熟睡する方法を知ろう!寝室の環境改善やリラックス効果の音楽が良い?

最近長時間寝ているのによく寝た気がしない、朝起きられない、昼間眠たくて困る、などということはありませんか?こういったことが続くと日常生活にも支障が出てしまいますよね。

寝不足は仕事や勉強の効率を下げてしまいますし、体調不良の元にもなります。できれば熟睡をしてすっきり目覚め、1日を活動的に健康的に過ごしたいものです。

そこで今回は「熟睡する方法」を調べてみました。

睡眠とはどういう状態か

ぐっすり寝ている女性

普段何気なくとっている睡眠ですが、寝ている間の脳や体はどうなっているのでしょうか。まずは睡眠について調べてみました。

睡眠は意識のない状態

睡眠は意識のない状態ではありますが、適度な刺激でまた覚醒することができる状態を指します。

睡眠時の脳は活動を休ませて休息をとっています。脳は全身の司令塔なので、脳が休むことで体の各器官の活動を、生理的に低下させて休ませているのです。これで全身の疲労回復をさせているのですね。睡眠時の全身の働きといえば、生きるために必要な最小限のエネルギーを消費しているという状態です。

レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠時の脳波は浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」という2種類のタイプに分かれています。この2つは約90分周期でだいたい4回から5回という一定の睡眠周期リズムを一晩のうちに繰り返しています。

このリズム周期をうまく利用することは良い睡眠を得るのに大切なことです。

レム睡眠

「レム睡眠」は浅い眠りで、眠っていても眼球がキョロキョロまぶたの下で動いている状態です。正しくは「REM睡眠」と表記し、これは「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)の略です。

このレム睡眠のとき、体の力は抜けていて呼吸や脈拍は不規則です。また鮮やかな夢を見ていることが多いです。レム睡眠のときに無理矢理起こすと「夢を見ていた」という状態で、朝起きた時に覚えている夢は、このレム睡眠の時にみたものです。

レム睡眠では脳の情報の整理を行っていると考えられています。またレム睡眠は朝が近づくに連れて長くなり、これで覚醒の準備をしていると言われています。

ノンレム睡眠

「ノンレム睡眠」は深い眠りで脳を休ませる状態で、「Non-Rem睡眠」とも書きます。ノンレム睡眠は眠りの深さによってS1、S2、S3、S4という段階に分けることができます。就寝後、30分くらいしてから現れるもっとも深いノンレム睡眠はS3、S4で「徐波睡眠」「深睡眠」とも呼ばれています。この時に成長ホルモンが分泌されていると言われています。ノンレム睡眠でも夢を見ていますが、起きても覚えていないことがほとんどです。

睡眠中に関係するホルモン

「メラトニン」と「セロトニン」という睡眠に関係するホルモンがあります。この2つのホルモンは睡眠に深く関わ理、また自律神経の調整にも関わるホルモンです。

これらのホルモンはどのような働きをしているのでしょうか。

メラトニン

メラトニンは脳の「松果体(しょうかたい)」というところから分泌されている体内時計を調節するホルモンです。体内時計に働きかけて、睡眠と覚醒を切り替えてくれます。

起床後だいたい15時間後くらいになるとメラトニンが分泌され始めます。メラトニンは副交感神経を優位にし、体の眠る準備を整えていきます。体の深部体温を下げ、血圧を下げ脈拍数を減らしていくのです。

朝は太陽の光などを浴び、明るい光を目にすると、体内時計からの信号でメラトニンの分泌が抑えられ目覚めるようになるのです。

セロトニン

メラトニンの原料となるものが神経伝達物質である「セロトニン」です。セロトニンは交感神経系が優位になっている昼間に活発に分泌されます。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、減少してしまうと気分が落ち込んだり不安感を覚えたりすることが知られています。

つまりセロトニンが昼間にたくさん分泌されれば、メラトニンも夜たくさん分泌されることになります。セロトニンの原料になるものが「トリプトファン」というアミノ酸です。トリプトファンは、食べ物では肉や魚、牛乳、バナナなどに多く含まれています。

