プロテインって副作用あるの?メリットとデメリットを知ろう!

プロテインは、今や筋トレをする人やボディビルダーだけのものではなく、ダイエットアイテムとして若い女性にも人気となっています。

そして、ダイエットアイテムとして紹介される際に、決まり文句として「プロテインは、たんぱく質で食べ物だから副作用がなくて安心安全」と言われます。

しかしながら、このような決まり文句は不正確で、誤解を生じさせる可能性があります。ですから、筋トレをする人やボディビルダーのように日常的にプロテインを摂取する人にとっては当たり前の知識がないダイエット目的の女性にとって、まずはプロテインに関する基礎的なメリット・デメリットを押さえる必要があります。

そこで今回は、プロテイン摂取による副作用・デメリットを中心に、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。

プロテインに関する基礎知識

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筋トレをする人などにとっては釈迦に説法かもしれませんが、まずはプロテインに関する基礎知識を確認・おさらいしたいと思います。

そもそもプロテインとは何なのでしょうか?また、プロテインを摂取すると、どのような効果やメリットを得られるのでしょうか?

プロテインとは?

プロテインは英単語でproteinと表記し、直訳すると「タンパク質」という意味の言葉ですが、現在の日本語で日常的に使われるプロテインという言葉は、タンパク質を主成分とするプロテインサプリメントの意味で使われることが多くなっています。

したがって、プロテインサプリメントという意味でのプロテインは、健康食品・栄養補助食品・サプリメントの一種で、粉ミルクのような乳白色の粉末のことを言います。

タンパク質について

タンパク質は、炭水化物や脂肪とともに三大栄養素の一角を占め、筋肉・骨・皮膚・血管など身体の組織を作り出すために必要不可欠な基本栄養素です。特に筋肉については、その構成要素のほとんどがタンパク質とされています。

タンパク質は食事などで摂取されると、消化液で分解されアミノ酸となって小腸から体内に吸収され、血液によってタンパク質の必要な組織まで運ばれます。

プロテイン摂取のメリット

プロテイン摂取のメリットは、主に筋トレ後の効率的なタンパク質摂取とカロリーオーバーの回避にあります。

筋トレ後の効率的なタンパク質の摂取

そもそも筋力アップする仕組みは、運動やトレーニングなどで筋肉に刺激を与えると筋線維に細かな損傷と筋疲労が発生し、この筋線維の損傷と筋疲労の修復・回復の過程でタンパク質が再合成され、筋線維が運動前より丈夫で太く成長するというメカニズムです。

この筋線維の損傷と筋疲労からの修復・回復の過程で、タンパク質を摂取するには食事による栄養摂取よりもプロテインサプリメントのほうが効率的に多くのタンパク質を摂取できるのです。

カロリーオーバーの回避

筋線維の損傷と筋疲労からの修復・回復の過程で、食事によって必要なタンパク質量を確保しようとすると、多くの肉類・魚類・豆類を食べる必要性が生じます。

しかしながら、これらの食品にはタンパク質以外に脂質なども含まれることから、必要なタンパク質量を食事で賄おうとすると、食事量が多くなりカロリーオーバーとなる危険性があります。

プロテインサプリメントはタンパク質を主成分として、高タンパクで低脂肪・低炭水化物に調整してあるので、これを利用することで摂取カロリーをそれほど気にしなくて良くなるのです。

プロテインの種類

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このように筋肉を筋肥大させるために有効なプロテインサプリメントは、その主成分であるタンパク質の原料によって、いくつかの種類が存在します。

そこで、プロテインサプリメントの種類と特徴について、ご紹介したいと思います。

ホエイプロテイン

ホエイプロテインは、牛乳に含まれるタンパク質のうち約20%を占めるホエイ蛋白、いわゆる乳清を原料とする牛乳由来のプロテインサプリメントです。

いくつかの種類が存在するプロテインサプリメントの中でも、最も一般的なのがホエイプロテインで、1gあたりのタンパク質含有量が最も多くなっています。そして、ホエイプロテインは体内への消化吸収が約1~2時間と速く、安価に購入できるという特徴があります。

ですから、運動やトレーニング直後のタンパク質補給に適しているのは、ホエイプロテインです。

カゼインプロテイン

カゼインプロテインは、牛乳に含まれるタンパク質のうち80%を占めるカゼイン蛋白を原料とする牛乳由来のプロテインサプリメントです。

カゼインプロテインは体内への消化吸収が約7~8時間と遅く、購入するにはやや高価であるという特徴があります。

消化吸収に時間がかかるということは、逆に言えば長時間にわたり持続性あるタンパク質の補給が可能であると言えますので、就寝前などの摂取に向いています。

ソイプロテイン

ソイプロテインは、大豆に含まれるタンパク質を原料とするプロテインサプリメントです。つまり、ソイプロテインは、ホエイプロテインやカゼインプロテインのように動物性たんぱく質とは別で、植物性たんぱく質なのです。

ソイプロテインは体内への消化吸収が約5~6時間とゆっくりで、安価に購入できるという特徴があります。また、消化の遅さによる腹持ちの良さと大豆イソフラボンの女性ホルモンに似た作用(抗酸化作用・新陳代謝促進作用・血行促進作用など)から、ダイエット目的で利用される場合があります。

副作用とデメリット

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このようにプロテインサプリメントの摂取には、タンパク質の効率的摂取とカロリーオーバーの回避というメリットがあります。それでは、プロテインサプリメントの摂取に関して、デメリットは無いのでしょうか?

