お腹空かないのはストレス?対策や病気について

「お腹がすかない」「空腹を感じない」という感覚に陥ったことはありませんか?

普段はしっかり食事をとっているのに、なぜか食欲がわかない。何か食べたくてコンビニへ来たのに、何も食べる気がしない。そんな状態が続いていると、何かの病気なのでは?と心配になりますよね。

食欲は私たちの心と密接につながっている欲求であり、食欲の低下には様々な理由が考えられます。

今回はその中から、幾つかの原因と対処法をご紹介していきたいと思います。

自分の身体に発生している原因を把握して、食欲を取り戻しましょう。

お腹がすかない原因は?

ダイエット 空腹

なにか食べたい気持ちはあるのにお腹が空かない。これにはどんな原因が考えられるでしょうか?

考えられる原因をすべて紹介します。空腹感を感じない症状の他にもあわせて発生するであろう症状から、自分に当てはまる症状を確認してみましょう。

自律神経の乱れ

冒頭で「食欲は心と密接につながっている」ということを書きましたが、その心と食欲を結びつけているのが”自律神経”です。

自律神経には、活動する時に働く「交感神経」と、リラックスしている時に働く「副交感神経」とがあり、胃や腸などの消化器官を支配している副交感神経が優位の時に食欲が湧いてきます。逆にストレスを感じている時は交感神経が優位となり、消化器官の働きが低下する為、食欲が湧かなくなってしまうのです。

私たちは生活する中で、交感神経と副交感神経を調整しながらスイッチを切り替えているのですが、何らかの原因でこの調整がうまくいかず、交感神経のスイッチが入りっぱなしになってしまうと、食欲不振だけでなく様々な体の不調を発生させてしまうのです。

それでは自律神経が乱れてしまう(食欲が低下する)主な原因を探ってみましょう。次のことに思い当たったら、あなたの自律神経は乱れているかも知れません。

・ストレス

職場や家庭などの人間関係、仕事の失敗や失恋など、最近ストレスを感じることはありませんでしたか?また、引越しや転職などによる環境の変化も、知らずにストレスを抱えてしまう原因となります。

特に長時間労働で非常に身体が疲れている、失恋で何も食べる気がしないと言うのは比較的発生しやすい傾向があります。

・不規則な生活

残業が続いたり、深夜のネットサーフィン、ゲームなどで寝不足が続いたり、食事の時間がバラバラになってしまうといった生活になっていませんか?不規則な生活では、自律神経のスイッチの切り替えが難しくなってしまいます。

・運動不足

仕事でずっと座り続けていたり、休日も家で一日中ゴロゴロとしていませんか?休息することは大切ですが、運動不足となってしまうと血行不良を招き、免疫を低下させます。

運動不足でエネルギーを消費していない、体脂肪率が高い状態も自律神経が乱れやすくなる原因となります。

消化器官の病気の可能性

消化器官に何らかの問題が発生している場合には同時に空腹感や食欲も発生しなくなってしまう場合があります。

消化器官の病気には以下の物があります。

逆流性食道炎

胃の内容物や胃酸などが食道を逆流して口に戻ってくる症状です。

自律神経が乱れることと関係して発生している場合や、老化が原因で食道と胃の逆流を防いでいる下部食道括約筋の働きが弱まるなどのことが原因となって発生する症状になります。

横向きになったときに吐き気がする事や、口の口臭などが気になる、何も食べてないのに酸っぱい感じがするなどの症状が発生しているとこの症状が現れている可能性があります。

胃炎・胃腸炎

胃炎や胃腸炎などが発生して食欲が低下している可能性があります。細菌やウイルスが原因となって発生している症状で、嘔吐や下痢、吐き気などを強く発生させる症状です。

症状が治ってからもしばらくは食欲が減退する症状を感じる場合があります。

胃潰・十二指腸潰瘍

潰瘍は特にストレスが関係して発生します。また、食欲が減退して空腹状態が長時間続くことで胃酸で自分の胃を刺激して潰瘍を発生させてしまう場合もあります。

胃や十二指腸では痛みを感じることが少ないので、潰瘍してしまっていても痛みが少なく食欲不振だけが発生している事もあります。

症状が進行すれば痛みや吐き気などの症状が現れますが、これらの病気の初期症状として食欲が発生しなくなっている可能性もあります。

心因性の疾患

躁病、うつ病、統合失調症など強いストレスや疲労を長期間蓄積することで発生する精神疾患では空腹感や味覚や性欲などを感じる感覚が著しく低下する傾向があります。

これのメカニズムについては未だ明らかになっていませんが、脳の神経伝達物質が著しく減少する事や、逆に大量に放出されてバランスを失ってしまうことで正常に感覚や欲求が働くなくなり、感覚や神経などに大きな障害を及ぼすものと言われています。

