牛乳の飲み過ぎは下痢の原因になる?その仕組みと対処方法を紹介!

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大人になってから牛乳を飲むと、なぜかお腹(おなか)がゴロゴロと鳴りはじめたり、お腹を下して下痢となる人が少なくありません。

しかしながら、牛乳でお腹を壊してしまう大人も、子供の頃はお腹を壊さずに沢山の牛乳を飲んでいたはずです。少なくとも学校の給食には、必ず牛乳が添えられていましたよね。

また、牛乳でお腹を壊してしまう大人でも、同じ乳製品であるチーズやヨーグルトでは、それほどお腹の状態に大きな変化は生じません。

このような牛乳にまつわる大人と子供の違い、あるいは牛乳と乳製品との違いは、実は牛乳に含まれる乳糖という物質に原因があると考えられています。そこで今回は、乳糖をキーワードにしつつ、大人が牛乳を飲むと下痢になるメカニズムや、牛乳と乳製品とのお腹に与える影響の違いなどについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。

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牛乳を飲むと下痢になるメカニズム

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大人になってから牛乳を飲むと、なぜかお腹を下して下痢となる人が少なくありません。それでは、どうして牛乳を飲むと下痢症状が発生してしまうのでしょうか?

そこで、牛乳を飲むと下痢になってしまうメカニズムについて、ご紹介したいと思います。

牛乳を飲んで下痢になる要因

牛乳を飲んで下痢を引き起こしてしまう要因としては、次のような四つの要因が考えられます。

  • 牛乳アレルギー
  • 乳糖不耐症
  • 乱れた腸内環境
  • 寒冷刺激

これらの要因について、それぞれ詳しく説明していきたいと思います。

牛乳アレルギー

牛乳アレルギー(乳製品アレルギー)とは、食物アレルギーの一つで、牛乳・乳製品を摂取すると異常な免疫反応が生じて、生体にとって不利益な症状が発生することを言います。

牛乳アレルギーによって現れる症状としては、皮膚や粘膜に発疹が生じたり、呼吸器に影響が現れ息苦しさ・呼吸困難を生じたり、消化器に影響が現れ腹痛・下痢・嘔吐などを生じることがあります。また、場合によってはアナフィラキシーショックにより、呼吸困難・意識不明などの重篤な症状が現れ、生命の危機に晒されることもあります。

ただし、牛乳アレルギーは多くの場合で幼児期・小児期で判明しますから、基本的に牛乳・乳製品の摂取を避けることによって、アレルギー症状の発生を抑制することができます。牛乳アレルギーの人は、アレルギーの程度に応じて対処方法が少しずつ異なるため、医師の指示に従うことが大切になります。

一般的に、牛乳アレルギーの人は牛乳・乳製品の摂取に気を配っているため、大人になって牛乳を飲むと下痢になる場合とは分けて考えるべきでしょう。

乳糖不耐症

乳糖不耐症とは、牛乳や母乳に含まれる乳糖(ラクトース)成分を胃腸などの消化器で分解する際に、乳糖に対する消化酵素である乳糖分解酵素(ラクターゼ)が不足することにより、乳糖を消化吸収できず消化不良・下痢などの症状を引き起こす体質のことです。

ちなみに、乳糖(ラクトース)は糖質の一種で、乳糖分解酵素・ラクターゼによって分解・消化・吸収されると、他の糖質類と同様に身体のエネルギー源として利用され、余剰分は中性脂肪に変換されて貯蔵されます。

下痢症状の発生メカニズム

乳糖不耐症は、小腸における乳糖分解酵素・ラクターゼの不存在あるいは不足によって、乳糖を消化分解できなことが原因となります。消化分解されず小腸で栄養素として吸収されなかった乳糖は、小腸をそのまま通過して大腸に至ります。

大腸に到達した乳糖は大腸内の水分に溶けることにより大腸内の浸透圧を上昇させるので、乳糖成分で濃くなった水分を薄めようと大腸の腸壁から水分が大腸内に浸み出す生体反応が生じます。その結果として、大腸内の水分量が過剰となって便が緩くなり、下痢(浸透圧性下痢)が生じるのです。

