脇の下が痛いのは病気?乳腺で起きる炎症について

脇の下に痛みが走ると「乳がんかもしれない」と心配される女性は多いでしょう。脇の下にはリンパ節があるため、異変が生じると敏感になってしまうと思います。でも、悩んでいないで、医者にかかりましょう。

というのも、「乳がん」とはまったく別の病気である「乳腺症」が、脇の下の痛みの原因かもしれないからです。

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 乳腺症による脇の下の痛みについて

脇の下

脇の下が痛むので、乳がんを心配して医療機関を受診した方が、医師から「乳腺症」と言われるケースは多いようです。医師としては「乳がんではなく、乳腺症です」と説明しているのですが、患者の方では「乳腺症って、乳がんの前兆でしょ」と理解してしまいます。

この2つはまったく別の病気です。そこでまず、乳腺症をみてみましょう。

乳腺症とは?

「乳腺」は、母乳を作り、母乳を体の外に出す臓器です。母乳は「乳腺」から「乳頭」に届きます。赤ちゃんは「乳頭」を吸って、母乳を飲むことができるのです。

その「乳腺」に異常が起きる病気を総称して「乳腺症」といいます。

「嚢胞」や「「乳管乳頭腫症」も乳腺症である

乳腺症に含まれる病気のひとつに「嚢胞(のうほう)」があります。これは、乳腺に液体が詰まった袋状のものができてしまう病気です。「嚢」は「ふくろ」という意味です。

また「乳管乳頭腫症(にゅうかんにゅうとうしゅしょう)」は、細胞が過剰に増えてしまい、それが乳頭から漏れ出てくる症状を引き起こします。

そのほか、乳腺症に含まれる病気は10種類近くあります。

乳がんではない

乳がんも、乳腺に異常を起こしますが、「乳がん」は「乳腺症」には含まれないのです。乳がんが疑われた場合も乳腺が疑われた場合も、同じように乳腺の細胞を採取して、顕微鏡で、がん細胞が含まれていないかどうか調べます。

このとき、がん細胞が1個でも見つかったら、もう「乳腺症」とは呼ばずに、「乳がん」と診断されるのです。

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乳腺症の症状は?

次に紹介する文章は、30代後半の女性が、最初に受診した医師に不信感を持ち、セカンドオピニオンを求め、別の医師に相談した内容です。一部要約しています。

「右胸の乳首を含む乳房全体が、チクチクと痛みました。生理が近くなると痛みが強くなります。生理後は、痛みが弱くなりますが、痛みは続きます。大学病院でマンモグラフィーとエコーの検査を受けましたが『異常なし』とのこと。医師に『痛みの原因はなんですか』と尋ねると、医師は『原因不明で乳房が痛くなることはよくある』と回答でした。しかし、その後も、右乳房は痛み続け、次第に、脇の下、肩なども痛み始めました。この症状で『乳がんのリンパ節転移』という可能性はないものなのでしょうか」

この相談を受けた医師の回答は「実際に診察しないと断言できませんが」と断った上で、「この症状であれば乳腺症でしょう」という内容でした。

①マンモグラフィーやエコーでがんのようなものが見られない
②30代から閉経期の方の乳腺症でよくみられる症状

というのが根拠のようです。

さらに、患者が、乳房に続いて脇の下などが痛くなったと訴えていることについては、この医師はこう答えています。「患者が、事務業務などでパソコンを頻繁に使っている場合、乳腺症に加えて、首や腕などのコリが重なった可能性が考えられます」。つまりこの医師は、この症状と、最初の病院での診断で、乳がんを否定しているのです。

別の医師の見解も紹介しておきます。こちらの医師は、乳腺症の症状として、次の項目を紹介しています。

・乳房のしこり
・鈍い痛み
・脇の下が腫れる
・脇の下が引きつる
・肩こりのような痛み
・乳房から乳首に抜けるような激痛

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乳腺症の原因

乳腺は生殖器官のひとつですので、女性ホルモンが乳腺の働きを調整しています。また、乳腺は乳房の中に収まっていますが、その乳房の容積は、生理の前後で30~40%も増減します。さらに乳房は、妊娠や授乳によっても変化を受けるのです。

つまり乳房や乳腺は、極めて微妙なバランスが保たれて初めて、正常に機能しているのです。ところが女性は30歳を過ぎたあたりから、ホルモンバランスが崩れ始めます。50代ごろに閉経となると、更年期障害という症状が出ます。

