虚無感とは?原因となる病気や症状を知ろう!対処するには何が必要?

虚無感とは、人生に何の意味も見い出せず、全てが虚しくなることです。人生に何の喜びも感じなくなり、孤独感・寂寥感が強くなります。

自分はなぜ生まれてきたのだろう?何のためいきているのだろう?・・・だれでも1度は感じることです。特に10代後半から30歳くらいまで(青年期から成人初期まで)、虚無感・空虚感を感じることが多くなります。

虚無感や空虚感は、境界性パーソナリティ障害という精神障害の症状でもあります。全般性不安障害でも、寂寥感や虚無感に悩まされます。精神障害ならば、治療が必要です。

虚無感とはどのような状態か、その対処の仕方、虚無感が特徴となる精神障害について、お伝えしますね。

虚無感とは?

bank-440594_960_720孤独

「虚無感」を辞書で調べると「①とらわれる何ものもないこと。空虚。②人生や世の中の虚しさを意識すること」(明解国語辞典)とあります。

「自分の存在する意味がわからない。なぜ生まれてきたのか?なぜ生き続けなければならないのか?世の中は何のためにあるのか?・・・何も答が見つからず、ただ虚しく感じる」というのが、虚無感です。自分の存在意義を見失った状態です。

[虚無感は突然襲う]

虚無感や空虚感は、突然襲ってきて、苛(さいな)みます。自分の存在意義を見失っている状態ですから、生き甲斐や張り合いが全く感じられなくなります。何をしても、喜びや幸福感を感じなくなります。精神的に疲れ果て、脱力してしまった感じです。

自分の無力をひしひしと感じ、生きていることが辛くなります。

「シン・ゴジラ」という映画では、ゴジラが突然現れ、街を破壊します。ゴジラの破壊力の前に、人はどうしようもありません。この無力感が、虚無感や空虚感につながっていきます。「自分は生きている価値がない」ように思ってしまいます。「シン・ゴジラ」の監督は、虚無感に襲われる人々を巧みに描写しています。

母親に置き去りにされた幼児は、不安に襲われて、母親を探します。母親が見つからないと、シクシク泣き出し、次いで怒って大声で泣き喚き、やがて泣くことを止めます。孤立無援感・虚無感・空虚感・強烈な不安感に襲われて、無気力になってしまうのです。ゴジラに襲われた人々と同じです。

フランクルの実存的空虚

客観的に見れば特に不幸なわけではなく、幸福になれそうな感じもする。でも、なんとなく満たされない。私の人生はこんなものなのか?このまま、人生が終わってしまうのか?・・・という、「日常に漂う空虚」を、ビクトール・フランクル(『夜と霧』の著者)は「実存的空虚」と呼んでいます。

虚無感から生じる寂寥感

自分という存在を見失っているために、たまらない孤独感・寂寥感を感じます。独りでいることが、耐えられないほど辛いのです。寂寥感は、人に囲まれていても感じます。学校や職場で友人達に囲まれていても、家で家族と一緒にいても、孤独なのです。そのため、携帯電話で話している時でさえ、寂寥感に苛まれます。

[虚無感は、なぜ生じる?]

虚無感や空虚感に悩む人の心の底には、幼い時のトラウマがあると言われます。幼い時に母親との間安定した愛情関係(愛着)がなかったため、情緒的に不安定になっているのです。

乳幼児期の不安感

乳幼児は自分を取り巻く環境を信頼しています。自分を取り巻く世界の中心には、母親がいます。その母親に信頼を裏切られると、乳幼児は不安に襲われます。母親に見捨てられたように感じます。幼児期の離婚も、トラウマになることがあります。この不安定感や見捨てられる恐怖が、生きる喜びを認識する力が育つことを妨げるのです。

安全に愛着している乳幼児は外の世界に興味を持ち、自由に探検するなど積極的に外界と関わろうとします。生きることの楽しさを見つけ出すことができます。

不安定な不安感の強い幼児期を送ると、大人になってから「生きることは苦痛で、虚しい」という慢性的な虚無感・空虚感を持つようになります。

(分離不安)