乱れた腸内環境

乳糖不耐症に加えて、腸内環境が乱れていると、より下痢症状になりやすくなるとされています。

人間の腸内には数多くの腸内細菌が生息していて、大きく善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類に分類されます。善玉菌の代表格が乳酸菌で、悪玉菌の代表格が大腸菌です。日和見菌は腸内善玉菌が多くなれば善玉菌に加勢し、逆に腸内悪玉菌が優勢になれば悪玉菌に加勢します。

そして、善玉菌の中には乳糖を分解してエネルギー源として利用する細菌も存在しますが、もともと腸内細菌バランスが悪く悪玉菌優勢であれば、それも望めません。そのため、腸内環境が悪いと、より乳糖不耐症が現れやすくなると言えるのです。

寒冷刺激

牛乳に限らず、冷たい食べ物や飲み物を多く摂取すると胃腸を冷やし、その冷たさが刺激となって一過性の下痢症状を引き起こすことがあります。

ですから、牛乳を冷やして飲んでいる場合には、乳糖不耐症による下痢のほかに、寒冷刺激による下痢である可能性があるかもしれません。

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大人と子供の乳糖に対する感受性の違い

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このように牛乳を飲んで下痢を引き起こしてしまう原因は、主に乳糖不耐症にあると言えるでしょう。

それでは、どうして子供の頃には牛乳を飲んでも下痢とならないのに、大人になって牛乳を飲むと乳糖不耐症による下痢が生じるのでしょうか?

そこで、大人と子供の乳糖に対する感受性の違いについて、その理由・メカニズムをご紹介したいと思います。

授乳期はラクターゼ活性が高い

乳糖は牛乳に限らず、人間の母乳ひいては哺乳類全般の母乳にも含まれています。そして、人間の赤ちゃんだけでなく哺乳類全般の赤ちゃんは母乳を授乳することで、栄養を吸収し成長します。

ですから、人間の赤ちゃんをはじめ哺乳類全般の赤ちゃんは、基本的に乳糖分解酵素・ラクターゼが分泌され、その活性度も高いのです。

そして、授乳期のラクターゼ活性が高い状態で、多くの子供は成長に必要なカルシウムやたんぱく質などを得るための飲み物・食材として牛乳を大人から与えられます。そのため、牛乳の摂取量が多いうちは、乳糖分解酵素・ラクターゼの分泌量も維持され、ラクターゼの活性度も高く維持されると考えられています。

大人になるとラクターゼ活性が低下する

このように授乳期から牛乳を飲み続けている子供の間は、ラクターゼの分泌と活性度は高く維持されるものの、大人になるに連れて牛乳の摂取量が減少しはじめると、多くの日本人のラクターゼ分泌量と活性度が低下します。

というのも、日本人に限らず哺乳類全般が赤ちゃんから成体に成長すると、授乳による栄養吸収の必要性が無くなるため、それに応じて乳糖を分解するための乳糖分解酵素・ラクターゼが必要なくなるためだと考えられています。

それゆえ、日本人を含め欧米人の白人系民族を除く人間の多くが、大人になるとラクターゼの分泌と働きが低下して、牛乳を飲むと乳糖不耐症による下痢を起こしやすくなるのです。ですから、大人になって乳糖分解酵素・ラクターゼの分泌が減少し乳糖不耐症となることは、必ずしも異常・病気とは言えず体質の変化にとどまると言えるでしょう。

ただし、人それぞれ個性があるように、ラクターゼの分泌と活性度の低下度合いにも個体差・個人差が生じるため、乳糖摂取の許容量にも自ずと個人差が現れます。

例外的な欧米人のラクターゼ活性

日本人を含め人間の多くは、成長に連れてラクターゼ活性が低下するのは前述の通りです。しかしながら、欧米の白人系民族の多くは、大人になってもラクターゼの分泌量と活性度が低下しないことが分かっています。そのため、欧米の白人系民族の人は、大人になって牛乳や乳製品などを多く摂取しても、十分に消化することができ乳糖不耐症による下痢症状は現れないことが多いのです。

これは、欧米の白人系民族の人が歴史的・伝統的に牧畜を営み牛乳・乳製品を多く摂取してきたことに由来していると考えられています。厳密には、授乳期以降も牛乳や乳製品の摂取量が多いために身体が適応したと説明する見解と、歴史的・伝統的背景から遺伝子の変異・進化と説明する見解に分かれますが、いずれにしても欧米の白人系民族の人の生活スタイルに起因して乳糖不耐症の発生は少なくなっているのです。

乳糖不耐症の分類

前述のような成長に連れてラクターゼの分泌量・活性度が低下することによって発生する乳糖不耐症は、遅発性の乳糖不耐と分類されます。これは、必ずしも異常・病気でないことも前述の通りです。

一方で、人間の中には非常に稀なケースではありますが、先天的に乳糖分解酵素・ラクターゼの分泌が全く無く、出生とともに乳糖不耐症が現れる場合があります。これを先天性の乳糖不耐と言い、こちらは明確に異常・病気として分類されます。この場合、母乳であっても乳糖不耐症が現れるため、その対策方法・対処法として乳糖の含まれない特殊なミルクを与えたり、乳糖分解酵素製剤(ラクターゼ製剤)という薬剤を投与することが考えられます。

また、遅発性の乳糖不耐、先天性の乳糖不耐とは別に、後天性の乳糖不耐も存在します。これは、腸の病気・薬剤の副作用・消化器系の切除手術といったことが原因となって、乳糖不耐症となるケースのことです。

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牛乳と乳製品のお腹に与える影響の違い

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それでは、牛乳でお腹を壊してしまう大人でも、同じ乳製品であるチーズやヨーグルトでは、それほどお腹の状態に大きな変化が生じない場合があるのは、なぜでしょうか?

そこで、牛乳と乳製品のお腹に与える影響の違いについて、ご紹介したいと思います。

発酵による乳糖の減少

チーズやヨーグルトなどの乳製品の作り方は、原材料である牛乳に乳酸菌を混ぜて発酵させる点で共通します。

この発酵過程で、乳酸菌が乳糖の一部を分解してエネルギー源として利用しますので、乳製品に含まれる乳糖の量は牛乳に比べて少なくなるわけです。ヨーグルトの場合、概ね1~3割程度の乳糖が乳酸菌のエネルギー源として利用され、乳酸へと分解されると考えられています。

チーズの場合、牛乳を乳酸菌で発酵させた上で、乳清・ホエーと呼ばれる上澄み液・水分と乳脂肪分の固形成分に分離させます。この水分と固形分の分離の際に、発酵時に乳酸菌のエネルギー源として利用されなかった乳糖の多くが乳清・ホエーに含まれる形で、チーズの原材料となる乳脂肪の固形成分から取り除かれます。そのため、チーズは乳糖の含有量がヨーグルトよりも少なくなるのです。

乳製品でも乳糖不耐症は生じる

このようにチーズやヨーグルトなどの乳製品は、乳酸発酵によって一部の乳糖が乳酸に分解済みとなったり、乳清・ホエーと乳脂肪分の分離によって乳糖の量が減じています。

しかしながら、乳製品にも乳糖は残存しており、乳製品の摂取でも乳糖不耐症が生じる可能性は残ります。

前述したように、乳糖不耐症は小腸における乳糖分解酵素・ラクターゼの不存在あるいは不足によって、乳糖が消化分解されずに大腸に至ることで、大腸内の浸透圧が上昇し腸壁から大腸内に水分が浸み出す生体反応のことでした。そして、成長に応じたラクターゼの分泌と活性度の低下度合いには個人差が生じるため、乳糖摂取の許容量にも自ずと個人差が現れるのも前述の通りです。

ですから、ラクターゼの分泌・活性度が比較的維持された軽い乳糖不耐であれば、牛乳では乳糖不耐症による下痢症状が現れても、乳製品では乳糖不耐症による下痢症状が現れない可能性があります。逆に、ラクターゼの分泌・活性度がほとんど喪失された重度の乳糖不耐であれば、牛乳ばかりか乳製品であっても乳糖不耐症による下痢症状が現れるのです。

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乳糖不耐症に対する対処方法

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それでは、乳糖不耐症である場合に、どのような対処をすれば良いのでしょうか?乳糖不耐症であっても、たまには牛乳を飲みたくなる場合がありますよね。そこで、乳糖不耐症に対する対処法について、ご紹介したいと思います。

牛乳・乳製品を摂取しない

乳糖不耐症に対する対症法として、まず考えられるのは牛乳や乳製品の摂取をしない、あるいは極めて少量に抑制することです。

例えば、大手コーヒーチェーンが、コーヒーに入れるミルクの代わりに豆乳を用意しているように、牛乳や乳製品の代替物として豆乳などを利用することが考えられます。豆乳の利用は、乳脂肪分を減らしつつ良質なタンパク質は牛乳と同様に得られる点で、筋肉量を維持しつつカロリー減によって体脂肪を減らせる可能性があるのでダイエット効果という副次的効果を期待できます。

どうしても牛乳を飲みたければ

どうしても牛乳を飲みたい場合には、やや価格が割高とはなりますが、乳糖を含まないように処理した特殊な牛乳(乳糖分解済みの牛乳)が市販されていますので、そちらを購入すると良いでしょう。

ちなみに、牛乳を温めてホットミルクにして飲むことをおすすめしているサイトがありますが、牛乳を温めても乳糖が減少するわけではありませんから、乳糖不耐症による下痢症状の抑制には効果が期待できないでしょう。ただし、温めることによって、寒冷刺激による下痢の発生は減らせると思います。

腸内環境の改善

前述しましたが、乱れた腸内環境は乳糖不耐症による下痢症状を現れやすくしてしまいます。それゆえ、腸内環境改善に努めることも、乳糖不耐症に対する対処法と言えるかもしれません。

腸内環境改善には、適度な運動をしたり、食物繊維を意識的に摂取することなどがポイントになります。

乳糖不耐症の改善方法

遅発性の乳糖不耐については、前述のように必ずしも異常・病気であるわけではありません。ですから、乳糖不耐症であっても日常生活に不便がなければ、無理に改善する必要性はありません。

それでも乳糖不耐症の改善をしたい場合は、まずは医師に相談しましょう。というのも、乳糖不耐症と似たような病気があり、乳糖不耐症の改善方法がこれらの病気に対しては危険な場合があるからです。乳糖不耐症に似た病気とは、前述した牛乳アレルギー(乳製品アレルギー)やガラクトース血症という病気です。

医師に相談した上で、具体的な乳糖不耐症の改善方法としては、ラクターゼ製剤を服用することが最も一般的な方法になるでしょう。

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まとめ

いかがでしたか?大人が牛乳を飲むと下痢になるメカニズムや、牛乳と乳製品とのお腹に与える影響の違いなどについて、ご理解いただけたでしょうか?

牛乳を飲むことで下痢症状になる主な原因は、成長に連れて牛乳に含まれる乳糖を分解消化するための乳糖分解酵素・ラクターゼが不足することにあります。この乳糖分解酵素・ラクターゼが不足することによって、下痢症状になることを乳糖不耐症と言います。

そして、成長に連れてラクターゼの分泌量・活性度が低下することによって発生する乳糖不耐症は、遅発性の乳糖不耐と分類され、必ずしも異常・病気ではありません。

ですから、日常生活に不便がなければ、あまり気にすることはないのです。ただし、牛乳や乳製品の代わりに、カルシウムやタンパク質を摂取できる食べ物を意識して食べるようにしてくださいね。

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