食べる速さは人によって違います。コンビニ弁当を5分で食べてしまう人もいれば、45分もかかって食べる人もいます。食べるのが遅くて、肩身の狭い思いをすることもあります。
子育て中の多くのママさんが「子供が食べるのが遅い」と悩んでいます。学校給食を食べるのが遅くて、つらい思いをしている子供も少なくありません。
でも、食べるのが遅いことは健康的にもダイエットにも良いのです。よく噛んでゆっくり食べると、脳が活性化します。
食べるのが遅いことのメリット・デメリット、食べるのが遅い原因と改善方法についてお伝えしますね。
食べるのが遅い人とは?
食べる速さは人によって異なります。食べるのが早い人はコンビニ弁当を5分程度で食べてしまいます。普通の人は10~15分でしょう。食べるのが遅い人は20~30分、人によっては45分もかかります。会食の席でも、他の人たちがデザートを食べたり食後のコーヒーを飲んだりしているのに、食べるのが遅い人はまだ料理を食べています。
江戸時代、「早飯も芸のうち」と、江戸っ子は食事を短時間でサッと済ませることを得意としました。現代でも「食べるのが遅い人は、仕事ができない」と言うことがあります。
[食べる行動に性格が表れる]
アメリカの食事行動の研究機関「フードロジー」の設立者ジュリエット・ボゴシアンは、「食事習慣に基づいて、その人の性格を推測できる」と言います。心理学者のジュリア・ホルムスも、食事行動・食事習慣に性格の特徴が表れるとしています。食べ方で性格診断ができるようです。
食べるのが遅い人の性格
食べるという行動が遅い人は、人生を自分でコントロールしようとします。人生の楽しみをじっくりと味わう方法を探しています。ですから、食事をする時も、一口一口料理をゆっくりと味わって楽しみます。他の人が食べ終えてしまっても気にしません。いつも一番最後に食事を終えます。自分自身に自信を持ち、常に落ち着いて行動します。
幼少時からゆっくり食べる習慣がある
子供の頃に「よく噛んで、ゆっくり食べなさい」と言われて育った人は、食べるのが遅い傾向があります。家族でおしゃべりしながら食事楽しむ習慣のある家庭で育つと、食事に時間をかけるのが当たり前になります。
食べる速さは気分に左右される
いつも普通の速さで食事する人が、食べるのが遅くなることがあります。深い悲しみや心配がある時、気分が落ち込んで元気のない時は、食べるのが遅くなる可能性があります。
食べるのが早い人の性格
早食いの人は食事を機械的に流し込み、1分1秒を争うように食べます。他の人がまだ半分も食べていないのに、料理を全部平らげてしまいます。せっかちで野心家の傾向があります。目標志向が高く、新しいことに積極的に挑戦します。
家族に早食いが多い
食べるのが早い人は、家族も早食いが多いようです。早食いの人と一緒に過ごしているうちに、早く食べる習慣が身につきます。
[「食べるのが遅い人は、仕事ができない」のは本当?]
