手に力が入らない原因は?病気や症状を詳しく紹介!

怪我をしたわけでもないのに手に力が入らなくなる原因は、神経に問題があることがほとんどです。しかし一概に神経の病といっても原因は様々です。

脳卒中が原因であればMRIをとれば発見できますが、免疫やホルモンの異常、神経自体の圧迫や傷害の場合それだけでは発見できないこともあります。

また病状によって整形外科の得意分野なのか脳神経外科の得意分野なのかでかかりつける病院が異なってきます。原因不明の手の脱力を感じたら自分でも原因を考えて心当たりのある症状を告げながらお医者さんと相談してみましょう。

今日は手に力が入らずに力が抜けてしまう症状が発症してしまう原因と考えられる病気などについて紹介していきたいと思います。もし力が入らない症状が発生してしまっているのであれば、しっかり原因を特定して専門家とともに早期に病気の治療に取り掛かっていきましょう。

手に力が入らない原因とは?

握力2

原因は大きく分けて6つあり、

  1. 整形外科的に部分的な神経の圧迫されていたり骨の障害があること
  2. 脳や脊髄に問題がある中枢系神経の病気
  3. 神経自体が抗体や染色体異常で傷つけられる病気
  4. うつなど精神科に関係する病気、自律神経失調による問題など
  5. その他糖尿病、腎臓病など内蔵の疾患、あるいは疾患ほどではないものの、睡眠や食事、飲酒、などの生活習慣の悪化によるもの

が考えられます。

心当たりのある原因について少し掘り下げて推測していきましょう。まずは医者にかかるでもいいですし、原因を取り除く生活習慣の改善などから始めて見てもいいでしょう。

原因ごとに、力の入らない症状を発生していると考えられる病気や症状についてどの様な物があるのかを知っていきましょう。

整形外科的な病気の例

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腕の神経の圧迫によって力がでなくなったり、温度や痛みを感じなくなる感覚障害を起こします。怪我をしたわけでもないのに痛みがある場合は、骨に障害がある場合もあります。これらの障害は整形外科の得意分野です。思い当たる症状があれば整形外科を受診してみましょう。

仮に以下の病気ではなく脳や脊髄の中枢系の病気であっても、改めて別の病院を紹介してくれるはずです。

橈骨神経麻痺

橈骨神経麻痺は手首が上がらず、指は伸ばせるような気がするけど不完全で、麻痺と感覚障害が親指と人差し指の付け根と中間に起こります。重症の場合手が垂れて動かなくなる下垂手になります。動きは阻害されないものの、しびれだけがでることがあります。

温度や痛みを感じない場合もあるので、低温やけどや怪我をしても気が付けません。ある程度注意が必要です。

骨と体の外の何かで圧迫されることで起こります。実際の症例では、変な体制で1時間以上寝ていたら起こったケースがあります。「横になって寝ていて、起きてみると手首が上がらない。ものも持ちにくい。」といった場合、橈骨の神経の麻痺が疑われます。薬の服用で多くの場合1〜3カ月で完治します。ただし麻痺を繰り返す場合は髄鞘に異常があることがあります。場合によっては手術をすることもあります。

キーンベック病(月状骨軟骨化症)

思い当たる外傷もなく手首が腫れて痛くなった場合はキーンベック病が疑われます。神経が原因の握力低下と違い、腫れあがって痛みを伴います。

手首の月状骨が血行障害を起こして壊死し、つぶれてしまう病気です。職業的に手をよく使う15~50代の男性に多い病気です。若年者や高齢の女性に発症する場合もあります。

年齢や状況によって治療法は異なりますが、ギプスを付けるなどして対処されます。

手根管症候群

初期には人差し指、中指がしびれ、痛みがでます。症状が進むと親指から環指の親指側の3本半の指がしびれます。これは正中神経が通っている指だけに起こります。急性期には痛みは明け方に強く、目を覚ますと手がしびれて痛みます。