プロテイン摂取による副作用

プロテイン摂取についてインターネットで検索すると、プロテイン摂取に伴う「副作用」についてのサイトが散見されますが、結論から申し上げますと、プロテインサプリメント摂取による副作用はありません。

というのも、副作用という言葉は、医薬品を使用した際に生じる目的とは異なる悪い作用や悪影響のことです。ですから、タンパク質を主成分とする健康食品・栄養補助食品・サプリメントの一種であるプロテインサプリメントでは、厳密な意味での副作用が発生することはないのです。

プロテイン摂取によるデメリット

このようにプロテインサプリメントの摂取に伴う副作用はありませんが、プロテインサプリメントの摂取に伴うデメリットが発生する余地まで否定することはできません。

なぜならば、プロテインサプリメントという食品が使用者の体質に合わないことで、何らかの症状が現れる可能性があるからです。

また、プロテインサプリメントの適正な摂取量を超えて過剰摂取することで、何らかの機能障害や健康被害が生じる可能性も考えられます。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という諺があるように、それが良いと言われることであっても、適切な水準やほどほどな水準を超えてやり過ぎると害になる可能性があるのです。

プロテイン摂取によるデメリット

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このようにプロテインサプリメント摂取に伴う副作用はありませんが、プロテインサプリメント摂取に伴うデメリットは存在します。

それでは、プロテインサプリメントの摂取によって具体的にどのようなデメリットが生じるのでしょうか?

プロテインが体質に合わないことで現れるデメリット

プロテインサプリメントという食品が使用者の体質に合わないことが原因で、何らかの症状がデメリットとして現れる可能性があります。

体質によってはアレルギー症状が現れる可能性

特定の食べ物を摂取した後にアレルギー反応を生じる食物アレルギーという疾患があります。日本では食品衛生法によって重篤なアレルギー症状を生じる可能性のある食べ物として7品目を「特定原材料」、そして「特定原材料に準じるもの」として20品目の食べ物を指定しています。特定原材料の一つとして乳製品、特定原材料に準じるものとして大豆が指定されています。

ですから、乳製品や大豆にアレルギーを持つ人がプロテインを摂取すると、アレルギー反応が生じて、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状が現れることがあります。

また、プロテインに含まれる甘味料・香料などの添加物が原因で、体調不良を生じる可能性もあります。

乳糖不耐症による下痢

乳糖不耐症とは、牛乳に含まれる乳糖を消化・分解する酵素の分泌量が少なくなる状態のことです。乳糖不耐症で酵素の分泌量が少なくなると、牛乳などの乳製品を上手く消化できなくなることで、お腹がゴロゴロしたり下痢を生じたりします。

ですから、プロテインを摂取した後に、お腹がゴロゴロしたり、下痢になる人は、牛乳由来のホエイプロテインやカゼインプロテインではなく、大豆由来のソイプロテインに切り替えると良いかもしれません。

ちなみに、乳糖不耐症は日本の成人の約80%に見られる症状で、哺乳類全般でも授乳期を経過すると徐々に乳糖を分解する酵素の分泌が減少することが分かっており、病気とまでは言えません。

プロテインを過剰摂取することで現れるデメリット

プロテインサプリメントの適正な摂取量を超えて過剰摂取したことが原因で、何らかの機能障害や健康被害が生じる可能性も考えられます。

肝臓に負担をかける可能性

現在までに、タンパク質の過剰摂取が健康な人を害したという事実が研究によって証明されたことはありません。

しかしながら、プロテインを長期にわたって大量に摂取し続けると、肝臓に負担をかける可能性はあります。

というのも、肝臓はタンパク質の体内利用において、重要な役割を果たすからです。どういうことかというと、タンパク質は食事などで摂取されると、胃腸などの消化液で分解されアミノ酸となって小腸から体内に吸収されます。小腸で吸収されたアミノ酸は、肝臓に運ばれて体内で利用可能なタンパク質に再合成されます。そして、再合成されたタンパク質は、血液によって筋肉などタンパク質を必要とする組織に運ばれます。

このように肝臓はタンパク質の体内利用で重要な役割を果たすので、プロテインの過剰摂取が肝臓を疲労させる可能性があるのです。もともと肝機能が低下している人は、プロテインサプリメントに限らず、タンパク質の必要量について医師に相談したほうが良いかもしれません。

