コリン性蕁麻疹の症状は?原因や対処方法も紹介!

蕁麻疹はアレルギーなどを原因として起こると思いがちですが、実は様々な原因が蕁麻疹を引き起こす事につながっています。中でも汗や体温の上昇をきっかけとして起こるコリン性蕁麻疹は、自分でコントロールが難しい部分である事から日常生活に支障を来してしまいます。

どのような原因で起こりうるのかや、改善、予防についての知識を得る事ですこしでも発症を抑える事ができるよう、コリン性蕁麻疹の原因や気をつけるべき点についてまとめました。

蕁麻疹が起こるしくみ

かゆみ

まずは蕁麻疹が起きる仕組みについて知っておきましょう。

蕁麻疹の理由

そもそも蕁麻疹は、皮膚の中の小さな血管が一時的に膨らむ事で起こります。血管の周りの細胞に何らかの刺激が加わると、細胞からヒスタミンが放出されます。血管が膨らむ事で血漿が周囲ににじみ出て皮膚が盛り上がり、ヒスタミンの効果によってかゆみを感じます。かゆみを起こす皮膚の病気であるという点は発疹と蕁麻疹は同じですが、蕁麻疹は数時間単位で発疹の出没を繰り返すという点が大きく異なります。

2つは別の病気であるため、それぞれ異なる治療が必要です。

アレルギーによる蕁麻疹が一般的な気がしますが、実はアレルギーが原因なものは蕁麻疹の10%程度と言われており、多くの蕁麻疹は環境の変化やストレス、更年期障害、免疫機能の低下などによって引き起こされます。

様々な事柄が蕁麻疹の原因と成りますが、代表的なものは以下の通りです。

・急性蕁麻疹:主に細菌やウイルス感染などによるもの。発症して一ヶ月以内のものを指す。

・慢性蕁麻疹:原因が特定できないもので毎日のように症状が出るもの。発症して一ヶ月以上のものを指す。

・物理的蕁麻疹:機械的な擦過や圧迫、振動、冷たさや暑さによるもの

・アレルギー性蕁麻疹:食べ物や薬などに含まれるアレルゲンによるもの

・イントレランス:薬や色素を原因とし、アレルゲンに結合する物質と関与していないもの

・コリン性蕁麻疹:汗によるもの

・心因性蕁麻疹:ストレスによるもの

薬品や食べ物、ウイルスによるものの場合は原因を取り除けばよいのですが、コリン性蕁麻疹や心因性の蕁麻疹の場合はそう単純にもいかないのが現状です。

蕁麻疹になりやすい人

発疹がない場合でも蕁麻疹を起こしている場合もあり、この場合は自分ではなかなか気が付きません。一般的に蕁麻疹を起こしやすい人は花粉症にもなりやすかったり、ちょっとした刺激で皮膚が赤くなる場合があります。また、通常であればかゆみを感じないにきびや毛嚢炎であってもかゆみを感じやすいという特徴があります。

自分が蕁麻疹になりやすいかどうかは簡易的にチェックする事が出来ます。

腕をまくって爪を立てて10cm程度引っ掻いた時に、蕁麻疹の出にくい人だとすこし赤くなる程度ですが、蕁麻疹の出やすい方だと引っ掻いたラインに沿って皮膚の盛り上がりが起きます。このように跡が残る場合、蕁麻疹が出やすい体質と考えられるため特に注意が必要です。

コリン性蕁麻疹とは

汗

様々な蕁麻疹の中でも、今回はコリン性蕁麻疹について紹介します。

代表的な症状

様々な理由によって蕁麻疹が起こりますが、中でもやっかいなものの一つがコリン性蕁麻疹です。コリン性蕁麻疹は発汗による刺激をもととして発症する蕁麻疹で、運動、入浴、ストレスによる発汗で起こります

汗がにじんだ位から発疹が出て来て、かゆみやピリピリとした痛みが出ます。1~2mmの小さな発疹が多数できる事が特徴です。数分から30分位で収まる事が多く、手の甲には症状が出ません10代〜20代の世代で多い症状です。

