直腸性便秘の解消方法を知ろう!訓練が必要な場合もある?症状や原因も紹介!

直腸性便秘という病気をご存知でしょうか?一口に便秘と言っても、様々な便秘の種類・タイプが存在しています。そのため、便秘の種類・タイプに応じて、便秘薬(下剤・止瀉薬)の種類も豊富に用意されています。

直腸性便秘は、慢性化しやすい便秘で、場合によっては服用した便秘薬が悪影響を及ぼす可能性すらあります。ですから、便秘だからと言って、適当に家に常備してある便秘薬や下剤を飲めば良いというものではないのですね。

そこで今回は、便秘の中でも直腸性便秘に焦点を当てて、その症状や原因、解消法についてご紹介したいと思います。

便秘の種類

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直腸性便秘について説明する前に、そもそも便秘の種類と便秘についての基礎知識を確認しておきたいと思います。

そもそも便秘には、どのような種類・タイプがあるのでしょうか?

便秘とは?

便秘は、排泄物である便が大腸内に溜まり、何らかの原因によって正常な排便がされない状態のことを言います。排泄にも個人差があるため、毎日排便していても残便感がある場合は便秘と判断されることがあります。

便秘の症状が続くと、腸内の善玉菌が減少し、悪玉菌が増加することで腸内環境が悪化してしまいます。腸内環境が悪化すると、お腹の痛みなどの症状だけでなく、活性酸素や発がん促進物質が発生したり、近年の研究では免疫力の低下が判明するなど様々な悪影響が引き起こされる可能性があります。

便秘の種類

便秘の種類・タイプは、大きく分けて器質性便秘と機能性便秘の2種類に分類されます。

器質性便秘

器質性便秘は、排便に関与する器官、具体的には胃・小腸・大腸・肛門などに病気があることが原因となって便秘の症状が現れることを言います。

器質性便秘を引き起こす病気として代表的なものは、大腸ガン・腹膜炎・腸閉塞・腸捻転・潰瘍性大腸炎・子宮筋腫などです。

器質性便秘は、基本的に原因となる病気の治療をしなければ、根本的な症状の改善は見込めません。

機能性便秘

機能性便秘は、器質性便秘のような病気が原因ではなく、食生活や生活習慣などが原因となって一時的に腸などの機能が低下し便秘の症状が現れることを言います。一般的に「便秘」と言う場合には、ほとんどが機能性便秘のことを指します。

機能性便秘は、さらに弛緩性便秘・痙攣性便秘・直腸性便秘の3種類に分類されます。

弛緩性便秘

弛緩性便秘は、加齢・老化や無理なダイエットなどで、大腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)に関与する腹筋などの筋力が低下・弛緩することが原因で、便を押し出せなくなり便秘の症状が現れることを言います。

痙攣性便秘

痙攣性便秘は、精神的なストレスによって自律神経乱れることが原因となって、大腸の蠕動運動に関与する筋肉が正常に動かず、痙攣しているような動きになり便が上手く押し出されずに便秘の症状が現れることを言います。

直腸性便秘

直腸性便秘は、便が大腸と肛門の間の直腸まで運ばれてきているにもかかわらず、何らかの原因によって排便できずに便秘の症状が現れることを言います。

直腸性便秘の原因

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直腸性便秘は、前述のように便が直腸まで運ばれてきているにもかかわらず、何らかの原因によって排便できずに便秘の症状が現れることです。

それでは、直腸性便秘において、どうして排便ができないのでしょうか?直腸性便秘の原因をご紹介したいと思います。

頻繁に便意を我慢している

そもそも便意とは、便が直腸まで運ばれてくると、便の体積や重みによって直腸の壁が伸びることによって、神経が刺激されて大脳に伝わり排便をしたくなる感覚のことを言います。このような一連の流れのことを、排便反射と言います。

仕事の都合や外出先にトイレが無いなど頻繁に便意を我慢していると、直腸の神経が刺激されている状態に慣れてしまい、直腸の感受性が低下してしまいます。すると、排便反射が衰えて、便が直腸まで運ばれてきているのにもかかわらず、神経信号が大脳まで届かずに便意が生じなくなってしまうのです。

便意が生じなければ、排便するために肛門を開く肛門括約筋などが動きませんので、便が溜まっていくだけになり便秘となります。

痔や直腸瘤の影響

痔になると排便時に痛みが生じることから、どうしても排便を我慢しがちになります。そして、我慢を続けていると排便反射が衰えて、便意を生じなくなり便秘となるのです。

また、女性に多いのが、直腸瘤(ちょくちょうりゅう)です。直腸瘤は、直腸ポケットとも呼ばれ、直腸と膣の間の組織・壁が出産などで弱体化することで、直腸がポケット状に膣の方向に膨らみます。直腸瘤が生じると排便しようといきんでも糞便が出なかったり、残便感が生じます。残便感が残ることで余計にいきむ結果、肛門付近に痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)を合併することが多くなります。そして、排便を我慢するようになり、便秘に繋がります。

