指にいつの間にかブツブツとした水泡が出来ている?!何か怪我した事あったっけ・・・?と思い返してみても思い当たる節が無い時ありますよね。指に水疱、いわゆる「水ぶくれ」が出来てしまっている場合は、やけどや摩擦による浸出液の水ぶくれが想像されますが、実は怪我などをしていなくてもふとした瞬間にある原因が問題となって水泡が出来る場合があるのです。
特に痛くないという人でも見た目として気持ち悪いですし、早く治したいですよね。原因不明の水ぶくれが発生してしまった場合に考えられる症状や治療法などについて紹介していきます。また、その症状は人に移ってしまうものなのかなどの問題についても紹介して行きたいと思います。
それでは水ぶくれの問題について詳しく見ていきましょう。
掌蹠膿疱症
指の水疱が掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)である可能性があります。一般的には聞き慣れない症状と思います。この症状についての詳しい原因や症状、治療法などについて見ていきましょう。
どんな病気なの?
手のひら、手の指、足の裏、足の指に無菌性の膿疱ができる皮膚病の一種です。症状が悪化すると合併症を引き起こし、物を持つ事が困難になる事があり、普段の日常生活を送るのに支障をきたします。
膿疱は膿が溜まっている水ぶくれになりますが菌などが確認されるわけではなく、破れてしまったからといった足などの部分に発生してしまうことはありませんが、故意に潰すと手に更に広がって発生してしまうことが報告されていますので注意が必要でしょう。
基本的に人に感染ることのない症状になります。子供などの免疫の少ない人に対しても感染してしまうことは無いので安心してください。遺伝に関しては、特定の人物や家族間で頻発しやい体質を遺伝する事はあるとのことですが、稀なことで、日本では遺伝に関しての報告は稀にしか報告されていません。
掌蹠膿疱症の症状
最初は赤い小さな水疱ができ周辺が赤くなりますが、徐々に黄色に変色していきます。水疱が出来ると痒みが伴いしばらくするとかさぶたになり治ります。やけどなどの水ぶくれに比べれば粒の一つ一つは小さく所々皮が向けている状態も確認できます。
膿疱が混在した状態で繰り返し水疱が出来るのが特徴的になります。出来る場所としては手のひらの中央や手の指の付け根、足の土踏まず、足の縁に多く発症します。まれに皮下や爪にも発症する事があります。
かゆみと痛みが混在して発生し、発症者の約10%に合併症が発生してしまうという報告があります。悪化している兆候がある場合は痛みが増幅し日常生活に支障が発生します。
合併症
この掌蹠膿疱症は合併症を起こすので厄介です。胸肋鎖骨関節、脊椎などに骨関節炎の合併症を10~30%と高い割合で引き起こします。
骨関節炎とは、関節軟骨の変性による疾患で鎖骨や胸中央の胸鎖肋関節などの関節が痛み、物を掴む事が困難になります。これを放置していると関節が変形してしまう事もあるので注意です。
特に胸肋鎖骨間骨化症を併発してしまうことが多く、胸に痛みや運動制限が発生している場合は病院でしっかり治療していく必要がります。
掌蹠膿疱症の原因
残念ながら原因は解明されておらず、今のところ不明のままです。一説として病巣感染やアレルギーと言われています。統計的に慢性化膿性病巣が発症者の約3割を占めています。
慢性化膿性病巣とは、細菌によって感染が慢性的に現れる場所の事を言います。また、喫煙者に多い病気なのでその関連を研究している最中です。
慢性辺縁性歯周炎の症状が病気の引き金になっている事も示唆されています。
現段階では喫煙、溶連菌やスーパー抗原などへの免疫異常、歯周病などの病巣や金属系からのアレルギー反応、ビタミン不足、などが今まで病気を発症してきた患者の傾向から導き出されている原因になります。
詳しくは、掌蹠膿疱症の原因はストレス?治療方法も紹介!を読んでおきましょう。
治療について
専門医であれば外見だけで特徴的な箇所で確実に診断できますが、わかりにくい場合は真菌検査、皮膚生検を行います。
掌蹠膿疱症は細菌やウイルスが原因では無いので、抗生物質や抗真菌剤は効きません。原因がはっきりわかっていない今のところ、主に炎症を抑える事が一番の治療方法になりますのでステロイド剤やビタミンD3軟膏で治療していきます。塗り薬であまり効果がない場合は内服薬で治療していきます。
しかし、内服薬は強力なものなので効果が期待できる反面副作用があります。また、合併症を引き起こした場合は免疫抑制剤で治療を進めます。
白癬(はくせん)
白癬により、指の水疱が出来ている場合があります。白癬はわかりやすく言うと水虫のことです。水虫って手の指に発生することがあるのか?と思うかもしれませんが、水虫は手にも感染してしまいます。頭や陰部にも発生することのある問題なのです。
手に白癬が感染してしまった場合の症状などについて詳しく見ていきましょう。
どんな病気なの?
