腰痛の原因となる筋肉を知ろう!それらの筋肉を鍛える方法を知って予防しよう!

腰痛、それは日本人に最も馴染みの深い痛みのひとつではないでしょうか。それほどこの「腰の痛み」は日本人に最も発症しやすい症状だと考えられます。腰痛に悩む日本人は近年、年間1000万人を超える勢いです。約10人に1人が腰に何らかの問題を抱えているということになります。

例えば職場における病気やケガである業務上疾病の発症率で、腰痛は年間600件近く発生しており、全体の約60%を占める計算です。なぜこんなにも「腰痛」は日本人に多いのでしょうか?その原因を探ることで少しでもあの「痛~い、嫌な違和感」を回避できる可能性があります。

そこで本稿では腰痛の原因と対策を検証し、最も関係の深いと思われる「筋肉」との関係性の観点から腰痛にならないための基本的な知識を身に付けてみましょう!

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腰痛の種類と特徴

腰が伸びない!

一般的な腰痛は多くの場合、慢性腰痛とか腰痛症等と呼ばれています。日頃から鈍痛があり痛みとなんとか付き合いながら生活しているケースが多くみられます。原因や症状等の不確定な要素が多い為、単に「腰痛」と総称名で呼ばれています。

しかし症状、骨や筋肉等の物理的外傷や欠損が発見された場合にはしっかりと病名が付く様々な特徴のある腰痛もあります。ぎっくり腰である「急性腰痛症」もその一つであり、他には椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症・分離症等があります。

腰痛になると身体はどうなる?

急性腰痛症の場合、鋭い痛みがありさらに腰の伸び縮みができないため身体が思うように動かせません。身体を屈(かが)めていることで何とか痛みの出現を回避するような状態です。

一方慢性腰痛では鈍痛(どんつう)が腰の各所で出現します。特に下背部(かはいぶ)から臀部にかけての痛みが顕著です。

腰痛になると「筋スパズム」と言われる筋肉の持続的な緊張が起こります。特に急性期の腰痛を発症した際におこるケースが多く報告されています。筋スパズムは脳があなた自身の意思とは関係なく直接腰痛の原因となる患部に指令を出し、これ以上無理して動かないよう筋肉を固めてしまう状態です。

「スパズム」が起こると筋肉が動かなくなるわけですから、痛みを軽減できません。その分回復も遅れてしまうのです。

特に急性腰痛症等はこの「筋スパズム」が起こりやすいため、早期の治療を施してこの筋硬化を改善する必要があります。

脊柱管狭窄症・椎間板障害

背骨を構成する椎骨(ついこつ)は①椎体と②椎弓(ついきゅう)の2つからできていますが、断面を観ると①と②の間に椎孔(ついこう)という空胴があります。脊椎は24個連なっていますから椎孔は24個分の骨の連なりでちょうど縦型のトンネルのようになっていて、そこを脊柱管と言います。

脊柱管には脊髄神経(せきずいしんけい)が通りその脊柱管が狭窄(きょうさく)、つまり狭くなり神経に当たることで痺れや重だるさがでる症状を脊柱管狭窄症といいます。

椎間板(ついかんばん)とは椎骨の間に23個ある円盤状の繊維軟骨(せんいなんこつ)のことです。椎間板は頭の重さと重力によって椎骨間が押しつぶされるのを防ぐ【クッション】の役割で衝撃を【吸収・分散】させています。

ジェルの入った袋状のクッションをイメージするとわかりやすいでしょう。そのクッションが背骨の間にあって圧力をコントロールして椎骨同士が直接当たらないようにできています。

この椎間板の形が変わってしまったり、“袋”が破けて中の“ジェル”がでてきてしまうことを椎間板障害といいます。袋からでてしまった“ジェル”が脊髄神経に当たって脚に痺れや重だるさ、そして痛みがでる症状を椎間板ヘルニアと呼んでいます。

