私の背中ニキビってどうしてこんなに治らないんだろう。と悩んだことはありませんか?
あなたの背中にある赤いぶつぶつ、実は身体ニキビとも呼ばれるニキビじゃなくてマラセチア毛包炎と言う皮膚病かもしれませんよ。
長期間の治療や予防でも全然効果が見られない、汗をかきやすい夏場などは特に症状がひどくなるなどの悩みを抱えている人は一度この病気の事を視野に入れて治療を行っていったほうが良いでしょう。単なるニキビや吹き出物と違ってなかなか市販薬のニキビ治療の薬では治らないので注意が必要です。
最近よく聞くようになったマラセチア毛包炎とは、一体どんな炎症なのでしょうか。症状や原因、治し方をまとめました!
マラセチア毛包炎の症状
汗ばむような暑い時期、特に湿気の多い日本の夏に多いのがマラセチア毛包炎です。
この皮膚の疾患は、男性に多いわけでも女性に多いわけでもなく、10代からお年寄りに至るまで、幅広い年齢層の中で見られます。
・症状について
マラセチア毛包炎の症状は、皮膚が赤くなり、光沢のあるブツブツが毛穴にできます。普通のニキビよりも少し小ぶりなのが特徴です。そして軽い痒みが発生し、酷くなってくると、痛みすら感じる強烈な痒さになります。また発疹の先端に膿ができることもあるので、ニキビと非常に似ていて間違いやすいです。
場所でいうと、背中、胸、肩、腕、頭皮あたりによく発症します。自分の腕や胸にニキビのようなものができている方は一度気にして見てみてください。発疹の大きさはどうですか?長いあいだ同じ場所の発疹が治っていなかったりしませんか?
ニキビと違う点では、ニキビや吹き出物は単発でぽつんと出来るのに対し、マラセチア毛包炎は群発して赤い湿疹がたくさんできる特徴があります。
一つの赤い斑点ではなく、いくつもの赤い点々が広がっている場合には、マラセチア毛包炎の可能性が高いでしょう。
背中や肩や胸にできやすい理由は、原因の項目でも触れますが、この皮膚病の原因がマラセチア菌という菌が関係して発症していて、この菌が汗をかいて蒸れやすい場所に増殖する傾向があるからです。なので、自然と皮脂腺の多い箇所で、服やカバンなどで蒸れやすい箇所に発生しやすくなります。
マラセチアとは?
マラセチアって、なんだか重大な病気っぽい名前で嫌ですよね!
マラセチアとは、カビの一種なんです。私たちの身近にいるカビで、自分自身の体中の皮膚の上にいっぱいいる常在菌の1つなんですね。健康な人の皮膚に寄生している菌なのですが、普段は特に悪さをするわけではありません。
人の皮膚の上には、200種類以上の常在菌が100万個生息していると言われています。ちなみに、ニキビの原因菌であるアクネ菌も、皮膚に普通に生息している常在菌です。
・発生しやすい場所
マラセチアは、皮脂の多い場所が好きです。なので頭や鼻周りやおでこなどの、ベタベタする場所に多いです。ですが、やはりカビなので湿気を好み、マラセチアが悪さをしやすいのは、服でおおわれてムレてしまう、胸、腕、肩、背中や、頭皮、こめかみです。だからこのあたりに発疹ができやすいんですね。
ちなみに毛包炎とは、毛包(毛穴の奥で毛根を包んでいるところ)に細菌が感染して起こる皮膚の病気です。
ニキビ用のニキビ薬では治らないので、専用の薬を使って治療していきましょう。
・似ている皮膚病
マラセチア毛包炎と似ている皮膚病はニキビだけではありません。毛嚢炎(もうのうえん)というマラセチア毛包炎に非常によく似た症状の皮膚病が存在します。
この病気もニキビや吹き出物の症状と似ていて、できやすい箇所は同じく皮脂腺や毛根のある場所です。
ムダ毛の処理などを行った場所にできやすい特徴があります。清潔にしていない為に、ムダ毛を処理した後などに毛根に菌が入り込み赤いぶつぶつの症状が出ます。
ぶつぶつの症状の中心に菌が溜まり膿が白くポツポツと出てきて、白ニキビのような出来物に似た物が出来ます。この症状は、黄色ブドウ球菌が原因になって発症するもので、皮膚の深部で炎症が起こった場合は大きなしこりの様な物ができます。
毛嚢炎は自然治癒が可能な皮膚症状です。ニキビ同様1週間ほどで綺麗に治る場合がほとんどです。症状が広範囲に渡る場合や、症状が非常に悪化したり痛みやかゆみなどの症状がひどい場合には病院での治療が必要になります。
出来れば症状が出ている場合のムダ毛の処理は最低限に抑えたほうが良いでしょう。また、症状が頻発する場合は毛の処理方法に問題がある可能性もあります。道具を変えることや方法を変えるなどして対処しましょう。
マラセチア毛包炎になる原因は?
