調味料でよく使われる塩。これを浴槽に入れ、入浴する塩風呂というものがあります。普通の入浴とは異なり、体に様々な良い影響を与えてくれる、今人気の入浴法です。
なかなか塩を入れて入浴するということに抵抗がある人もいるかもしれませんが、その効果は絶大。単なる健康効果だけではなく、美容効果までもたらしてくれることもあります。
では、この塩風呂。具体的にどのような効果があるのか。具体的に見ていくことにしましょう。
塩風呂の効果
塩を入れる。たったこれだけのことで様々な効果を得ることができます。具体的には以下のことがあげられます。
発汗作用
普通の入浴でも発汗作用がありますが、塩を入れることで、普通に入浴するより多くの発汗を期待することができます。そして、発汗は体のデトックス効果に繋がります。
普段、運動をあまりしない。このような人は汗をかきにくい傾向にあります。そんな時は、簡単にできる塩風呂に入ってみるといいかもしれませんね。
代謝の向上
塩風呂は代謝の向上が期待できます。特に肌の代謝が促進されます。肌を若々しく保ったり、ハリが生まれます。アンチエイジングに効果的といえるでしょう。
代謝は年をとるほど低下していきます。例えば、肌のシワというのは代謝機能が落ちることで起こる老化現象といえます。顔のシワなどが気になる人は、この代謝をなるべく上げてあげることを意識しましょう。
保湿効果
体から余分な水分が出ていかないように、保湿効果が持続します。これは肌の潤いを保つ効果があり、代謝の向上を合わせて、美容に効果的でしょう。
体の水分量が低下すると、血液がドロドロとします。これは血液循環の低下を意味します。細胞に栄養が行き届かず、老化の原因にも。体の水分量はなるべく維持したいものです。
血行を良くする
体が温まるということは、血行が良くなるということ。停滞しがちな血液の流れを良くすることで、体の細胞に栄養を運びます。体の内部から健康を維持することができるでしょう。
ストレスを受けると、体が緊張し、血行が悪くなります。これは肩や首のコリ、腰痛の原因になります。塩風呂はこれらを改善する効果も期待できるでしょう。
体臭予防
塩風呂には殺菌作用があります。これは汗や皮脂から発生する体臭を予防する効果があります。よく汗をかく夏の日や運動で汗をかいた日。こんなときには塩風呂に入ってみるといいかもしれません。
体臭には気をつけているけど、やっぱり気になる。そういった人は週に数回でもいいので、塩風呂に入ってみましょう。次第に体臭が改善されていくのを感じると思います。
デトックス
体には知らないうちに有害物質が蓄積します。これを体外に出すことをデトックスといいます。上記の様々な効果により、このデトックス効果が促進されます。
塩風呂の美容効果
塩風呂が与えてくれる体への良い効果。これらを踏まえて起こる美容効果にはどのようなものがあるでしょうか。具体的には以下のことがあげられます。
肩・首のコリ、腰痛の解消
肩や首のコリ。そして腰痛は筋肉が緊張し、血行の流れが悪くなることで起こります。長時間、同じ姿勢でいるデスクワークが大きな原因です。慢性的に悩んでいるという人も多いでしょう。
塩風呂に入ることで起こる血行促進効果はこれら症状を解消してくれます。筋肉の緊張を解き、血行を良くします。コリや腰痛が解消されれば、仕事のパフォーマンスも向上するでしょう。
むくみの解消
足のむくみが起こるのは、重力によって水分が集まりやすいということもありますが、やはり血行不良によるものが大きいです。冷え症で足先の血行が悪くなるほど、むくみやすいのですね。
塩風呂による血行促進効果では、コリの解消と同様にむくみの解消も期待できます。血液がきちんと循環し始め、余分な水分を回収してくれるからですね。仕事で足がパンパン。そんな時は塩風呂に入ってみてください。
リラックス効果
お風呂でも温泉でもそうですが、入浴をするとリラックスしますよね。体の疲れが取れるだけではなく、精神的な安らぎを感じるものです。これはとても重要なことです。
仕事で疲れていると、体にはどうしても無理な緊張が溜まっています。それが慢性的な疲労に繋がることがあるのです。塩風呂の美容効果と合わせて、心身をリラックスさせることも大切です。
ダイエット効果
