首筋の痛みの原因は?考えられる病気と対策、予防方法を紹介!

首は頚椎(けいつい)と呼ばれ、頭部と胴体を支える大切な役割を担っています。頚椎はその構造や位置関係から外部からのストレスにさらされる機会が少なくありません。なぜ首筋や肩はコリや張り、そして痛みが起こりやすいのでしょう?

頭部や肩との関連性、さらに姿勢との関わりを観ていくと、首すじの痛みを発症させる原因やそのメカニズムを知ることができるでしょう。

そこで本稿では首筋の痛みを中心に周囲にある筋肉との関係について理解を深め、身体がもつ可能性を引き出して日常を楽に過ごせるためのヒントをお伝えしていきます。

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首の仕組みと動きのメカニズム

首メカニズム

背骨は24個連なり、そのひとつひとつを脊椎(せきつい)と呼びます。またすべての連なりを脊柱(せきちゅう)と呼び、そのうち首の骨にあたる頚椎(けいつい)は7つの脊椎で構成されています。

脊柱の生理的彎曲

脊柱はその下にある仙骨・坐骨と合わせ生理的彎曲(せいりてきわんきょく)を形成しています。真横から観ると頚椎・胸椎・腰椎それぞれに彎曲(“S”字型カーブ)があり重力や頭の重さによる圧力を吸収・分散させているのです。

加齢や運動不足等により生理的彎曲が崩れ・消失していくと脊柱は徐々に真っ直ぐな「ストレートライン」を呈します(ストレートネック等後述)。一見すると「真っ直ぐなんだからいいじゃないか!?」と思っても不思議ではありませんが、実はこの彎曲したカーブがあることで衝撃を吸収・分散する仕組みが働くため、真っ直ぐな脊柱は身体に様々な不具合を生じさせる原因となるのです。

頚椎・腰椎は前彎、胸椎は後彎

頚椎は前彎(ぜんわん)といって約20~25度程、彎曲しています。真横から観れば1~4番目までは真上に真っ直ぐ連なるのに対し、5・6・7番目(第1胸椎以降も含め)は斜め後下方に向かって曲がりその下の胸椎に連なります。

解剖のテキスト等をみると頚椎は後方に曲がっているんじゃないの?なのになぜ前彎?と思うかもしれません。実は曲がる方向で見るのではなく、その“曲がり”が前側に出ているか(凸)、後ろ側に出ているか(凹)の違いで決まっているのです。

頚椎・腰椎は“曲がり”が前方に出ている凸型なので前彎、胸椎は“曲がり”が後方に出ている凹型なので後彎と呼ばれているわけです。

人の身体には至るところにこういった骨と軟部組織による衝撃を吸収・分散するシステムがあり、その仕組みのお蔭で我々人間は重力に抗って身体を無理なく動かすことができるのです。

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首すじの痛み、その特徴と症状

首すじの痛み

首すじの痛みをまとめてみるとある傾向が伺えます。首の骨そのものの変性によるもの、骨以外の軟部組織、または神経系が原因とされる症状等3つに大別できます。

神経性の痛み

神経は①中枢神経と②末梢神経に分類されます。①は身体中の神経ネットワークを構築しコントロールする中心部で脳と脊髄にあります。一方②は脳以外の場所にあり各器官と繋がっています。

この末梢神経は自分の意思で各組織を動かすことができる体性神経(たいせいしんけい)と、血管・リンパ腺・内臓等自分の意思が介在せず、生きるために必要な活動を自動的にコントロールする自律神経(じりつしんけい)に分かれます。

自立神経は運動すると脈が速くなったり汗をかいたり、一方で風邪にならないために細菌を入れない、夜睡眠中は無駄な消費エネルギーを抑えるため基礎代謝を下げる等、様々な身体の変化に対応する生命維持活動を調整しています。

自立神経には交感神経と副交感神経があり、それぞれアクセルとブレーキの役割を担っています。つまり人が活発に動くとき、緊張やストレス体性には交感神経が、休息や身体の修復・理ラックスする場合には副交感神経が活発になります。