このように痔や直腸瘤の場合、痛みや違和感から排便を我慢し直腸性便秘が生じて、便が大きく硬くなると排便時に痔や直腸瘤がさらに悪化するという悪循環に陥ります。

ちなみに、痔や直腸瘤の症状が悪化して、物理的に排便が困難になる場合は器質性便秘に分類されるようになります。

加齢・老化

直腸性便秘は、高齢者の方に多く発生する傾向があるとされています。これは、加齢によって直腸の神経細胞が減っていくために、神経の働きが鈍ることが原因です。直腸の神経の働きが鈍ることで、排便反射も衰えていきます。

また、高齢者の場合、大腸のぜん動運動に関与する筋肉も加齢によって衰えるため、弛緩性便秘の側面もあります。

アニスムス

アニスムスとは、肛門周辺の筋肉を排便時にコントロールできなくなり、骨盤底筋や肛門括約筋を弛緩させることができなくなる症状のことを言います。

通常は、便意生じると下腹部の腹圧が上昇して、骨盤底筋や肛門括約筋は弛緩します。しかしながら、アニスムスの症状が現れると、排便しようにも排便できません。

便が出なかったり、残便感があると、意識的に下腹部などに力を入れて排便しようと、いきむことがあります。そして、いきむ際に、無意識的に骨盤底筋や肛門括約筋にも力が入ることで肛門が閉まってしまうことがあります。このようなことを何度も繰り返していると、いきめばいきむほど、便の出口である肛門が閉じてしまうことが癖(クセ)になり、アニスムスになってしまうのです。

直腸性便秘の症状

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このような原因によって生じる直腸性便秘では、どのような症状が現れるのでしょうか?直腸性便秘によって現れる症状について、ご紹介したいと思います。

腹部の違和感

直腸性便秘が生じると、便秘全般に共通する症状が現れます。それは、便や便に由来するガスが腸内に溜まることで、腹部に張りを感じたり、腹痛が生じたりするなど腹部に違和感が現れます。また、オナラが非常に臭いといった症状も現れます。

場合によっては、気分が落ち込んだり、肩こり、頭痛が生じることもあります。

便意を感じにくくなる

直腸性便秘の原因の一つに、便意を我慢することによって排便反射が衰えることがありました。このように排便反射が衰えると、最終的には便意を感じなくなります。

通常は、便秘全般に共通する腹部の違和感が現れるため、何らかの便秘対策をとることで、完全に便意を感じなくなる状態に至ることは少ないと思われます。

しかしながら、便意を我慢することを頻繁に行っていると、便意を感じにくくなることは事実です。

便が硬くなる

直腸性便秘の原因の一つに、排便反射が衰えることがありました。排便反射が衰えると、便意が生じにくくなるため排便しませんから、便が直腸にどんどん溜まっていきます。

直腸の便が排泄されずに溜まり続けると、便が非常に硬くなってしまいます。というのも、大腸を構成する肛門直前の直腸や大腸の大部分を占める結腸は、便を丁度良い硬さにするために水分を吸収する働きがあるからです。この水分吸収機能によって、溜まった便はより大きく硬さを増していきます。

他のタイプの便秘でも便は硬くなる傾向にありますが、他のタイプの便秘に比較してもより硬くなる傾向にあるのが、直腸性便秘の特徴でもあります。

排便時に痛み

直腸性便秘になると、便が大きく硬くなります。そのため、通常の場合は便が適度の水分を含むことで便通はスムーズになりますが、便が大きく硬いために便の肛門通過時に肛門が裂けたり、傷つくことで痛みが生じます。

肛門が裂けたり、傷つくことが続くと、痔になる可能性が高くなります。

トイレの時間が長い

直腸性便秘になると、便が非常に大きく硬くなるために、便が肛門にフタをしているような状況となることで、物理的に便通に時間がかかります。その上、排便時の痛みも加わることで、余計にトイレの時間が長引いてしまいます。

また、強くいきむことを繰り返す場合は、思いのほか体力を消耗することになります。

直腸性便秘の解消方法

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それでは、直腸性便秘になってしまった場合、どのような解消方法があるのでしょうか?直腸性便秘の改善法・解消法について、ご紹介したいと思います。

直腸性便秘となった原因によって、その対策方法は変わりますので注意が必要です。

便秘全般に共通する解消法

便秘全般に共通する解消法として、食事療法・運動療法が挙げられます。

食事療法

便秘を改善するには、食物繊維の摂取量を増やす必要があります。食物繊維には、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維があります。

不溶性食物繊維は、ご飯などの穀物・根菜・豆類などに多く含まれます。不溶性食物繊維は食物残渣となり、腸内で水分を吸収して膨張することで腸管を刺激して蠕動運動を促す効果を有しています。

一方で、水溶性食物繊維は、果物や海藻類に多く含まれ、腸内で水分に溶けることで腸管による水分吸収を邪魔して便をゲル状にして柔らかくする働きがあります。

どちらか片方ではなく、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方をバランス良く摂取して、食物繊維不足にならないことが大切です。

