瘀血とは?特徴や症状、改善方法を知ろう!治療には薬膳料理が有効?

皆さん、瘀血(おけつ)という言葉知っていますか?難しい漢字を書くので読めない方も多いと思いますが、この言葉は東洋医学の用語で血流の滞りを意味しています。血液の循環が悪くなる事で、起こる疾患はたくさん挙げられます。

頭痛や月経痛、肩こり、冷え性に長い間悩まされている方、瘀血が進行している可能性が高いです。体質を改善することで、これらの悩みも改善することができます。ここでは、瘀血の概要や改善する方法について詳しく記事にしたいと思います。

瘀血について

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瘀血は血の流れが悪いという状態を意味する東洋医学の用語です。この状態になることで様々な症状が現れ、進行すると婦人系疾患や生活習慣病を招く原因になります。

ここでは、瘀血の概要と原因、また東洋医学の考えについて詳しくご紹介します。

瘀血とは?

私たちの体の中は、血管がすみずみまで張り巡らされ、血液を通じて栄養や酸素を運んでいます。その為、血液はとても重要な役割をしており、血液の流れが悪くなったり、滞ると各臓器の機能が障害を起こし、婦人系疾患や生活習慣病を引き起こす原因になります。

血液に新鮮さが失われて血流が悪くなったり、滞ったり、固まってしまうことを、東洋医学で「瘀血」と呼びます。瘀血は血が滞っている血液を意味する名詞で、似た言葉で血瘀(けつお)は主語と述語の関係で血が滞っている状態の事を言います。

瘀血の原因とは?

瘀血になる原因はたくさん挙げられ、中でも生活環境が大きく影響するものが多いです。主な原因は下記のようなものです。

主な原因

  • 運動不足
  • 不摂生な食生活
  • 不規則な生活習慣
  • 精神的ストレス
  • 過労、疲れ
  • 冷え
  • 貧血
  • 加齢
  • 虚弱体質

現代社会はストレス社会とも呼ばれている為、現代人が特に注意が必要なのはストレスです。内蔵、血液循環の調整は自律神経が行っています。この自律神経はストレスに弱く、ストレスがかかると血流が悪くなります。

他にも脂質や糖質の多い食事など、食事が偏ると血液がドロドロした状態になります。筋肉には血流を補助する役目がある為、運動不足による筋肉の低下も瘀血になる原因になります。

東洋医学とは?

東洋医学とは、中国を中心とした東アジアで広く行われている伝統医学です。中医学、中国伝統医学とも呼ばれています。

東洋医学では、体全体のエネルギーの源である「気」と体の全ての組織に栄養を与える「血」そして、体を潤す「水」の3つが体を構成し、生命維持の基本と考えられています。この3つがスムーズに活動することで、健康が保たれると言われています。

東洋医学の治療方法

東洋医学の治療方法論には、弁証論治というものがあります。東洋医学の考えでは、同じように疲労を感じたとしても、人の体質や症状によって、原因や改善策が異なると考えられています。

病人の症状を中医学の診断方法に基づいて分析して明らかにした病気の本質を「証(しょう)」と呼び、論理的に治療することを弁証論治といいます。疲労を感じた患者さんが鍼灸院に来た場合、まずなぜ患者さんにそのような症状があるのかという病歴を細かく確認します。

その細かな病歴から、東洋医学的に分析してどのようにして、疲労が現れるのか「証」を突き止めます。そして、この証を論理的に治すために「鍼灸治療」や「漢方薬」「薬膳料理」を用いて体質改善を行うことが東洋医学の治療法になります。

東洋医学と西洋医学の違いは?