そして乳腺症も、こうした女性特有の体の変化の中で発症するとされています。

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乳がんによる脇の下の痛みについて

授乳

母乳を作る「乳腺」は、「乳管」と「小葉」という器官で構成されています。

いわゆる「乳がん」は、「乳管がん」と「小葉がん」のことをいいます。ですので、一般の人が医師から「あなたは乳腺症です」と言われたら、「乳がんに進行するかも」と心配するのは当然のことともいえるのです。

乳がんでも乳腺症でも、「脇の下のリンパ節が腫れる」といった症状は同じです。違いは、乳腺症の場合、脇の下が痛むのに対し、乳がんの場合、初期では、一般的には、痛みがないということです。ただ、乳がんでも進行すると、脇の下に痛みが現れます。

初期症状として現れる

乳がんの場合、最初は乳房にしこりとして現れ、進行するとリンパに転移します。それで、乳房に最も近いリンパ節がある脇の下に違和感が現れるのです。

その他の症状では、腕がしびれたり、腕がむくんだりします。

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乳がんの検査と治療は?

顕微鏡

乳腺症と乳がんの検査は、同じ内容になります。それは、乳腺症が強く疑われても「乳がんではない」ことを明らかにする検査をしなければならないからです。「乳がんではない」検査は、「乳がんを見つける」検査と同じです。

体に負担が少ない検査から

検査は医師による問診、視診、触診から始まります。続いて、マンモグラフィー検査と超音波検査を行います。これは、体に負担が少ない検査から始めるという原則があるからです。

マンモグラフィー検査は、乳房専用にX線撮影検査です。機械を使って乳房を押しつぶして、できるだけ「平らに」して撮影するので、通常のX線撮影検査では、見つけることが難しい小さながんを見つけることができる可能性があるのです。

この時点で、「乳がんではなく乳腺症である」と診断できることもあります。

細胞を見る

マンモグラフィー検査や超音波検査で、乳がんが疑われると、乳房の細胞や組織を切り取って調べます。細胞は一般の注射器を指して採取し、組織は局所麻酔を打って切り取ります。これは乳房を傷つけるため、体への負担が大きい検査といえますが、これで腫瘍が良性なのか悪性なのかが分かるそうです。

ただ、ここまでの検査をしても良性なのか悪性なのか分からないことが、まれにあるそうです。その場合、乳房をさらに大きく切除して、検査します。

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乳がんの基礎知識

野菜

乳がんは「転移しやすいがん」といわれているそうです。転移先は、骨、肺、肝臓などの人の生死に関わる臓器なので深刻です。ある病院は、「乳がんの手術でがんを切除しても、3割ほどは再発や転移することがある」と指摘しています。

乳がんの治療は、「そこにあるがん」との戦いと、「転移したがん」との戦いの、2つの戦いに挑むことになるのです。

生活環境が関係している

乳がんを発症する人は、年間3万人以上で、死亡者は年間1万人以上といわれています。しかも、乳がんの患者は増加傾向にあります。遺伝の可能性もあるそうですが、「現在も増えている」という現象から、食生活やストレスといったライフスタイルの影響が大きいだろうと考えられています。

遺伝の原因を取り除くことはとても難しいですが、食生活を良好なものに変えることは不可能ではありません。肥満も、乳がんの危険因子のひとつといわれています。

女性ホルモン

そしてもうひとつ、乳がんの原因として指摘されているのが、女性ホルモンです。妊娠、出産、生理などを正常に保つ女性ホルモンは、複雑な働きをしています。

乳がんを発症しやすい方として、生理が不順な方や、独身女性や妊娠したことがない方などが挙げられます。

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まとめ

明日

脇の下に痛みが生じて、それがしばらく続くようなら、医師は、迷わず乳腺外科を受診するようすすめています。

ただ、「乳がんではなく乳腺症」と診断が下っても、その後しばらくして乳がんを発症することがあるそうです。このケースでは、患者は「最初の『乳腺症という診断』は誤診だったのではないか。乳がんを見落としたのではないか」と疑いたくなります。

しかしこれこそが、「脇の下の痛み」の恐さだといえるでしょう。繰り返しますが、疑わしいときは医師の診察を受けてください。

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