腎臓に負担をかける可能性

肝臓の場合と同様に現在まで、タンパク質の過剰摂取が健康な人を害したという明確な証拠や研究報告は見当たりません。

しかしながら、プロテインを長期にわたって大量に摂取し続けることが、腎臓に負担をかける可能性もあります。

その理由は、体内で余剰となったタンパク質が排泄される過程で、腎臓に負担をかける可能性があるからです。つまり、タンパク質の過剰摂取によって余剰となったタンパク質は、分解されると窒素を発生しますが、この窒素は水分(水素)と結合してアンモニアになります。アンモニアは身体に有害なので、肝臓の解毒作用で尿素に変化され腎臓で尿になり排泄されます。

このようにタンパク質を過剰摂取すると、余剰なタンパク質の排泄過程で肝臓と腎臓に通常時以上の働きを求めることになり内臓疲労の原因になりかねません。もともと腎機能が低下している人は、注意が必要かもしれません。

プロテインの未消化で便秘になる可能性

プロテインを含めタンパク質は食事などで摂取されると、胃腸などの消化液で分解されアミノ酸となって小腸から体内に吸収されます。

しかしながら、胃腸が弱っていたり、あまりにも過剰なプロテインを摂取した場合に、プロテインを消化しきれずに大腸へと送り出してしまう可能性があります。動物性タンパク質は腸内の悪玉菌のエサになりやすく、悪玉菌が繁殖すると腸内細菌のバランスが崩れて腸内環境が悪化してしまいます。

腸内環境が悪化すると、便秘や腹部膨満感といった症状につながる可能性が高くなります。便秘になれば、腸内で発生した有害ガスが便秘の影響で排泄されず腸内で充満し、腸壁から吸収されて体臭の原因となります。

尿路結石と骨粗しょう症

ホエイプロテインやカゼインプロテインを過剰摂取すると、尿路結石や骨粗しょう症のリスクを高める可能性があります。

尿路結石

実は動物性タンパク質を過剰摂取すると、シュウ酸や尿酸といった結石の原因物質が体の中に増加します。特にシュウ酸はカルシウムと結合しやすく、結合すると石のような塊になります。

腸の中でシュウ酸とカルシウムが結合すれば、シュウ酸カルシウム結晶は便と一緒に排泄されるので問題ありません。しかしながら、腎臓や尿管でシュウ酸とカルシウムが結合すると、結晶から大きくなった結石が腎臓や尿管を詰まらせてしまいます。これが尿路結石で、牛乳由来のプロテインを過剰摂取すると尿路結石のリスクが高まります。

詳しくは、尿路結石の原因はストレス?治療や予防方法を紹介!を参考にしてください。

骨粗しょう症

また、動物性タンパク質の過剰摂取は、腎臓から尿としてカルシウムを排泄してしまうことを促してしまいます。

というのも、動物性タンパク質を過剰摂取すると、シュウ酸や尿酸が増えて尿酸値が高くなるなど身体が酸性に傾くので、それを中和させようと体内のカルシウムを消費させるからです。体内のカルシウムを消費すると、カルシウムを貯蔵している骨がカルシウム不足に陥りスカスカになるので骨粗しょう症となってしまいます。ですから、牛乳由来のプロテインを過剰摂取すると骨粗しょう症のリスクが高まります。

また、ほうれん草など一部の野菜にもシュウ酸が多く含まれていますので、食べ合わせには注意をしなければいけません。

ちなみに、カルシウム摂取の目的で牛乳や乳製品を摂取しても、このような仕組みのために、カルシウムの摂取方法としては非効率的だと考えられています。

詳しくは、骨粗鬆症を予防するにはどうする?日頃の運動や摂取すべき栄養素を知ろう!を読んでおきましょう。

脂肪が増えて太る

プロテインが高タンパクで低脂肪・低炭水化物(低糖質)とはいえ、過剰摂取すれば摂取カロリーも比例して増加しますから、太る可能性があります。

なぜならば、筋トレに応じた適正量のプロテイン摂取により効率的な筋力アップが図られますが、適正量より余剰の摂取カロリーは体内で消費されずに体脂肪として蓄えられてしまうからです。体脂肪が蓄積すれば、当然ながら体重が増えて太ってしまいます。

ですから、ソイプロテインを利用して自重筋トレや有酸素運動を行うダイエット方法、いわゆるプロテインダイエットにおいて、いくら高タンパクで低脂肪・低炭水化物だからと言ってプロテインを過剰摂取するとダイエット効果は見込みにくいのです。

まとめ

いかがでしたか?プロテインに関する基礎知識やプロテイン摂取に伴うデメリットについて、ご理解いただけたでしょうか?

たしかに、プロテインは健康食品やサプリメントの一種で、医薬品ではないので副作用はありません。しかしながら、副作用は無くともプロテイン摂取に伴う様々なデメリットは存在します。

ですから、プロテインに関する知識を身につけた上で、自分の使用目的や体質に合ったプロテインを選ぶ必要があり、また過剰摂取しないように心掛ける必要があるのです。

様々なメーカーから、配合を工夫したり、栄養素を添加するなど様々なプロテインが発売されていますので、自分に合うプロテインを見つけて充実したダイエット生活や筋トレ生活を送りましょう。

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