食欲を感じない他にも、眠くならない、性欲の消失、最近笑っていない、泣いていない、不整脈、呼吸が浅いなどの傾向が見られる場合は、心疾患の可能性があります。

その他の原因

次に、上記のもの以外に一時的に食欲低下となるハッキリとした原因があるものをご紹介します。

・過度の飲酒

お酒を飲み過ぎると肝機能が低下し、同時に食欲も低下します。いわゆる二日酔いの状態です。

・風邪、インフルエンザ

これもよくある症状ですが、風邪やインフルエンザの初期症状として食欲不振があります。

・妊娠

まだ気づいていない妊娠の初期段階で、早い人だと既につわりが始まっている場合があります。つわりによって吐き気を感じたり、食欲が湧かなくなることがあります。

・摂食障害

食欲減退や、まったく食べられないといった症状をもつ代表的な病気としては、摂食障害が考えられます。

摂食障害は、無理なダイエットなどでの食事制限を続けたり、強いストレスがきっかけで例えば「食べよう」と思っても体が食べ物をまったく受け付けなくなってしまう状態(いわゆる「拒食症」)が発生します。いずれも比較的短期間での体重減退がみられます。

便秘によりお腹が張っている

長期間の便秘によってお腹が張っており、空腹感を感じなくなってしまっている場合があります。過去に遡って、しっかり便は排出できていますか?食事による胃腸の刺激が行われないと、排便は困難になりますし便秘は更に悪化してしまいます。

4日以上便秘が継続している場合は自分での排便が困難になりますので、胃腸科、消化器内科、便秘外来などで検査、対処することが出来ます。

便秘で死亡する例も報告されていますので、甘く見ないようにしましょう。

お腹をすかせるには?

空腹

それでは、お腹をすかせる、つまり健康な食欲を取り戻す為にはどうしたら良いのでしょうか。幾つかの対処法をご紹介しますので、ぜひお試しください。

自律神経を整えよう

自律神経の乱れが原因となっている場合の対処法です。自律神経を整えると免疫機能を高め、心身ともに全身の健康に繋がりますので、食欲低下以外の不調にも効果が期待できます。

・有酸素運動

自律神経を整えるために最も効果的なのが運動です。

特に、じっくり長時間、毎日取り組むことができる、軽めの有酸素運動がおすすめです。毎日エレベーターやエスカレーターを使っているところを階段を使うようにしてみたり、通勤通学の際ひと駅分歩いてみるなど、普段の生活にとりいれられる簡単なもので構いません。

起床後や入浴後の軽いストレッチも、血行を良くするのに効果的です。逆に慣れていない人が急にハードな運動をしてしまうと交感神経にスイッチが入り、自律神経のバランスを崩してしまいますのでご注意ください。

・生活習慣の見直し

できるだけ決まった時間に起床、睡眠をとるように心がけましょう。朝起きたら朝日を浴びるようにすると体のリズムが整いやすくなります。

また、就寝前の1時間はテレビやPCの光を浴びるのをやめましょう。睡眠が浅くなり、睡眠不足の原因となります。睡眠については、眠りが浅い人へ!快眠できない原因と快眠する方法についての記事を参考にしてください。

食欲と同様、睡眠も自律神経に大きく影響しますので、自律神経を整えるためにまずはしっかりと睡眠をとって、脳と心を休めてあげましょう。

・しっかり休息を取る

自律神経を整えるためにはしっかり休息を取ることが重要になります。睡眠不足や過度な疲労などによって発生していることが多い自律神経失調症ですから、休息を取ることでかなり回復する傾向があります。

22時までに就寝し、朝の6時ごろに起きて朝日を浴びましょう。そして、好きなことをしてストレスを発散。これを休日に行って身体と心に蓄積している疲労とストレスを解消してください。

・ストレスを発散する

上記でも述べましたが、ストレスを発散することが非常に有効です。安心するとお腹が空くという描写を映画や漫画などでも良くしますが、これは実際にその通りで、大きな不安やストレスを抱えていると、人間は空腹感を感じません。

これは動物も一緒です。

ストレス発散法としておすすめな方法は

  • 入浴
  • 読書
  • 運動
  • 人とのコミュニケーション
  • 動物との触れ合い

などが有効です。感情を大きく動かしたり、一つの事に集中できる時間を設けると、大きくストレスを軽減することが出来ます。

上記の方法でストレスをしっかり軽減して食欲を取り戻しましょう。

エネルギーを使おう

心因性の心あたりがない人は、エネルギーを使うことがおなかをすかせる為に手っ取り早い方法です。運動もこれにあたりますが、自律神経の項目で既にあげましたのでそれ以外のものを幾つかご提案します。

・計算、パズル

勉強やテスト後などにお腹が減ったという経験はありませんか?

実は体よりも脳が一番エネルギーを消費するといわれています。かといって急に何か勉強する、という訳にもいきませんから、本屋さんやコンビニで簡単に手に入るクロスワードパズルや計算ドリルなどを少し集中してやってみてはいかがでしょうか。難題に挑戦するほどお腹がすくかも…?