手を振ったり指を曲げ伸ばしするとしびれや痛みは楽になります。手のこわばり感もあります。ひどくなると親指の付け根がやせて親指と人差し指で円を描くことができなくなります。細かい作業がし辛くなります。

原因は正中神経の圧迫です。手根管という場所にこの神経があるため、この病名がついています。妊娠・出産期や更年期の女性が多く生じることが特徴ですが、原因は女性のホルモンの乱れによる滑膜性の腱鞘のむくみではないかといわれています。

そのほか骨折などのケガ、仕事やスポーツでの手の多用、透析を行っている人などにも発生します。腫瘍や腫瘤などの出来物によって手根管症候群になることもあります。

打腱器でしびれを見つけるティネル様徴候をさがす診断を受けることで発見できます。腫瘍が疑われる場合はMRIやエコーが使われ、手術することになります。

消炎鎮痛剤やビタミンB12などの飲み薬、塗布薬、運動や仕事の軽減などやシーネ固定などの局所の安静、腱鞘炎を治めるための手根管内腱鞘内注射などの保存的療法が行われます。手根管症候群の治療は整形外科医の得意分野ですのでこの症状が疑われたら整形外科の受診をおすすめします。

肘部管症候群

肘部管症候群は前述した手根管症候群と同様、神経の圧迫によって起こりますが、圧迫される神経が異なるので小指と薬指に症状がでます。小指と薬指の感覚と、指を伸ばしたり閉じたり開いたりする手指の筋肉を支配している尺骨神経が肘の内側の肘部管内部で圧迫を受けると起こります。

肘部管は手根管に比べ非常に狭いので手術が必要になることが多いようです。

ギオン管症候群

前述した手根管症候群や肘部管症候群と同様、神経の圧迫で起こります。

また肘部管症候群と同様、小指と薬指に症状がでますが、肘部管症候群より末端で起こっているのでよりしびれる範囲が狭くなります。手根管症候群、肘部管症候群、ギオン管症候群はいずれも神経の圧迫が原因で起こりますが、場所が異なります。

脳、脊髄等中枢の異常の例

男性脳 女性脳 違い

腕自体の神経ではなく、その神経のおおもとになる脳や脊髄の中枢に異常がある場合も手に力が入らなくなります。麻痺を起こす箇所がピンポイントに手だけではなく、脳卒中の場合は左右どちらかの手足や顔面の麻痺がおこる片麻痺が起こり、脊髄の場合手足全体に麻痺がおこりやすいようです。

放置すると全身が麻痺し、最悪の場合呼吸障害を起こして死んでしまう場合もあります。ゆっくり症状が進行してだんだん筋力が弱る場合もあれば、急性に症状が起こる場合もあります。麻痺が進んで歩行が困難になった場合、転ぶと悪化します。救急車を呼びましょう。

バレー徴候 (Barre徴候)(脊髄、脳の病の疑い)

これは病名というより、神経性の握力の低下があるかどうかを検査する方法です。「麻痺ほどではないけどちょっと手に力が入らない気がする」という軽度の症状の場合、バレー徴候が現れます。

以下の方法でこの徴候を確かめられます。目を瞑るのでできればので他の人に見てもらうことが望ましいです。

  1. :両手を前に伸ばして指を付け、手のひらを上にむけます。
  2. :両目を閉じて、そのまま手を下ろさないようにします。

正常なら姿勢を維持できますが、異常があると腕が回内しながら下にさがります。肘の屈曲が見られるならば錐体路障害が疑われます。脊髄か脳に障害がある可能性があり、後述するCSMやCSAなど脊髄に問題がある頚椎症や、脳梗塞、脳出血を起こしているかもしれません。

手が動かないときは足にも麻痺が起こる場合があり、歩行障害も起こしてるケースがあります。脊髄でも脳卒中でも転んで外傷があると悪化しますので、歩けない場合救急車を呼びましょう。

