質の良い睡眠の取り方を知ろう!改善方法と睡眠で得られる効果を紹介!

質の良い睡眠は心と身体の健康を保ちあなたの日常を実りあるものにしてくれます。睡眠中は細胞が生まれ変わりやすく、だから疲労回復力が高まり疲れがとれるというわけです。

肉体的・精神的ストレスが溜まりやすい現代の生活において、身体の活性化を促すための睡眠・栄養・運動は必要不可欠なものとなっています。特に睡眠はまったく意識せずとも多くの利点があり、その有効性を改めて見つめ直すことで、質を高めることにも繋がります。

睡眠の研究が盛んに進む現代において、さらなる効果的な眠りで元気を回復することは仕事や家庭生活にも大きく影響する重要な要素です。

本稿ではそんな質の良い睡眠を促す方法を検証すると共に、睡眠時に起こる生理的現象やホルモン分泌との関係について迫ってみます。最後までお読み頂ければ朝起きたときのスッキリした目覚めが期待できる質の良い睡眠法が、きっと見つかるはずです。

睡眠の様々な効果

睡眠

人は人生の1/3近くを睡眠に費やしています。まったく意識のない状態が長い人生において3割以上を占めるというのは驚きかもしれません。

裏を返せば人間にとってそれだけ睡眠は大切な要素であるといえるでしょう。睡眠の効果とはそれほどすごいものなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

免疫力アップ

深夜の仕事や徹夜した後は身体や頭がフラフラ、そしてなんとなく心臓がドキドキしたりしませんか?睡眠時間が短かったりよく眠れなかったりしてもこういった症状は少なからず出現します。

睡眠がもたらす効果は人間にとって計り知れないものがあるでしょう。免疫力アップはその最たる例です。例えば睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは夕方から夜間にかけてその分泌量が増大し免疫機能が高まります。

細菌やウィルスが侵入しても免疫細胞が撃退してくれるお蔭で、風邪や胃腸炎にかかることもありません。血液を構成する白血球・赤血球・リンパ液は寝ている間に骨髄で作られ前身をゆっくり巡り免疫機能という“防波堤”が強固になるのです。

また成長ホルモンは細胞や組織修復の担い手であり代謝を促進させます。しっかりと質の良い睡眠がとれれば体は自然に強化されて様々な外部ストレスに対してもビクともしないのです。

睡眠の種類と身体機能亢進

睡眠には2種類あることはよく知られる話です。レム睡眠とノンレム睡眠であり、約90~110分程度のサイクルで一晩に4~5回繰り返されます。レム睡眠は身体だけが休息状態になっていて脳は覚醒している浅い眠りです。

夢をみるのはレム睡眠時で眠りが浅く就寝後3時間程してから周期的に現れます。一方ノンレム睡眠は就寝直後から始まりその後3時間程続きます。この3時間で一晩に起こる深い眠りの8~9割を締めると言われているため、質の高い睡眠となるための多くの生体作用が高まります。

例えば睡眠ホルモンと言われるメラトニンが夕方から夜にかけてその分泌が高まるのは、寝付いてからすぐに出現するノンレム睡眠に合わせているからです。

ノンレム睡眠時は脳も身体も最高の休息状態を呈します。この時組織の修復・再生と回復を促す成長ホルモン分泌がグンと高まり、疲労回復や免疫機能亢進が促されます。

良い睡眠は脂肪燃焼・老化防止・美肌効果を促進させますが、これは睡眠時成長ホルモンの分泌が高まるためです。つまりダイエットやアンチエイジング役立つというわけで、就寝後から始まる3~4時間の深い眠りが如何に大切かがお分かりになるでしょう。

質の良い睡眠は日中眠気に襲われることなく、仕事や勉強に対する集中力も高めます。悩みや問題点等を積極的に解決する姿勢や行動力に満ち溢れ、いわゆる覚醒作用が起こるもの十分な質の高い睡眠のお蔭なのです。

自律神経に作用

質の良い睡眠は自律神経の乱れを整えます。内臓の動きや血液の流れは腕や脚を動かすのと違い自分の意思でコントロールできるものではありません。この自分の意思とは関係なく動く器官や組織を調整しているのが自律神経です。

自律神経には交感神経と副交感神経があります。活動中や緊張していたりストレスが高まっている時に優位となるのが交感神経で、休息中・睡眠中・リラックス中に高まるのが副交感神経です。

この二つは全(100)か無(0)かというのではなく、お互いの優位性が多くなったり少なくなったりして体の中でバランスを取り合っています。この自律神経は精神的・社会的なストレス因子を受けて人が感じるストレスによって乱れること(失調)があります。

自律神経が乱れる(交感神経と副交感神経のバランスが崩れる)と様々な身体の変調や行動変容が見られます。

疲労・ふらつき・めまい・動悸・息切れ・微熱・高熱・片頭痛・耳鳴り・ひどい肩こり・食欲不振・胃痛・吐き気・嘔吐・便秘・下痢・不眠症・口内炎・咳・手足のしびれ・倦怠感・関節痛・焦燥感・不安感・イライラ等、数え上げるとキリがありません。