真菌の一種の皮膚糸状菌・白癬菌が皮膚に感染して起こる皮膚感染症の1つです。発症する場所によって分類され、「体部白癬(たむし)」「股部白癬(いんきん)」「足白癬(水虫)」「爪白癬(爪水虫)」「頭部白癬(しらくも)」と呼ばれます。医学的には難しく言いますが、カッコ内で呼ぶ方が親しみあるのではないかと思います。
白癬の症状
症状は感染した場所によって現れ方が変わってきますが、共通した症状としては環状の紅班が現れます。その中心部は軽快傾向の為褐色系の色で、周辺は炎症が強く小水疱・丘疹ができます。
白癬は激しい痒みがあるとイメージが強いと思いますが、痒みが現れない場合もあるので注意してください。
水疱よりも皮が向けて白くボロボロになってくる症状が多いです。手の皮膚は固くなり全体的に皮膚が厚くなります。また爪に感染してしまった場合も爪が肥厚してしまい、白っぽくなったり黄色っぽくなります。爪の形も大きく変形し、がたがたになります。
感染した手のみが感染するので片手のみに症状が発生することも少なくありません。
白癬の原因
原因は白癬菌の感染によるものです。感染する機会が多いと感度でも感染してしまいます。
特に白癬菌は高温で湿気の多い場所に生存しています。不潔にしていたり汗っかきの体質の人や、長靴や安全靴など蒸れやすい靴を着用している人が多く感染しています。
趾間型水虫に感染している人の触れた箇所には白癬菌が在留していることが多く、直接的にまたは間接的にそこに手で触れることで感染してしまったり、入浴の際にほかの人の菌を感染させてしまうことも稀にあります。
菌がいる状態のタオルやマットなどでも感染してしまいます。なので手を拭くタオルなどの共有でも感染してしまうことがありますので注意が必要です。
治療について
顕微鏡を使い直接鏡検をして特徴的な白癬菌を検出出来れば、白癬菌に対して抗菌力のある抗真菌薬での治療になります。塗り薬で効果が見られない場合は内服治療を行います。
塗り薬でのメリットは症状の消失や菌の散布が抑えられるという事と、副作用が無いという事です。内服薬は広範囲で効果が効くので確実に病変に効きますし、治療効果が高い事がメリットですが、副作用があるというところがデメリットです。
- 外用薬:イミダゾール系・アリルアミン系・ベンジルアミン系・チオカルバミン系・モルフォリン系があり、クリーム状の薬が多いです。
- 内服薬:グリセオフルビン・アリルアミン系のテルビナフィンがあり、テルビアフィンは日拍的副作用が少ないですが定期的に血液検査を行わなければなりません。
再発の危険性も高いですし、完全に菌を殲滅しないと完治とはいえないので専門のお医者さんのもとでしっかり症状が治まってからも治療薬を使用し続けることが重要です。
手湿疹・足湿疹
湿疹により、手足の指に水疱が発生している場合もあります。一般的なもので原因も明らかになりやすい症状になります。原因をしっかり排除することで自己治療も目指せる症状になりますので自分に症状が発生してしまった原因をしっかり特定していきましょう。
どんな病気なの?
手や足に接触する物質の刺激やアレルギーにより、手や足に炎症を起こしてしまうものです。
特に水を扱う人に多く発症し、常に水に触れる事の多い主婦がなりやすいので「主婦湿疹」とも呼ばれています。他にも調理師、美容師、医療関係、飲食店の従業員に多く発症しています。
湿疹の症状
手や足の皮膚が乾燥し、湿疹がや水疱ができ痒みを伴います。症状の現れ方としては2パターンあり、皮膚が荒れて乾燥しパックリひび割れる物と指の間に紅斑が発生して広範囲に広がっていく物です。
これらの症状が悪化しくると水疱ができ、痒みの他に痛みも現れます。水疱が破れるとそこがカサブタになり、更に範囲を広げてしまうという繰り返しになるので厄介です。
掻いてしまうと更に症状が広範囲に広がっていく特徴があり、症状が発生してしまった場合は両手に同時に発生しやすい傾向があります。よく使う手の方があれやすい傾向があります。
湿疹の原因
皮膚表面を保護する各層間脂質が少なくなったり元々少ない乾燥肌体質の人がなりやすい疾患です。
主に水・シャンプー・洗剤を毎日過剰に触れる事で各層間脂質や天然保湿因子が減ってしまい起こります。年中いつでも発症する人や、空気が乾燥する秋や冬の時期にだけ発症する人もいます。特に乾燥した寒い時期にお湯を使用しながら洗剤などを使うことで一気に保湿因子が流されてしまい、乾燥することと洗剤からの刺激で痒さが発生することを発端にぶつぶつや水疱に繋がっていきます。
また、体質的原因以外では化学物質や金属などのアレルギー反応によって発症する場合もあります。自己免疫疾患の場合はしっかり何の物質がアレルゲンなのかをハッキリさせることが必要でしょう。
治療について
一番は肌の保湿を高める事が大事になります。
よく間違った処置でひび割れた部分に絆創膏を貼っている人がいますが、これはひび割れている部分ではない乾燥している部分に粘着面が接してしまうので逆に悪化してしまう原因にも繋がってしまいます。ハンドクリームやワセリンなどを塗り保湿外用剤を塗っても治らない場合は、皮膚科などを受診するようにして下さい。
湿疹が出ている場所はとてもデリケートになっています。ですが水や洗剤やシャンプーなどに触れない生活は避ける事は難しいので、木綿手袋を着用した上にゴム手袋で水分に強くしましょう。直接幹部にゴム手袋を当てると、悪化してしまう場合があるので、必ず刺激の少ない手袋を着用してからにして下さい。
汗疱、汗疱状湿疹(汗性湿疹)
指の水疱が汗疱、汗疱状湿疹(汗性湿疹)による可能性があります。手汗を手のひらにかきやすい人によく発生する症状ですので、心当たりのある人はしっかり内容を把握しておきましょう。
どんな病気なの?