頚椎症性脊髄症(CSM)

手足に力が入りにくくなって箸を持てなくなったり、ボタンをかけられなくなったりするほか排泄障害、歩行障害も起こします。頚椎症の一種で、脊髄の圧迫が原因です。急に悪化するというより徐々に進行しますが、怪我を原因に脊椎損傷を起こし大幅に悪化することもあります。

頚椎椎間板ヘルニア(頚椎ヘルニア)では首に痛みを感じますが、その他の頚椎症では痛みを感じないことも多いです。首を後ろに曲げたり上を向いたりすることで痛みが増すこともあります。脊髄の運動のみを司る神経が圧迫されるので知覚は異常がありません。40~50代の男性に多いといわれています。MRIで発見可能です。

脳卒中では片麻痺が起きやすいですが、脊髄や頸椎に異常があると四肢麻痺(手足全体の麻痺のこと)、対麻痺(両足の麻痺のこと)、感覚障害を起こします。(これらの症状を脊髄症(ミエロパチー)と呼ばれます。)

軽度の麻痺や感覚障害ならば内服薬などを処方し、重症の場合手術で改善します。

頚椎症性筋萎縮症(CSA)

原因はCSM同様に頚椎症ですが、徐々に筋肉が萎えるという点でALSの症状と似ています。手のほかに肩が上がらなくなる症状も多いです。神経の伝達速度の速さを測る検査をします。

軽度の麻痺や感覚障害などの軽症例では内服薬などを処方し、保存療法で6カ月ほどで改善が期待できます。3カ月で症状が良くならない場合は手術を選択することもあります。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

手足以外にも、喉、舌の筋肉筋肉が少しずつ痩せてしまって、言語障害や嚥下障害(物をうまく食べられないこと)などいわゆる錐体路徴候を起こします。しかし筋肉自体ではなく神経の病気です。体の感覚、視力や聴力、内臓機能などは異常がないことが多いです。筋肉自体ではなく原因不明の体重減少を起こしている場合はこの病気が疑われますので過去、現在の体重を医師に報告すると良いかもしれません。

原因が不明でMRIにかけても目に見える脊椎の異常が発見できないのが特徴です。原因は不明ですが老年者の発症が多く神経の老化が原因ではないかといわれています。中年以降、特に60~70代に多い病気です。若い人も発症しますが希少です。

CSAと違って回復はしませんがALSの進行を遅らせる作用のある薬を処方されます。悪化すると全身の筋力が低下し、呼吸もできなくなっていきます。

詳しくはALSの初期症状とは?痛みやしびれが現れたら要注意!を読んでおきましょう。

脳卒中(脳梗塞、脳出血)

脳の血管の異常が原因で起こる病気です。錐体路障害を起こします。

特徴としては、左右どちらかの手足、顔面の麻痺が起こる、片麻痺が起こりやすいことが特徴です。脳出血の場合吐き気が生じることがあります。(四肢麻痺が全く起こらないとは限りません。

また同じ脳卒中でもくも膜下出血の場合、四肢麻痺も見られますが、すさまじい頭痛が起こるため脳梗塞と脳出血と区別できます。)CTなどをとれば発見できます。

・くも膜下出血については、くも膜下出血の前兆をチェック!頭痛に要注意?

・脳卒中については、脳卒中の前兆をチェック!しびれや頭痛に要注意!