成長ホルモン

「睡眠のゴールデンタイム」といって、深い眠りに入っている時に脳下垂体から分泌されるホルモンです。夜の10時から2時がゴールデンタイムとする意見が多いのですが、眠ってから最初の3時間のうちもっとも深い眠りである「徐波睡眠」がゴールデンタイムで、この時に成長ホルモンが多く分泌されている、という意見もあります。

成長ホルモンは子どもの身長を伸ばし、大人では美肌効果やアンチエイジング、脂肪燃焼に影響を持つホルモンと言われています。

熟睡を妨げるものとは?

ベッドでパソコンの女性

では熟睡を妨げるものはなにがあるでしょう?

日頃は気にしていないようなことも多いかもしれませんが、熟睡できない人は該当する生活習慣などがないか見直してみてくださいね。

寝る直前までパソコンやスマートフォンを眺める

夜中に明るい光を見つめたり浴びたりすることは、深く眠るのに大切なメラトニンの分泌が妨げられてしまいます。ですので夜遅くまでパソコンで作業をしたり、スマートフォンを見たりしているのは熟睡の妨げになります。

また夢中になってパソコン画面を眺めて読んだり、メールを送ったりしていると脳は興奮してしまい、睡眠のリズムを狂わせる原因となってしまいます。

明るすぎる照明やうるさい音

パソコンやスマートフォンもそうですが、夜遅くまで明るく電気をつけて仕事をしていたり、テレビをつけていたりということも睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を妨げてしまいます。そうなると熟睡ができません。

豆電球がついていないと落ち着かない、と言ってつけている方は結構多いのですが、実は豆電球程度の明るさでも熟睡の邪魔になると言われています。豆電球程度の明るさでも、たとえ目を閉じていても網膜は光を感じているのです。

また道路沿いだったり繁華街だったりと、眠る環境の周りの音が大きいと当然熟睡ができません。

悩み、ストレスや過度の疲れ

悩みやストレスがあると、人はゆっくり眠ることができません。気持ちが高ぶってなかなか眠りにつけなかった経験を持っている人は多いですよね。ストレスがたまり、セロトニンの分泌が減ってしまうと、メラトニンの分泌が減って熟睡できないという悪循環にもなります。

また疲れていたらよく眠れそうですが、あまりに疲れている時も熟睡ができません。激しい運動をした後はそれをストレスと感じてしまい熟睡できなくなるのです。

寝る前の食事やカフェインの取りすぎ

眠る前に食事をとってしまうと、内臓の働きが活発になってしまいます。睡眠の時には体を休めるのですが、内臓が活発のままだと休むことができません。胃腸の働きも寝ている間は鈍く、消化不良や胃もたれ、肥満の原因にもなってしまいます。また深部体温を下げることができず、深い眠りに入ることができません。

カフェインも熟睡にはあまり良くありません。カフェインには覚醒作用があり、熟睡の妨げになります。カフェインを摂るとカフェインの血中濃度が半分になるまでに4時間ほどもかかるという研究もあります。なおカフェインはコーヒーだけでなく日本茶や紅茶にも含まれています。

睡眠サイクルの乱れ

先に説明したレム睡眠とノンレム睡眠の睡眠サイクルの乱れがあると、熟睡ができなくなってしまいます。ノンレム睡眠の時に無理矢理起きたり起こされたりすると、脳が休んでいる時なので、なかなか頭がすっきりしません。

また交代勤務の仕事など、生活リズムや睡眠リズムが一定になりにくい人も熟睡できなくなることがあります。夜寝たい時間に寝られない、朝決まった時間に起きられないなどの乱れも熟睡を妨げる要因です。

睡眠時無呼吸症候群

結構長時間寝ているのに寝た気がしない、昼間とてつもなく眠くなるという人は、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があります。これは眠っている間に呼吸が止まってしまうものです。

