下痢が続く8つの原因とは?腹痛なしの場合はどんな病気?

ふと気がつくと下痢が何日も続いているような気がする。そんな時ありませんか?感染症疾患の後だったり、辛いものや冷たいものの食べすぎなどの原因が分かっているときは良いのですが原因が分からず下痢が続くと不安になりますよね。

腸内フローラの数が減少し、腸内に悪玉菌が多くなっていて腸内環境が悪化していることなどが原因の可能性もあります。それ以外にも下痢が長期間に渡って続いてしまう可能性がある病気など原因はいくつか考えられます。

そんな下痢が続くときに考えられることをまとめてみました。

原因をしっかり理解して症状の緩和策を正しく行って対策、対処していきましょう。

下痢の状態をチェックしましょう。

下痢が続いていると思ったときには、すぐに医療機関に受診するのをオススメしますが、まずは下痢の状態を把握することが大切です。
内科を受診して症状がいつから続いているのか、どのような状態の下痢が出ているのかなど食べたものや生活習慣での変わった点などをしっかり把握してその症状をお医者さんに伝えられるようにしましょう。

下痢の状態

 下痢といっても、その状態はさまざまです。
①水のような便
固形物のない水のような液体状の便で多くが腹痛を伴います。このような便が出るときは、ウィルス性の疾患や下剤、食あたりやアルコールの大量摂取後などが原因といわれています。このような水状の下痢の時は脱水症状を起こす可能性があるので、水分補給に気をつけてください。
②泥状態の便
水のような便よりもドロッとした状態の便です。水分の多い泥のような状態です。大腸で水分が吸収されずに一緒に排出されたためで、消化不良や食べすぎ、または冷たいものの食べすぎ、早食いなどでも起こります。
排泄の切れが悪く、回数が多くなる傾向があります。数時間に何回もの便意を催します。
③軟便
泥状態の便やもっと固形に近くやわらかい便などを総称して軟便といいます。腸が水分を吸収できず、このような便になるといわれています。ストレスや胃腸の不具合、体調不良などで起こる場合があります。自律神経の乱れによっても軟便の症状を発症しやすいので、睡眠不足やストレスの溜めすぎの傾向がある人は注意しましょう。
④粘血便
便に粘液や血液が混じった状態の便です。ドロッとした血液が便に混ざっている状態です。このような血便の場合は、潰瘍性大腸炎や大腸がんなどの可能性が出てきますので、早めに医療機関に受診してください。
肛門の付近での出血がある場合は、赤い便が確認出る場合もありますが、小腸や大腸の始めの方での出血がある場合は便の色が真っ黒になる場合があります。
真っ黒な便が長期間続く場合は一度検査をしてみるほうが良いでしょう。

下痢の続いている期間

下痢の続いている状態はどれぐらいなのか、期間を把握しましょう。体調や個人差があるので、一概には言えませんが、食あたりなどの一過性のものであれば、1日、2日程度で治まることが多いです。

またウィルス性の疾患などでは、1、2週間ほど続くときもありますので、どの程度続いているのかを医療機関で説明できるようにしましょう。

また下痢が3週間以上続いている場合は慢性下痢と言います。ウィルス性などの原因でなくとも生活習慣が原因で慢性的に下痢の症状が続く可能性もあります。特に下痢の期間はいつから続いているのかが曖昧になりがちなので可能であれば便の状態の管理を普段から行っておくと良いでしょう。

下痢以外の症状の有無

下痢とともに他の症状があるか確認しましょう。下痢は腹痛と共に起こっているのか、発熱や嘔吐などのほかの症状が出ているか?など把握することで診断も早くなります。

さらに症状以外にも、急激な体重の減少があるか?激しい下痢で脱水症状を起こしていないか?などを知ることで急激な症状の悪化にも対応できます。

特に下痢の症状と胃痛の症状が現れる場合は特に症状が辛くなるので病院に行かなくては辛い状態になるでしょう。また併発する症状で考えられる病気の可能性も変わってきます。正しい処置を行い改善していきましょう。