結論から言うと、ウソです!むしろ、「よく噛んでゆっくり食べる人は、仕事ができる」と言えます。
記憶を司るのは脳の海馬という部分です。加齢とともに海馬の脳神経の働きが低下して、物忘れが激しくなります。ところが、「よく噛んで食べる」ことで、海馬の神経細胞は鍛えられて活性化します。実験データがその事実を証明しています。
よく噛んで食べると、脳の海馬や連合野の神経細胞が活性化して機能が向上します。脳が仕事を効率できる状態になります。よく噛んでいると、食べるのは遅くなります。周囲の人たちには「のんびりしている」ように見えますが、実は脳を活性化させているのです。
よく噛まないのに食べるのが遅い人
よく噛まないのに食べるのが遅い人もいます。気持ちが落ち込んでいると、食べる速度が遅くなります。その場合は、脳神経は活性化しません。よく噛むことが大事なのです。
よく噛まないのに食べるのが遅い人は、全体的に動作が遅いのです。ゆっくり行動するタイプと言えます。
[胃弱の人は食べるのが遅い]
胃が弱くて胃液や唾液など消化液の分泌量が少ない・嚥下力が弱い人は、1度に多量の食べ物を食べることができません。
消化器官の弱い人は、少量ずつゆっくり時間をかけて食べる必要があります。無理に急がせると、むせたり消化不良を起こしたりします。
「食べるのが遅い」ことのメリット・デメリット
「食べるのが遅い」ことは、健康にも美容にも脳にもメリットがあります。でも、デートや会食や接待の席などでは、「食べるのが遅い」ことはデメリットになります。
「食べるのが遅い」メリット・デメリットを知っていれば、上手に活かすことができます。
[食べるのが遅いメリット]
「よく噛んでゆっくり食べる」ことは、良いことです。食事にはできるだけ時間をかけて、ゆっくりと食べるようにします。食事を楽しむためにも、ゆっくり食べることは大事です。
①よく噛んで食べると、脳が活性化する
前述したように、よく噛んでゆっくり食べると脳が活性化します。脳の神経細胞がよく働くようになります。よく噛んでゆっくり食べることは、認知症の予防や改善にもなります。
②ゆっくり食べることはダイエット効果がある
よく噛んでゆっくり食べると、エネルギー摂取が抑えられる上に満腹感を感じられます。早食いすると、カロリー(エネルギー)摂取も速くなります。しかも満腹感がありませんから、つい食べ過ぎてしまいます。
早食いは大食いになりやすい
胃に食物が溜まると、脳の満腹中枢に信号が送られて満腹感を感じるようになります。信号が満腹中枢に届くには、時間を要します。食べて20分ほどしないと、満腹感が生じません。食べるのが早いと、満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまうのです。
簡単に食べられる物ほど食べ過ぎる
アメリカには肥満で悩む人が多いといいます。しかも、食事にかける時間が1日平均74分で、ドイツ・スペイン・イタリア・フランスなど欧州各国の70~60%です。アメリカはファストフード発祥の国ですから、ハンバーガーやサンドイッチなど簡単に食べられる食べ物が沢山あります。手軽な食べ物は早く食べられるのでエネルギー摂取が早く、食べ過ぎが起きやすいのです。ラーメンやそば・うどんも同じです。
ランチは、そば屋やラーメン屋で手軽に素早く済ませる人が多いようです。満腹感が生じる前に食べ終わってしまいますから、なんとなく物足りなく感じます。「大盛」を頼む男性が多いのは、そのためです。
肥満していると、セルフコントロールができないように思われる
欧米では、肥満はセルフコントロールができない証拠と見られます。成功者は健康面でも精神面でも自己管理ができています。食欲をコントロールできない人は「仕事ができない」と思われる可能性が高くなります。
痩せるためには20分以上かけて食べる
極端な食事制限をしなくても、ダイエットできます。よく噛んでゆっくり食べると、食物繊維を豊富に含む食材を摂取できます。便秘の解消にもなります。20~30分かけて、よく噛んでゆっくり食べるようにします。適度な有酸素運動と組み合わせると、自然に体重が減少していきます。