東洋医学と西洋医学は治療方法や考え方が異なります。西洋医学は、攻撃型の医療と言われ、抗生物質などの薬を用いて病原体を攻撃したり、病原となる巣を手術で摘出します。

一方東洋医学は調和型医療と呼ばれ、患者の体質を改善して、病気を治すことを基本とします。例えば、細菌やウイルスに感染した場合、西洋医学であれば抗生物質を用いて病原体を攻撃して殺します。しかし、西洋医学では病原菌に負けない力、排除する力を高めて治療するといった方法を取ります。

どちらが良いとは判断しずらく、どちらの場合も状況や症状に応じて受けることが重要です。西洋医学の抗生物質により細菌性の病気が減ったこともあり、内因性や心因性の疾患の治療法として東洋医学が注目されています。

ストレスや冷えなどの生活習慣が原因となって起こる病気が多いことや、「病は気から」という言葉もあるように、自分の気持ちを高めたり、本来持つ抵抗力を高めるということは重要です。

瘀血タイプの特徴

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瘀血は単なる血行不良からドロドロの血液、病原体に侵された血液まで、健康でない血液を幅広く総称して呼びます。

この血液の特徴は、「痛む」「かたまる」「黒ずむ」の3大特徴があります。ここでは瘀血タイプに起こる主な症状と月経について詳しくご紹介します。

瘀血タイプの主な症状

血のめぐりが悪くなると、体のいたるところに「痛み」「かたまり」「黒ずみ」を感じるようになります。これらの症状が進行すると、血管の老化を引き起こして、生活習慣病や婦人科系疾患に発展するリスクが高まります。

瘀血を起している人に現れる症状は下記のようなものです。常に下記のような症状を感じている場合は、改善の必要があります。

瘀血タイプの特徴は、

  • 肩こり
  • 頭痛
  • 月経痛、レバー状の血の塊
  • 肌のくすみ
  • シミ、そばかす
  • 傷跡やアザが残りやすい
  • 目の下のクマ
  • 関節痛
  • 唇の色が紫色

上記のような症状を日々感じている人は、循環器系の疾患のリスクが高いです。血液中に血栓が含まれ、動脈硬化、糖尿病、高脂血症、がん、脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病を引き起こしやすくなります。

また、瘀血が起こると、胃腸などの消化器官に十分な栄養素や酸素が運ばれなくなり、機能が低下します。エネルギーを消化・吸収する能力がなくなると、血液の生成に影響を与え、気血不足になります。この状態になると、更に瘀血が進行し悪循環を招きます。

瘀血タイプの月経

東洋医学では、生理痛は基本ないものだと考えられています。下腹部が重いやだるいと感じる事はあっても、痛みというものはありません。

また、月経周期は28日、日数は5日~7日が健康だと考えられています。量が異常に多い方や稀発月経という月経周期が長い方など、これらの生理不順も瘀血タイプと言えます。

瘀血タイプの月経の特徴は、

  • 生理痛がひどい
  • 月経血にレバー状や細かい塊が混じる
  • 月経血の色が黒い
  • 月経周期が乱れている
  • 月経血が多い
  • 生理前の基礎体温の低下が緩やか

瘀血は、月経痛、月経不順、不妊症、子宮筋腫、多膿疱性卵巣症候群、子宮内膜症などの様々な婦人科系疾患にかかるリスクが高まると考えられています。

瘀血度のチェック

瘀血と一言で言っても、血行不良からドロドロ血液まで幅広くあります。その為、自分の血行不良度がどのくらいか、分からない方も多いと思います。下記のチェック方法を用いて自己チェックしてみましょう。

思い当たるチェック項目の点数を合計して、合計点数が高いほど瘀血が深刻で改善の必要があります。

■頭や肩、胸周りのチェック内容
・肩・首すじがよくこる:3ポイント
・よく物忘れする:2ポイント
・頭痛が起こる:3ポイント
・胸に刺すような痛みや締め付けられるような痛みがある:5ポイント

■顔周りのチェック内容
・顔がくすんでいる:5ポイント
・目にクマがある:3点
・シミやそばかす、イボが多い:3ポイント

■口周りのチェック内容
・唇が紫色:5ポイント
・歯茎の色が暗い赤色:5ポイント
・舌の裏側の静脈が暗紫色:5ポイント
・舌の色が暗赤色もしくはシミがある:5ポイント