腰椎の変性・骨盤の位置変化

腰痛のメカニズムでは腰椎に起因する問題が比較的多く起こります。

脊柱を構成する脊椎の椎体・椎弓間はいわば橋を二つかけてつないでいるようなもので、外部圧力に対しては比較的弱く亀裂が入ったり骨折することがあります。

特に腰椎を真横からみると椎体・椎弓間が『スコティッシュドック』の首のようにみえます。ちょうどこの首の部分に亀裂が入ることを「腰椎分離症」、骨折して斜め下方向にズレる状態を「腰椎分離症」と呼びます

また後ろに転倒し尻もちをついた際に起こるのが圧迫骨折です。脊椎同士に強い衝撃が瞬間的に加わり最も圧の高い部分が潰れたり、変形する症状です。

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腰痛のメカニズムと原因

腰痛のメカニズム

腰痛の原因としては背骨や骨盤の捻れ・腰周りの筋肉の疲労、ストレス、内蔵疾患など様々ですが、軽度から重度まで全て合わせると日本人の9割が一生に一度腰痛を経験すると言われる程、その頻度は高いのです。

骨と筋肉の協調

大げさに言えば四足歩行から二足歩行へと変わった時点で人類は腰に多大なる負担をかけることを決断したといってもいいでしょう。二足歩行になり上半身の自由度が増したことで高等な文明を築き上げた人類ですが腰痛の対策は不十分でした。

身体の中心である脊柱はその特殊な繋がりから非常に良く動く多重関節であり、活発に動くが故に周りの筋肉や組織が連動してしっかりと“支え”にならなくてはなりません。

しかし現代の生活は運動不足の習慣を奨励するかの様な仕事や日常生活の忙しさであったり、ストレス社会のため筋肉が衰え、硬くなり、動きづらくなり疲労性腰痛などが起こる悪循環がそこかしこに存在しています。

脊柱はその自由度により他の誰(周辺の筋群や組織)もサポートのない状態で動かざるを得ないのです。脊柱を支えて一緒に動くべき筋肉の働きが悪化することが腰痛の最大の原因といえます。

つまり脊柱と筋肉・他の組織が協力して働けば腰を痛める危険性は低くなるのですがそれを知っている人はまだまだ多いとはいえません。

日常生活の変化による身体の機能低下

筋肉疲労や運動不足によって柔軟性が低下します。特に股関節やお尻の硬さが顕著な場合、筋筋膜性腰痛等を引き起こす場合があります。また足裏やふくらはぎ、さらに腿裏の硬さも腰痛と関連します。

股関節の外旋に関わるお尻の筋肉が硬さが原因となる「梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)」や土踏まずの硬さで起こる「足底筋膜炎(そくていきんまくえん)」も腰痛症を引き起こします。

肩こりも腰痛と無関係ではありません。猫背になっていると頭が前にでて前屈みになり腰筋の動きもなくなり運動不足の様相を呈するからです。

仕事でデスクワークが多く運動不足になると太りやすくなります。肥満の指標であるBMI(体格指数)が健康診断等で使われるのもそのためです。また家の作り等も変わり便利になった道具のお蔭で家事などの負担もぐんと減りました。

こういった日常生活の変化により骨格や筋肉の動きが活性化せずさらに身体が動かなくなるという悪循環に陥ってしまうのが現代生活の特徴のひとつでもあります。

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腰痛に関連する筋肉

腰の筋肉を鍛える

身体を支え動かすためには筋肉の存在は欠かせません。腰痛もしかりで腰の骨(腰椎)や体重そのものをしっかりと支えてダイナミックな動きをするために必要が筋肉が存在します。

腰痛に関わる筋肉(腸腰筋)

腸腰筋は大腰筋と腸骨筋で構成されインナーマッスルとも呼ばれています。大腰筋が背骨から骨盤を介して股関節端についている一方、腸骨筋は骨盤の内側全体から大腰筋と同じ股関節端についています。

この二つを合わせて腸腰筋と呼び、体幹を安定させて腿(脚)をあげたり動かしたりする役割を担います。この動作、実は大人の場合日常生活ではあまりありません。ただ歩いたりするだけでなく速歩や走る動作といったしっかりとした動きが必要なのです。

腰痛に関わる筋肉(その他)