慢性的な虚無感を持つだけではなく、分離不安(不安で親から離れられない・独りでいられない)になりますから、成長しても人に依存する傾向が強くなります。ですから、失恋や友達の裏切りが、より強いショックとなり、虚無感・空虚感を強めるようになります。

失恋・信頼していた人の裏切り・理想と現実のギャップ

虚無感や空虚感に襲われる原因は、幼児期のトラウマとは限りません。青春期や青年初期の失恋経験や親友の裏切りも、心の中にポッカリ穴が開いたようになり、何もする気がなくなります。生きていることが嫌になることもあります。人生の方向性を失い、生きる道が見えなくなってしまいます。

(失恋)

新海監督は、いつも「新海ワールド」を構築しますが、「君の名は」というアニメでは、青春期の夢と不安を描いていますね。自分という存在が他人と入れ替わってしまうというのは、正にアイデンティティの喪失です。「自分や相手の名がわからない」というのは、存在を否定されるようなものです。しかも、急に恋人とのつながりが断絶する不安感・恐怖感は、失恋した人ならだれもが味わうものです。

幼児期に分離不安を体験していると、相手に執着する傾向があります。アニメや漫画の話と混同して、相手を「運命の人」だと思い込んだりします。失恋のショックは通常よりも大きく、虚無感に陥ります。

(現実とのギャップ)

信頼していた友人や教師が、自分の期待通りの反応や行動をしないことがあります。それを「裏切り」と受け止めて、急に虚しさに襲われることがあります。

「五月病」というものがあります。大学に入学したばかりの新入生や、学校を卒業して会社に就職したばかりの新人社員が、突然虚無感・無力感に襲われてしまいます。

頭の中で描く理想の世界とリアルな毎日の暮らしは大きく違います。友人や先生を理想化したり、社会人生活に過大な期待や夢を抱いたりすると、理想と現実のギャップに耐え切れず、自分の存在意義を見失ってしまうのです。

更年期・初老期・高齢者も虚無感に襲われる

虚無感に襲われるのは、青少年や青年初期だけではありません。女性は更年期を迎えると、女性である存在が終わるような気持ちがします。更年期・閉経期は、子供が結婚したり就職したりして、母親から巣立つ時期でもあります。「女性としての自分の役目は終わった」という喪失感が、虚無感・空虚感を生じさせます。

女性でも男性でも、全力を投入して仕事に励んでいる時、または仕事を完成した時、正当に評価されていないと感じることがあります。そのために、急に何もかも虚しく思えてしまいます。「いったい自分は何をしてきたのだろうか?」と思うと、無力感に陥ります。

この「燃え尽き症候群」ともいうべき虚無感は、定年退職を迎える人達によく生じます。

高齢になり、今までしてきたことができなくなると、自分の存在意義が消失したように思われて、虚無感・無力感に襲われることがよくあります。

虚無感という症状のある精神障害

tree-2015872_960_720寂しい風景

虚無感・空虚感は、だれでも突然襲われることがあります。でも、虚無感・空虚感に悩む人の中には、精神障害(精神疾患)を患っている場合があります。境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)や全般性不安障害(不安神経症)などです。

精神障害は心理療法や薬物療法で改善することができます。

[パーソナリティ障害(人格障害)]

人の性格は十人十色です。中には、かなり変わった性格の人もいます。

一般の人とは違う反応や行動によって本人が苦しみ、周囲の人も迷惑して困るような状態、つまり、その人が本来持っている性格(人格)のために、日常的な社会生活をスムーズに営むことができなくなることを、「パーソナリティ障害」といいます。以前は「人格障害」と呼んでいました。精神障害(精神疾患)の1つです。

この場合のパーソナリティは、心理学の用語の「パーソナリティ」や一般的な「個性」という意味のパーソナリティとは全く違います。

パーソナリティ障害というカテゴリには、いろいろなものがありますが、その1つが「境界性パーソナリティ障害」です。

[境界性パーソナリティ障害]