肥満や、顔の構造、首が短いなどが原因で上気道が狭くなってしまうタイプと、呼吸中枢の異常で止まってしまう2種類のタイプがあります。

呼吸が止まると体内の酸素が不足してしまいます。そうなると人の体は酸素を取り入れようと心拍数をあげることになります。体を休めるはずの睡眠時間なのにこれでは休まりません。

いびきをかいている、寝ている間に呼吸が止まっている、など家族の人などに指摘されたら病院へ相談にいきましょう。太っている人がなるイメージがありますが、痩せ型の顎の小さい女性や首の短い人もなる可能性があるので、注意が必要です。また喫煙する人や糖尿病などの持病を持っている人も注意しましょう。

時差ぼけ

時差ぼけも熟睡を妨げる要因です。海外出張が多い方などは深刻な問題ですよね。普段は自分の住んでいるところの時間、日本なら日本の時間に合わせて体内時計が調整されています。

それが時差のある海外に行くと体内時計のリズムが崩れてしまいます。体内時計が狂ってしまうと熟睡ができず睡眠障害を起こしてしまいます。

熟睡する方法は?

目覚め 朝

熟睡する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。ご自分の睡眠環境や睡眠習慣、睡眠サイクルを見直してみてください。

昼間は活発に動く

昼間は光を浴びることを意識し。活発に活動しましょう。

また軽い運動を取り入れると身体がほぐれて夜眠りにつきやすくなります。

寝る前の飲食を控える

寝る前の食事は内臓を休ませることができず熟睡することもできなくなります。お酒も熟睡の妨げとなるので、寝る前の飲食は控えましょう。

どうしてもお腹が空いた場合はホットミルクなど、胃腸の負担にならないものにします。

眠る環境を整える

まずは自分の眠る環境を見直してみましょう。

部屋が暑すぎたり寒すぎたりしていませんんか?ベッドや枕は合っていますか?電気をつけたまま寝ていませんか。

温度や湿度

温度や湿度は適切でしょうか?夏なのに高温だったり、冬に寒かったりだとどうしても眠りにつきにくいですよね。冬場は布団の中を温かくしても、起きた時部屋が寒すぎると起床時に血圧が急上昇する危険性もあります。

また湿度が高いのも眠りを妨げます。ジメジメした部屋だと深く眠れません。また寝ている間は汗をたくさんかきます。布団の中に湿気がこもらないようにしましょう。

もちろんあまりに乾燥しているのも喉や鼻などを乾燥させてしまうので良くありません。冬場の乾燥している時は加湿器を利用して適度な湿度に調整します。

理想的な温度は夏は27度以下、冬で16度から20度くらいに設定しましょう。また湿度は50から60パーセント程度になるように調節するのが理想です。

照明

電気をつけたまま眠るのはやめましょう。理想的な明るさは0.3ルクスという月明かり程度といわれています。ベッドの場合は足元を照らすような明かりがあるといいですね。電球は蛍光灯ではなく、白熱灯など温かみのある色の照明が理想的です。LED照明を使うと電気代も抑えることができます。

静かな環境にする

音がうるさいと眠れませんよね。すぐ近くが繁華街だったり幹線道路沿いだったりなど騒がしい場合は特に困ってしまいます。予算がかかってしまいますが二重窓にするなどの対策ができるとだいぶ静かになります。また耳栓をしてしまうのも安眠の効果があります。

枕は首の高さに合っていますか?なんとなく使っている枕ですが、合わない枕だと肩がこったり、体がリラックスできなかったりと深く眠ることができません。顎が上がりすぎてしまう枕や、首の角度が深くなりすぎる枕は、呼吸の妨げになります。今は枕専門店もあるので、自分の理想の枕に出会っていない方はそういうお店で買うのも手です。

ちなみに「枕が変わると眠れない」ということってありますよね。これは最近の睡眠研究で慣れない環境に脳が覚醒しているからだということがわかっています。脳の左半球が寝ている間も活動しているからということなのです。環境に慣れることでこれは解消されます。