血行促進、発汗作用、デトックス。これらはダイエットに大きな影響を与えてくれます。体の余分な水分を取り除き、有害物質を排出することで、代謝向上が期待できる。これはダイエットに効果的なのです。
ダイエットをするためには、ある程度の体質改善が必要です。血液を良い状態にしたり、血液循環そのものを改善したり。そのためには、他のダイエット法と合わせて、塩風呂で入浴という方法もしてみるといいでしょう。
肌の病気を改善する効果
肌の病気が起こる原因の1つは、体に蓄積された有害物質の影響といわれています。例えば、ジャンクなものを食べるとニキビができることってありますよね。体に悪いものを食べると、肌はわかりやすい形で教えてくれます。
塩風呂によるデトックス効果では、有害物質を体外に排出しようとする働きが行われます。ニキビを始めとする肌の悩み、アトピーといった心配になる病気をも改善してくれるといわれています。
体の冷えを改善
冬場に近づくほど体の冷えがひどくなるという人もいるでしょう。部屋の中でも靴下を脱ぐことができず、いつも震えている。このような人は血液循環機能が低下していることが考えらえます。
塩風呂によって血行が促進されると、体の冷えを改善することができます。入浴後は体がポカポカとし、その効果は長く持続します。寒い日なんかは特に塩風呂に入ってみるといいかもしれませんね。
毛穴を引き締める効果
お顔の毛穴が開いていることが気になる。そういう人も多いでしょう。毛穴にはゴミや老廃物、皮脂なんかが溜まります。それを取るのもまた、一苦労だったりします。
塩風呂で起こる発汗作用と血行促進作用により、毛穴を引き締めることができます。汗によって毛穴の汚れが吐き出されるためですね。肌が気になるという人は汗をきちんとかいてみてください。
塩風呂の入浴方法
そこらへんの塩をただ単に湯船に入れる。それだけでは、塩風呂の効果を十分に実感することは難しいでしょう。いくつかのポイントがあり、具体的には以下のことがあげられます。
岩塩やミネラルを含む塩を使う
体の代謝や機能にはミネラルが必要です。塩風呂の効果を実感するためには、このミネラルが豊富に含まれている塩を使うことがポイントです。ミネラルは皮膚から効率よく吸収され、効果を高めてくれます。
反対に精製塩は加工の過程でミネラルが失われています。このため、それを入れて入浴しても、大きな効果を実感することはできません。塩風呂では、このミネラルを意識するようにしましょう。
塩風呂用の塩も販売されていますが、スーパーの調味料コーナーにある塩でも、ミネラルが入っているものであれば問題はありません。食べるものを風呂に入れるというのはなかなか抵抗があるかもしれませんが、試してみてくださいね。
水分補給を忘れずに
塩風呂の効果で大切なのは発汗です。汗を出すことで体の老廃物を吐き出し、体の機能を向上させます。このため、入浴前の水分補給を忘れないようにしてください。
もちろん、このときの水分はジュースや炭酸飲料は避けた方がいいでしょう。添加物など人工的なものが入っていますから、デトックスの意味がなくなってしまいますよね。なるべく水を飲みたいものです。
水分はなるべく体温に近いホットのもの、もしくは常温で飲むようにしましょう。キンキンに冷やしたものでは、体が冷えてしまうので、入浴前でも入浴後でも控えてください。
入浴時間の目安としては20〜30分程度。それ以上、入浴するとのぼせてしまいますから注意してくださいね。体から出る汗を感じながら、塩風呂を堪能するようにしましょう。
肌が弱い人は注意が必要
塩との相性が悪い人もいます。塩風呂に入ってみたら皮膚が赤くなった。そういう人は塩風呂は控えたほうがいいでしょう。肌を傷つけてまで入浴する必要はないですよね。
また、皮膚に傷がある人、何かしらの疾患がある人も注意が必要です。かかりつけの医者がいるのであれば、そちらに相談してみることをおすすめします。必要であればパッチテストをしてみてもいいかもしれませんね。
浴槽のメンテナンスも忘れずに
入浴後は浴槽の塩をよく洗い流すようにしましょう。浴室の金属部分に錆ができてしまう原因にもなりますし、その錆が体に悪い影響を及ぼすこともあるからです。
塩の量はどのぐらい?
塩の量は30〜50グラムが適正といわれています。これは鷲掴みして掴んだ量ぐらい。それらを満遍なく湯船に入れていきましょう。肌が弱い人は少量から初めてみてもいいかもしれませんね。
デトックスとは?