マラセチア菌が原因になって症状が出てしまうということは説明しましたが、マラセチア菌によってどのように症状が発症するのかもう少し詳しく見ていきましょう。
マラセチア毛包炎が発症する原因
ニキビの原因はアクネ菌です。一方マラセチア毛包炎の原因は、マラセチア菌です。
マラセチア毛包炎に関係のある菌は、「マラセチア・ファーファー」「マラセチア・グロボーサ」「マラセチア・シンポディアリス」「マラセチア・レストリクタ」「マラセチア・ダーマティス」の5つの種類の菌だとされています
そして、マラセチア毛包炎を発症するメカニズムは2通りです。
1つ目は、急激に増えてしまったマラセチア菌を、体が異物と判断することで免疫反応を起こしてしまい、炎症が起きているというパターンです。
2つ目は、マラセチア菌が皮脂を分解したときに発生する代謝物が原因となり、皮膚が炎症を起こしているパターンです。
簡単に説明すると、皮膚が不潔な状態になりムレムレだと、マラセチア毛包炎を発症しやすいってことです。その環境にある時に、上のメカニズムのように異常繁殖やら代謝物やらで炎症を起こすんですね。特に、今の季節は汗はかくし服の中は蒸れるので、すでにマラセチア毛包炎を発症してしまっている人もいることでしょう。次にマラセチア毛包炎の治し方をご紹介します。
マラセチア毛包炎の治し方
ニキビとマラセチア毛包炎は、似て非なるものです。なので、ニキビに効く薬はマラセチア毛包炎に対しては効果がないので注意してください。むしろ悪化させて症状を重くしてしまう危険があります。
・皮膚科で診察してもらう
薬を塗ってるのに全然治らないニキビがあれば、マラセチア毛包炎かもしれませんね。疑いがあるなら皮膚科で診断してもらいましょう。
マラセチア毛包炎かどうかは、膿を検査するとわかります。膿にマラセチア菌がいればマラセチア毛包炎です。マラセチア毛包炎は、自然治癒が難しいとされています。ですが、医療機関にかかれば治りやすい!とも言われているんです。
では、そんなマラセチア毛包炎の皮膚科での治療はどんなものなのでしょうか。皮膚科での治療は、抗真菌薬をもらい、1~2か月間塗り薬を塗ると改善されます。治りにくい場合には内服薬もあったりするので、症状の強弱によってお医者さんに判断してもらうのが安心ですね。
お医者さんでの治療は、「ニゾラール」などの抗真菌剤塗り薬が処方されます。それでも完治しない場合は、「イトラコナゾール」などの抗真菌剤の飲み薬を使用することもあります。
・市販薬で治療する場合
一方、市販薬もあります。市販薬でマラセチア毛包炎に効果があるのは、イミダゾール系の塗り薬です。イミダゾール系の薬は、真菌が原因のインキンタムシや水虫に効く薬です。
これらの真菌症を塗り薬で改善するためには、病院でもらう薬と同様に1~2カ月は薬を塗り続ける根気強さが必要になってきます。ですが、先にも書いたようにマラセチア毛包炎だと思っていても、実際には違って普通のニキビに間違えて塗ると、ニキビを悪化させる恐れがあります。
なので、一番はやっぱり皮膚科で症状を見てもらい、医師の判断で薬を処方してもらうことです。
・治療期間
治療期間は最低でも2週間はかかると思っておいたほうが良いでしょう。基本的には1ヶ月ほどで治るケースがほとんどです。しかし、これはあくまで目安です。症状の度合いや症状が広範囲に渡って発症している場合には治療期間がもう少し伸びてくると思っておいてください。
もしこの皮膚病の症状が発症しているということが判明すれば、早めにニゾラールやイトラコナゾールやイミダゾール系やケトコナゾールなどの治療薬を使い、早めに治療を始めていきましょう。
さらに、毎日着る服なども常にきれいなものを着るように心がけることが重要です。毎日選択された服を着ることや、汗をかきやすい夏場などは大きく汗をかいてしまった場合はシャツを着替えるなどの対処を取るといいでしょう。
高温多湿な環境をなるべく避けて、部屋では過ごしやすい温度に設定して汗をかかないようにすることも治療を早めるためには有効です。無理をせずにクーラーを使うことで症状を和らげましょう。
マラセチア毛包炎の予防法は?
マラセチア毛包炎で注意しないといけないのは、一度治っていても、清潔にしていなければ再発する危険もあるということです。そしてまだ発症したことが無い人も、1番はお肌を清潔にすることが大事です!
汗対策
この暑い時期、汗をかくのはしょうがないですよね。ですが、ちょっとしたことでお肌を清潔に保つことはできます!
普段から汗をこまめに拭いたり、汗をかくようなスポーツをしたときはなるべく早めにシャワーを浴びるようにしましょう。さらに、家に帰ってから化粧はきちんと落としてから寝ること、シーツや枕カバーなど身の回りのものも1週間に1回は洗濯するなど、とにかく清潔にすることが大事です!