③ゆっくり食べて血糖値の上昇を抑える
よく噛んでゆっくり食べると、食後の血糖値の上昇を抑えてゆるやかにします。同じ量の食物を摂取するにしても一口の量を少なくしてよく噛んで食べると、食後の血糖値の上昇が緩やかになります。一般的に糖尿病患者さんは早食いが多いようです。
食事をする時は、健康のためにも20~30分かけるようにします。
④食べるのが遅い人は自分のペースで生きている
食べるのが遅い人は自分のペースをよく知っています。食べるのが遅い人は、単に食事がマイペースというだけではありません。生活全般を自分のペースで行います。
マイペースで生きると、無理をしないのでストレスが軽減します。自分のペースを知っているので、選択を誤ることも少なくなります。無駄を省くことができます。ビュッフェスタイル・バイキング形式の食事でも、自分の食べる適正な量がわからず取り過ぎることがありません。食べ過ぎも食べ残しもしません。食べたい物を選んで適量食べて楽しむことができます。
[食べるのが遅いデメリット]
食べるのが遅いと、人と一緒に食事するとペースが合わずに困ることがあります。食べるのが遅いために、仕事もグズグズしているように思われる可能性があります。
家族や友人と一緒に食事する時は、それほど気にしなくても良いのですが、社会に出て会社の上司・先輩・同僚や取引先の人たちと食事する時は、食べるのが遅いことがデメリットになります。
①食べるのが遅いと、「苦労知らず」に見える
食べるのが遅いと、いかにも悠然として「苦労知らず」のお坊ちゃん・お嬢さんに見える可能性があります。食べるのが遅い人はマイペースなので、余計にそう見える傾向があります。前述したように「仕事ができない」「グズ」「のんびり屋」に思われがちです。
他人の目は気にしないでマイペースで生きる
「苦労知らず」は良いことです。しなくてもいい苦労をすることはありません。他人の目など気にしないで、自分のペースを守り人生をコントロールするようにします。活性化している脳をフルに働かせて仕事に取り組めば、「仕事のできる人」という評価に変わります。
②食べるペースが他人と合わない
食べるペースが他人より遅いので、食事にかかる時間が長くなります。デートの時、相手が食べ終わっているのに自分の食事が半分以上残っていると気まずくなります。会社の接待の席では、相手の食べる速さがプレッシャーになる可能性もあります。
食事はコミュニケーションの場
食事は「エサを取る場」ではありません。「コミュニケーションの場」です。ゆっくりと時間をかけて料理を味わい、会話を楽しむ場面です。
食事中の会話を無作法と考えて禁止する家庭もありますが、正式なテーブルマナーでは上品なユーモアに富んだ会話は必要不可欠とされます。黙ってガツガツと食べることは無作法ですから、会話を盛り上げてゆっくりした食事のペースに引き込むようにします。
食事のペースはメインとなる女性に合わせる
正式なテーブルマナーでは、メインとなる女性(主客の女性・会食主催者の夫人)のペースに合わせます。メインとなる女性よりも早く食べ終わっても遅く食べ終わっても無作法です。適当に皿の料理を残すなどして、ペースを合わせるようにします。
一般に男性は女性より食べるのが早いので、女性のペースに合わせるようにします。食べるのが遅い男性は女性のペースに合わせるのにあまり苦労しません。
30~45分で食べ終わるようにする
接待の機会が多いのに食べるのが遅い人は、普段の食事を30~45分で食べるように心がけることをオススメします。どんなによく噛んでゆっくり食べても、普通の食事量であれば40分もあれば十分です。会社や役所の昼休みはたいてい1時間ですから、30~45分で食べ終わるようにすれば困ることもありません。
会席料理やフランス料理などコース料理は、2時間を目安にしています。会話を楽しみながらゆっくり食べられる時間です。普段から30~45分で食べ終わるようにしていれば、食べるペースを気にすることはありません。
うちの子供は食べるのが遅いという悩み
「うちの子は食べるのが遅い」という悩みを持つママさんは大勢います。「息子は食べるのが遅いので、学校給食が心配」などという悩みを書き込むトピ主さんに対して、多くのママさんが同じ悩みを寄せています。