をそれぞれ読んでおきましょう。

自己免疫、染色体の異常による神経自体の損傷

遺伝子

脳卒中や脊髄のヘルニアに比べると聞きなれない病名や症状が多いと思いますが、誰にでも発症する可能性がある病気もあります。放置すると後遺症が残ったり呼吸するための筋肉まで動かなくなってしまい、呼吸困難に陥って死亡する場合があります。この機会に症状を覚えて備えましょう。

ギラン・バレー症候群

アレルギーのように自己免疫が異常を起こして神経を攻撃する病気です。筋肉を動かす運動神経を傷害することで両手両足に力が入らなくなります。運動障害に比べて、感覚障害は軽いのが特徴ですが、感覚神経も侵されているとしびれを感じる場合もあります。急性の症状で誰でも突然起こる可能性がありますが女性より男性に多いとされる病気です。

ウイルスや細菌が自己免疫の異常の引き金と考えられる病気です。発症の数週間前に風邪や下痢の症状があったなどの関連性を指摘されていますので、心当たりがあればお医者さんに相談しましょう。

手足の麻痺の程度は発病してから1~2週以内に悪化します。重症の場合には呼吸障害を起こします。常は2〜4週間目でピークに達し、進行は停止します。進行停止後は徐々に快方に向かい、3〜6カ月でほぼ完全に治りますが、10〜20%の割合で後遺症を残した人もいます。

左右片方のどちらかが動かなくなる片麻痺が多い脳卒中と違い、両手足が動かなくなることが特徴です。悪化すると顔が麻痺して目を閉じられなくなったり、呂律がまわらなくなったりします。他にもものが二重に見えたり、食べ物を飲み込むことができなくなったり呼吸ができなくなって息苦しくなる症状も見られます。

聞きなれない病名かも知れませんが、人口10万人あたり年間約2人発症する病気で難病の中ではさほど珍しい病気ではありません。赤ん坊から老人まで老若男女誰でも発症する可能性があります。髄液検査で発見できます。

治療法は免疫グロブリン大量静注療法と血漿交換療法です。免疫グロブリン大量静注療法は5日ほど行います。血漿交換療法回数は症状の程度によって異なりますが5m以上歩ける軽症では隔日で2回行います。自分で立てない、呼吸ができないほど悪化した場合は隔日で4回ほど行います。その間、筋肉を使っていないとどんどん痩せ衰えてしまうので、筋力回復のためのリハビリも行います。

詳しくは、ギランバレー症候群の原因は?ウイルスや細菌についてを参考にしてください。

重症筋無力症

ギラン・バレー症候群と同様、自己免疫の異常ですが、神経全体ではなく、シナプスのレセプターが自己抗体によって傷害される点で異なります。

運動神経と感覚神経ではレセプターの種類が違うので、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状のように運動の麻痺が起こり、感覚は麻痺しないことが特徴です。カリウムの不足でも似たような症状がでるので自己免疫が原因かどうかは病院で診察して判断します。免疫の異常の場合、自己免疫特有の治療を行います。

遠位型ミオパチー

手足等、体の先端にある部分の筋肉が委縮してしまう遺伝病です。

ミオパチーとは常染色体劣性を意味し、遠位とは、胴体から離れた部分という意味で手足を指します。筋ジストロフィーの一種です。10 代後半~30 代後半にかけて発症します。普通は近位型で胴体から疾患を起こすことが多く、遠位型はごく少数です。手より先につま先から症状がでることが多く、いったん歩行障害を起こすと10年後には歩行が困難になります。

今のところ不治の難病ですがシアル酸欠乏がミオパチーの原因であることはわかっており、治療法が考案中です。人体の有効性は確認されていませんが、マウスでの実験では効果がでている治療法は存在します。

慢性疲労症候群(神経系、ホルモン系、免疫系疾患の疑い)

身体を十分に動かせないほどの疲労が6か月以上の長い間にわたって続き、日常生活に支障をきたす病気です。筋肉や関節の痛みや倦怠感のほかにはリンパ節がはれたり微熱、頭痛、のどの痛みが現れることがあります。

この病名は検査しても原因がわからないときにつける病名で、精密に検査すると神経の病気や、ホルモン異常、免疫異常に関する疾患が見つかる場合があります。免疫系の投薬の治療によって内科的な治療による効果がみられない場合、うつ病など精神病を疑われます。