「境界性パーソナリティ障害」は「情緒不安定パーソナリティ障害」ともいいます。人口の約2%に見られる精神障害で、若い女性に発症することが多いようです。

境界性とは、「神経症」と「統合失調症」の境界にある症状という意味です。感情が不安定でコントロールが効かず、現実が冷静に客観的に認識できません。

境界性パーソナリティー障害の症状

境界性パーソナリティ障害の人は、常に強い虚無感・空虚を感じています。「生きていても仕方がない」「自分には何の価値もない」「生きていることが辛い」と思います。自分の存在の意義を見失い、自分の存在に違和感を覚えます。いつも空虚で、幸せを感じにくくなります。

(見捨てられる不安)

「見捨てられる」という不安感や恐怖が強いので、相手に強く執着したり、相手を理想化したりします。そのため、対人関係が破綻しやすく、人とのコミュニケーションがとれません。イライラして、感情をコントロールできず爆発させると、その後で、より強い虚無感を感じるようになります。

(抑うつ気分)

「自分が存在していないように感じる」「何のために生きているか、わからない」という虚無感が抑うつ症状を生じさせます。生きていることが辛く、幸福感がないため、気分が落ち込みます。言葉も少なくなり、何をする気にもなりません。

うつ病を併発する場合もあります。

(離人感)

自分の存在の意義を見失い、自分の存在そのものが実感できなくなります。自分の意識と身体が一つに感じられない「離人感」が生じます。

(自傷行為)

自殺をしようとしたり、リストカットなど自分を傷つける行為に走ったりして、周囲を慌てさせます。

虚無感から、アルコールや薬物の依存症になることがあります。買い物しないではいられなかったり、欲しくもない商品を万引きしたり、過食症になったりします。

(防衛反応)

虚無感や「見捨てられる」不安が強いと、無意識に自分の弱みを隠そうする防衛反応を起こします。必要以上に強気に出て、「生きていても意味のない存在である自分」を隠します。態度や言葉が強くなります。

(身体症状)

虚無感から無気力になり、脱力感や全身の倦怠感を生じます。「見捨てられる不安」が強いと、血液中の酸素が増えすぎて、「過換気症候群」を発症します。

境界性パーソナリティ障害の原因

境界性パーソナリティ障害の原因は、遺伝や大脳前頭前野の機能低下、内分泌など、いろいろありますが、最もおおきく影響するのが、乳幼児期の環境です。

(乳幼児期の愛情不足)

[虚無感はなぜ生じる?]で書きましたように、乳幼児期の母親との関係が愛情豊かで安定していないと、安心して自立できず、「見捨てられる」という不安感が強くなります。子供は、十分な愛情を受け、安定した愛着によって、自立し、生きる喜びを知るようになります。

子供に愛情を表示する時は、目を見つめて話しかけ、抱いたり、頭を撫でたり、体を触れ合わせることが大事です。口だけで「可愛い」「いい子だ」というだけでは、不十分です。

乳児・幼児期から学童期にかけて、母親が十分な愛情を示さず、期待通りの反応や行動をしないと否定的な態度をとり、子供の存在を認めてやらないと、子供は「自分はどうでもいい存在だ」と思ってしまいます。

安定した愛着がない子供は、「基本的安心感」が欠如し、成長するにつれて、空虚な感じや抑うつ感を生じるようになり、境界性パーソナリティ障害を起こしやすくなります。

(オキシトシンの分泌不足)

乳幼児期に十分な愛情を受けずに育つと、幸福ホルモンの1種であるオキシトシンが十分に分泌されません。オキシトシンは、他者への信頼を生み、対人関係を親密にするホルモンです。オキシトシンの分泌が不十分だと、幸せ気分になれません。

詳しくは、境界性人格障害の治療法や対応の仕方を知ろう!原因や症状、ガイドラインを紹介!を参考にしてください。

[全般性不安障害(不安神経症)]

強い不安を主とする症状の続く神経症を「全般性不安障害」といいます。以前は、「不安神経症」と言いましたが、現在では、慢性的な全般性不安障害と、急性突発性の「パニック障害」に分かれています。

だれでも、不安や恐怖を感じるものです。しかし、理由のない不安感や恐怖感が続き、身体症状までともなう場合は、精神障害の1つと考えます。

全般性不安障害の症状

症状は、精神的なものと、身体的なものがあります。

(精神的症状)

何かにつけて、過度の慢性的な不安に悩まされます。イライラして落ち着かず、常に緊張状態です。精神を集中することができなくなります。

慢性的な強い不安感から、どうしようもない孤独感や寂寥感を感じるようになり、さらに、虚無感が生じます。不安のため、楽しいことが何もなくなり、生きていることが虚しくなります。やがて、自分の存在を実感できなくなり、「離人感」を感じるようになります。

(身体症状)

頭痛や頭重感、首や肩のコリがひどくなります。疲れやすく、全身がだるくなります。動悸や息苦しさ、めまいが生じます。頻尿になります。眠りが浅い・眠れない・寝つきが悪いなどの睡眠障害が起こります。

いわゆる「不定愁訴」という、多種多様な身体症状が生じますが、検査をしても、特に病的な変化はないのが普通です。

全般性不安障害の原因

何か精神的なショックを受ける出来事(心因)が原因となって、全般性不安障害を発症することが少なくないのですが、特に「これ」という出来事・事件がなくても発症します。

日常的なストレスや心配、不安が溜まっているところへ、過労やインフルエンザ、転勤、家族の入院や死別などというきっかけがあると、いつの間にか、全般性不安障害になっているというケースが多いようです。

詳しくは、全般性不安障害の症状をチェック!治療方法や検査法を知ろう!を参考にしてください。

[パニック障害]

「パニック障害」とは、急性突発性の強い不安の発作を繰り返し起こす精神障害です。「広場恐怖症」「閉鎖恐怖症」などという症状のため、独りで外出できなくなったりします。

全般性不安障害と併発することが少なくありません。

薬物療法がよく効きます。

パニック障害の症状

身体症状をともなう強い不安や恐怖に襲われます。動悸・めまい・呼吸困難・震え・しびれ・全身が冷たくなるなどの身体症状とともに、理由のない強い不安感や恐怖感が生じます。

不安感・恐怖感の発作は、突発的に生じ、急速に高まります。数分間から数十分続いて治まります。発作は、繰り返し起きます。特に理由がなくても、発作が起きることがあります。

身体的な症状の原因となる疾患は、検査しても見つかりません。

いつ発作が起きるかわからないという不安がつのり、外出することができなくなることがあります。ショッピングセンターや劇場など人の多い場所、満員電車や急行・新幹線のように停車駅の少ない電車、ジェット機など逃げ場がない乗り物、高速道路の運転、美容院、歯医者、会議・・・これらの場所や状況が怖くて、独りでは行けなくなる人がいます。

パニック障害の原因

パニック障害の原因は、まだよくわかりません。心理的な原因よりも、ノルアドレナリンの過敏や過活動、セロトニンの機能不全など、脳機能の異常が原因とする説が有力です。薬物治療が効くのも、そのためではないかと、言われます。

脳機能の異常が起きているところへ、過労やストレス過多、睡眠不足などの身体的・生活的悪条件がきっかけとなって、発症するようです。

虚無感の対処法

sunrise-1688100_960_720病気

自分の存在意義を見失い、人生が虚しく思えるのは、想像できないほど辛いことです。この対処法には、いろいろあるようです。「頑張りすぎないで」という人もいれば、「虚無感と戦え」という人もいます。

虚無感に陥る原因が人によって違うように、対処の方法も人によって異なります。自分に合う方法を見つければ、それでいいのです。いろいろなサイトを検索して、情報を集めるのも虚無感の解消法になります。無料サイトの記事やコメントが、参考になりますよ。リンクするサイトからも、役に立つ情報を得ることができますね。

[漫画や小説を読む]

虚無感を描いた小説(村上春樹の『ノルウェイの森』など初期作品やミヒャエル・エンデの『ネバーエンディング・ストーリー』など)を読んで、虚無感を見極めると、次の展開が開けます。

全く冴えない主人公が、女の子にもてまくるという漫画を読んで、気分を明るくなったという人がいます。しかし、読み終えた後に、一段と強い虚無感に襲われたそうです。

作者がどのような設定で小説や漫画を書いているのか、その辺りをよく考えて読むならば、虚無感の解消に役立つこともあるでしょう。

[虚無感と向き合う]

「生きている意味がわからない」「自分の存在意義が見出せない」「人生は辛いことばかり」という負の感情・思考にとらわれている人は、考えるたびに虚無感をつのらせ、負のスパイラルに陥っていきます。

しかし、「虚無感から逃げようとすれば、かえって虚無感が追って来る」という人がいます。虚無感に陥った原因を突き止め、勇気をもって認めることが、対処の方法なのです。

確かに、心理障害のある多くの人々が、その障害となった原因を明らかにすることで、改善しています。原因を正視するのは、最初は辛いかもしれませんが、問題を解消するには必要なことです。

[幸福ホルモンの分泌を促す]

心理学では「人は悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ」という学説があります。ですから、逆に「人は楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」と言えます。

また、境界性人格障害でもパニック障害でも、内分泌の異常が大きく関係しています。

これらのことを活用して、人生の喜びや楽しさを取り戻すことができます。

笑って脳を活性化する

笑うと脳が活性化されます。大声を出して笑うと、脳のアルファ波が増えて、脳がリラックスします。脳を流れる血流が良くなり、脳が活性化されます。記憶力・思考力・創造力が高まり、負の思考がプラス思考に変わります。自律神経の働きが安定します。

笑うことにより、脳内モルヒネと呼ばれる神経伝達物質、エンドルフィンの分泌が増加します。エンドルフィンは鎮痛作用があり、人を幸福な気分にします。

自律神経の働きが安定し、エンドルフィンが作用すれば、ストレスが軽減されます。虚無感の原因には、対人関係や仕事のストレスが関係しています。

(言葉は現実になる)

笑いながら、「楽しい」「面白い」「うれしい」という言葉を超えに出して言います。最初はちょっと照れくさかったり、馬鹿げたような気持ちになったりしますが、言葉は現実になります。「楽しい」と繰り返し言ううちに、本当に楽しくなってきます。

オキシトシンの分泌を促す

オキシトシンは、幸福ホルモンの1つです。オキシトシンが十分に分泌されると、信頼感が増して、親密な対人関係を築けるようになります。幸福気分になり、不安感・恐怖感が解消されます。脳が癒されて、ストレスが軽減します。

オキシトシンの分泌を促進する方法は、人と触れ合うことです。人と触れ合うのが難しければ、犬や猫などペットと触れ合えばいいのです。ペットを撫でたり、抱いたりすると、オキシトシンが分泌されます。もちろん、家族と触れ合うことがベストです。

セロトニンで精神を安定させる

セロトニンは、ドーパミン・ノルアドレナリンと並ぶ3大神経伝達物質です。精神を安定させて、幸福な気分にしてくれます。

セロトニンは感情や衝動をコントロールします。負の思考を前向きなプラス思考に変えたり、ストレス耐性を増したりします。セロトニンが不足すると、抑うつ気分になります。

セロトニンの分泌を促すために、朝陽を浴びて軽い運動をするようにします。日光を浴びることがセロトニンの分泌を増加させますから、お昼休みに公園でランチを食べることをオススメします。食後は、公園の中を散歩します。

良質な睡眠を十分に取り、栄養バランスの良い食事をして、セロトニンの分泌を促します。

笑うことも大事です。面白いTVや映画を見て、大いにゲラゲラ笑ってください。脳が活性化されて、セロトニンが分泌されます。

美しい風景を眺めたり、美しい映像や絵画を見ることも、心を安定させてくれます。

ドーパミンでやる気になる

ドーパミンという神経伝達物質は、「やる気ホルモン」とも呼ばれます。仕事や学習の目標を定め、計画を立てると、ドーパミンが分泌され始めます。目標を達成すると、ドーパミンがさらに分泌されて、幸福感を生じさせます。

