筋トレって毎日するべき?効果はあるの?様々な理論や超回復についてを知ろう!

昨今は“マッチョブーム”もあり、ジムでウエイトトレーニングに講じる人をたくさん見かけます。特に筋骨隆々というよりは全体的に細マッチョ系で、胸・腕・体幹がシャープな人が好まれる風潮にあるようです。

そういった人達を中心に筋トレを毎日行うことの是非を問うと賛否両論あるようです。そもそも筋トレは毎日してもいいのでしょうか?ジョギング等の有酸素運動は毎日する人もいれば週3日と決めている人もいます。

筋トレの場合、毎日できないことはないけど、種目やトレーニング部位を変えたりといった工夫が必要でしょう。まかり間違って毎日同じ部分を刺激していたら、その効果は押して知るべしです。

本稿では筋トレを毎日する場合の是非について検証し、その効果を最大限に高める方法について解説していきます。

最後までお読みいただければ筋トレを効果的に行うためのヒントがきっと見つかり、充実したトレーニングライフを歩めるはずです。

筋トレX毎日の是非

苦しいかも!

『筋トレは毎日行うべきものではない』という専門家もいれば『ほぼ毎日実施している』という人もいます。果してどちらが正しいのでしょう?

毎日行う筋トレの是非、そこにはある条件が存在しているようです。

トレーニング頻度を検証

ひとつの部位に対するトレーニング頻度としては2ないし3日に一度のペースが筋肉の発達にとって最も効果的とする記事があります。また現場の経験者の話でも同じ部位を毎日することは推奨されません。

いわゆる“同じ部位・毎日”論では筋肉を回復させる時間を得られないばかりかケガのリスクが飛躍的に高まることがその理由です。仮に毎日実施する場合は鍛える部位を変えるというのがトレーニング専門家の考えです。

ただトレーニング強度が低く筋肉にとって微細な損傷を伴う程の重量でない場合、この限りではありません。10・20回を平気で9・10セットも挙げられるような持久力アップを目的とする回数であれば、2・3日続けようとなんら問題はないでしょう。毎日できるか否かの指標としては重量を含む負荷強度が問題となりそうです。

『休ませる』側と『休めない』側

筋トレは筋肉を一度壊すために行う作業であり、その作業があって初めて筋肉は成長していきます。一度壊した筋肉を元に戻すためには回復期間が必要になり、その期間は一般的に24~48時間と言われています。

例えば大胸筋をトレーニングしたら1~2日間はその部分は回復期なので同じようなトレーニングは効果がないというのが同部位のトレーニングを毎日しない側の主張です。これはトレーニングの効率性を考えると理にかなっているもので、疲労した筋肉に対し同じような質(種目・重量・回数)求めることが無理なのは明らかです。

もしそうであれば少し休ませている間に他の部分を鍛えた方が良いという発想がでてもおかしくありません。実際スポーツ現場やプロビルダーであれば分割法や休息を上手に使ってターゲットとする筋肉を休ませるやり方が一般的です。

ただサラリーマンや主婦等、自分以外の子供や家族に使う時間がとられトレーニング時間が限定されてしまう場合、例えば今日やったトレーニングを次にできる予定が立たない等の状況では、できるうちにやっておくことも致し方ないでしょう。その人の状況によってトレーニング形態も変わってくるということです。

疲労を蓄積させない

筋肉の超回復を考えれば毎日同じ部位を刺激することは色々と問題があるようです。そして回復期間に積極的な栄養摂取と積極的休養をとってこそ筋肉へのトレーニング効果が最大限に高まるため、疲労からの回復という点においても正論といえるでしょう。

積極的休養(アクティブレスト)は筋トレだけでなくスポーツ選手のコンディショニングアップルーティンとしても取り入れられています。そこには無理をすることの弊害の大きさと栄養・休息に関する知識や方法論の確立があります。

疲労の蓄積は筋肉の破壊からの修復が遅れるばかりか、精神的なストレスを溜め込んでしまうことが明らかです。さらに筋トレで言えば、同じ重量を挙げることが困難になってきたりといったパフォーマンスへの影響も懸念されるため、現代は身体を如何に疲れさせずに能力を最大に引き出すかが大きな課題というわけです。

様々な科学的根拠や現場の経験を踏まえると、筋トレを毎日実施することはマイナス要素が大きいと言わざるを得ません。鍛えるべき部位を日ごとに変えたり、数日休めたりしながら身体への十分な刺激を与えることが推奨すべき方法と言えるでしょう。

「超回復」理論とは?