腹斜筋には外腹斜筋と内腹斜筋があり、いわゆる腹筋群の一部です。深部筋である腰方形筋と共に身体を捻じったり横に倒したりする場合に使われます。

体幹にある脊柱起立筋は抗重力筋とも言われ、地球の中心に向かって働く重力に対抗するため身体が前後左右にブレないよう安定させる筋肉です。重い鉄骨を持ち上げるクレーンのケーブルと同じような働きがあります。

この他、腿挙げに関わる大腿直筋・大腿筋膜張筋、股関節を後方に引く大殿筋は腰や股関節の安定性に関わる重要な筋肉群です。

腰痛に関わる組織(筋膜)

実質筋肉と同等の働きを有する筋膜は筋肉を包む膜のことであり、筋肉を様々な方向に動かしても痛まないように保護しています。しかし疲労等が重なることで「筋筋膜性腰痛」を発症しトリガーポイントと呼ばれる別の場所にコリや張りを発生させる原因となる組織です。

腰痛になると凝り・張りがでるポイント

中臀筋・小殿筋、大転子直上の凹み、ハムストリング起始部筋腱移行部、腸脛靭帯、腓腹筋・ヒラメ筋、胸腰筋膜、PSIS(上後腸骨棘)、内腹斜筋等は腰痛によって筋肉の硬化が起きる場所です。

慢性腰痛でも、特定腰痛疾患でも総じて硬くなる箇所がこういった筋肉や組織であり、その硬さを改善していくことで驚くほど日常の動きが改善されていきます。

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腰痛の対策方法

腰痛対策

「腰が痛い!でもちょっと我慢すれば明日には・・・」的な考え方では、仮にその場で痛みが軽減したとしてもまた再発のリスクが高まるでしょう。

痛みがある程度コントロール(軽減)されなければ身体もしっかりと動かせません。また現在の予防法は一昔前のように腰痛になったら「腹筋背筋をやっておけ」という考え方ではないのです。痛みがある、または酷い場合はしっかりと対処することが必要です。

専門医を受診

単なる腰痛だと軽視せず専門医を受診ししっかりとした治療やアドバイスを受けましょう。

急性腰痛の場合、問診・診察・X線検査、さらに必要であればMRI等の画像診断を用いて腰痛の原因にあった治療を施します。痛みを抑えるために即効性のある痛み止め(鎮痛剤)が処方されるケースもあるでしょう。

痛みがある程度まで下がれば身体も動かせるため筋スパズムも徐々に改善し早い回復が見込まれます。

ストレッチ

固まって動きづらくなっている筋肉を【伸ばす・緩める・解す】という観点からストレッチは非常に有効な腰痛対策となります。

腰痛との関連でいえばハムストリング(腿裏:ももうら)・臀筋群・下背部(かはいぶ)は最も重視する場所となります。

この内ハムストリングと起立筋を含む下背部は筋肉が身体と並行に付いているので、足(脚)と顔を近づければ伸ばされるようになっています。一方臀筋群は身体に対して斜め下方向に付いているため、直角に曲げた膝を顔の方に近づけることで筋肉がしっかりと伸ばされます。

このように筋肉の付き方によって足と顔を近づける角度や方向を微妙に変えることでしっかりと伸ばされ・緩められ・解されます。

また足裏と脹脛(ふくらはぎ)の伸びは腰の動きに関係することから常にケアをしてあげることも大切です。青竹(石)踏みや等で足裏が痛い場合は腰痛のリスクも高まりますので注意をしてください。

筋トレ(レジスタンストレーニング)

筋トレはある意味で「体幹トレーニング」の一種ですが特定部分の筋肉をしっかりと刺激できる特性を持っています。

例えば、うつ伏せ(腹臥位:ふくがい)になり首に負担がかからないよう顔を横に向け

  • ①脇の下までの右腕
  • ②脇の下までの左腕
  • ③股関節までの右脚
  • ④股関節

までの左脚を順番に床から離してゆっくり10秒程数えます。

仮に①と④、②と③の組み合せや、①と②、③と④の組み合せです。

大切なことは腕や脚を挙げる感覚でしないことです。あくまで「床から離す」、つまり腕や脚を1~2cm程度挙げるだけという感覚を持つことが大切です。

体幹トレーニング

単に柔軟性を高める、筋肉を鍛える等の対処法では実は限界があります。確かに腰痛対策にはなるのですが、根本的な予防法ではありません。それはこれらの対策が単に部分的であり、身体の一部分を刺激するだけのものだからです。