とくに専業主婦の方は、夏の暑い中でも電気料金を気にしてエアコンをかけなかったりすることもあると思いますが、今年のような暑い夏には大量に汗をかいてマラセチア毛包炎になる危険もあります。
何より、室内でも熱中症にかかるおそれもあります。エアコンの温度を28度に設定して、弱風にし、同時に扇風機をかけると、かなり涼しくなりますし、汗をかくほどではなくなるので、ぜひ主婦の方は試してみてください。エアコンと扇風機のダブル使いだと、電気料金もそんなに高くはなりません。
化粧を薄めに
化粧品に含まれる成分がマラセチア菌を増やしてしまう原因になります。特に乳液や化粧水がその原因となりやすく、適量を付ける分には問題ないですがベタベタと肌の含有量を超えて付けてしまった場合、菌が増殖してしまいます。
また、化粧を厚く塗ることで、汗を拭えなくなり化粧が含んだ汗によって顔全体にマラセチア菌が増殖しやすくなってしまう可能性もあります。
なるべく、普段は化粧をしないようにすることや、化粧を薄くして皮膚への負担を減らすことが重要です。
もしマラセチア毛包炎になっている場合でも、症状を隠そうとして化粧を厚塗してしまうと症状が悪化してしまいます。悪循環が始まってしまうので、症状が出ている時は余計に化粧には気をつけましょう。
入浴をしない
毎日お風呂に入らない人は、菌が皮膚に増殖した状態が長くなり炎症が起きる可能性が非常に高くなります。自宅にお風呂が付いていないなどの事情がある場合には毎日お風呂に入ることが出来ないなどの事があるかもしれませんが、なるべく汗だけでもタオルでしっかり拭うようにしましょう。
特に汗をかきやすい夏場は症状が発症しやすいため、汗をかいた日はしっかりお風呂に入るようにしましょう。
また、胸元や背中は特に皮脂腺が多く、汗を掻きやすいのでしっかり洗うようにしましょう。同様に顔に症状が出やすい人は毎朝顔を洗うことを忘れないようにしましょう。
抗生物質を飲んでいる時は要注意
何かしらの病気にかかって、医者から抗生物質の服用を指示されている時は特に注意が必要です。抗生物質に含まれる成分が皮膚細菌を減らしてしまい、逆に肝心なマラセチア菌を殺さないので皮膚炎の症状を引き起こしやすくなります。
同時に皮膚の常在菌であるカンジダ菌も増殖させる傾向があるので、カンジダ皮膚炎やマラセチア毛包炎などの皮膚病に要注意が必要です。
特に長期間の薬の服用をしている人は注意しましょう。抗生物質は細菌に効果のある薬ですが、真菌などのカビには効果がないのでこれを覚えておきましょう。
免疫力が落ちている時に発症しやすい
マラセチア菌などの皮膚病を引き起こす菌は大体がどこにでも存在する常在菌によって引き起こされます。なので、普段は人間にとっては大きく害にならない菌が原因で病気が起こります。
正常な免疫状態では発症しない病気なので免疫力を常に高く保っておくことがこの様な比較的弱い菌から起こる病気の予防には最も効果的です。
免疫力を高く保つには、腸内環境を改善することと体温を高く保つことが効果的です。しかしこれらの事を心がけていても何かしらの原因で体調不良などの症状が起こり、免疫が落ちてしまうことはあります。また知らない間に免疫力が低下していたなんてこともあるでしょう。
病気の症状が出る前に免疫力が低下しているサインをあらかじめ知っておき、そのサインがでたら早めに対策していきましょう。
免疫力が下がっているサインは、冷えの症状が出ている、環境の変化(気温差など)、ストレスを感じている時、疲れている時、睡眠不足の時、乾燥する、口内炎が出来る、排便が快調でないなどのサインが現れます。
これらのサインが現れた際は早めに栄養のある食事や、身体を温めるなどの対策を取って病気への抗体力を高めて感染を防ぎましょう。
まとめ
●マラセチア毛包炎の症状
赤くなり、光沢のあるブツブツが毛穴にできる。ニキビより少し小ぶりでかゆみをともなう。
背中、胸、肩、腕、頭皮あたりに発症する。
●マラセチアとは?
マラセチアは、カビの一種。人間の皮膚の上にいる常在菌の1つで、普段は特に悪さをするわけではない。
●マラセチア毛包炎になる原因は?
マラセチア菌。皮膚が不潔な状態で、ムレムレだとマラセチア毛包炎を発症しやすい。その環境にある時に、マラセチア菌が異常繁殖したり、その代謝物で炎症を起こす。
●マラセチア毛包炎の治し方
自然治癒が難しいので、皮膚科で治療がオススメ。塗り薬1~2カ月と、ひどい場合は内服薬も同時にもらう。
●マラセチア毛包炎の予防法は?
お肌を清潔にすることが一番!こまめなシャワーと、身の回りのものを清潔にすること、厚い時期はエアコンを使い汗をかかないで済むようにすることがオススメ。
以上、今回はマラセチア毛包炎についてまとめてきました。今一番暑いこの時期だからこそ気を付けたい皮膚疾患ですね。体も身の回りのものも、清潔にして爽やかに毎日を過ごしていきましょう!
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