ベッドや敷き布団

ベッドもあまりにふかふかすぎると、体が沈んでしまい寝返りが出来ず熟睡の妨げとなります。程よい硬さのベッドマットにしましょう。布団で寝ている場合も、ふかふかの敷き布団はやはり体が沈み、寝返りを打ちにくくなります。ふかふかは避けて程よい硬さのものを選びましょう。

掛け布団や毛布

掛け布団や毛布もあまりに重いものは寝苦しくなり熟睡ができません。また寝ている間は結構汗をかいているので、布団の中に湿気がこもってしまいます。汗を吸収して発散してくれる掛け布団を選びましょう。

また枕カバーやシーツは、汗を吸収してくれる素材を選び清潔を保ちます。

リラックス効果のある音楽

激しいものや、歌詞があるもの、自分の好きな音楽ではなく、静かなリラックスできるクラシックなどの音楽をかけると気持ちが落ち着きます。激しいものは、気持ちが高ぶってしまいますし、歌詞がある音楽は意味を考えてしまいます。また自分の好きな音楽だと聴き入ってしまいがちです。

歌詞のないゆったりした音楽を選んで小さくかけてみてください。音が大きいと逆効果なので気をつけましょう。

自分の睡眠効率や睡眠周期をチェック

どうもよく眠れない、朝もすっきり起きられないという場合は自分の睡眠効率や睡眠周期をチェックしてみましょう。とはいえ寝ている間のことは自分ではわからないし、家族にみていてもらうわけにもいきませんよね。

そこで睡眠アプリを利用してみましょう。今はスマートフォンやタブレットに睡眠アプリがたくさんあり、寝ている間の音を録音したり分析したりしてくれます。

これでいびきをかいていることがわかったり、寝言を言ったりしていることがわかります。一定の時間に呼吸が止まったり、目覚めたりしていることもわかります。

使いやすい、自分に合っているアプリを見つけてみてください。無料のものも多く出ています。ただしあまり眠る前にスマートフォンやタブレットの画面を見つめないように気をつけましょう。

そこからレム睡眠とノンレム睡眠の睡眠サイクルもつかむことができるので、レム睡眠の時を見計らって目覚ましアラームをかけるなど、目覚める時間を調整してすっきり起きるようにしてみましょう。

またいびきをかいている、呼吸が止まっているなどがわかったら早めに専門の病院を受診しましょう。

睡眠サプリメントを飲む

うまく寝付けないという場合は、市販の睡眠サプリメントを試してみてもいいですね。睡眠サプリメント選びは目的で選びます。例えば、ぐっすり寝付けるようにするものや、不安やストレスを軽減して気持ちを落ち着かせてくれるもの、朝すっきりと目覚めさせてくれるものがあります。

成分をみて自分の目的に合いそうなサプリメントを試してみましょう。ハーブや添加物が使われているサプリメントも多いのですが、ものによってはお薬との相性が悪いものもあります。何か常備薬がある場合は、サプリメントを使っても大丈夫かどうか確認することが必要です。

睡眠導入剤の利用

何をやっても眠れない、夜中に目が覚めてしまいそこから眠れなくなるということもあります。また悩みが深すぎる、ストレスが多く不安感も強いなどということもありますよね。そういった場合は、メンタルクリニックなどに相談してみましょう。

そこで医師によく相談をして話を聞いてもらったり、睡眠導入剤などを適切に処方してもらったりして改善していきましょう。睡眠導入剤は依存性があることもあるので、医師の指示をちゃんと守って服用することが大切です。

まとめ

ベッドルーム

熟睡することは簡単そうで現代人にとっては結構難しいものがあります。夜もいつまでも明るく、パソコンやスマートフォンなどが身近にあるので、夜暗く静かに過ごすことはなかなかできません。夜に仕事が入ることも多いでしょう。

それだけにストレスもたまりやすく疲れてしまいがちなので、なんとか熟睡したいものです。ですがあまりに睡眠で悩んでしまうのも逆効果。眠れない時は目を閉じて横になるだけでも睡眠効果があると言われています。まずはリラックスして、睡眠環境を整えていきましょう。

また、どうしても深く眠れない時は医師など専門家の手を借りることも大切です。

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