手のひらや手の指、足の指や足の裏に小さな水疱が多数現れる疾患です。異汗性湿疹や指湿疹や汗疱などの様に略されて呼ばれることのある症状になります。
汗を多くかく人に発生しやすく、汗が外に出ることが出来ずに皮膚の内側で水ぶくれになってしまうことで水疱が沢山発生してしまうものです。
汗疱の症状
小さく透明な水疱が急に大量にできます。水疱が出現した最初の頃はとても痒く不快感が続きます。足に出来た場合白癬と勘違いされがちですが、汗疱には菌が存在しないので、他の場所に感染するという事はありません。
汗疱の特徴としては小さい水疱が無数に出来るという事です。小さな水疱同士がくっつき大豆の大きさにまでなることはありますが、発生した時から大きい物はありません。
また、1つだけ発生するという事は珍しく大体は無数に発生します。
汗疱の原因
残念ながら詳しい原因は明らかになっていません。夏場の時期や汗を多く掻く人に多い事から汗が影響を及ぼしているとも言われていますが確実ではありません。
食べ物や歯を治療した際に、金属を埋め込んでいる人のアレルギー反応とも言われています。詳しくは、汗疱の6つの原因とは?ストレスや病気の可能性も!を参考にしてください。
治療について
原因が解明されていないので有効な治療薬も見つかっていません。主にステロイド外用薬で治療していきます。アレルギーが原因の場合は抗アレルギー薬を使用します。
しかしこれは炎症自体を抑える為のもので完全に治すことは不可能だと言われています。また、歯科金属が原因の場合は、入れ替えをする必要があります。
アレルギー性皮膚炎
アレルギー性の皮膚炎により、指に水疱が発生していることもあります。
どんな病気なの?
元々人間の体は外から侵入してくる異物を体外に排除する免疫機能があります。病気の原因になる菌やウイルスを排除する為に働く機能ですが、
何らかの原因で体には害が無い物に対して防御反応を起こすヒスタミンが大量に分泌されます。そうすると体のどこかしらに反応が現れ、皮膚に発症した場合アレルギー性皮膚炎となるのです。
アレルギー性皮膚炎の症状
痒みのある疾患が全身に現れます。その症状の現れ方は人それぞれ違い、長期間に渡って症状が現れたり一時的に現れいつの間にか治っている事が多いです。
しかしそれは治っている訳でなく何度も繰り返し症状が現れるのが特徴的です。主に赤みのあるブツブツとしたできものや水疱が多くみられます。
アレルギー性皮膚炎の原因
アレルギー原因となる物をアレルゲンと呼びますが、それは人の体質によってバラバラなので、これが原因という事は言えません。
エレルゲンとなる代表的な物は「花粉」「金属」「薬」「食べ物」「化粧品」「植物」になり、皮膚に接触する事で発症します。遺伝的なものもあれば、子供の頃は何も反応しなくても大人になってから急に反応する事もあります。
また、精神的に疲れている時やストレスを過度に感じる時は免疫力が低下するので反応してしまう場合があります。
治療について
何がアレルゲンかわかっている場合はその原因物質を肌に触れ無ように生活の中で改善していく事が大事になります。食べ物の場合は摂取しないようにしたり、ほこりや花粉が原因であればこまめに掃除をしたり空気清浄器を使用したりと、工夫をしていきましょう。
アレルゲンがわからず発症してしまった場合は、血液検査などをしてまず何のアレルギーなのかを調べます。ステロイド外用薬や抗アレルギー薬を処方してもらい炎症を抑え、悪化しないようにします。アレルギー性に関しては完治する事は無いので、発症したら薬による治療を続けていかなければなりません。
炎症が治まれば薬を塗ったり服用する事はありませんが、またアレルゲンに触れてしまうと発症してしまう事を忘れてはいけません。
まとめ
指に出来る水疱と言っても色々原因があるのがわかりましたね。早く治す為には原因をいち早く見つける事が大事になります。特にアレルギー性の場合はアレルゲンとなっている物がわからなければ、何度も同じ症状が出てしまうのが怖いところです。
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