下痢の症状

下痢には、2つのタイプがあります。

①急性下痢

急性下痢とは、一過性のもので、長くても1~2週間程度で治まります。このタイプの下痢は、ストレスやウィルス性の疾患、お腹が冷えたなどの原因で起こることがあります。少しの食生活の乱れや環境の変化や水が変わるだけでもこの症状は起こるため、安静にしていれば問題なく症状は収まっていくでしょう。

②慢性下痢

2週間以上続くような下痢の症状や一度止まってもまた繰り返す下痢などがあります。気をつけたいのは、3週間以上続く慢性下痢で、他に発熱や腹痛、嘔吐などのほかの症状を伴う場合です。腸やその他の臓器への疾患の可能性があります。中でも胃痛の症状が併発する場合などは危険レベルが上がります。また下痢が血便の場合は症状の急変の可能性がありすぐに医療機関に受診することをオススメします。この場合は症状の程度によってはそのまま入院の可能性もありますので、準備をしてから病院に向かいましょう。

下痢が続く原因

下痢が続くときの原因を考えてみましょう。普段の生活の中でこのようなことはありませんか?

冷たいものの食べすぎ

冷たいものの食べすぎは腸の刺激になり、ぜんどう運動がきちんと働かなくなります。すると腸で水分を吸収できずに下痢になります。特に夏場などに冷たいものなどを摂りすぎたなど、冬場に腹を出して寝ていたなどの状況がある場合はそれらの事が原因になって症状が現れる可能性があります。

冷たいものの過剰摂取は腸の他にも胃にも大きな負担を掛けてしまうので消化不良を引き起こす原因にもなってそれが下痢の症状を引き起こす場合もあります。

食べすぎ

食べすぎで消化不良になり、下痢になる場合は、多くが体調不良や寝不足などの症状と共に起こっています。

そのような状態は、胃がきちんと機能できず、腸でも水分を吸収できずに下痢になります。特に食べすぎた後にすぐに寝た場合や食べてすぐに運動をする場合でも下痢の症状が引き起こりやすくなります。

ごちそうを食べる日でついつい食べすぎてしまう場合は種類を増やして量を少なくするか、胃腸薬などを飲んであらかじめ対策しておくといいでしょう。

食べ過ぎによる下痢は、食べ過ぎで下痢が起きる原因は?対処方法も紹介!の記事を参考にしてください。

ストレス

ストレスが原因で下痢になることもあります。過剰なストレスから下痢になり、また下痢になるというストレスから症状を繰り返すということで慢性的な疾患につながります。

また、ストレスが多く溜まっている場合では下痢と便秘の症状を繰り返す場合もあります。もしかすると過敏性腸症候群という病気の可能性があります。

油分を多く含む食事や香辛料の多い食事

油分は消化しにくいので、食べ過ぎると下痢の原因になります。また唐辛子などの香辛料の多い食事は腸を刺激します。

刺激を受けると腸のぜんどう運動がきちんと働かず、下痢の原因になります。普段から辛いものや脂ぎった食事をしている場合でも体調によって下痢の症状が出る場合もあります。

海外での食事

食べなれない外国での食事や水などが原因で下痢になることがあります。環境の変化でも簡単に下痢の症状が現れる可能性はあります。

特に普段食べ慣れない食事は胃や腸で上手く消化吸収が出来ない場合があるので、慣れるまでは症状が続くことがあります。

牛乳

体質として乳糖を分解する酵素を持っていない人は下痢の原因になります。特にアジア圏の人に多いといわれています。

稀なケースでは牛乳に含まれるタンパク質に免疫作用が過剰防衛反応を働き、アレルギー症状を発症する可能性もあります。アレルギーの反応はその症状には個人差がありますが、症状がひどい場合は命に関わる症状を起こす場合があります。