この自立神経がバランスを崩してしまう症状を総称して自律神経失調症と呼び、緊張型頭痛や首・肩のコリや痛みの遠因とされています。

骨(頸椎)の変性による痛み

首の骨である頸椎そのものの形が変わる変性によって起こる症状です。

背骨のクッションである椎間板が潰されて薄く変形することで以下のような周辺組織の変化が起こります。

・潰れた椎間板の上下にある脊椎同士が度々接触を繰り返す

・脊椎の一部である椎体骨(ついたいこつ)のが変形し骨棘(こつきょく)*1を形成

*1:棘状(とげ)の突起

・後方に突出した骨棘が脊髄神経根を圧迫

・脊椎同士を繋ぐ黄色靭帯が肥厚(ひこう)し石灰化や骨化が起こる

・硬化した黄色靭帯が脊髄神経根をさらに圧迫

最終的に痺れや痛みの症状を呈します。

ごく稀にですが、脳腫瘍が頸椎に浸潤し骨の変性によって痛みやめまい、頭痛等を引き起こすケースも見受けられます。

骨以外の軟部組織の変性による痛み

椎間板(ついかんばん)や関節靭帯、関節包等に問題が起こる場合です。

椎間板とは脊柱を構成する椎骨と椎骨との間にある円板状の軟骨です。加齢や遺伝的要因により椎間板が傷つきゼラチン状の内部髄核がとび出して脊髄神経根(せきずいしんけいこん)を圧迫し痛みやしびれが出る症状を頚椎椎間板ヘルニアと言います。

ヘルニアは腰椎で最も多く発症しますが姿勢悪化による頸椎での発症も多く見受けられます。頸椎に起これば手(腕)の、腰椎に起これば足(脚)の痺れや鈍痛を伴う症状を呈します。「ヘルニア」とは体の中の特定組織が、正常な位置から「遺脱・突出」した状態を言います。

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首すじが痛くなる原因

首すじが痛くなる原因

多くの場合、「姿勢」に起因する場合が少なくありません。また現代の社会生活・ストレス環境による筋緊張等との深い関係も懸念されています。女性は特に40歳前後からの女性ホルモンの減少で関節の可動域や血流が減少し、腰・肩・首等の大きな関節の機能的変化が顕著に現れます。

加齢や老化現象

骨や軟部組織の退行性変化、つまり圧迫されて潰れてしまったり、継続した骨同士の接触による骨棘の発生、靭帯の硬化等が起こります。その結果、頸椎椎間板症、頸椎症、頚椎椎間板ヘルニア等といった病態を呈する場合があります。

筋肉の衰えや硬化も大きな問題です。ある程度の筋肉量や筋力がないとしっかり身体を支えることができないからです。重い頭を支えるのは首・肩周りの筋肉ですが、その首・肩の筋肉を支える体幹や脚部の筋肉も身体的に良い状態を保つ秘訣です。

姿勢の問題は首や肩の痛みだけでなく腰痛の原因としても取だたされますが、その不良姿勢を招く要因として「浮き指・指上げ足」があります。

浮き指とは足の拇(おやゆび)を甲側に押すと90°以上反ってしまう状態を言います。足裏の不安定を招き腰や首・肩の痛みを誘発するとされている症状です。

生活習慣

日常生活の中で首の痛みを誘発する原因を探ってみるとたくさんあることがわかります。先天的な猫背姿勢は元より、後天的な環境によって変化する不良姿勢(特にスラウチ姿勢と呼ばれる前傾状態)等はその典型でしょう。

デスクワークでのPC操作やスマホ症候群、また工場での立位軽作業など姿勢の改善が必要な状況は意外に沢山あるのです。

外傷・障害

大きな外力が急激に加わったことによるダメージを外傷と呼びます。交通事故や格闘技系・コンタクトスポーツ等、スキー・スノボー等での激突等があります。

反復する動作によって特定の部分が使い過ぎた状態を障害と呼びます。別名、オーバーユース、または反復性ストレス症候群と言われています。サッカーのヘディング、バイオリン等の弦楽器操作、大工の釘打ち等です。

