まとめ

食道アカラシアの病気に対して、ご理解いただけましたでしょうか?ちなみに、なぜこのような症状が起きる原因とそのメカニズムは、実は、現在でもはっきりとは解明されていません。

現代医学をもってしても、人間にとって未知なる領域はまだまだ存在するのです。というよりも、人間が知っていることなどよりも、未知なる領域の方がまだまだはるかに多いのです。ただ、生活習慣の乱れ、乱雑な食習慣、不規則な生活リズムなど、本来人が送るべき日常生活が乱れていると、人の身体に変調をきたすことは間違いないようです。

深夜まで残業を強いられ、帰宅後、夜中に遅い夕食あるいは夜食を摂り、そのまま、すぐに睡眠をとる。そして、翌朝早朝に、前日の疲れも取れぬまま、また仕事へと出かけている方も多いのが現代社会です。

胃腸などの消化器系器官は、本来睡眠中に休むべきときに、休息を取ることができなくなります。つまり、胃や腸は睡眠中に働かなければならなくなるのです。すると、働き通しの自律神経系だけではなく、休息を司る副交感神経にも支障をきたします。

人は、本来昼間働いて食事を摂り、夜は睡眠をとって休息する。そういう生き物です。人の自律神経は、日中に活発化して集中したり、緊張したりしながら人体を活性化させています。他方、副交感神経は、夜間の睡眠中に、昼間働いた人体を休息させるべく、活発に活動して人体の回復をはかっているのです。

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