質の良い睡眠にすることでこうした自律神経失調の症状も改善できる可能性が大いに高まるのです。夜快眠するためには日中のアクティブな活動状態が必須です。

そのためには運動して太陽の光を浴びたり必要な栄養を摂ったり、つまり自分にとって負担にならない程度の日常の生活習慣・生活リズムを作り上げることが何よりも重要なのです。

睡眠とホルモン

脳

睡眠時にはその質を高めたり効果を促すホルモン分泌が高まるといいます。どのホルモンがどういう効果をもたらすのか、検証していきましょう。

メラトニン

体内で1日の時間的なリズムを刻むのが体内時計です。日中は心と身体を活動状態に、夜間は休息状態にするよう身体に働きかけています。この体内時計のリズムに影響を及ぼすのが“睡眠ホルモン”とも呼ばれるメラトニンです。

メラトニンは大脳の松果体(しょうかたい)から分泌され、視交叉上核にある体内時計に作用し【覚醒】から【睡眠】へと体内時計のモードを切り替えます。メラトニン分泌量は夕方から夜間にかけてが最も増え、夜が明らむころから徐々に低下します。

自然な眠りに誘う効果を促すホルモンとして体内時計とメラトニンは密接に関係しています。朝は体内時計がサイドリセットされメラトニンの分泌が停止し、夜になればその分泌量が高まるというサイクルを繰り返すのです。

夜になればメラトニン分泌の高まりによって生体深部体温が低下、いわゆる「おやすみモード」となり眠りに適した体の状態が整います。メラトニンは睡眠への働きかけだけではなく、抗酸化作用があり、細胞が新陳代謝により活性化されます。

メラトニンには疲労回復効果や免疫機能を高め病気予防にも役立つとされています。抗酸化作用は老化防止としても期待でき、如何にメラトニン分泌を促すかが質の高い睡眠をするための絶対条件となるでしょう。

メラトニン分泌が高まる条件はずばり!光です。光をコントロールすることがメラトニン分泌量を増やす秘訣なのです。そのため夜間に強い照明や光を浴びることは注意すべきです。暗闇でのスマホやPC操作等、特に子供にとっては回避すべき要因でしょう。

セロトニン

脳内物質セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させて幸せな感覚を引き出す効果があります。イライラや不安を上手にコントロールしてくれるので、心が落ち着いて物事に冷静に対処できるのもセロトニンのお蔭というわけです。

恐怖や興奮に働くノルアドレナリンや喜びや快楽や覚醒に作用するドーパミンの働きも制御し、ストレスを軽減してくれます。セロトニンの不足は感情の高まりが制御できずうつ病等の原因ともされています。

セロトニンは体内時計の調節にも関与します。メラトニン分泌量はセロトニンのそれに比例するとの報告があります。セロトニンが日中に程よく分泌されるとメラトニンの分泌促進を促してくれます。つまり「睡眠ホルモン」を分泌させるためには日中のメラトニン分泌量を増やしておく必要があるのです。

うつ病の原因のひとつがこのセロトニン不足というのは多くの研究で報告されています。基本的にはこのセロトニン仮説に基づいて抗うつ剤がつくられ精神科や心療内科でお薬が処方されています。

睡眠不足や不眠症は脳内伝達物質であるセロトニンの分泌量調整を破綻に追い込み、精神疾患へと繋がる可能性があるのです。質の良い睡眠は体と心の健康を保ってくれる人間にとって欠かせない予防薬といってもいいでしょう。

成長ホルモン

成長ホルモンは脳下垂体か分泌される子供の成長に欠かせないホルモンですが、実は成人の細胞活性化にも深く関わるホルモンです。

生体内ではタンパク質の合成を促ししっかりとした筋肉や骨の再生に関与しています。細胞は元より組織の損傷を修復し、疲労回復効果を高めてくれる必要不可欠なホルモンです。

分泌量は就寝直後の深いノンレム睡眠時に一気に大量に分泌され、明け方になるにつれて徐々に低下していきます。例えば寝つきが良くなかったり熟睡できない場合、成長ホルモンの分泌量は多くなりません。

コルチゾール

副腎皮質ホルモンの一種で睡眠においては目覚めを促す役割を担います。朝の目覚めで身体を起こしてくれる“刺激”といったほうがいいかもしれません。血圧を上げたり血糖値を高めたり、また胃腸の活動を活発にしたりして身体を起こすサポートをしてくれます。

コルチゾールはセロトニンやメラトニンの分泌を邪魔して、夜間の熟睡を妨げてしまうことから、長く眠ったのに疲れがとれない等というケースもでてきます。コルチゾールは起床の3時間前から分泌量が高まり目覚めたときにはピークを迎えます。

ストレス環境が続くとコルチゾール分泌が増え、免疫力が低下し(熱や腫れといった炎症は抑えられるものの)細菌・ウィルス感染に晒されやすくなります。コルチゾールの働きを応用した薬としてステロイド系抗炎症薬がありますが、一方で免疫力の低下といった副作用が出現します。