心療内科的な精神病

woman-565132_960_720精神病

原因がはっきりわからない場合がありますが、身体的な問題が見つかる場合もあります。はっきりと身体的な問題がわからない場合は投薬を試して治療することが一般的です。なかなか合う薬が見つからず長丁場になることもしばしばあります。

また、精密に調べたら他の疾患が見つかるケースもなくはありません。医院によっては、投薬ではなくライフスタイルや自己管理や考え方の見直し、アロマセラピーやカウンセリングを行うこともあります。

自律神経失調症(自立神経失調)

自律神経とは、心臓の鼓動や体温調節、泣いたり笑ったり驚いたりするなど精神に関連して動く体の作用、免疫、成長ホルモンの分泌など自分の意志とは関係なく動く部分の神経のことです。基本的に症状はあるのに病院で診察しても異常がないと判断されたときにこの自律神経失調症(自立神経失調症)という病名が付きます。さまざまな部分で使われるため、手足以外にも症状があることがあります。

手足以外には慢性的な疲労、倦怠感、めまい、偏頭痛、動悸、ほてり、不眠、便秘、 下痢、微熱、耳鳴り、手足のしびれ、口やのどの不快感、頻尿、残尿感のいずれか、あるいは複数を引き起こします。精神が不安定で抑うつや不安、イライラするなどの症状が見られます。

原因は睡眠不足や食事や生活の乱れによる身体へのストレス、低血糖、心理的な精神のストレス、女性ホルモンの影響、生まれつきの虚弱体質、低血圧です。ストレスで悪化して抑うつ状態になってしまうこともあります。

原因が不明瞭なので治療法もさまざまです。自己管理してライフスタイルを見直し規則正しい生活をすすめられます。カウンセリングやアロマセラピー指圧などの東洋医学的な療法を行うこともあります。

薬物療法としては精神科的な薬や、ビタミン剤、ホルモン剤、漢方薬などの投薬が行われます。原因不明なため薬が合うかどうかを試すことが多く、薬が合うまではあれこれ様々な薬を試してなかなか治らず副作用で気分も悪くなり、先が見えないという患者も多い病です。

医院によっては「医学は科学ではないので、投薬で治るという根本的な原因はわかっていない。便宜上「こういう症状を病気と定義しよう」と言って薬を投薬して統計上「治った」という報告がされているだけ。

症状を理解してくれる人たちがいるところで生活できれば無理に直す必要はない」と考えているところもあります。この辺りは議論中で「とにかく医者を信頼して薬を飲みましょう」という人もいます。

うつ病

手に限らず全体的に倦怠感が現れます。脳内伝達物質の異常、シナプスの異常、甲状腺から分泌されるホルモンの異常など原因は様々ですが、自律神経失調症と違って身体的な要因が発見されることもある病です。

ただし、自律神経失調症と同様、身体的に観測できる要因がなくてもうつ病と診断されることもあります。性格が真面目で人当たりが良く、自分の限界を超えて人の期待に応えようと努力してしまうタイプがうつ病になりやすいと言われます。

慢性疲労症候群(CFS)(うつ病の疑い)

前述したとおり、自律神経失調症同様、検査しても原因がわからないときにつける病名です。

免疫系の投薬の治療によって内科的な治療による効果がみられない場合、自律神経失調症やうつ病などの精神病を疑われます。

生活習慣や内科的な問題

精神科 心療内科 違い

自律神経失調症とかぶる面もありますが、睡眠不足や疲労や飲酒で手に力が入らないこともあるでしょう。

他には、体内の栄養バランスの偏りが考えられます。また一般的な生活をしていても腎臓病や糖尿病などの疾患があると同じ症状が現れることがあります。

カリウムの過剰・不足(腎臓病の疑い)

カリウム過剰の場合、単純にカリウムのとりすぎでも起こりますが腎臓病の合併症でもあります。腎臓の機能が低下するとナトリウムやカリウムの排泄が不十分になり、高カリウム血症になりやすくなってしまうのです。