筋肉

この現象については本当なのかどうか研究・学術分野と現場(ボディビルダー)とで大きな隔たりがあり、未だ解決に至っていません。

また日本と海外でも考え方に大きな違いがあるようです。

超回復とは?

しかし「超回復(SuperConpensation)」を知っているのと知らないのとではウエイトトレーニングの効果や進捗に大きな違いがでます。筋肉の成長はその時々に合った適切な負荷をかけ、失った(破壊された)筋を修復するための栄養を摂り、そしてその栄養が素早く最大限に体内の破壊された筋肉に行き渡るよう適度な休息を設ける必要があるのです。

この「負荷・栄養・休息」の3本柱をバランス良く設けることで筋肉は発達します。トレーニングによって一度微細な損傷状態となった筋肉は、十分な栄養と一定の休息(一般には24~48時間程度)をとることで、トレーニング前の状態より僅かに筋繊維が太くなって強くなる、これを「超回復」と呼びます。

研究者の間や一部の専門家の間ではこの「超回復」自体、正式な理論ではないと捉えるのが一般的です。しかし理論として確立されていなくとも、筋肉が「疲労して回復する」を繰り返すと徐々に筋肥大が起こることを経験を通して理解しているのです。

この現場における経験値により「超回復」“現象”は、ボディビルダーやアスリートの間でしっかりと認識されているという現実があります。筋トレを毎日行うかどうかについてこの超回復をベースとして考えるほうが理解しやすいでしょう。

筋修復の仕組み

栄養

筋トレを毎日やるか否かついて筋肉の修復面から考えてみましょう。筋肉はトレーニングをすることでミクロンレベルでの損傷が起こります。

この傷ついた部分の修復についてみていきましょう。

微細な傷から始まる

なぜ傷がつくかと言えば輪ゴムをイメージするとわかりやすいかもしません。輪ゴムをギューッと限界まで何度も引っ張っていると、その内引っ張られている部分にちょっとしたキズがついたりするはずです。同じように筋トレをしていると筋肉も極々小さい傷がつくわけです。

筋肉の正式名称を骨格筋といいます。骨格筋は何本もの「筋繊維(Muscle Fiber)」が束になったもので、本来とても弾性力(変形し元に戻る性質)があります。一本の筋繊維の中にはこれまたさらに細い「筋原線維(Myofibril)」が数百本も集まっていて、ひとつの骨格筋を形成しています。

吊り橋を作るときに使う太いワイヤーは数百本もの極細ワイヤーを束ねたものですが、骨格筋もそれとほぼ同じ構造をしています。筋肉につく極小の傷は通常この筋原線維につくものです。こうした微細な筋(正式には筋原線維)の損傷を修復し補うのがあなたが毎日摂る食事というわけです。

筋肉に必須な栄養素

骨格筋を作り上げる材料となるのがタンパク質です。タンパク質を如何に上手に必要量を摂るかが筋肉を大きくする秘訣といってもいいでしょう。たんぱく質は一度バラバラに“分解”しないと体内で吸収されません。食事をして体内で“分解”されたたんぱく質はアミノ酸と呼ばれます。

人間には体内で作り出せる「非必須アミノ酸」がありますが、それだけでは筋肉を新たに作り出す材料になりません。だから食物から摂取したタンパク質「必須アミノ酸」が必要なわけです。必須アミノ酸は体内で生成できないため食事やプロテインで補うのが一般的です。

