ノイローゼとは?症状や種類を知ろう!育児が原因となることが多い?

ノイローゼと聞いて、どんな症状を思い浮かべますか?子育てをしているママの身近な問題としては、育児ノイローゼや受験ノイローゼなどが思い浮かぶと思います。ノイローゼと一言で言っても、実は症状別のタイプは7種類あり「自分が自分でない感覚になる」といった複雑な感情を持っている場合もあります。

ノイローゼはストレスにより誘因される為、ストレス社会と呼ばれる現代では誰でもなる可能性があります。ここでは、ノイローゼに関して詳しくご紹介します。

ノイローゼについて

stress

ここでは、ノイローゼの概要と、原因、ノイローゼになりやすい性格をご紹介します。ストレスがかかりやすい人や柔軟性のない偏った性格の人は、ノイローゼになりやすい傾向があります。

今ノイローゼになっていない人も自分がなりやすいか判断して、ストレスを溜めないように心がけすることが重要です。

ノイローゼ(神経症)とは?

ノイローゼとは、精神医学用語では神経症を指し、不安や問題を抱える比較的に軽度な精神状態を現した診断名です。その為、日常的にノイローゼという言葉を聞くことも多いと思います。

例えば、「友達のママに赤ちゃんが生まれて、子育てが大変で育児ノイローゼになったらしいよ」や「隣の家のお子さん受験勉強のプレッシャーで受験ノイローゼになっちゃったみたい」などと使っていると思います。

実際にどんな病気か分からなくても、不安で押しつぶされたという軽い表現で使われていることが多いと思います。しかし実際はノイローゼと一言で言っても7つのタイプがあり、症状が異なります。

ノイローゼの原因

ノイローゼはストレスによって引き起こります。ノイローゼの特徴は、何かの不安に駆られることです。ストレスの原因は人それぞれありますが、ストレスの原因の大半は人間関係だと言われています。

仕事先で人間関係が上手くいっていない、上司からプレッシャーをかけられている事や、子育てが上手くいかずに育児ストレスを抱えているなど様々考えられます。現代社会はストレス社会と呼ばれているほど、イライラする事、ストレスになる事が多く存在しています。その為、ノイローゼは状況次第で誰にでも起こると言えます。

ノイローゼになりやすい性格とは?

ノイローゼには原因がありますが、同様のことが起こってもノイローゼになる人もいれば、ならない人もいます。その起きた出来事の受け取り方、受け取る側によって不安に感じる程度が異なり、病気の発症に繋がります。その受け取る側の違いとは、つまりは人の性格によって異なるといえます。

ノイローゼになりやすい人の性格として、下記のような性格の人が挙げられます。いいやと気楽に物事を考えられずに、偏った性格の人が該当します。自分に当てはまると感じる方は、ストレスを溜めやすい傾向にあるので、発散しないとノイローゼになる可能性があります。

神経症者の性格・特徴

  • 傷つきやすい人
  • 自分に自信がない人
  • 潔癖症の人、几帳面な人
  • 神経質な人、過敏症的な性格
  • 鍵の閉め忘れや火の元を何度も確認する癖のある人
  • 依存症の人、執着心が強い人
  • 内気、引っ込み思案な人、小心者、心配症な人
  • 完璧主義の人、柔軟性のない人、融通がきかない人
  • 自分のことばかり考える、自己中心的な人、頑固
  • 感情的になりやすい人、感受性が強い、欲望が強い
  • 性格に裏表がある、二面性の性格がある人
  • 優柔不断
  • ケチな人
  • 知ったかぶりをしょっちゅうする人

ノイローゼの種類と特徴、症状

worried-girl

ノイローゼは、「不安障害」「強迫性障害」「恐怖神経症」「ヒステリー神経症」「心気症」「抑うつ神経症」「離人症」の7種類に分けることが出来ます。ノイローゼと一言で言ってもタイプによって症状や特徴が異なります。

ここでは、これらの種類別の特徴や症状についてご紹介します。

不安障害

人は不安を抱える機会は多くあります。例えば、受験生の場合「今度の受験うまくいくかな」、仕事の場合では「今度の打ち合わせ上手くまとめることが出来るかな」、育児の場合では「私の育て方間違っているのかな」などです。