コルチゾールが「ストレスホルモン」とも呼ばれる所以は抗ストレス作用にあります。特に慢性的なストレスに対し、活動・緊張している時に優位となる交感神経の働きが活発化し、脈拍や血圧上昇が起こり運動機能を高め脳を覚醒させるのです。

睡眠の改善

睡眠改善

質の良い睡眠がもたらす大きな効果、それ以上の“財産”は中々見つかりません。それ程、睡眠とは人が生きる中で最も大切な要素のひとつと言えるのです。

人間の生活になくてはならない快眠方法について迫ってみましょう。

生活習慣の見直し

太陽が昇っている状態は人が活動するのに最も適した時間帯と言えるでしょう。そのため可能な限り規則正しい生活を心がける必要があります。ただ無理矢理や突然に規則正しくする必要はありません。なぜならそちらへシフトすること自体がストレスになる可能性があるからです。

よって時間をかけて少しずつ変えていくことが何よりも肝要でしょう。具体的プランとしてウィークデーに以下のようにするのは如何でしょう?

いつもより10分早く起きる→それを何日か続ける→元に戻ってもOK→いつもより15分早く起きる→元に戻ってもOK etc.。

10分、15分の差は正直微妙で中途半場な時間で早く起きて何をしようかなぁと考えてしまうかもしれません。しかし実はそこがポイントで朝のたった15分でできることはほとんどないため前日の夜に何をするか考えたりして前もっての準備ができるというわけです。

このちょっとした生活の変化が人間の脳にもたらす刺激としては非常に大切で必要不可欠な要素なのです。夜寝る時や昼のちょっとした時間の思考法としても役立つので10分程度の時間を敢えて設けることをおすすめします。

就寝に向けた『ありがとう』

『ありがとう』を言葉にして言う必要はありません。行動としての「ありがとう」を家族や自分、そしてモノに伝えましょう。

奥様や旦那様に伝える際は少しだけ身体を擦ってあげたり、子供達とちょっとしたカラダ遊びをしたり、日々愛用している道具であったり、心の中で呟きながら行動に移すことで就寝に向けた気持ちの切り替えが可能です。

一種の精神的リラックス効果ですが、幸せホルモンであるセロトニン分泌を高めることにも貢献し日中の活動モードから休息モードの移行期として最適な状態を作り上げるでしょう。

こうした気持ちの移行状態を食事や入浴等の習慣と合わせることであなた自身の快眠ルールが形作られ質の良い睡眠を得られるはずです。

眠る環境の整備

ベットであろうと布団であろうと毎日寝るの寝具のコンディションや寝室の状態は自分の心が落ち着くように準備しておくと良いでしょう。リビングにいる時は眠気に誘われるのに、自分の部屋にいくと眠れないのは部屋や寝具の状態があなたに合っていないからです。

ポイントは“居心地”です。寝具や枕、そして蛍光灯や部屋の雰囲気等をまずは確認してみましょう。カーテンの色や柄を変えるだけでも寝つきがまったく違うものになりますし、寝る前に音楽を聞いたり本を読んだりすることも効果的です。

適度な運動

体を健康に保つ秘訣は栄養・睡眠・運動です。この中でどうしても疎かになってしまうもの、それが運動です。運動をしなくても人間の生活にそれ程影響はありませんが、ご飯や睡眠は欠かせません。

例えばヨガ等は身体の伸ばしたり縮めたりといった普段の活動では体験できない動きが含まれます。こうした動作は血流改善に貢献し身体全体の血行を良くしてくれます。さらにヨガに含まれる瞑想は呼吸に作用し自律神経の乱れを整える効果も高いことから是非チャレンジしていただきたい動きです。

まとめ:質の良い睡眠

健康になる

質の良い睡眠は疲労回復を促し日々のストレスを軽減し、免疫力を高め体の機能亢進を促します。睡眠にはその眠りが深いノンレム睡眠と比較的浅いレム睡眠があり、1回の眠りで4~5回のサイクルを繰り返します。

眠り初めてからの3時間はノンレム睡眠で占められ、深い眠りはこの時間だけで1日の睡眠の80~90%にも及びます。またこの深い眠りを「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンの分泌量が事前に高まることで誘発し、成長ホルモンの分泌量も増えることで細胞や組織の修復がなされます。

快眠によって現代社会でも問題になる、ストレスでバランスが崩れやすい自律神経の乱れを整え、疲労回復や精神的な疲れを癒やすことも可能です。

質の高い睡眠を得るために電磁波が出る電子機器(パソコン・スマートフォン)等の使用は程々にすべきです。またカフェインやアルコール等、刺激物の摂取も影響の出ない程度にすると良いでしょう。

お風呂上がりのストレッチや軽運動で一度血行をあげておくと、寝る間際の体温を適温に落ちつかせる効果があるため寝つきが良くない人は試してみてはいかがでしょう。快適な睡眠環境をつくることで翌日の心と身体のハリもまったく違ってくるはずです。

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