塩風呂で得られる効果の中の1つにデトックスがあります。その言葉を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。しかし、その効果や効能。そして、それがどうして必要なのかということについて知っている人はあまりいません。
塩風呂で得られるデトックス効果。そのメカニズムについてみていくことにしましょう。
体は毒物に侵されている
毒物と聞くと蛇や蜂の毒なんかを思い浮かべる人もいるかもしれません。ひとたび体内に入れば、急激に症状が進行し、命を落とすことがあります。しかし、一方でそうではない毒物があります。それは具体的に以下があげられます。
食料から得る毒物
食品添加物、農業用肥料、農薬。これらは食品を生産する上で不可欠なものです。生産量を劇的に増やし、手間を減らし、効率を何倍にも引き上げてくれます。
しかし、体に入ってしまうと、どうしても身体機能を下げてしまうことがあります。体は食べたものから細胞を作ったり、エネルギーを産生しますから、悪いものを取り入れるということは体を壊すことと同じです。
加工食品や普通に買っている野菜にはこのような毒物が入っていることがあります。全ての食品が、というわけではありませんが、私たちは大なり小なり、毒物を体内に入れているのです。
日用品から得る毒物
普段生活している中でも摂取する毒物があります。それは化学薬品。具体的にいうならば化粧品なんかがあげられるでしょう。皮膚に塗るものであれば、注意が必要です。
その他、料理の際の鍋なんかも毒物を得る一つのきっかけです。料理の過程で鍋表面のコーティングが剥がれ、料理に混入します。もちろん、大きな害はないのですが、体内に取り込まれていきます。
あとは食器用洗剤なんかも気をつけるべき毒物です。洗ったつもりでも、食器の傷の隙間に入り込んでしまう。そして、食べ物一緒に摂取してしまうなんてこともあります。
環境から得る毒物
工場から出る有害物質は大気を汚染します。私たちは呼吸をしていきていますから、大気が汚染されれば、そのまま有害物質を取り込んでしまうことになりますよね。
都会に住んでいたり、工場の近くに住んでいるようであれば、空気の状態が悪いといえるかもしれませんよね。呼吸をするだけで、毒物が体内へ。そんな怖いことが起きているのも事実なのです。
デトックスの意味とは?
日常生活の中で摂取する上記のような毒物を、体外に排出しようというのがデトックスです。デトックスには様々な形があり、便も一つのデトックスといえます。
体のデトックスは便が7割。尿が2割。残りが汗、髪、爪となっています。体は常に入らないものを体外に排出し、体の健康を保っているのです。
さて、塩風呂では発汗作用によりデトックス効果を期待します。便や尿でも有害物質は排出されるのですが、排出できない種類の物質もあります。発汗はそれらを排出することができます。
有害物質を排出することで、体の代謝機能の向上、内臓機能の向上などが起こります。体は若々しく、そして病気に強い体を作ることができるのですね。デトックスはこういった意味があるのです。
塩風呂だけに期待しない
塩風呂に入ることで起こるデトックス効果や血行促進効果。そして、その先にあるダイエット効果やアンチエイジング。これらを期待して塩風呂を始めてみるという人がいます。
もちろん、塩風呂で効果を実感することはできますが、それだけでは不十分なことがあります。先に述べたように、有害物質を取り込んでいるようであれば、効果が半減してしまうからです。
デトックスとは有害物質を排出することでしたよね。一方で、普段の生活から有害物質を取り込み続けるようであれば、意味がないのです。つまり、塩風呂と合わせて、日常生活にも気を配る必要があるのです。
例えば食事。食品添加物等の入った加工食品は避け、なるべく自分で作るようにする。これだけでも、体内に入る化学物質を少なくすることができますよね。オーガニックの食品を買うのも、1つの選択です。
生活全般の改善を意識してみる
塩風呂だけではなく、食事や運動習慣。これらに気を配ることは、健康を維持するために必要です。先に述べたように添加物ばかりの食事は、体に毒物を食べてしまうことに繋がります。
運動習慣の有無も重要です。運動をしなければ、体の筋肉や関節は衰えてしまいます。これは将来、寝たきりの原因にもなるでしょう。体は適度に動かさなければ錆びついてしまうのです。
もちろん、普段仕事で忙しく、なかなか時間が取れないという人もいるでしょう。帰ったら寝るだけで、運動をする時間も自炊をする時間もない。ストレスも多いのかもしれません。
一方で、その先にある体の状態を一度考える必要があるかもしれませんね。運動習慣がなく、不規則な食生活をしていれば、体はどうなってしまうでしょうか。それは言わなくてもわかるかと思います。
1つの健康法が体のストレスを軽減してくれることがあります。一方で、どうして体に披露が溜まっているのか、不調なのかについて考え、それを治すことも大切なのです。
まとめ
仕事が忙しいと、自分の体の状態がどうなっているかということをついつい忘れてしまいます。しかし、ふとした休憩を取ると、その疲れに気づくことができます。
そうやって、体の状態をつぶさに観察することは、仕事のパフォーマンスを維持する上でも重要なことです。もちろん、健康を維持するためにも必要ですよね。
お風呂に入るだけでも、かなり体はリラックスしますから、ちょっと休んでみてください。なかなかの気持ちの良さを感じることができると思いますよ。
浴室にお湯を張り、塩を入れるだけでできる塩風呂。今日の夜、すぐにできますよね。いつもシャワーだけで済ますという人は、久しぶりに入浴してみてはいかがでしょうか。
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