忙しいママさんはすることが山とあります。子供たちがダラダラとごはんを食べていると、台所が片付かず次の仕事にかかれません。イライラしてしまいます。
子どもが食べるのが遅いからといって「早く早く」と急かしても、子どもは苦痛に感じるだけです。食べることが苦痛になり、ますます食べるのが遅くなります。
[食べるのが遅くなる原因]
子どもが食べるスピードが遅くなる原因は、食べる環境や子どもの個性などがあります。消化器官の異常や疾患・精神障害という可能性もゼロではありませんが、心配のしすぎは子どもさんに悪影響を与えます。
①お腹が空いていない
子どもはお腹が空いていなければ、ハッハツ食べようとしません。体質的に食の細い子どもは空腹感をあまり感じません。食が細くても成長曲線(カーブ)が正常範囲内にあり、少しずつでも大きくなっていれば健康な状態と言えます。無理に食事の量を増やすことはありません。
子どもが食べられる量を盛る
食事を盛り付ける量が多すぎると、子どもは食べきれないで残します。常に食事を残す習慣をつけるのは、子どもの自己肯定感を失わせます。「このくらいでいい?」と子供に盛り付け量を確かめたり、少なめに盛ったりします。少なめに盛った時は「もう少し食べる?」と聞くようにします。
おやつが多いと、お腹が少ない
おやつが多いと、お腹が空きません。ご飯を食べるのが遅くても、お菓子はパクパク食べる子どもが少なくありません。食べるのが遅い子は、おやつの量を減らします。食後のデザートを楽しみにさせます。
甘いジュースは血糖値を上げて、空腹感をなくします。食前のジュースは控えるようにします。喉が渇いたら、水を飲ませます。
子どもの空腹な時間に食べさせる
朝は、子どもの体はまだ眠っています。少し早めに起こして、心も身体もスッキリと目覚めてから朝食を食べさせます。食の細い体質の子供は適度な運動をさせて、お腹を空かせます。身体をよく動かして遊ぶ子供たちは、お腹が空いてよく食べます。
②食べることに集中できない
食卓やその周囲におもちゃが出ていたりTVがついていたりすると、子どもは食べることに集中できません。おもちゃやTVに気をとられて、食べることは二の次になります。どうしても食べるのがダラダラと遅くなります。
食事の前におもちゃを片付けてTVを消す
子どもが食事に集中できるように環境を整えます。テーブルの周囲や部屋の中におもちゃなどが散らばっていないように片付けます。幼児の年齢によっては「ごはんの前にお片付けしようね」と一緒におもちゃなどを片付けます。もちろん、TVは消します。「ご飯の時はTVを消そうね」と言い、「ご飯が済んだら、またTVを見ようね」と約束します。
見たいTV番組の30分前に食事を始める
子供が楽しみにしているTV番組があれば、その30分前から食事を始めるのも1つの方法です。子供がダラダラ食べていたら、「あら、もうすぐ○○が始まるわよ」と注意します。子どもはTV見たさに食事を早く終えようとします。
食後にママも一緒に遊ぶ
おもちゃに夢中の子供には「ごはんを食べてから、また遊ぼう!」と約束します。食事の後でママが一緒に遊んであげると、子どもの幸福感が増します。ママと一緒におもちゃで遊びたくて、食事を早く終えようとします。
③子供には早く食べようという気持ちがない
子どもには「早く食べよう」という気持ちがありません。子供が食事に集中できる時間は10~20分です。それを過ぎると、子どもは食べ物で遊び始めます。食事以外のことに興味が移ります。
30分程度経ったら、食事を片付ける
子どもが食べ物で遊び始めたり水のコップをひっくり返したりしたら、「もうお腹いっぱいなの?」と聞き、「お腹いっぱいなら、お片付けしようね」と食事を片付けます。食べ始めてから30分くらい経っていれば、子どもは食べたい量を食べ終えています。
片付ける時に怒らない
大事なことは、片付ける時に子供を叱ったりどなったりしないことです。「ダラダラしているなら、もう食べさせない!」「あんたは食べなくたっていいわよ!」と怒ると、子どもは怯えます。食べることが苦痛になり、ますます食べるのが遅くなります。