しかし体幹トレーニングはその点で少し違います。身体、特に体幹を含む隣接する大きな関節まで関わってくる身体の操作法です。

別名、コアトレーニングとも呼ばれ胴体内部にある深部筋群という少々特殊な筋肉を働かせるために開発された運動法です。身体の奥の方にあり中々思い通りに動いてくれない大腰筋や腸骨筋、内腹斜筋・多裂筋といった筋肉が深部筋です。

体幹トレーニングにはプランクという身体を一枚の板のように真っ直ぐにする種目があります。実はそのプランク姿勢が難しく、ちょっとでも位置が悪いと関節がしっかりと安定せずに使われてしまい運動効果がたかまりません。

理想的なプランク(コアトレ)は股関節内の適度な圧迫力によって関節がニュートラル(関節が最も安定して働く)に位置させておくことです。

マッサージ

慢性的な腰痛の場合は整骨院や治療院での治療も効果的です。特に痛みをコントロールする、筋肉を解して動きやすくする等といった目的であれば治療法がしっかりと確立されているため十分対応可能でしょう。国家資格を有する柔道整復師や鍼灸按摩マッサージ師であれば慢性腰痛の大半は対応してくれます。

セルフマッサージも少し視点を変えるだけで驚く程の効果を発揮してくれます。例えばちょっと硬めボールを使い自分の体重をかけることでマッサージ効果を高める方法もあります。

誰かに指や肘で押してもらうのではなく、半固定された突起物の上に痛い部分をのせて体重をかけるというやり方を発展させた健康器具も販売されていますので、セルフマッサージが非常に簡単にできてしまいます。

日常生活

毎日の活動量をコントロールしましょう。しっかり、または適度に動く習慣があれば筋力低下による腰痛の出現は十分予防することが可能です。

今流行!?の「ながら運動」、掃除や洗濯等の家事や子供と公園で積極的に遊ぶなどでも十分な効果は得られるのです。

身体の使い方を学ぶ

様々な対処・予防法がある中で最も大切なことは、腰を痛めないような上手な身体の使い方を習得することです。

そのためには身体が自分が思った通りに動かなければなりません。脚を挙げたつもりが思ったほど上がっていなかったり、ものすごく伸ばしたと思った脚が見たらそれほどでもなかったり。そういった経験があるのは自分の身体が自由に動かない証拠なのです。

姿勢

姿勢の改善も重要な予防策のひとつです。特に背骨が連なる脊柱の「生理的彎曲」がしっかりできているかどうかは腰痛の発症を防ぐ意味で大切な要素です。

昨今は様々な健康器具等が開発され、身体の機能を改善したり回復したりするのに貢献しています。ストレッチポール等の体幹を伸ばせる道具を使うことで、猫背や側彎といった姿勢の改善も徐々にではありますが可能でしょう。

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腰痛と筋肉:まとめ

QOL日常生活

腰痛を語る際、元となる脊椎、そしてその周りにありその脊柱をサポートする筋肉の存在は欠かせません。骨の配列が正しく自然な動きを獲得できて、筋肉がしっかりと働いていれば腰痛は恐れることはないのです。

しかし現代の生活ではデスクワークを筆頭に身体を動かさない日常はたくさん存在し、意識して動かなければ運動不足は免れません。

腰痛を予防する上で大切なことは、腰に負担をかけても大丈夫なことを知っておくことです。知識はなくて損はしても、あって損することはありません。そのためには予防法を知っておくだけでなく、自分にあった対策を適切に実践し継続していくことが重要です。

身体の“要(かなめ)”である腰が健康なら日常生活もさらに楽しく充実したものとなるはずです。

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