必須アミノ酸の内、BCAAと言われる分岐鎖アミノ酸はバリン・ロイシン・イソロイシンのことであり、この3種だけで必須アミノ酸全体の35%を占めています。仮にBCAAが不足すると筋肉の分解が進んでしまうため、トレーニング後にサプリメントを摂取することは非常に効果的なのです。

その他の必須栄養素

炭水化物等の糖質は筋肉のエネルギー源として重要な役割を果します。糖質は体内で分解されグリコーゲンになり、筋肉や肝臓に貯蔵されます。身体を動かすときはこの貯蔵されたグリコーゲンがエネルギー源となるためタンパク質と同時に糖質の摂取は筋肉合成にとって欠かせないのです。

糖質は運動前後に関わらずある程度摂ることをお薦めします。アミノ酸を筋肉へ素早く、大量に摂りこむ働きもあるからです。ただ一定量を超えると余った分は体脂肪に変わるため注意が必要です。

B1・B2・B6・B12をビタミンB群と呼びますが、特にB6はたんぱく質分解を促進する働きがあり積極的に摂りたい栄養素です。またカリウム・ナトリウム・カルシウム・マグネシウムといったミネラルもタンパク質や糖質と同様、体組織合成やエネルギー転換といった代謝に関わる栄養素として必須の成分と言えるでしょう。

鉄は熱いうちに打て!

筋トレの前後、こうした栄養素をしっかり摂ることを心がけると筋肉はいわゆる“超回復”現象を経て太く強靭になっていくわけです。栄養素はそれを摂る時間も大切で、トレーニング前にエネルギーが枯渇しないよう摂取することはもちろん、トレーニング後30分以内の摂取がお薦めです。

トレーニングをすると筋肉の微細な損傷がある変わりに血流も促進します。栄養素はこうした血流にのって各々の骨格筋に修復を促す酸素と一緒に運ばれるため、血流アップが望めるトレーニング直後が、アミノ酸の吸収を最も効果的に高める“ゴールデンタイム”というわけです。

この時は筋肉がパンプアップ(筋細胞が最も活発に活動した直後、老廃物が溜まりエネルギーが切れて熱感が高まる状態)状態になっており、体内の血流アップ共に栄養吸収状態が一層高まります。例えて言うのなら筋肉が『はやく食事にしてくれ~!」と叫んでいるわけです。

こうした筋肉の回復期間の過ごし方が筋肉を成長させる大きな要因となり、この期間に起こる筋肉のさらなる成長を“超回復”と呼びます。超回復は初心者だけでなく経験者にとっても、栄養補給と休息が筋肉を大きく強靭にするために必要なことであると、気付かせるきっかけともなるのです。

効果的な筋トレルーティン

トレーニング

筋トレの効果を飛躍的にアップさせたいのであれば、カギはやはり栄養と休息を入れるタイミングでしょう。

そしてトレーニングの内容についてもどういう方法を選択するといいのかが大きな要因となりそうです。

分割法

筋トレをするエリアをいくつかに分ける方法です。例えば上半身(前面)、上半身(裏面)、下半身と3部位に分けると中2日(ないし1日の休息日を挟んだとしても)中3日となり、特定部位への休息日を48~72時間とることが可能です。

1日目は上半身前面の大胸筋・腹直筋・三角筋等を刺激するベンチプレスやショルダープレス等を中心に据えます。2日目はスクワット・エクステンション・カールを中心とした四頭筋、ハムストリング等の下半身メニューとします。そして3日目は上半身の背部を中心として広背筋・起立筋と肩甲骨周辺を刺激するといった具合です。

2日目・3日目は場合によっては内容を交代させることで上半身の集中的なトレーニングにすることも可能でしょう。身体の調子によって限界まで追い込む場合は通常通りのルーティンでメニューを組むことが基本です。