食後の楽しみに目を向けさせる
食後のデザートやフルーツ・食後の遊びやTVなどの楽しみに目を向けさせ、「さっさと食べてしまおうね」と促します。食べ物で遊ぶ子には食事量を少なめにして、すぐに食べ終われるようにします。足りなければ、おかわりをあげれば良いのです。
④嫌いなメニューは食べる気がしない
子どもは嫌いなメニューを食べたがりません。食べるのが遅くなります。しかし、保育園や学校に行くようになると給食がありますから、親は好き嫌いをなくそうと努力します。嫌いなメニューを何とか食べさせようとします。
子どもは好きなメニューを先に食べてしまい、嫌いなメニューを後に残します。でも、嫌いなメニューも食べなければ叱られるので、気になって食べるのが遅くなります。
嫌いなメニューは少量にして最初に出す
嫌いなものと好きなものを一緒に出すのではなくて、コース料理のように嫌いなメニューを最初に食べさせるようにします。一口か二口で食べられる程度の少量にします。食べてしまったら、子どもの大好きな料理を出します。
嫌いなものを最初に食べるのが習慣になると、給食でも嫌いなメニューを先に食べるようになります。好きなメニューで口直しすれば、給食を残さないようになります。
⑤よく噛まないと呑みこめない
子どもの中には、よく噛んで食べないと唾液が分泌せず、食物を呑み込めない子がいます。急かせると、食べ物にむせたり吐いたりします。
よく噛んで食べることは脳や顎を発達させ、唾液の分泌を促して消化を助けます。むしろ、よく噛んで食べることは褒めるべきです。少し時間がかかっても、「よく噛んで食べるのよ」とゆっくり食べさせます。
⑥授乳の時の無理が影響する
授乳の時に無理をすると、幼児は食べることが不快になります。
乳児は母親に抱かれて乳を飲むことで、何よりの快感と幸福感を得ます。最も心地よく安心できる状態です。母親が忙しくてバタバタと落ち着かなかったり、自身の安心を得るために無理に乳を飲ませたりすると、乳児は不快に感じ嫌悪感を持つようになります。この乳児体験が食べることに消極的な態度を取らせる可能性があります。
授乳は赤ちゃんとのコミュニケーション
授乳は赤ちゃんとの最高のコミュニケーションですから、ママも赤ちゃんも楽しい気分でいるようにします。無理に沢山の乳を飲ませる必要はありません。
[30~40分で食べ終わる習慣をつける]
保育園・幼稚園の食事時間は30分程度、小学校・中学校は20分程度です。幼児の時から食事時間の感覚を身につけておかないと、小学校・中学校に行ってから給食時間が苦痛になります。「給食時間が苦痛だ」という中学生たちは少なくありません。
30~40分で食べ終わるようにする
幼児の時から食事時間は30~40分という習慣をつけるようにします。食べ終わった後にTVや遊びなどの楽しみを用意して、子どもに「早く食べ終えよう」という気持ちを持たせます。よく噛まないと食べられない子も、30~40分あれば無理しないですみます。
丼物やお弁当で食べやすくする
丼物はおかずとごはんが一緒に食べられるので、子どもは喜びます。彩の良いお弁当は、保育園・幼稚園へ行く準備にもなります。できるだけ子供の好きなメニューを揃えて、食べるのが楽しくなるようにします。
丼物やお弁当にすれば、30~40分で食べ終わりやすくなります。
[食事を楽しむ]
子どもに食事をさせる時、「食事は楽しい」というイメージを与えることが最も大事です。食事の場は、教育の場でも訓練の場でもありません。親と子のコミュニケーションの場です。家族が食べることを楽しむ時間です。「食事を楽しむ」という考えが基本にないと、子どもは食べることが苦痛になる可能性大です。
①偏食は気にしない
好き嫌いが多い子は、保育園や学校の給食で苦労します。また、偏食は身体の発育にも悪影響があるように思われます。できるだけ好き嫌いをしない子に育てるのは、親心です。しかし、子どもが偏食のために栄養障害になることは、めったにありません。
嫌いなものを無理に食べさせると、食べることが苦痛になる。
偏食を改善しようとして、子どもに嫌いな野菜などを無理に食べさせると、食べることが苦痛になります。食べるのが遅くなり、少食になります。
