よく、寝言を言っている人に相槌をうったり会話すると眠りから覚めなくなるとか死んでしまうという話を聞きますが、実際のところどうなのでしょうか?
何も影響が無ければそんな噂もたたないはずですが、都市伝説としては有名なお話ですよね。
睡眠のメカニズムをしれば解決に近づけるかもしれません。今回はそんな睡眠中の寝言についてのお話です。
この記事の目次
レム睡眠とノンレム睡眠について
睡眠は2つの種類に分類され、それが交互に繰り返されます。まずは睡眠について知っておきましょう。
浅い睡眠:レム睡眠
脳の活動により眼球が早く状態となることから、その状態を指す「Rapid Eye Movements」の頭文字をとってレム睡眠と呼ばれています。
・体が休んでいるのに対し、脳が活動している。体が眠っている状態である。
・体(筋肉)の疲労回復が行われる。
・呼吸や心拍数は不規則である。
・血圧は変動している状態である
・レム睡眠の時間は10分~20分である。
・この時間帯に目覚めるとスッキリ起きられる。
・レム睡眠中に見た夢は起きてからも覚えている。
深い睡眠:ノンレム睡眠
・脳も体も休んでいるが、筋肉は動いている状態である。
・ホルモンの分泌が行われる。
・細胞の新陳代謝を高め、免疫力の強化が行われる。
・呼吸や脈拍は安定する。
・血圧が下がる。
・ノンレム睡眠の状態は90分ほど続く。
・眠りが深いため、多少の物音がしても目覚めない。
・ノンレム睡眠中に見た夢はほとんど覚えていない。
レム睡眠時の寝言の特徴
体の筋肉がゆるんでいる状態のため、言葉がはっきりしない聞き取りにくい寝言が多いのが特徴です。また寝言の内容も、浅い眠りで夢を見ている状態であることから、夢に関連した寝言が多くなります。
なお、過度なストレスを受けている状態の場合、夢にそのストレスが反映されることにより感情的な寝言が出ることがあります。特にレム睡眠時は自律神経が不安定な状態でもあるので、影響を受けやすくなるのです。
ノンレム睡眠時の寝言の特徴
ノンレム睡眠時の寝言は筋肉が動いている状態のため、言葉がはっきりしています。基本的に、寝言が多いのはレム睡眠時であり、脳が休息しているノンレム睡眠時には寝言は少ないのが特徴です。
言葉のはっきりした寝言が続くようであれば、夢遊病など他の病気も考えられますので一度病院に行かれたほうが良いかもしれません。
金縛りについて
金縛りを心霊現象だという人もいますが、今は「睡眠麻痺」と名前があり、メカニズムも解明さています。睡眠は最初にレム睡眠から始まりますが、このレム睡眠は筋肉が休んでいるため通常では身体が動かない上体になっています。
目覚めた時に、睡眠と覚醒のスイッチの切り替えが上手くいかなかった場合、意識がはっきりしているのに、身体が動かない状態となり、自分で「動きたい」と思っても筋肉に指令が伝わらないため動くことができないのです。この状態は1分ほどで回復するので問題はありません。レム睡眠時は自律神経が不安定にな状態でもあるので、恐怖を感じて「金縛り=幽霊」と考えられるようになってしまったのかもしれません。
原因は不規則な生活やストレス、過度の疲労と考えられていますので、それらを改善することで回避できるものなのです。金縛りについては、金縛りの原因を分析!解き方や対策方法を紹介!の記事を参考にしてみてください
寝言と会話すると…
寝言のほとんどはレム睡眠時に起きていることがわかりましたが、レム睡眠時には自律神経の乱れから呼吸や心拍数が不規則で血圧が変動している状態で、睡眠中の突然死や心筋梗塞などの原因はこの状態が影響しているとも言われています。
そう考えると、寝言に反応して会話してしまうと、状況にもよりますが自律神経の乱れが激しくなったり、脳が休めず疲れが取れなくなるなど体に悪影響を及ぼす可能性もでてくるのではないでしょうか。
科学的に証明されているわけではないのでなんとも言えませんが、あながち「寝言と会話すると死んでしまう」とか「目が覚めなくなる」という都市伝説は嘘ではないのかもしれません。
睡眠の質の低下と睡眠不足
それでは睡眠の質の低下や睡眠不足が起きるとどうなるのか見ていきましょう。
・疲労感が抜けなくなる
・集中力がなくなる
・イライラして感情のコントロールができなくなる
・やる気がでない
・上記が続くことで精神的に不安定になりうつ病を発症しやすくなる
・太りやすくなる
・免疫力が弱まる
・脳にダメージを与える
・判断力が鈍る
・想像力の欠如
・記憶力の欠如
上記のことからも、心にも身体にも大変な影響があるということがわかります。
単純に寝言に返事をするだけでこの現象が起きるわけではありませんが、睡眠の質が低下するとこういうことが起きるということを覚えておいてください。
寝言に対策はあるの?
病気ではない寝言に対する治療法は残念ながらありません。
通常であれば、大人になるにつれ寝言は減少していくものなのですが、やはり現代病といわれるストレスが関係しているのでしょうか。
・寝る前にテレビやゲームをしない
見ていたテレビやゲームの内容が夢に出てくることは多々あります。なるべく刺激の強いホラー系のものなどは寝る前に見るのを控えたほうがいいでしょう。またディスプレイの光も交感神経を刺激して睡眠を妨げるため、寝る1時間以上前には消したほうが良いです。
また枕元に携帯電話やスマートフォンを置いておくだけで、脳は無意識に深い眠りに入らなくなってしまいます。
・ストレスを貯めない
ストレスが身体に及ぼす影響は大きく、無意識下でも影響を与えるものです。ストレスの原因がわかっていれば、それを排除するようにします。それが難しい場合は、趣味などを見つけてリフレッシュする時間を作りましょう。
なかなかストレスを取り除くことはできませんが、できるだけ自分の心が休まる時間をとるよう心がけてくださいね。
・リラックスできる環境を整える
自分の身体にあった布団や枕を使用する、部屋を真っ暗にするなど睡眠の質を高める環境を作ることも大切です。
アロマグッズを利用したり、リラックスできる音楽をかけるなど寝る前の時間も楽しんでください。
まとめ
レム睡眠とノンレム睡眠
・浅い睡眠:レム睡眠
・深い睡眠:ノンレム睡眠
レム睡眠時の寝言の特徴
・言葉がはっきりしない寝言
・夢に関連する寝言
・ストレスが反映されやすい
ノンレム睡眠時の寝言の特徴
・言葉がはっきりした寝言
・夢遊病の可能性
寝言と会話すると
・自律神経の乱れによる睡眠の質の低下
睡眠の質の低下と睡眠不足による影響
・疲労感が抜けなくなる
・集中力がなくなる
・イライラして感情のコントロールができなくなる
・やる気がでない
・上記が続くことで精神的に不安定になりうつ病を発症しやすくなる
・太りやすくなる
・免疫力が弱まる
・脳にダメージを与える
・判断力が鈍る
・想像力の欠如
・記憶力の欠如
寝言の対策
・寝る前にテレビやゲームをしない
・ストレスを貯めない
・リラックスできる環境を整える
以上がまとめになります。
なるべく睡眠の邪魔をしないよう返事は控え、睡眠の質を落とさないようにしてあげることが大切です。十分寝たはずなのに「朝起きたら疲れていた」なんて一日が台無しになってしまいますから。
環境を整えても寝言が直らないようであれば何か病気であることも考えられるので放置せずに一度病院に行かれるのもいいかもしれません。
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