むくみや高血圧などを引き起こし、進行するとうっ血性心不全や肺水腫になることもあります。高カリウム血症は手や口のしびれ、不整脈、脱力、味覚異常などをおこし、最悪の場合心停止するリスクがあります。

逆に不足した場合も筋力が低下して筋無力症や麻痺を起こします。筋無力症は手より先に外眼筋に起こりやすく、目に異常が現れます。瞼が上がらない、物が二重に見える、焦点が合わない、などの症状がでるほうが多いようです。

腎臓病の場合投薬と食事制限をして対処します。腎臓病でない場合もバランスの良い食事をとるように注意しましょう。

低血糖(糖尿病の疑い)

糖尿病でも起こる症状ですが、食生活に難がある場合は糖尿病でなくても起こりえます。

手以外にも強い疲労感や、集中力の極端な低下、激しい感情や無気力感など、うつに似た症状を起こしますが、特に何かを食べたいと思うことが低血糖の特徴です。また低血糖になるとアドレナリンを大量分泌されるので疲れているのに興奮しイライラすることがあります。食生活の要因の場合自律神経失調症の原因と一つとも考えられます。

白砂糖を大量に取るなど吸収されやすい糖を大量に摂取することでインスリンを過剰に分泌させる、あるいは逆に砂糖も炭水化物も全くとらない過度なダイエットが原因で糖尿病でもないのに低血糖を起こすことがあります。

糖尿病が原因でてのしびれが起こることもあるので、整形外科に行ったら内科を紹介されるといったケースが見られます。

更年期障害

更年期障害というと一般的には女性に訪れることの多い症状になります。閉経によるホルモンバランスの変化により急激に体調を崩したり具合が悪くなるなどの症状が起こります。個人差があり、誰にでも発生するわけではありませんが、多くの女性が経験する症状になります。

周囲の同年代の女性や自分よりも年齢を重ねている女性であれば多くの人が経験しているでしょう。調査では女性の80%の人で何らかの症状、体調の変化を感じていると言う結果が出ています。

自分の症状などと照らし合わせて話を聞いてみるといいかもしれません。更年期障害は40〜55歳までの間の期間に発生しやすい症状になります。最も多くの人が感じる症状は体の怠さ、すぐに疲れる、息切れ、動悸、めまい、乾燥、ほてりなどの症状が一般的です。

しかし、稀に体ががたがた震えたり、体に力が入らない、などの症状が発生する人も居ます。もしそのような症状が出てしまった場合は、しばらく横になって休んで安静にすることで楽になります。無理に働いたりしないようにしましょう。

しかし、原因が明確に更年期障害であることがわかっていない時は、一度総合病院などでの精密検査や健康診断を受けることや、婦人科で相談するなどをして置いたほうがいいでしょう。

更年期障害は女性の場合は基本的には婦人科でホルモ補充治療や、漢方を使った治療などが行なえます。もし精神症状が辛くでている場合は精神科や心療内科でも治療できますが、信頼できるお医者さんや専門家がいる病院やクリニックで診察、治療を受けたほうがいいでしょう。

男性の場合

男性の場合は男性更年期障害、別名LOH症候群と呼ばれます、LOH症候群の専門外来などがあればそこで治療を受けるといいでしょう。ない場合は、掛かり付けの内科などの病院でホルモン補充療法を行ってもらえるかを相談したり、専門科外来のある病院や先生、専門家などを紹介してもらいましょう。

まとめ

怪我をした覚えもないのに手に力が入らなくなる原因は神経の圧迫、血行が原因の骨の壊死、脳や頸椎などの中枢神経の障害、自己免疫や染色体異常が原因の神経自体の障害、精神病、生活習慣の乱れや内臓の疾患が原因です。

お医者さんでも判断が難しい場合もありますので、「自分はこの病気だ!」と思い込むことはせず、心当たりのある症状や特徴をはっきりと医師に告げて診察を受けましょう。

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