子どもの年齢にもよりますが、バイキングのスタイルで好きなものを食べたい量だけ食べるようにします。子どもが楽しく食べられるようになります。
人間は身体が必要とするものを食べる
人間の体は良くできています。人間は身体が必要とする栄養を摂取します。偏食のように見えても、身体が必要とするものをちゃんと食べています。野菜が嫌いでも、フルーツで必要な栄養を摂れます。生野菜は嫌いでも、グラッセなど温野菜は好きという子もいます。
嗜好は成長とともに変わる
食べ物の好みは成長するにつれて変わります。子供の頃は全く食べられなかった物が、大人になると大好物になることもあります。子どもに無理強いすることはありません。
②マナーや躾は食事を楽しむためのもの
日本にも欧米にも食事のマナーや作法があります。マナーや作法の基本となる考えは「人を不快にしないで、食事を楽しむ」ことです。テーブルの上をグチャグチャにしたり食べ物を投げつけたりすると、一緒に食べている人を不快にさせます。子どもが人を不快にする行為をした時は、「みんなが嫌がることはやめようね」と優しく教えます。
食事は楽しく食べることが何より大事です。
食事中のおしゃべりは大事
食べるのが遅い子が話をしようとすると、「黙って食べなさい」と叱るママが少なくありません。食事はコミュニケーションの場ですから、おしゃべりは大事です。話に夢中になって食べるのを忘れてしまう子には、「とても面白い話だから、食べ終わってからゆっくり聞きたい」と言うようにします。
マナーや躾は高学年になってから
楽しく食事ができるようになったら、一緒に食べる人の迷惑にならないように最低限必要な社会のルールを教えます。テーブルマナーや食事作法は高学年になってから教えます。マナーや作法を知っていると、もっと食事が楽しめるようになります。
③子どもの食事には個人差がある
食事のスピードは子供の消化能力に関係があります。消化液の分泌が多くて消化する力の強い子は、早く沢山食べられます。よく噛まないと唾液が分泌しない子や胃液・膵液などの分泌が少ない子は、消化する力が弱いのです。食べるのが遅く、少量しか食べられません。
時間がかかっても楽しく食べられるように、親はゆったりした気分で見守ります。
保育園・幼稚園・小学校の教師に理解を求める
体質的に食べるのが遅い子は、保育園・幼稚園・小学校の教師に理解を求めて協力してもらう必要があります。食べるのが遅い理由を、親が教師によく話して理解してもらいます。給食時間を多少オーバーしても、叱らないようにしてもらいます。
教師から子どもの友人にもよく話して、イジメにならないようにします。
まとめ 食べるのが遅いのは健康にも美容にも良い
食べる速さは個人差があります。子どもの頃からの躾や家族の習慣、消化能力が大きく関係しています。
「食べるのが遅い」ことは、健康にも美容にも良い影響を与えます。よく噛んで食べると、食べるのが遅くなります。よく噛むことは顎を発達させ、脳の神経細胞を活性化させます。記憶力を高め、認知症の予防や改善の効果があります。早食いすると、満腹感が生じる前に食べ過ぎる可能性が高くなります。よく噛んでゆっくり食べることは、ダイエットにもなります。よく噛んでゆっくり食べると、食後の血糖値の上昇を抑えられます。糖尿病の予防や改善になります。
食べるのが遅い人はマイペースです。自分の人生をコントロールする力があります。自分に自信があり、常に落ち着いています。
しかし、社会に出ると会食の機会が多くなり、他の人の食べるペースに合わせる必要があります。会食では、相手の女性やメインの女性客の食べるペースに合わせるのがマナーです。普段から30~40分で食べ終わるように心がけます。
食べるのが遅い子を心配するママさんが少なくありません。子どもを急かせたり無理強いしたりすると、子どもは食べることが苦痛になります。ますます食べるのが遅くなります。子どもに「食事は楽しい」というイメージを与えることが、何より大事です。
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