女性の美しさの要素の一つである美脚は、ただ単に太もも(太腿)から足首までが細ければ良いというものではありません。
美脚とは、おしりのヒップラインから大腿部・膝・ふくらはぎ・足首までのプロポーションが美しいことを言い、適度な筋肉がついたメリハリのあるライン・脚線美であると言えるでしょう。特に、スカートから露出することの多いふくらはぎのラインは、美脚・脚線美の印象に占める割合が大きくなっています。
この点、ダイエットに取り組んでいる女性の多くは、太ももやふくらはぎが太くなってしまうことを懸念して、下半身を鍛えることを避ける傾向にあるようです。
しかしながら、実はふくらはぎの鍛え方には、筋肉をつけつつも太くなりにくい方法があるのです。しかも、ふくらはぎを鍛えると、様々な副次的効果・メリットも期待できるのです。
そこで今回は、ふくらはぎを鍛えることで得られる効果や美脚を手に入れるためのふくらはぎの筋トレ方法などについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
ふくらはぎを鍛えることで得られる効果・メリット
足のふくらはぎを鍛えることは、適度な筋肉を身にまとうことにより美脚・脚線美を得られるだけでなく、女性にとって嬉しい様々な副次的効果・メリットをもたらしてくれます。
そこで、まずはふくらはぎを鍛えるモチベーションをアップしていただくためにも、ふくらはぎを鍛えることで得られる効果やメリットについて、ご紹介したいと思います。
美脚効果
美脚とは、お尻のヒップラインから大腿部・膝・ふくらはぎ・足首までのプロポーションが美しいことを言います。
そして、おしりから足首までが美しいプロポーションとは、太腿やふくらはぎに適度な筋肉がつきメリハリのあるラインであることが必要と言えるでしょう。特に、ふくらはぎのラインは、スカートから露出することの多い部位であることから、美脚・脚線美の印象に占める割合も大きくなります。
たしかに、近年の女性モデルや女性タレントの中には、非常に痩せていて足が棒のように細い人も存在します。しかしながら、棒のように細い足は、女性同士の間で憧れの対象となることはあっても、多くの男性にとっては女性らしさを感じにくいと言われています。男性が本能的に目を奪われてしまうのは、やはり適度な筋肉と脂肪がついて足が本来有するメリハリの効いたラインなのです。
ですから、ふくらはぎを適度に鍛えることで、女性らしさのある美脚を手に入れることができるのです。
基礎代謝の向上とダイエット効果
ダイエットのポイントとなるのは、エネルギー消費量です。人のエネルギー消費量の内訳は、生命を維持するために臓器・脳・筋肉などが消費する基礎代謝量が6~7割を占めるとされています。この他に日常生活や運動などで消費する活動代謝量として2~3割、食事誘発性の熱産生で1割程度を消費します。
ふくらはぎに限らず筋肉をつけることは、基礎代謝量を向上させることにつながりますので、よりエネルギーを消費しやすい身体になります。つまり、筋肉を適度につけることは、痩せやすい体質へ変わることを意味します。
このようにエネルギーを消費しやすい身体で、エネルギー摂取量を上回るエネルギー消費をすれば、体内の体脂肪がエネルギー源として利用されますので、ダイエット効果があると言えるでしょう。
足のむくみの解消効果
ふくらはぎを鍛えて適度に筋肉をつけることは、足のむくみを解消する効果も期待できます。
そもそも足のむくみとは、血流が低下し血行不良の状態になることで、停滞した血液から水分が血管外に浸み出すことで発生します。そして、足のむくみを訴える女性の多くが、ふくらはぎの筋力不足である傾向があるのです。
これは、特に心臓から最も遠い足における血流維持の仕組みに関係があります。心臓から遠い足の部分では、心臓のポンプ作用だけでは血液を押し流す力に限界があり、それを補う筋ポンプ作用によって血流を維持しています。すなわち、ふくらはぎなどの筋肉収縮の動きによって血管に圧力がかかり、それによって血液を心臓方向に押し流す働きが筋ポンプ作用なのです。それゆえ、男性に比べて筋肉が少なく筋力不足に陥りがちな女性は足がむくみやすいのです。
ですから、女性がふくらはぎなどの足の筋肉を適度に鍛えることにより、筋ポンプ作用が正常に機能して血流が改善する結果として、足のむくみを解消することができるというわけです。
血流改善による冷え性の改善効果
このようにふくらはぎを鍛えることは足のむくみの解消効果をもたらしますが、筋ポンプ作用による血流改善によって冷え性の改善効果も現れます。
そもそも足先や手先など四肢の末端が冷える原因は、血流低下・血行不良にあるとされています。本来ならば温められた血液が足先や手先まで循環することにより、四肢の末端まで栄養や酸素に加えて熱も届けられます。しかしながら、特に足については心臓から遠いこともあり、ふくらはぎの筋力不足などによって血行不良となり血液が停滞してしまうと、足のつま先などに栄養・酸素・熱が届かず異常に冷えてしまうことになるのです。
ですから、女性がふくらはぎなどの足の筋肉を適度に鍛えることにより、筋ポンプ作用が正常に機能して血流が改善する結果として、足の冷え性を解消することができるのです。
筋肉についての基礎知識
このように足のふくらはぎを鍛えることには、美脚効果を得られるだけでなく、女性にとって嬉しい様々な副次的効果・メリットがあることを、お分かりいただけたのではないでしょうか。とはいっても、筋トレを行うことによって、必要以上に足に筋肉がついて太くならないようにしたいのが女心というものです。
そこで、美脚に効果的なトレーニングをするためにも、まずは理解しておくべき筋肉についての基礎知識をご紹介したいと思います。
二種類の筋線維タイプ
筋肉は数多くの筋線維(筋繊維)が集まって構成されており、その筋線維には二つのタイプが存在しています。その筋線維の二つのタイプとは、遅筋(遅筋線維・赤筋)と速筋(速筋線維・白筋)です。
このような遅筋と速筋という筋線維タイプの違いは、筋肉を動かす際のエネルギー源・筋力の性質・筋肥大の仕方などに現れます。
ただし、人の筋肉が遅筋と速筋に明確に区別されるわけではなく、筋肉を構成する数多くの筋繊維に遅筋線維と速筋繊維が混ざって存在している点には留意しておくべきでしょう。
遅筋(遅筋線維・赤筋)
遅筋線維は、解剖をすると肉眼で赤く見えることから赤筋とも呼ばれる、持久性に優れた筋線維タイプです。遅筋線維が発達した筋肉は瞬発力には欠けるものの、高い持久力を有して長時間持続的に動き続けることができるのが特徴です。
遅筋を動かすためのエネルギー源は、主に脂質とされています。体脂肪を分解した脂質を酸素と結合させて燃焼させることにより、継続的にエネルギー供給が行われます。また、遅筋は速筋と比較して筋線維の収縮スピードが遅く、生み出される出力は小さいものの、その分疲労しにくく持続的に動き続けることが可能になります。さらに、遅筋は持続的に動き続けるためにも身軽である必要があり、鍛えても筋肥大しにくく筋肉を太くさせないのです。
このように遅筋が鍛えられると、持久性に優れつつ、しなやかでスリムな筋肉となります。分かりやすく言うと、遅筋の発達した筋肉は、いわばスリムな長距離ランナーをイメージすると良いかもしれません。
速筋(速筋線維・白筋)
速筋線維は、解剖をすると肉眼で白く見えることから白筋とも呼ばれる、瞬発性に優れた筋線維タイプです。速筋線維が発達した筋肉は持久力には欠けるものの、高い瞬発力を有して短時間の間に大きな力・パワーを生み出せるのが特徴です。
速筋を動かすためのエネルギー源は、主に糖質とされています。糖質は基本的に食事から摂取されるもので、体内で余剰となれば脂肪に変換されて体内に蓄えられるので、エネルギー源としての継続的供給には限界が存在します。
また、速筋は遅筋と比較して筋線維の収縮スピードが速く、大きな出力を得られますが、その分すぐに疲労してしまいます。さらに、速筋は大きな出力・パワーを生み出すためにも、負荷を与えて鍛えると徐々に筋線維が太くなる筋肥大を生じるため筋肉が大きく太くなります。
このように速筋が鍛えられると、瞬発力に優れた大きく太い筋肉へと変化します。分かりやすく言うと、速筋の発達した筋肉は、いわば筋骨隆々な短距離ランナーをイメージすると良いかもしれません。
美脚を手に入れるためのふくらはぎの筋トレ方法
このような遅筋と速筋というタイプの違いを踏まえて、美脚を手に入れるためには、どのようなトレーニングをすれば良いのでしょうか?
そこで、美脚を手に入れるためのふくらはぎの筋トレ方法について、ご紹介したいと思います。
遅筋を中心に鍛える
足のふくらはぎを鍛えると、美脚効果を得られるだけでなく、女性にとって嬉しい様々な副次的効果・メリットがあることは前述の通りです。しかしながら、筋トレを行うことによって、必要以上に足に筋肉がついて太くなってしまうことは、女心として受け入れることができませんよね。
ですから、美脚を手に入れるためには、鍛えても筋肥大しにくく筋肉を太くさせない遅筋を中心に鍛えるようなトレーニンをすればよいのです。そして、有酸素運動や軽めの負荷による筋トレで回数を多く実施すると、遅筋を鍛えることができるとされています。
具体的には、次のようなトレーニング・筋トレ種目・筋トレメニューを実施すると良いでしょう。
- 有酸素運動(ウォーキング・ジョギング)
- カーフレイズ
- シーテッドカーフレイズ
有酸素運動(ウォーキング・ジョギング)
前述したように遅筋は、脂質と酸素を燃焼させることで動きます。それゆえ、遅筋を鍛えるための方法として、有酸素運動は非常に相性の良いトレーニング方法だと言えるでしょう。
有酸素運動はウォーキング・ジョギング・ランニングの他にも、水泳・サイクリング・エアロビクスなど様々なスポーツやエクササイズが該当します。そのような数ある有酸素運動の中でも、ふくらはぎの遅筋を鍛えるという観点では、ウォーキングやジョギングがおすすめです。
ウォーキングやジョギングは歩行速度・走行速度が速くないので、負荷が軽いため比較的長い時間継続して実施すると、遅筋を鍛えることにつながります。
カーフレイズ
カーフレイズという筋トレ種目は、ふくらはぎの筋トレ方法の中で最も代表的なトレーニング方法と言っても過言ではないでしょう。
カーフレイズは、器具やマシンが不要で自分の体重を利用した自重トレーニングですので、ちょっとした台と身体を支えるための壁さえあれば、自宅でも簡単に実施できる筋トレ方法です。
カーフレイズの手順
①足関節・足首を上下に可動させることができる階段のような台の上に足先で立ち、②両手を壁やバーにつくなどして身体のバランスをとります。そして、③背筋を伸ばして良い姿勢を保ちながら、ゆっくりとつま先立ちになるように身体を引き上げて数秒キープし、④今度はゆっくり身体を下げて、踵(かかと)が台上の表面から下に位置するように足首を鋭角に曲げます。
このような③と④の動作を15~20回で1セットとして、2~3セットゆっくりと繰り返します。
カーフレイズで押さえるべきポイント
重要なポイントは、背筋を伸ばして胸を張り、重心が前方に傾かないように手と壁でバランスをとることと、あくまでもゆっくりと足を上下させて反動を利用しないようにすることです。
ちなみに、カーフレイズは筋トレ種目の中でもアイソレート種目(単関節種目)に分類され、一つの関節動作(足関節・足首)と狭い範囲の筋肉(ふくらはぎのヒラメ筋と腓腹筋)を鍛えるにとどまるため、他の部位が太くなるといったことはありません。
シーテッドカーフレイズ
シーテッドカーフレイズという筋トレ種目は、椅子やベンチに腰掛けて実施するカーフレイズのことです。
シーテッドカーフレイズでは腰掛けて実施するため安定性があり、カーフレイズのように重心や身体のバランスに気を配る必要がなく、よりふくらはぎに意識を集中して鍛えることが可能になります。
シーテッドカーフレイズの手順
①椅子やベンチに浅く腰掛けて姿勢を正し、足は肩幅程度に開き、膝関節は90度になるように調節します。②安定した5~10センチ程度の台を用意し、踵(かかと)は地面に付けながら足のつま先が上を向くように台に乗せる体勢をとります。そして、③膝の上に手で軽めのダンベルを置き負荷をかけて、ゆっくりと台上につま先立ちになるように足を引き上げて数秒キープし、④今度はゆっくり足を下げて、踵(かかと)が台上の表面よりも下になるように足首を鋭角に曲げます。
このような③と④の動作を15~20回で1セットとして、2~3セットゆっくりと繰り返します。
その他の筋トレ方法
ここまでご紹介したようなトレーニング方法の他にも、ふくらはぎを鍛える筋トレ種目はあります。
例えば、階段1段分程度の高さの台を用意して両足でジャンプして乗り降りを繰り返すボックスジャンプという筋トレ種目があります。ただし、ボックスジャンプは、どちらかというと速筋を鍛えるトレーニング方法と言えます。
また、脚部・下腿の筋トレ方法として最も有名なスクワットも、ふくらはぎのトレーニング方法として挙げられます。スクワットは、筋トレ種目の中でもコンパウンド種目(多関節種目)に分類され股関節・膝関節・足関節とこれらの関節につながる幅広い筋肉群(大腿筋・ハムストリングなど)を鍛えることができます。
スクワットの注意点としては、フォームと膝関節を曲げる角度に気を配る必要があり、無理をすると膝関節などを痛めることになりかねません。それゆえ、太腿やふくらはぎの引き締めという目的ならば、膝関節を曲げる角度を浅くとどめ、負荷を軽くして回数とセット数を増やすと良いでしょう(15~20回1セットで2~3セット)。
まとめ
いかがでしたか?ふくらはぎを鍛えることで得られる効果や美脚を手に入れるためのふくらはぎの筋トレ方法などについて、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、ダイエットに取り組んでいる女性などは、太ももやふくらはぎが太くなってしまうことを心配して、下半身を鍛えることを避ける傾向にあるようです。しかしながら、女性の美しさの要素の一つである美脚は、おしりのヒップラインから大腿部・膝・ふくらはぎ・足首までのプロポーションが美しいことを言い、適度な筋肉がついたメリハリのあるラインだと言えます。
ですから、筋肉の性質を理解して、筋肉が太くならないようなトレーニングをすることにより、適度な筋肉のついたメリハリのある美脚を手に入れましょう。そうすることで、ダイエット効果・むくみの解消効果・冷え性の改善効果といった副次的効果も得られるのです。
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