・井戸端会議、カラオケ

話すこともエネルギーを使います。頭を使う難しい話でなくても構いません。隣の人やお友達、家族などとたわいもない話で笑っていますと、インナーマッスルや胃腸などの内臓が動くのです。それが刺激となってお腹がすいてきます。

話す相手がいない場合はカラオケもおすすめです。今は一人カラオケ専門のお店も増えていますよね。おしゃべりやカラオケはストレス発散にもなりますし、それもお腹をすかせる為に良い効果をもたらします。

・寝る

実は寝ることにもエネルギーが必要です。お年寄りが早起きなのは、体力がないと長く寝ていられないから、という理由もあるからです。

また、他の方法とは違って胃腸を休めることになる訳ですが、「既に胃の中にあるものを消化をさせる」という意味で、起きた時にお腹を空かせる効果があります。

白湯やフルーツがおすすめ

なるべくフレッシュな果物や白湯を飲むことで、胃の活動を穏やかに活発にさせて食欲を取り戻しましょう。なかなか何も胃の中に入っていない状態から空腹を感じさせるのは難しいです。

また、エネルギー不足の状態で運動などを行ってしまうと、貧血などで倒れてしまう可能性もあり危険な場合もあります。

少しでもエネルギーや栄養を摂取する意味でも、フルーツなどを摂って身体の機能を向上させましょう。

適している果物としては、りんご、バナナ、なし、柑橘類などが入手しやすく胃の働きを活発にしたり、身体を温めたり、エネルギー変換率が良い点で適していますが、食べたいと思う果物であればなんでも構いません。

コンビニなどの加工食品ではなかなか食欲が湧かなくても、果物などであれば食欲が湧いてくる可能性は高いでしょう。

長引く場合は病院へ

先にあげた胃腸炎などの病気の場合もそうですが、自律神経の乱れもひどくなると「自律神経失調症」という病気になり、自分一人で治すことが難しくなります

色々試してみても改善しない、原因が分からない、痛みなど他の症状もある…といった場合、適切な対処をして少しでも早く回復するよう、自己診断をせずに病院を受診しましょう。食欲不振は一つの症状で、何か他の病気が隠れている可能性があるからです。

専門家がわからない。何科を受診すればいいのか?と言う疑問については、実際に原因となっている症状ごとに専門家となる医師は異なります。

例えば妊娠が原因であれば、婦人科。胃腸などの内臓が原因であれば、胃腸科、消化器内科、便秘外来。精神的な要因が関係している場合は心療内科、精神科。と言った風にバラバラです。

もし原因がわからない場合は、総合病院などの大きな施設で、いくつもの専門科が併設されているところの内科を受診して総合的な検査を行い、原因を特定してから専門科に移って治療を行うと良いでしょう。

お腹が空かない時に注意する事

注意点

お腹が空かない状態の時に注意してほしいことがあります。

以下の項目をよく読んで問題に繋がらないように注意してください。

水分補給だけはしっかり!

普段水分補給を何気なく、喉がかわいたタイミングで行っていると思います。

しかし、食欲が無くて、食事を摂っていない状態のときは普段の水分補給だけでは足りなくなってしまう可能性があります。

食事をしているとき、食物からも知らないうちに水分を摂取しています。1日に必要な水分の半分を飲料から、もう半分を食事から摂取しています。

意外と食事によって摂取している水分量は多いのです。ですので、食事を取っていない場合は普段よりも2倍近い量で水分補給をしなくてはいけません。

また、カロリーなども不足してしまうので、なるべくカロリーを含んでいるものやゼリーなどでビタミンを摂取するようにしてください。

睡眠が取れていないとまずい

人間の3大欲求。それは食欲、睡眠欲、性欲です。この意欲は身体や心が健康的な状態であれば誰もが抱く欲求になります。

欲求の程度には個人差がありますので普段と変わらない状態であれば問題ありませんが、普段よりも上下している、バランスが崩れている場合は、注意が必要です。

特に食欲と睡眠欲が同時に減退している場合は注意が必要です。食べてない寝ていない状態では人間の身体は正常に活動させることが出来ません。

5時間以上は睡眠時間を確保して、逆に睡眠時間が取れない場合はしっかり食べるようにしましょう。

まとめ

今回ご紹介したように、体の健康は心の健康とつながっています。そして、食欲は日頃の私たちの健康状態をはかる重要なバロメーターです。

「食欲がないから食べない。だから元気がないのは仕方ない」ではなく、「元気になるためには食べる」ことが大切です。※もちろん他の病気などが原因の場合は食べない方が良い場合もあります。

食事を楽しめるということは、生きていく上で幸せを感じられる一つとなります。何を食べるかだけではなく、誰と食べるかを考えることも、食欲をあげるヒントになるかも知れません。

健康的な体を手に入れる為に、毎日の生活習慣や心の状態にも気を配っていきましょう。

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