コリンとは何か

コリンとは「アセチルコリン」という物質の事を指します。アセチルコリンとは神経伝達物質で、交感神経が興奮した際に副交感神経や運動神経の末端から放出されます。

血管の拡張や心拍数の低下のために働く生命維持には欠かせない物質ですが、何らかの原因でアセチルコリンの排出がうまくできなくなると、汗腺に溜まって炎症を起してしまいます

似ている蕁麻疹

コリン性の蕁麻疹と似たものに、温熱蕁麻疹というものがあります。コリン性蕁麻疹が汗をきっかけに起こるのに対し、温熱蕁麻疹は暖かい所に居る時や気温の変化が合った時に起こるものです。

温熱蕁麻疹はコリン性蕁麻疹と比べて蕁麻疹の部分が熱を帯びている事、かゆみが長引く事が特徴です。

コリン性蕁麻疹への対策

シャワー

コリン性蕁麻疹の対策方法について紹介します。

コリン性蕁麻疹が起きた時の対処法

コリン性蕁麻疹は加齢により症状が緩和すると言われています。30代くらいで収まる事が多いので、それまでは生活の改善や医療機関での治療を受けながらかゆみや痛みを抑えましょう。

・日常生活

掻きむしると肌がより敏感になる場合があるので、冷やしてかゆみを緩和させるようにすると良いとされています。悪化していると、入浴によって頻繁に発症する場合があります。そのような時はぬるめのシャワーでさっと流す程度にするなどの配慮が有効です。

汗をかいたままにしておく事が、症状の悪化につながる場合があります。汗へのアレルギー症状が出る場合があるので、汗をかいたらこまめに拭き取ったり、吸湿性の高い衣類を着用するなどの工夫が必要です。

規則正しい生活習慣により免疫力を高める事は、コリン性蕁麻疹にとっても有効な対策です。休息と睡眠をとり、ストレスを溜めないように生活しましょう。

・治療

医療機関での治療は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬によるものか、減感作療法によるものとなります。アレルゲンとなっている汗を少量から触れさせていき、汗に対する過敏性を抑える療法ですが、医療機関の指導の元で行いましょう。

予防

コリン性の蕁麻疹は副交感神経と深い関係があるため、なかなか自分の意思で発症を食い止める事ができません。ただし、全ての蕁麻疹に共通した予防対策として以下のものが挙げられます。 

・生活習慣を整える

前項と同様、免疫力を高める事が重要です。特に夕方に蕁麻疹が出やすい人は、疲労や睡眠不足が引き金となっている可能性が高いと考えられます。規則正しい生活を心がけましょう。

・皮膚に刺激を与えない

皮膚への圧迫や刺激、乾燥状態のまま放置する事は皮膚への刺激となるので避けましょう。

・局所的な体温上昇を防ぐ

こたつに長時間入る、ストーブに直にあたるといった習慣は局所的な体温上昇を招き、蕁麻疹の出やすい状況を作ってしまうので避けた方がよいとされています。

・腸内環境を健康に保つ

腸内環境を整える事が免疫力の改善に役立ちます。アレルギー体質の人は腸内環境があまりよくない傾向があるともいわれ、腸内で作られたアレルギー物質が皮膚の炎症に影響を与えているとも考えられています。

 ヨーグルトなどで善玉菌を取るようにする

 オメガ3系の脂質を取り入れる(亜麻仁油など)

と改善を目指す事ができます。

・食事の際の注意点

これに加え、蕁麻疹の出やすい体質の方はヒスタミンが含まれる食品を避けた方がよいとされています。特にコリン性蕁麻疹の傾向がある方は、アセチルコリンを含む食品も避けた方が無難です。栄養バランスの採れる範囲で気をつけるようにしましょう。

 ヒスタミンを含む食品:なす、トマト、ほうれん草、鶏肉、牛肉など

 アセチルコリンを含む食品:なす、トマト、たけのこ、山芋、里芋、そばなど

まとめ

汗によって症状が出てしまうコリン性蕁麻疹は、一度発症してしまうとかゆみや痛みなど非常につらい症状に悩まされる事になります。

生活習慣などで予防や改善を目指す事が可能なので、規則正しい生活を心がけ発症を抑えるように心がけるとよいでしょう。

症状が出てしまったかもしれないと感じた場合も、他の理由による蕁麻疹である場合もあります。自己判断せずに適切な診断を受け治療を行う事が大切です。

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