社会的・精神的ストレス

人間は加齢や疲労、そして社会的・精神的ストレスを受けると姿勢が崩れてしまい前屈みのいわゆる解剖学的に不良な姿勢に変わっていきます。ストレスと姿勢は非常に深く繋がっているのです。

また、寝具、特に枕が合わない場合にも精神的なストレスと共に頸椎に加わる外力(メカニカルストレス)が増し、違和感や痛みを発症することが報告されています。整形外科の「枕外来」なる部門が人気なことも如何に寝具の重要性が問われているかを現す指標でしょう。

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典型的な現代病“ストレートネック”

スマホ症候群

昨今のデジタル技術の普及により多くの人達がパソコン(PC)やタブレット端末を使用するようになりました。

首の骨のカーブである生理学的彎曲が崩れ真っ直ぐになっている頚椎の配列をストレートネックといいます。日本人の8割にも相当すると言われるストレートネックですがその原因はデスクワーク、先天的な骨格配列、PC・スマホ等デジタル機器の使用頻度等に由来するとされています。

便宜上ストレートネックと呼んでいますが、スマホを見ている状態で首が痛くなる症状は一般に「スマホ首」とか「スマホ症候群」等とも呼ばれ、特に左首すじに症状が出現するケースが多くみられます。

頭を倒す角度によって首への負担は段階的に増していくという調査があります。頸椎の生理的彎曲が整っている状態(0°)では頭の重さ(約5~7kg程)だけを支えますが、頭の傾く角度が深くなればなるほど首と背中を繋ぐ接続部の筋肉にかかる負担は段階的に増加します。

日本の全携帯電話契約者数(2015年末)の内、スマホ利用率は72.2%にのぼります。この数字は今後もさらに増えることが予想され、このスマホ使用による頚椎の痛みも契約者数に比例して増加していくと予想されています。

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首すじの痛み予防・改善法

空を見上げる

日常的に起こっている症状に対しすぐに痛みが治るといういわば魔法のような改善や治療法は存在しません。大切なことは現在の身体の状態を把握し、しかるべきベストの対処をするということです。

病院へいこう

整形外科を受診し専門医師の診断を仰いでみましょう。症状の説明は元よりどういった対処法があるのかを聞いておくことは後々のセルフケアや運動療法に役立ちます。

あなた自身の首の骨の状態をレントゲンで示してくれるでしょうし、まずは今の状況をしっておくことは大切です。

また信頼できる柔整師や整体等の施術も症状によってはとても有効な治療法となり得るでしょう。

効果を実感するエクササイズ

痛いところが硬いからストレッチするというのは通説ですが、伸ばしたい筋肉ばかりに目を向けても効果は限定的です。

伸ばそうとする筋肉の反対側には必ず縮まる筋肉があって動作が成り立ちます。右の首が痛いのでストレッチをする場合、右の首すじを伸ばすことは誰でも知っています。しかし反対側である左の首がしっかり縮まなければ右の首すじはしっかりとストレッチされません。

ストレッチは「伸ばす」ことと、伸ばそうとする反対側の筋肉を「縮める」ことがセットになっているのです。その両方の動きに働きかけて初めてストレッチの本当の目的が達成でき高い効果を得られます。

右の首すじをストレッチする場合、まずは左側に頭を倒し左側の首すじが縮まることを確認しましょう。5~10回、その“確認作業”を行った後、今度は左手で右の頭を抑えてゆっくりと左に倒していきます。

こうすることで左の首すじはしっかりと縮まりつつ、右の首すじは効果的にストレッチされます。ちょっとのマメ知識でもその効果は目を見張るものがあります。

自分にしかできない姿勢改善

姿勢は日常生活で何十年もかけて培われたものです。いわばあなたの身体に染み込んだ習慣といってもいいでしょう。姿勢の大元となるのは骨格や骨の配列です。日本人は元々の骨の配列が欧米人等と違い不良姿勢になりやすい形態をしているのです。

骨格配列からしてそうなのですから姿勢を短期間で改善することは正直難しいでしょう。であれば「姿勢を良くしよう」という考えではなく「時々背伸びをしよう」ぐらいにとどめておく方が賢い考え方ではないでしょうか。