アルコール

アルコールは香辛料と同じで腸にとっては刺激物になります。また過度な飲酒は腸の粘膜を傷つけることもあるので、注意が必要です。

また、過剰に飲んだ場合は腸や膀胱での水分の処理が追いつかず便でそのまま水分が排出されます。よって必然的に下痢になってしまいます。

詳しくは、お酒による下痢の原因を紹介!いったいどういう仕組み?の記事を参考にしてください。

薬の副作用

抗生物質など、薬の副作用で下痢になることがあります。もし心当たりがあるなら、担当医に相談しましょう。

抗生物質の下痢については、抗生物質を飲むと下痢になる原因は?対処方法はある?を読んでおきましょう。

疾患の可能性

下痢の症状が発生する病気を知っておきましょう。

糖尿病

長期間の血糖値の上昇により、自律神経の障害などの合併症の自覚症状のある場合があります。腸内細菌の悪玉菌が増殖し、下痢になる場合があります。

糖尿病性下痢という症状があるくらい、糖尿病での自律神経の乱れによる下痢が引き起こる事が多くあります。

糖尿病性の下痢は下痢止めなどの市販薬の効果が効かない場合がほとんどです。酷い場合は、寝ながら失禁してしまうこともあるくらいの症状が現れることもあります。

過敏性腸症候群

下痢が長く続いているのに、腸の検査や血液検査などでは特に異常が見つからないとき、過敏性腸症候群の可能性があります。下痢とともに腹痛やお腹の嫌な感じがします。
この疾患は、日本をはじめ、先進国に多く見られる疾患で、下痢のほか、便秘、下痢と便秘を交互に繰り返す3タイプの症状があります。
はっきりとした原因は不明ですが、消化管の異常や心理的な異常が原因といわれています。一部では感染性の腸炎などの完治後に発症することがあり、関連性があるのではないかといわれています。
また、ストレスも原因の一部になっているといわれており、発症後も下痢がストレスとなり、症状が悪化するということもあります。この疾患で下痢になる場合は長く続くのが特徴です。気になったら医療機関に受診しましょう。受診には、胃腸科や消化器科がよいでしょう。または心理的な要因が大きい時は精神科への受診を薦められます。
詳しくは、過敏性腸症候群の症状をチェック!治療方法は?の記事を読んでおきましょう。

大腸憩室炎

大腸の粘膜の一部が突き出たような状態になり、その箇所が多くなると、この大腸憩室炎といわれます。原因は、肉食の多い食生活や食物繊維の少ない欧米型の食事で便秘や大腸内の圧が上昇したためといわれています。さらに加齢により腸内環境が弱くなったり、遺伝や体質、生活環境などの要因もあるといわれています。
症状は、多くが無自覚、無症状で進行することが多く、時に下痢や便秘などの便通の異常があり、腹痛なども伴うことがあります。下痢の場合は長く続いたり、時に血便も見られます。その症状からよく過敏性腸症候群と間違われますが、そのまま放置すると大腸の壁に穴が開いたり、腸閉塞などの症状を引き起こしたりするので、自分の症状をしっかりと医療機関に伝えて正しい判断を仰ぎましょう。

クローン病

クローン病とは、大腸や小腸の粘膜に潰瘍などができる疾患で、下痢の症状や粘血便、発熱や倦怠感、体重の減少などが現れます。
この疾患は10代から20代に多くみられます。原因ははっきりと分かっていません。
何かしらの自覚症状が確認された場合は専門機関に相談してみましょう。

クローン病に関する詳しい記述は

クローン病の症状とは?原因や遺伝との関係も紹介!