■手・足のチェック内容
・皮膚が硬くザラザラしてる:5ポイント
・手に紅斑がある:3ポイント
・水虫がある:3ポイント
・爪が紫色している:3ポイント
・傷やアザがなかなか消えない:5ポイント
・手先、足先が冷える:2ポイント
・関節痛や筋肉痛など痛みがある:5ポイント
・手足のしびれ、痛みがある:3ポイント
・関節リウマチがある:3ポイント
・足に静脈が浮き出て見える:3ポイント

■内臓のチェック内容
・ホリープや腫瘍がある:5ポイント
・子宮筋腫・子宮内膜症:5ポイント

■便通のチェック内容
・痔:2ポイント
・タール便と呼ばれる黒い便:3ポイント

■月経のチェック内容
・月経痛:3ポイント
・月経の色の黒ずみ、塊:5ポイント
上記のチェック内容を確認して、合計ポイントはいくつになりましたか?合計ポイントが、3~6ポイントの方は、瘀血傾向あり・血行不良状態、7~11ポイントの方は瘀血、12点以上の方は瘀血が進行していると言えます。
7ポイント以上の方は、生活改善が必要です。上記の他にも、お腹の右下、左下の部分を強く押して痛みがあれば、瘀血の証と言われています。

瘀血の治療方法について

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ここでは、東洋医学に基づいた治療方法をご紹介します。東洋医学は体質改善が基本的な治療方法です。

その為、日常生活の改善が第一、適度な運動や食生活は基本です。その上で漢方薬や薬膳、整体のツボ押し、鍼灸が有効的です。

規則正しい生活

東洋医学の治療方法は、体質改善の考えが基本です。血液の巡りを改善するのには、規則正しい生活習慣が一番重要です。

一般的に規則正しい生活というのは、下記のようなことを言います。毎日取り入れて習慣付けましょう。

■規則正しい生活

  • 毎朝同じ時間に起きる
  • 1日3食食べる
  • バランスの取れた食生活
    適宜水を飲む
  • 朝食を充実させる
  • ストレス解消
  • 質の高い睡眠
  • 有酸素運動、ストレッチ、筋トレ

特に生理痛が重く、冷え症の方は、ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れましょう。通勤時間を利用して、エスカレーターをやめて階段を使ったり、1駅手前で降りていつもより多く歩いたり、歩く時間を積極的に作りましょう。

また、頭痛や肩こり、顔色が悪い方は、上半身の血行不良が起きている可能性があります。上半身の血行を改善するには、上半身のストレッチや筋トレが有効的です。

他にも、血液は温かい環境で流れが良くなります。湯船につかって体を温めましょう。お風呂から上がって体が温まっている状態でストレッチをすると更に効果的です。これらを習慣にして改善しましょう。

中国漢方

漢方薬とは、漢方医学の理論に基づいて処方される医薬品です。天然に存在する薬効を持つものから、有効成分を取り出して、薬に用います。

これを生薬と呼び、体質改善を目的に処方されます。血液の巡りを良くする生薬は、丹参(たんじん)です。この丹参は、活血化瘀薬に属し、血液サラサラ、血管の状態を改善する効果があります。

丹参(たんじん)

この生薬は、心臓や血の治療薬として用いられています。心臓疾患や脳の循環障害で有効であることは臨床実験からも証明されていると言われています。心臓の血の虚の影響で起こる不眠症や動悸にも作用すると考えられています。

■伝統的薬能

  • 血液の循環を促進し、停滞している血を解消する
  • 血管を拡張する
  • 血圧を正常値にする
  • 血液中に血栓を出来にくくする
  • 血液粘土を低下させ流れを改善する
  • 血管の老化防止する
  • 熱を取り除く
  • 精神を沈めてイライラを取り除く

■素材

  • シソ科のLabiataeタンジンの根です。主な生産地は中国の四川省

ツボ

東洋医学の考えでは、生命のエネルギーの通り道である「経絡」の上に点在するツボを利用して気や血、水の補充や代謝を行い、陰陽のバランスを正常に戻して病気を取り除くと考えられています。