骨格形態や骨の配列の問題は治しようがありませんが、その周りにつく筋肉はしっかりと継続して刺激してあげることでその働きが大幅に変化します。

自分なりの無理のない範囲で、できれば毎日やるつもりで、姿勢を変化させると骨や筋肉にとって調度良い刺激となり、高い効果が期待できます。

しっかりした姿勢でなければ痛みはとれないというわけではなく、自分が伸ばしたいと思ったときにしっかり伸びてくれる身体を目指しましょう。もう少し気楽に今のあなたの姿勢と付き合うことが目的達成の第一歩と言えるでしょう。

空を見上げる

スマホやパソコン画面を見る時はいつも下を向いています。下を向くことで僧帽筋・肩甲挙筋・乳突筋等の首の筋肉が疲労するのですから逆に空を見上げてみるのはいかがでしょう。

1日に1回と言わずチャンスがあれば何度でも空を見渡すように背伸びをしながら見上げると首回りの筋肉だけでなく全身の筋肉が使われます。

ポイントは股関節ー鼡径部ー下腹部ー胸ー首ー頭と各部分をちょっとずつ同じくらいの割合で伸ばしていって緩やかな身体の反りをつくることです。こうすることで無理なく背伸びをしながら空を見上げることが可能です。

デジタル機器を使用した毎日の仕事や家事等の習慣化した動作がある以上、その行動を止めることはできません。とすれば毎日とる動きとは逆の動作をすることで身体は良い方に反応してくれます。

現代社会において空をじっくり見る機会は別の意味で非常に大切です。空を見ている時は深くゆっくりした呼吸になり、心に余裕やゆとりが持てます。深く長い呼吸は崩れていた自立神経失調症状を徐々に整え改善し筋肉の緊張を緩める働きがあるのです。

身体全体を調整する

木を見て森を見ずとは小さい物事に捉われず大きな視点で事象を捉えてみることです。首すじの痛みはそこだけの問題ではなく、身体全体の調整が必要な状態であることを理解しましょう。

姿勢改善の大元は骨盤にあります。骨盤がしっかりと立つことで身体の中心がどこにあるのかがしっかりと認識できます。身体の中心がわからなければ捻れや左右の高さの違い、曲がっているのか伸びているのか等がわからないのです。

姿勢をよくしようと胸をグッと張る人がいますが、それでは正直十分な効果を得られません。姿勢改善には骨盤を起こした姿勢が必要なのです。

座位であれば両足裏をしっかりと床につけ、お尻の骨である左右の坐骨上に上半身が乗るようにします。立位なら手のひらをお尻の盛り上がっている部分からウエスト付近にかけて何度もなぞっていくと骨盤が立ちやすくなります。

骨盤を起こすとその上の脊柱は本来の生理的彎曲を取り戻します。するとお腹まわり全体が伸びやすくなって下腹部に力が入りやすくなります。さらに胸郭が正常に膨らむことで浅かった呼吸が深くなり、こうなって初めて頭は無理なく身体の上に位置するというわけです。

実はこれが自然な姿勢の修正法なのです。

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まとめ:首の痛み

竹のしなやかさ

身体の構造上、首はどうしても外部から物理的な力に対する抵抗を余儀なくされます。さらに姿勢変化等の様々な要因により背骨の配列に余計な圧が加わり脊柱の動きが徐々に失われていく状態が関節の痛みを誘発します。

例えば風にたなびく竹はとても“しなやか”に揺れているように見えます。実は脊椎動物の骨は竹、特に若竹と同じようにしなやかに動く機能を備えています。

「しなやかさ」とは、大きく曲げても折れない粘り強さと、外力を取り除くと元に復元しようとする力の組み合せです。人の脊柱も竹と同じように大きく曲げても元に戻るしなやかさが元々備わっているのです。

せっかくあるこの高度な機能、是非、程よく使ってあなたの人生を充実した日々に変えていけるようご自身の身体の調整をしてみてはいかがでしょう。

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これらを読んでおきましょう。

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