このような不安を抱えることは誰でもありますが、この抱える不安の内容が人によっては、自分でコントロールできないほどの強い不安となる場合があります。この不安を自分で上手く解決できないと、精神状態が不安定になります。

精神状態が不安定になると、自分でコントロールすることの出来ない不安感情の為に、不安を作る原因となる物を異常に避け始めます。これを不安障害と呼びます。不安障害になると、受験したくない、仕事に行きたくない、育児放棄などに繋がったり、人間関係のトラブルにもなりかねます。

この不安障害を抱えやすい人の特徴としては、二面性を持つ性格が挙げられます。例えば、表向きはリーダーシップを取りたがるのに、内面は小心者で引っ込み思案であったり、本当は自己中心的な性格なのに、人前では素直で柔軟なように振舞ったりと、表で見せている性格と本当の自分が相反する性格の場合、葛藤が生じて精神が不安定になります。

症状

不安障害が起きると、「不安発作」や「浮動性不安」が起きます。

発作不安とは、突然心臓がドキドキしたり、汗が止まらなかったり、不安が強すぎて気が狂いそうになります。発作が起きると、自分は死んでしまうかもしれないや発狂してしまうのではないかという恐怖感が出ます。この恐怖感が更に不安の原因となり、悪循環が生まれます。このようなタイプを恐怖性障害と呼びます。

浮動性不安とは、発作が起きなくても常に不安状態にいたり、物事をマイナスに捉えがちになる状態です。常に不安につきまとわれるので、イライラしたり、集中力がなくなったり、そわそわしてじっとしていられない状況になります。このようなタイプを、全般性不安障害(不安神経症)と呼びます。

強迫性障害(強迫神経症)

「ガスの元栓きちんと締めたかな」「鍵をかけ忘れていないかな」など、何度も同じことを確認しないと気がすまなかったり、確認しても1日中頭の中が不安でいっぱいになり、不安を消し去ることが出来ません。

このように1つのことが気になってしまう強迫観念にかられて、同じことを繰り返したり、他のことが出来なくなる状態を強迫性障害と言います。

このような状態は、不安に思ったり考えていなくても行動として起こる場合があります。潔癖症、几帳面、優柔不断、ケチな人、知ったかぶりをよくする人がなりやすいと言われています。

症状

自分の意志とは違って、不合理な行為や思考を強く迫られることを強迫観念といいます。「私は誰かからいつも監視されているのではないか」「家で家事がおこるかもしれない」などの強迫観念に駆られると、強迫行為を実行することで、不安を取り除こうとします。

例えば誰かからいつも監視されているという強迫観念に駆られている人は、家の周りや家の中を何度もチェックします。また、家で家事がおこるかもしれないという強迫観念に駆られている人は、何度も火の元をチェックしたり、コンセントの電源の抜き忘れがないか何度も確認します。このように強迫観念に駆られて、何度も同じ行動をしないと安心が得られないようになります。

恐怖神経症(恐怖症)

何に不安を感じているか物体が分からないものを、不安障害と呼び、不安に感じている物体がハッキリしているものを恐怖神経症と呼びます。恐怖神経症の場合、不安に感じる対象のものや状況のものに、異常に不安や恐怖を感じるようになります。

具体的な恐怖の内容は、下記のようなものが挙げられます。

  • 人に不安や恐怖を感じる「対人恐怖」
  • 高いところに不安や恐怖を感じる「高所恐怖」
  • 鉛筆やナイフ、カッターなど先が尖ったものに不安や恐怖を感じる「尖端恐怖」
  • 学校という場所に不安や恐怖を感じる「学校恐怖」
  • 汚れや汚染などの不潔なことに不安や恐怖を感じる「不潔恐怖」
  • 人と食事をすることに不安や恐怖を感じる「会食恐怖」
  • 動物に対して不安や恐怖を感じる「動物恐怖」
  • 電車や車、飛行機などの乗り物に不安や恐怖を感じる「乗り物恐怖」
  • 開けた場所、広い場所に出ると不安や恐怖を感じる「広場恐怖」
  • 自分はがんなのではないかと不安や恐怖を感じる「がん恐怖」