上級者になればより一層の筋肥大を目的として期分け法(ピリオダイゼーション)を利用するのも効果的です。特定期間(週毎も可)に特定の部分を集中的に鍛える意味でピリオダイゼーションをする場合もあり、目的に合わせたメニュー作りが可能となります。

栄養補給の目的を知る

例えば筋肥大を目指そうとする人が、ダイエット効果を謳うサプリメントを摂取していても意味はありません。運動をすることで痩せようとする「運動(優先)ダイエット」にはその目的に合致したサプリメントを選択すべきです。

ダイエットには規則性を持った食事制限や代謝量を挙げて摂取カロリーと消費カロリーのバランスを変える必要があります。さらに適切なトレーニングメニューの確立と一定のペースを重視した継続、が基礎代謝を高め体脂肪率を効果的に減らすことになるのです。

筋トレのルーティンとして損傷した筋肉の回復期に栄養と休息を適度に摂るという基本的な考えを忘れてはなりません。そういった意味でトレーニング後に食事をすぐに摂れる状態でもない限り、栄養補給はプロテインやサプリメントで賄うのが理想的でしょう。

可能であれば自分のトレーニングスケジュールに合わせた形でのプロテイン・サプリメント選びをお薦めします。例えば筋肥大を目的とする場合の期分けでは準備期・導入期・試合期・回復期等によって栄養の摂り方も変わるため、プロテインの成分を考慮しながらいつどんなたんぱく質を摂るのかを決めることが望ましいでしょう。

プロテイン・サプリメントを上手に利用する

運動によって損傷した筋肉の栄養はタンパク質が体内で分解されたアミノ酸です。市販されているプロテインは体内で生成されない必須アミノ酸を多量に含み、身体作りに必要なその他の栄養素も豊富に含有されています。

プロテインはたんぱく質を分解された状態で摂取できるため、吸収率も食事と比べ格段に高く、筋肉の直接的な栄養としては最適です。摂取量の目安は1日、体重1kgあたり2gです。60kgの人なら120g/日は摂ってほしいところでしょう。

トレーニング初心者には馴染みが薄いかもしれませんが、経験者やアスリートが自前のシェイカーを持っているのは今では常識です。彼ら/彼女らはトレーニング直後にプロテインやサプリメントをすぐに摂取できるよう準備しているのです。

血流量が増し筋肉への到達時間が短縮されているトレーニング直後は必須アミノ酸含有率の高いプロテインやサプリメントを補うことで吸収率が一層高まります。筋肉への効率的な栄養補給としては最高のタイミングである“ゴールデンタイム”というわけです。

最大の労力を!

単に限界(または限界に近い)の重量を持ち挙げよ!という意味ではありません。あなた自身が設定した目標に近づくためのトレーニングプラン内で、その時にできうる限界域まで肉体を追い込んでくださいという意味です。

トレーニングの目的は筋原線維に微細な損傷を付ける程度の強度で行うことです。そうしないと筋肉は摂りこむべき栄養素を十分に吸収しないからです。必要がないのにわざわざ労力を使ってまで無駄な努力はしません。脳が「吸収する必要がある」と判断するためには運動強度の設定がカギとなります。

まとめ:筋トレX毎日

トレーニング2

筋トレは筋への“超回復”を促すために必要な一定量の栄養素と、24~48時間程の休息が必要です。トレーニング効果を出すために毎日同じ箇所を刺激するのは理論上正しいとは言えません。

筋トレは扱う重量も大切ですが、トータルで見るその内容(質)について考慮するべきでしょう。仮にウエイトが使えない環境であれば、自宅でプッシュアップ等の自重を利用するなどの代替え案も必要です。

負荷強度を限界に高めるとことで栄養と休息の効果が一層引き立ちます。毎回同じペースでは筋肉への刺激が不足するため限界まで追い込む強度設定も時には必要となり、その後の栄養・休養効果が高まります。

筋トレを毎日実施するのであれば分割法を利用し3部位に分けて3日に1度のトレーニング頻度とすることが望ましいでしょう。

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