クローン病は食事制限が必要?治療や検査の方法について

を御覧ください

潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜に潰瘍やただれが起きる疾患です。完治が難しく、再発する可能性の高い疾患です。粘血便や下痢が特徴で、重症になると発熱や貧血などの症状が現れます。
詳しくは、潰瘍性大腸炎は完治するの?原因や治療方法を紹介!を読んでおきましょう。

大腸がん

長く続く下痢や血便、腹部の膨満感、さらにしこりなどがわかる場合は大腸がんの可能性があります。
下痢も長く続く間に便秘と交互になったり、便が細く途切れ途切れになることも特徴です。時に腹痛も起こります。
大腸がんについては、大腸がんの原因とは?運動不足や食生活に要注意!を参考にしてください。

アレルギー性の下痢

アレルギー反応で下痢になります。アレルギーを引き起こす食べ物を食べたときに発症します。原因はアレルギー反応によって腸内が過敏症のような症状を起こすためといわれています。下痢のほかに蕁麻疹や嘔吐、腹痛などが起こることがあります。
重症になると、血圧の急激な低下や喘息の発作なども発症し、危険な状態になります。このような症状は、すぐに発症する場合と、数日かけてゆっくりと発症する場合があるので、経過観察が大切です。

感染性腸炎 / 食中毒

細菌やウィルス性の感染性、それに伴う食中毒で下痢を起こすことがあります。ノロウィルスなどが代表的なものです。この場合は排泄物や嘔吐物などから二次感染が起こるため、感染者とのかかわりに注意が必要です。
これらのウィルスが食べ物にうつると、食中毒になります。一般的には発熱や腹痛、下痢、嘔吐などの症状がでます。下痢や嘔吐は一時的なときもあれば、長く続く場合もあるので、発熱や嘔吐などの症状があって下痢が続くときは感染症を疑っても良いでしょう。

下痢が続くときの対処法

では、下痢が続くときはどのような対策をとればよいのでしょうか?

まず第一に医療機関への受診です。下痢はほおっておくと身体の水分を失い、脱水症状を起こす可能性があります。まず医療機関に受診しましょう。

受診前に出来ることは、

水分補給

下痢は身体の水分を必要以上に体外に出してしまいます。脱水症状にならないように適度な水分補給をしましょう。

ただし、冷たい水や塩分の多いもの、香辛料の入ったものは腸への刺激になりますので、スポーツドリンクや体内吸収のよい水分を積極的に摂るように心がけてください。もちろんアルコールやコーヒーなどの嗜好品は刺激物になります。避けましょう。

栄養補給

食べられる状態であれば、きちんと栄養を補給しましょう。ただし腸への刺激になったり、消化の良くない油っぽい食事や塩分の多い食事は避け、消化の良いものおかゆや煮た野菜、バナナなどの水溶性の食物繊維などを摂りましょう。もちろん肉や魚介類、香辛料などは消化に時間がかかり腸への負担になります。避けましょう。

これらのことに気をつけて早めに医療機関に受診しましょう。

日常生活で気をつけたいこと。

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下痢はとても辛いですよね。出来るだけ腸内の環境を良くして下痢を緩和したいものです。どのようなことが腸内環境に良いのでしょう?

感染症などの一時的なもの以外では腸内環境を良くすることで下痢の症状を緩和することが可能です。ビフィズス菌や乳酸菌などヨーグルトに含まれる善玉菌といわれている菌を腸内で増やしましょう。

ヨーグルトを積極的に食べるほか、善玉菌の栄養素であるオリゴ糖などの摂取、また水溶性の食物繊維を積極的に摂ることで腸内の環境を整え、便通をスムーズに促すことが出来ます。免疫力は腸内環境に比例するといわれています。腸内環境を整えることで、免疫力も強化され、強い身体になれるでしょう。日頃から食生活や生活習慣を意識して過ごすとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?下痢が続くと不安になりますよね。ストレスや重大な疾患になる前に早めに医療機関に受診しましょう。そして日頃から腸内環境を意識した食生活や生活習慣を心がけることで下痢の症状を緩和できると良いですね。

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