症状

対象の症状に対して、不安を感じるため避けるようになります。対人恐怖症や会食恐怖症など、人間関係に対して恐怖を抱いている人に関しては、人と話すと体が硬直したり、視線をそらしたり、緊張して体や声が震える、赤面するなどの症状が見られます。

ヒステリー神経症(解離性障害)

ヒステリー神経症は、体に異常がないにも関わらず、心の問題で機能的障害が現れるものを言います。例えば、身体に異常がないにも関わらず、体が動かなくなるなどの症状や、心の中で強い葛藤がありそれを解決する為に二重人格になるなどが見られます。

このタイプの場合、本人自身が精神の歪みに気づいていない場合が多いです。心の歪みにより視力低下など体に異常が起こった場合に、周りの人から心配してもらえたり、学校や職場に行かなくて良くなるなどのメリットも生まれます。このように、身体や精神の異常が現れることで何かしらのメリットを受けるのが、この病気の特徴でもあります。

また、ヒステリー神経症は、不安や嫌な気持ち、辛いなどのマイナス面の気持ちを感じる事はないのが特徴で、この症状は他の種類には見られません。口で表現や説明をするのが苦手な人、負けを認めない人、自尊心の強い人、幼稚な人、感受性の豊かな人など、人から認められたい思いが強い人、目立ちたいという気持ちが強い人に現れやすいと言われています。

症状

機能的障害は、運動機能など身体面に障害が現れる場合と知能や意識など精神面に障害が現れる場合の2種類あります。身体面に障害が現れた場合、体に異常がないにも関わらず、体が動かなくなったり、足が動かない、失神する、視力低下、聴力低下、嗅覚低下、声が出ない、痙攣を起すなどの症状が見られます。

また、精神面に障害が現れた場合、異常が見られないにも関わらず、記憶喪失になったり、状況を思い出せないなどの一定のことを忘れてしまったり、二重人格になる、子供の頃に返ったようになるなどの症状が現れます。

これらの症状は1つだけ現れる場合もあれば、複数合わさって症状が出る場合もあります。他には、動悸や頻脈、胸が締め付けられる、息苦しい、手足のしびれ、脱力感、振るえ、めまい、嘔吐、吐き気、顔のほてりなどの自律神経症状が見られる場合があります。

心気症

病気に対して異常なほど心配するのが心気症です。自分の体を異常なほど気にして病気で無いのに、自分は病気だと長期間にわたり思い込みます。

体のちょっとした異変や不調を、重い病気かもしれないと心配し、医療機関を訪ね周ったりします。プライドが高い、真面目、几帳面などの性格の人がなりやすいと言われています。

症状

胃痛や頭痛を感じたら、「私は癌かもしれない」や「私は重篤な病気にかかっている」などと思い込みます。検査結果をみて、異常がないと診断された場合でも納得することが出来ずに、医療機関を転々とします。

抑うつ神経症(神経症性抑うつ)

いつも何か行動するのが億劫で、何もしたくないなどの状態が続くことを抑うつ神経症といいます。抑うつ神経症は、うつ症状の主症状が現れる病状で、うつ病よりは重くないが、慢性的に軽いうつ状態が続きます。

親や親戚など身近な人と死別や別居、転移などの別れを体験することによる喪失感が原因になることが多いと言われています。特に子どもの頃にこのような喪失感を体験している人や高齢者がなりやすい傾向にあります。

症状

症状は悲哀感、落ち込み、焦り、不安、睡眠障害など、うつ病と同じような症状が現れます。常にイライラしたり、睡眠障害や疲労感を訴えやすいです。うつ病と違う点は、1日の間にコロコロと気分の変動がない、人格障害がある、不安や焦燥感に強く駆られる、環境の変化で症状が変わりやすい、抗うつ薬など薬物療法の効果が現れにくいなどが挙げられます。

また、うつ病は問題が起こると「自分のせいでこうなった」と自分のせいにしますが、抑うつ神経症患者の場合は、「こうなったのは○○(誰かの名前)のせいだ」などと他人のせいにする特徴があります。これらの点でうつ病と区別されています。

離人症(りじんしょう)