ドーパミンは、楽しい時に分泌量が増えます。できるだけゲラゲラ笑うようにすると、ドーパミンが増えます。胸がときめくような映画やTVドラマを見ても、分泌が促進されます。

ドーパミンは「やる気ホルモン」ですから、新しいことに挑戦すると、分泌量が増えます。何もかも虚しいと思える時は、通勤や通学、散歩の道を変えたり、今まで入ったことのないお店に入ったりします。髪型や服装を変えるのも、ドーパミンの分泌を促します。

(生産的活動)

虚無感や空虚感が強い時には、ちょっと大変かもしれませんが、「生産的活動」に取り組んでみます。「生産的活動」とは、社会や他人の役に立つようなことを、自発的に行うことです。他人に気遣いしたり、思いやりを示したり、尊重したりすることです。

生産的活動をすることで、自分は社会の役に立っているという存在意義を感じることができます。

この時、大事なことは、御褒美です。生産的活動をすることを考えるだけで、ドーパミンが分泌されますが、活動し終えた時に御褒美があると、達成感が強くなり、生産性も高まります。達成感がドーパミンの分泌を増やし、幸福感が強くなります。

(セロトニンとのバランスが大事)

ドーパミンは過剰に分泌されると、過食になったり、飲酒やギャンブルにのめりこむ可能性が高くなります。セロトニンは、ドーパミンの過剰分泌を抑制します。

ドーパミンの分泌を促す時は、セロトニンの分泌も増加させるようにします。

[抑うつ気分が強い時は、無理をしない]

抑うつ気分が強く、長く続く時は、うつ病の可能性があります。この時は、頑張らないことが大事です。美しい風景を眺めながら、のんびり過ごすようにします。

うつ病やうつ症状は、心が悲鳴を上げているのですから、「長い人生だから、一休みしよう」くらいに考えてくださいね。

[精神障害は、医療機関で治療する]

境界性パーソナリティー障害や全般性不安障害の症状として生じる虚無感は、精神科や心療内科で治療を受ける必要があります。放置しておいて自然に回復するということは、まれです。

まとめ 虚無感は幸福ホルモンで解消しよう

虚無感とは、何もかも虚しく感じてしまうことです。人生がつまらなく思え、自分が何の価値もないように思われてしまいます。自分の存在意義を見失っている状態です。

自分の存在する意味・生きている意味がわからなくなり、何もする気になれません。どうしようもなく孤独で寂しくなります。生きていることに、何の喜びも楽しみもなくなります。

このような虚無感は、だれでも1度や2度は経験することです。虚無感に襲われる原因は、乳幼児期に十分な愛情を受けられず、安定感が欠如したまま大人になったことです。また、失恋したり、信頼している人に裏切られたり、大きな精神的ショックを受けても、虚無感に襲われます。理想と現実のギャップを実感したり、更年期や定年など人生の節目を迎えて無力感を味わったりしても、虚無感・空虚感に苛まれます。

虚無感に苛まれることは、本当に辛いことです。その対処法の1つに幸福ホルモンの活用があります。幸福ホルモンとは、ヒトに幸福感を生じさせるホルモンです。エンドルフィン・セロトニン・オキシトシン・ドーパミンなどの神経伝達物質です。

大声で笑うことで、脳が活性化し、プラス思考になります。また、エンドルフィンやセロトニンが分泌され、精神的に安定して、幸福な気分になります。日光を浴びたり、軽い運動をすると、セロトニンの分泌が促進されます。生産的活動を計画したり、実行したりすると、ドーパミンが分泌され、やる気が出ます。楽しい気分になれます。

ただし、虚無感が症状の1つである精神障害、境界性パーソナリティ障害や全般性不安障害は、医療機関による治療が必要です。虚無感が何をしても半年以上続くようなら、精神科か心療内科に相談することをオススメします。

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