また、腸内環境を良くするために、ビフィズス菌などの善玉菌を含む漬物やヨーグルトといった食品を摂取することも必要です。そして、腸内で善玉菌が増殖しやすいように、ビフィズス菌のエサになるオリゴ糖などを摂取すると整腸効果が高まります。

ただし、直腸性便秘の症状が重い場合は、硬い便が詰まっているところに不溶性食物繊維を含む食べ物を沢山摂取すると、さらに便の元が増えますので注意が必要です。

運動療法

適度な運動をすることも、便秘の解消法の一つとなります。適度な運動をすることで、腸管に刺激が伝わります。その腸管への刺激が、蠕動運動を促進させるのです。

便意を我慢して排便反射が衰えた場合

便意を我慢することを続けたことによって、排便反射が衰えたことが原因の場合は、生活習慣を見直すことが直腸性便秘の改善に繋がります。

便意を我慢しない

まずは、便意を感じたら、その便意を我慢しないようにします。どうしても排便の我慢が必要な場面もあるかもしれませんが、極力トイレを探して便意を感じたら排便するように心掛けましょう。

トイレに行くことを習慣化する

便意が感じにくくなっている場合は、生活リズムの中にトイレに行く時間を強制的に組み込みます。トイレに行くことを習慣化することで、便意を促すようにするのです。

ただし、最初の頃はトイレに行っても、すぐに便意が生じてこないかもしれません。その際は、無理にいきんで排便しようとせずに、あきらめて次回に排便しましょう。あくまでも、便意を感じるようにすることが大切です。

痔や直腸瘤の影響がある場合

痔や直腸瘤の影響がある場合は、これらの治療が必要になります。

痔や直腸瘤の治療法には、投薬や外科手術など複数の治療法がありますので、症状に応じて選択します。

加齢・老化の場合

加齢・老化というものは、誰にでも訪れる避けられない現象です。とはいえ、神経細胞の減少は止められないにしても、筋力の低下は鍛えることで避けることができます。

ですから、無理のない範囲で運動療法を継続することがポイントになります。

アニスムスの場合

アニスムスが原因の場合は、食事療法・運動療法・生活習慣の見直しなどでは、便秘が改善しません。排便の際に、骨盤底筋や肛門括約筋を弛緩できるように、専門の病院で訓練を受ける必要があります。

具体的には、直腸肛門機能回復訓練と呼ばれるもので、排出訓練・バイオフィードバック訓練で構成されます。これらの訓練によって、長期間積み重ねた排便習慣で身についてしまった排便の癖(クセ)を取り除き、矯正するのです。

ちなみに、病院では直腸性便秘が疑われる場合に、事前に経口バリウム検査や画像検査などが実施されます。

排出訓練

排出訓練は、いきみ方に問題がある場合に行われる訓練です。排出訓練では、肛門から直腸にバルーンを入れて膨らませ、疑似的な便とします。その上で、いきみ方を練習したり、いきむ力が低下している場合はいきむ力を強化します。

また、排便時に前傾姿勢をとることや、排便時の腹圧のかけ方なども、指導されます。

バイオフィードバック訓練

バイオフィードバック訓練は、肛門を動かす力が弱い場合に行われる訓練です。バイオフィードバック訓練では、肛門に圧力計を挿入して留置し、肛門を締める力の変化をモニターに数値として表示させます。

その上で、患者さんが自分の肛門を締める力の加減を確かめながら訓練を行います。

便秘薬の使用

直腸性便秘の症状が重くなっている際には、大きく硬い便が直腸に詰まってしまっていますから、最初に便秘薬で症状の緩和を図らねばならない場合も考えられます。

その場合、市販の大腸を刺激して蠕動運動を引き起こす刺激性便秘薬・刺激性下剤は一時的に症状を緩和するものの、直腸性便秘を根本的に治すものではありません。

むしろ、刺激性便秘薬を常用するようになると、薬剤への耐性ができたり、薬剤による副作用が生じる危険性もあります。また、薬剤に頼ることで便意と関係なく排便することになりますから、排便反射が衰える原因にもなります。

直腸性便秘に効果的な便秘薬は、酸化マグネシウム系の便秘薬です。酸化マグネシウム系の便秘薬は、大腸を刺激せずに腸内の水分を保持するように働きかけるもので、結果として水分を集めて便を柔らかくします。ただし、酸化マグネシウム系の便秘薬は、基本的に医師の処方が必要です。

まとめ

いかがでしたか?直腸性便秘についての概要をご理解いただけたでしょうか?

一口に便秘と言っても、様々な種類がありますから、その原因を把握するだけでも悩みが深くなりますよね。また、直腸性便秘だとしても、直腸性便秘の原因も一つではありません。

そして、便秘を早く解消したいからと、適当に家に常備されている便秘薬を使っていると、直腸性便秘の場合には悪影響が発生する可能性すらあるのです。

直腸性便秘に限らず、便秘の解消・改善には、便秘薬による症状の緩和とともに、食事療法・運動療法・生活習慣の見直しなどによる地道なケアによって、便秘体質を変えていく必要があります。現在、直腸性便秘で悩まれている方は、本記事を便秘体質からの脱却のきっかけにしていただければ幸いです。

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