整体に通ってツボを押してもらいましょう。ツボを刺激してもらうことで、気や血の流れを改善します。

鍼灸治療

中医学の鍼灸の方法は、病気の原因や部位や性質を突き止めて、ツボや経路に刺激を与える治療法です。皮膚の上から鍼を刺したり、灸を用いて刺激を与えます。日本では、特に統一された考え方、治療方法はないので、どのような治療方針に基づいているか、事前に確認することが重要です。

例えば、スポーツ鍼灸鍼は解剖学にもとづいた筋肉のポイントに刺して痛みや筋肉のコリをほぐすのに使われています。このように東洋医学の考えに基づいていない鍼灸院もあります。

薬膳料理

瘀血を改善する方法の1つに、薬膳料理があります。薬膳料理とは東洋医学に基づいた中薬と組み合わせた料理で、食養生の治療方法です。日本では薬膳料理と呼ばれていますが、実際は膳に既に料理の意味がある為、誤った表記で使われています。

瘀血に改善すると考えられている食べ物は、

  • 茄子
  • 青梗菜
  • ニラ
  • 黒木耳
  • パセリ
  • 紅花
  • 紅麹
  • シナモン
  • 納豆や酒粕などの発酵食品
  • イワシやサバなどの青魚

上記のものを用いて調理しましょう。お酢などの血流を改善する調味料をテーブルに置いたり、和食は発酵食品を使う機会が多いので、和食を中心にした食事内容にすることがポイントです。

薬膳料理レシピについて

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「薬膳の味が苦手」や「作るのが難しそう」という方にオススメしたい簡単に作れる薬膳レシピをご紹介します。上記でご紹介した瘀血に作用する食材を用いて体質改善しましょう。

ここでは、瘀血に効果的な薬膳レシピをご紹介します。

紅花海老チャーハン

紅花は活血作用のある食材で、瘀血に効果的です。肩こりや生理痛、関節痛など症状を感じている方は是非作ってみてください。

また、海老、生姜、ニンニクなど体を温める食材を合わせて簡単にできるチャーハンです。冷え性の改善にも役立ちます。

■材料

  • ご飯:茶碗3杯
  • えび:8匹
  • 紅花:小さじ1
  • 卵:2個
  • すりおろし生姜:小さじ1
  • すりおろしにんにく:小さじ1
  • オイスターソース:小さじ1
  • 醤油:小さじ1
  • 塩・胡椒:適量
  • 炒め油:大さじ1

■作り方

  1. ボウルに卵と紅花をくわえてかき混ぜる
  2. エビは皮をむいて、背ワタを取り除く
  3. フライパンに油を引いて、①をいためてお皿に取ります。
  4. フライパンに生姜、にんにくを入れて炒め、えびをいれます。
  5. エビに火が通ったら、ご飯も一緒に炒め、他の調味料を全て混ぜ合わせます。
  6. 卵を戻して、混ぜ合わせて完成です。

薬膳納豆

納豆が好きな方は、納豆を薬膳として用いましょう。納豆などの発酵食品やお酢には、活血作用があります。

また、シソは胃腸の働きを改善する作用があり、ミョウガは月経痛に効果があります。これらを混ぜ合わせて、瘀血を改善しましょう。

■材料

  • 納豆:1パック
  • らっきょう漬け:4粒
  • ミョウガ:1個
  • シソ:4枚
  • らっきょう漬けの汁: 大さじ2
  • すし酢:大さじ1
  • すりごま:大さじ1

■作り方

  1. らっきょう、ミョウガ、シソを納豆と同じサイズに細かくカットします。
  2. 納豆をかきまぜておきます。
  3. 全部の材料を混ぜ合わせて完成です。

おわりに

瘀血は血液の巡りが滞る症状です。これにより「痛み」「かたまり」「黒ずみ」の3つの症状を基本として症状が現れます。例えば、月経痛、肩こり、頭痛などが代表的な症状です。これらの症状を慢性的に感じている方は、血流の改善が必要です。

瘀血が進行すると、不妊症や子宮筋腫などの婦人系疾患や糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病にかかるリスクが上がります。規則正しい生活に加えて東洋医学の治療法ではツボ押し、鍼灸マッサージ、薬膳料理などが取り入れられています。これらを取り入れて体質改善しましょう。

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