離人症は、「自分が存在している感覚がない」と自分が自分であるという感覚がなくなったり、自分が身体から離れてしまい、外から自分を観察しているような体験をします。

このように、自分の精神状態、身体、周りや外の世界に対して実感が持てない状態になります。

症状

「自分が知らない人のようだ」「自分が生きている感覚がしない」などの自分が自分であるという現実味がないという人もいれば、外から自分を見ているような感覚や体験を訴える人もいます。

自分がよく訪れる場所に行ったとしても、全く知らない場所に感じていたり、時間や場所などに違和感を感じるようになります。また、感情がなくなり、何を見ても何も感じないような感覚になり、自分が自分でないような気持ちになります。

詳しくは、離人症の症状をチェックする方法は?診断方法や原因、治療方法を知ろう!を読んでおきましょう。

ノイローゼの対処法・治療方法について

family

ノイローゼの治療方法は、精神科医による精神療法や、薬物療法の他、自宅で出来ることとして日記をつける、ストレス発散、家族のサポートが挙げられます。

ノイローゼの治療は、心のケアが重要です。精神科医だけでなく、家族がケアに協力的になることで治療することが出来ます。

精神療法(心理療法)

ノイローゼになった患者に、一番重要なのが心のケアです。その為、精神科や神経科、心療内科など心の病気を扱う専門医による精神療法が効果的です。精神療法の方法には、精神分析、行動療法、自律訓練法、カウンセリングなどの方法があります。

精神療法だけでなく、抗うつ剤や抗不安薬などの薬物療法を併せて行うことで、より効果が期待できると考えられています。

薬物療法

精神療法の補助的な役割で薬物療法を行います。幻想や妄想などを抑制する作用のある抗精神薬や、精神を安定させる効果のある抗うつ剤、抗不安薬などを患者の様態や状況に応じて投与します。

ストレス発散

ノイローゼはストレスが原因の為、ストレス解消となる場面を作ることが重要です。

適度な運動をしたり、質の高い睡眠をとったり、食事に出かけたり、ショッピングをしたりと、自分なりのストレス発散方法を見つけて、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

日記

日記をつけることは、日々の生活で感じていることを精神科医に伝えることが出来たり、日々の気持ちの変化を確認することが出来ます。例えば、育児ノイローゼの場合、イライラや不安の原因は、変化のない毎日の繰り返しにストレスを感じている場合があります。

毎日が変化のない日々に感じてきた場合は、育児ログをつけてみましょう。毎回子供に対して行う、日々のしつけの積み重ねが子供の大きな成長に繋がります。このことは、育児ログを通じて実感出来ます。先月は出来なかったことが、今月は出来るようになっていると子供の成長や変化を実感できることで、安心することが出来ます。

家族のサポート

患者には病院の治療以上に、家族のサポートがとても重要です。例えば育児ノイローゼの方の場合、他の人に頼れたり、アドバイスをもらえる環境を作ったり、他の人が手伝う日を設けて患者が息抜き出来る時間を持てるようにすることも重要です。

また、戸締りや火元のチェックを多くしてしまう患者には、一緒にチェックすることで回数を減らしたり、安心感を与えることが出来ます。他にも、患者から悩み相談があった場合に答えが分からなくても、親身になって聞いてあげるだけでも患者の支えになります。

親身になってくれたことが嬉しく安心感を覚えたり、周りから褒めてもらえると乗り越える原動力になります。家族がどうサポートしていくか、患者の悩みを患者1人で抱え込ませるのではなく、定期的に家族で話し合って一緒に乗り越えていくことが重要です。

おわりに

ノイローゼと一言で言っても7種類ものタイプに分類することが出来ます。これらに共通することは、何かしらに対して不安や恐怖を抱え、ストレスになっていることです。ストレスが溜まり続けると、精神的に不安定な状態になったり、健康であるにも関わらず、身体に異常が出始めます。

ノイローゼは患者の心のケアが大切です。その為、精神病院での治療も大事ですが、何よりも家族のサポートが重要です。ノイローゼは患者1人の力では治すことは難しいです。周りがサポートをしっかりして、一緒にノイローゼの症状を解消しましょう。

関連記事として、

精神分裂病の症状をチェック!治療方法を知って向きあおう!

精神病の種類について!症状やチェック方法は?

ストレス発散の方法を知ろう!ストレスに強い人と弱い人の特徴について。

これらの記事を読んでおきましょう。

  
/* */
  
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする