おこがましいとは?意味や特徴、使い方について知ろう!

皆さんは「おこがましい」という言葉をどこかで聞いたことはありますか?

この言葉に対してマイナスなイメージを持っている人は多いと思いますが、実はビジネスシーンや目上の方と話す際に大活躍できる言葉の1つなんです。

おこがましいという意味や使い方、シチュエーションを理解して、ビジネスの場や目上の人と話す時に使ってみましょう。

おこがましいについて

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「おこがましい」という言葉は社会人であれば知っておきたい言葉の1つですが、一体どういう意味で、またどのように使われているのか知っていますか?

ここではおこがましいの意味や語源、使い方について詳しくご紹介します。

おこがましいとは?

辞書でおこがましいという意味を調べると、以下のように記載されています。

おこがましい【痴がましい、烏滸がましい】形容詞
1.分不相応である。さしでがましい。出過ぎたことだ
2.いかにもばかげている。全くばかばかしい 参照:Weblio辞書

一般的には(1)の身の程をわきまえないという意味で使われており、不相応な言動や出すぎた事という意味として使われていることが多いです。

また、他にもばかばかしいという意味を持っていますが、現在ではこのような意味で使われている事はあまり見かけません。このように意味を見てみても、あまり良い意味ではない事が分かると思います。

その為、人に使ってしまうと失礼にあたり、喧嘩の原因にも成りかねません。しかし、自分に対して使えば謙遜語として効果的に使うこともできるのです。役職や年齢が上の人に対して身のほどをわきまえない発言する場合に、一言付け足すことで自分の言動に対して謙遜した表現を用いることができます。

発言する際にこの言葉を前置きすることで、柔らかい物の言い回しにする効果があります。謙遜語(謙譲語)はビジネスの場でも活躍するので、使い方を覚えておきましょう。

謙譲語とは?

日本語には敬語と呼ばれる主体(話し手)とその相手(聞き取り手)や話題に挙がる人物に対して社会的関係と態度を表す言語表現があります。この表現を誤まると聞き取り手に自分の地位を認めない無礼物だと嫌な気分にさせてしまいます。

敬語の中には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つがあり、中でも謙譲語は自分をへりくだって表現して、相手の地位を高く置くことができる表現のことです。今回の「おこがましい」という言葉を自分に使うこと、自分をへりくだって表現することができ、相手の地位を高くした表現をすることができるのです。

おこがましいの語源

おこがましいは「痴がましい」もしくは「烏滸がましい」と漢字表記します。語源には様々な説がありますが、おこがましいの元々の表記は「をこがましい」とかかれており、「おこ(をこ)」はばかげている、愚かなことという意味がある古い言葉です。

「をこ」の基にした漢字の表記で愚かという意味を持つのが「痴」です。また、中国ではその昔揚子江や黄河のほとりで騒ぐカラスの様子を「烏滸」と言い、ウルサイ人やバカ騒ぎするような人の事を「烏滸」と呼んだことで「烏滸がましい」という表記したと言われています。

また、それにその状態に似ているという意味の「がましい」が付けられて「おこがましい」という言葉が誕生しました。もともとは、愚かものやばかばかしいという意味で使われていた言葉ですが、近世以降になり「不相応な」という意味で使われ始め、今ではこちらの意味で使われる言が一般的になりました。

おこがましいの使い方

おこがましいという言葉の例文は下記のようなものが挙げられます。自分や身内に対して使う場合は、へりくだるようなシチュエーションで使われます。場をわきまえていない、不適切な発言をする際に言動を諌める意味合いにすることができます。このようなシチュエーションで使う似たようなへりくだった言葉は「恐れながら」「僭越ながら」「失礼を顧みずに」「伏して」などが挙げられます。

■自分や身内に対して使う場合

  1. 私のような素人が口を挟むのもおこがましいのですが、彼の意見は一理あると思います。
  2. 親の私が言うのもおこがましいですが、わが子ながらよく出来たと思います。
  3. おこがましいお願いをしてしまい、申し訳ありません。
  4. 専門の方の前で素人の私が発言するのは、おこがましいのですが・・・
  5. このような素敵な場所にお招きいただき、おこがましく感じております。

また、他人に使う場合は対象の相手を見下していたり、非難している意味になるため使用するには十分に注意しましょう。

■他人に対して使う場合

  1. あの人はおこまがしくも自分の事を評論家と言っている。
  2. あの人は、何も知らないくせに口を挟んできて、本当におこがましい人だ。
  3. 全く関係のない人が発言するのは、おこがましいね。
  4. 煙草を1日に2箱も吸う舌で、食を語るのはおこがましい。
  5. あんな事が起きたのだから、契約をするのはおこがましいと周りは言うに違いない。

おこがましい人の特徴について

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おこがましい人というのは、一言でいうと身の程知らずのことです。自分に自信を持つことは重要ですが、自分の実力よりも過大評価したり、その評価を他人に自慢したりするような人は、おこがましい人という事ができます。

ここでは、おこがましい人の特徴についてご紹介します。

現状を把握してない

自分に自信を持つ時に、自分の今まで積み重ねた努力や実力を認める事は重要なことです。この認識を誤まってしまうと、身の程しらずな人だと思われてしまいます。自分の事を肯定しすぎる人はナルシストの傾向があり、たいして努力をしていないにも関わらず自分を大きく見せようとしようとします。

自分を高く評価しすぎると、難しい仕事や高い目標も簡単にできると勘違いしてしまいます。やる気は重要ですが、自分の能力と目標との差を見極めて、努力をしないと目標を達成できないだけでなく、周りからも嫌われて誰も助けてくれない可能性があります。

相手を尊重してない

自分の能力や実力の限界を把握しておらずに大胆な言動や態度をする人は、相手を尊重していない傾向が強いです。自分の事を過大評価しているナルシストでもある為、相手の事を見下している場合もあります。

後輩や友人だけでなく、先輩や上司、取引先など目上の人に対しても失礼な態度を取る場合があるので、仕事でこのようなタイプの人と関わる場合は注意しましょう。

出しゃばりである

自分の実力を課題評価している為、出しゃばりでもあります。注目されたい願望がある為、普通の人であれば遠慮するような場面でも「私がやります」と名乗りをあげるタイプです。

名乗りをあげるほどなので、威勢は良くやる気を買ってくれる人はいますが、結果が残せないと一気に信用をなくしてしまいます。

上昇志向が強い

チャレンジ精神や上昇志向が強い人は身の程知らずと周りに勘違いされてしまうことがあります。自分の現状を把握して、高すぎる目標でも怯むことなく挑戦していく人は、応援したくなる存在です。上昇志向だけが強いのではなく、自分との差に対して努力を惜しまないことが重要です。

周りからおこがましいと思われてしまうのは、高い目標に対して努力をしない人だけであり、高い目標に対して努力をする人に関しては、周りから評価されます。

おこがましいの類語について

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「おこがましい」という言葉は、ビジネスシーンで取引先や先輩、上司などに対して使える用語です。このおこがましいに似た類語はたくさんあり、これらの関連用語も併せて覚えておくことで「この人は、言葉遣いを知っているな」と大人の印象を与えることができます。

おこがましいと同様に相手に対して使う場合はいい意味で使われませんが、自分に対して使うことでクッション言葉としての役割があります。ここではおこがましいの類語についてご紹介します。

差し出がましい

差し出がましいという言葉、相手にお節介な事を発言する際に出しゃばるという意味で使用されます。相手の事を関与しようとして必要以上で出すぎた事、余計な事をする時などに用いられます。直

接伝えにくいような時に前置きすることで、クッション言葉としての役割を果たし相手に対する思いやりの意味を示すことが出来ます。この言葉は目上の人に使われるケースが多いです。

例文

  • 差し出がましいようですが、先輩の仕事を私も手伝わせて頂けませんでしょうか。
  • 差し出がましいようですが、私にも一言だけ言わせてください。
  • 私は発言した後に、差し出がましいことを言ったことを後悔しました。
  • 差し出がましいようですが、新しいプロジェクトの予算の話はしなくていいのでしょうか。
  • 差し出がましいようですが、頭痛薬いりますか?

僭越(せんえつ)

身分や権限などをわきまえずに出すぎたことをする事です。「僭越ながら・・・」という言葉は結婚式のスピーチなどで耳にした事ある方もいると思います。この言葉は失礼であると分かっていながらも、出すぎた事をしますがという前置きになります。

その為、結婚式の場所で使う際には「本来はスピーチをする立場ではありませんが」という意味になってしまうため、上司が部下の結婚式の時に使う言葉としては間違っていると言えます。自分の立場を考えて目上の人に対して使うのが自然な使い方です。

例文

  • 僭越ながら、貴重なお休みの時間を私に頂けませんでしょうか。
  • 僭越ではありますが、これからは先の事は私にお任せください。
  • このような事を言上するのは僭越な気がするので、黙っていました。
  • 私も僭越ながら、この会議に参加させて頂きます。
  • これは僭越かもしれませんが、自らの体験として得た確信があります。

身の程しらず

身の程知らずとは、自分の地位や能力の適度をわきまえない言動をすることです。自分の身の程を知らない人が、身の程知らずの事をするのは、周りからみてとてもカッコ悪い行為です。

しかし、自分の身の丈を十分に知っていなくても、不足している事を理解した上で自分の身の丈との違いを見極めながら挑戦する姿は、周りから「新しい挑戦」や「やる気」と受け取ってもらうことができ、好感度が高いです。

自分の身の丈にあった事ばかりをするのでは、周がひいたレールの上を歩く人生と同じです。自分の身の丈ばかりを気にするのではなく、目指すものとの差異に気付いて進んでいくようにしましょう。

例文

  • ・彼女は身の程知らずなところはありますが、信頼がおける部下の1人です。
  • ・身の程知らずの私に喝をいれてください。
  • ・海外でも通用すると思っていたけれど、身の程知らずで結局日本に帰ってきた。
  • ・本当は弱いくせに、身の程知らずに挑戦状を叩き付けた。
  • ・上司に「身の程知らずもたいがいにしろ」と怒鳴られた。

生意気

生意気とは一人前ではない人や地位もない人が偉そうする言動を小憎らしいと感じることです。例えば、新入社員が上司に向かって「このプロジェクトは成功しないと思います」などと言った場合、分かったような口を聞くと生意気な新入社員だと思われてしまいます。

新入社員の立場からすれば自分の意見をストレートに伝えただけかもしれませんが、実績も経験もない人が言う意見は信用に欠けます。

特に肯定的な発言をする場合にはやる気がある新入社員という印象を与えられる可能性もありますが、否定意的な意見を言うときや目上の人に対してアドバイスをする時には言葉遣いに注意しましょう。生意気という用語は目上の人から偉そうな新人、後輩など思われた時によく使われる言葉です。

例文

  • あの時はお酒の勢いもあり、生意気な事を言ってしまって申し訳御座いません。
  • 彼の言うことは随分生意気だったけど、聞いてて悪い気はしなかった。
  • 彼女は言葉遣いは生意気だけど、素直で裏表のない性格のようです。
  • 彼女は生意気そうな顔をしていたが、話してみるとやっぱり生意気だった。
  • 父親に随分生意気を言った。

厚かましい

厚かましいと言動に遠慮がなく、ずうずうしい行為をする事です。厚かましいという言葉は、その迷惑な態度が人に及ぶ時に使用されます。例えば、あまり親しくない間柄ににも関わらず、しつこく頼みごとをする事は厚かましいという言葉が使われます。

親しくないのにも関わらず、車で家に送ってくれないかと頼んだり、仕事の依頼をしつこくした場合は、周りの人から厚かましいと思われてしまいます。他にも後輩が「今日もおごりですか?」などと、食事の代金を全て支払って貰えるように頼むなど、人の好意に対して当たり前のような態度を取った場合にも思われてしまいます。

取引先や先輩、上司に対してお願いをする際に「まことに厚かましいお願いでは御座いますが・・・」と前置きを置くのはビジネスシーンでよく見られます。

例文

  • 後輩の態度が日に日に厚かましくなっている。
  • 厚かましいお願いで大変で大変で恐縮ではございますが・・・
  • 厚かましいお願いですが、お話を伺えれば幸いです。
  • まことに厚かましいお願いですが、返却日を延長させて頂けないでしょうか。
  • 厚かましいお願いで恐縮ですが、この本を私の事務所に届けて下さいませんか。

顔厚(がんこう)

顔厚とは、顔の皮が厚い事を示す用語で、顔の皮が厚いので顔色の変化が分かりづらく、恥を恥と感じない事を意味します。一言でいうと恥知らずで図々しい様です。

文字を逆にして厚顔(こうがん)や四字熟語の無知厚顔、厚顔無恥という言葉も同じ意味で用いられています。

例文

  • 昔は厚顔でしたので、今思い出すと恥ずかしいです。
  • 大勢から証言を得られているのに、罪を認めないのは無知厚顔も甚だしい。
  • 彼女の無知厚顔ぶりには、見ているこちらが恥ずかしくなります。
  • 彼の厚顔さに腹立ちを覚えました。
  • つきましては、厚顔なお願いではありますが、もう一度機会を頂けませんでしょうか。

出過ぎる

出過ぎるも身分を越えた振る舞い、差し出がましい言動をすることです。ビジネスの場面では「出すぎた真似を致しまして申し訳ありません」と使う事が多く、既に何かしら差し出がましい行動をした後の謝罪として使われます。

例文

  • 出すぎた真似を致しまして、誠に申し訳ありません。
  • 出すぎた口を聞いて後悔している。
  • 出すぎたことをやってのけたのは、アメリカ人だった。
  • 誰の許可を得て、そんな出すぎた真似をしたのか。
  • 出すぎた言動は十分に罰するべきだった。

図々しい

図々しいは人に迷惑をかけても平気でいる様です。あわよくば精神を持っており、ダメもとで聞いてみて上手く言えばラッキーというようなズル賢い考えを持っています。「それ全然使ってないなら頂戴よ」とタダで貰えるか聞いて見たり、お下がりを狙ったり、奢ってもらおうなどと考えています。

誰かに頼みごとをする際にクッション言葉として使う事ができ、厚かましいと似たような意味があります。

例文

  • 大変図々しいお願いですが、何卒よろしくお願いいたします。
  • 彼女は誘ってないのにも関わらずついてきて、本当に図々しい。
  • 図々しいお願いで、誠に恐縮では御座いますが・・・
  • 図々しくてごめんなさい。
  • あの人たちはタダだからといって、たくさん持っていって図々しいにもほどがある。

おわりに

おこがましいという言葉は一言でいうと身の程しらずの事で、相手に対して使う場合には悪い言葉として使われます。

しかし、自分に対して使う場合には謙虚な言葉として使う事が出来るため、ビジネスシーンでも使うことができます。このような言葉を覚えておき、ビジネスに生かせる様にしましょう。

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