朝早く起きることが難しい、早起きは苦手だ、辛いといった人はいませんか?朝早く起きることができず、寝坊して急いで職場や学校に向かって時間がギリギリであったり、遅刻してしまって気まずい思いをする人もいるでしょう。
ここで、朝早く起きることができない原因を確認し、対策をとっていきましょう。
朝起きることができない原因と症状
よく人は、気合や根性、起きる気がないから朝起きることができないんだ!と言う人がいます。意識の問題もありますが、それ以外にもたくさんの原因が考えられることを知る必要があります。
では、どういったことが原因に挙げられるのか、押さえていきましょう。
睡眠を妨げるような夜間の生活習慣
朝起きることができない原因として、睡眠を阻害するような生活習慣を行っている可能性が挙げられます。特に、液量のブルーライトは脳波に働きかけて覚醒を上げてしまう作用があるため、注意が必要です。例えば、寝る前に(横になりながらでも同様)テレビを見たり、パソコン、ゲームやスマホなどの携帯電話を触ったり見たりすることが挙げられます。
その他に、部屋を明るくしたままにしたり、スーパーなどのお店など、光の当たるような明るい場所に行くことも、液量を見ることと同様、脳の覚醒が上がることに繋がります。
目に光が入ること以外にも、勉強や仕事をすると脳が活動するため、脳を働かせようと覚醒が上がってしまいます。また、飲食をするタイミングも大切です。睡眠の3~4時間前まで暴飲暴食すると消化活動が間に合わずに覚醒が上がることがあります。特に、夜間にカフェインやコーヒー、お酒を飲むと覚醒が上がるため、注意が必要です。覚醒が上がるだけではなく、いずれも利尿作用があるため、夜中に眼が醒める可能性があります。
つまり、熟睡できているノンレム睡眠から眠りの浅いレム睡眠の状態になる可能性が高くなるということです。
運動不足
その他に、運動する習慣がないと、体が十分に疲れないため、睡眠に入りにくいことがあります。
更に、喫煙をしていたりすると、煙草に含まれる有害物質が脳の覚醒を上げて眠りを妨げる可能性があります。
朝の習慣に問題がある
日中の問題では、朝、20分間以上の光を浴びていないと十分に脳が覚醒しないことがあり、朝起きることが難しい場合があります。個人差はあります。
また、昼に15分間以上の昼寝をしてしまうと、夜間の睡眠に影響を与える場合があります。
睡眠慣性の問題
睡眠時間は長すぎても、短すぎても身体に悪影響があります。休日と平日の睡眠時間の差が大きいことも悪影響を与える習慣です。
睡眠学では、レム睡眠とノンレム睡眠について記されています。レム睡眠とは、浅い眠りの状態を示します。これは、脳を覚醒させるための眠りになり、目は閉じていても眼球は瞼の下で動いています。この時、夢も見ています。ノンレム睡眠は、深い眠りを示します。これは、脳を休息させて完全に深い眠りに落ちている状態です。ノンレム睡眠の場合は、睡眠の深さが4段階に分類されています。
人間が睡眠をとる際には、レム睡眠とノンレム睡眠の2つで睡眠リズムをとっており、脳派と密に関与しています。レム睡眠とノンレム睡眠の周期は約90分間で繰り返されます。そのため、睡眠時間が5時間未満と短かったり、逆に睡眠時間が10時間以上と長いと、周期が乱れて睡眠障害を引き起こします。これは、睡眠不足による寝坊だけではなく、病気にかかる危険性が高くなったりと、生活や身体にも悪影響を与えます。
自律神経のバランスの乱れ
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。これらの神経がバランス良く機能することで、神経を正常に保とうとするホメオスタシス(恒常性)が保持されます。
交感神経は、心身が活動している時や、緊張をしている時、ストレスがかかっている時に活動します。副交感神経は、睡眠時や休憩時など、リラックスをする時に活動する神経です。
つまり、自律神経のバランスが乱れていると、神経のホメオスタシスが崩れて睡眠障害に繋がり、朝の目覚めに悪影響が出ます。上記に記したような睡眠を妨げる生活をしていると、特に自律神経のバランスが乱れやすく、夜間に交感神経の機能が活発化するため、覚醒が睡眠を妨げることになります。
栄養バランスの乱れ
朝起きることが苦手な人は、栄養バランスが影響している可能性もあります。栄養を摂っていると思っていても、偏食をしていたり、食べる時間によっては身体に良くない場合があります。
また、体質によっても必要な栄養素が十分に吸収されていない場合もあります。すると、ホルモンのバランスが崩れるなどして、睡眠に影響が出ます。
寝床の問題
布団やベッド、枕が自分の身体と合わない場合は、十分な睡眠を撮る事が難しい場合があり、睡眠障害に繋がり、朝の目覚めに影響が出ます。
特に、高さの高い枕を使用していると、頭の位置が体よりも高くなり、首や肩の筋肉や骨、関節、脊柱に負担をかけたり、寝返りを打ちにくくするといったことが起きます。
すると、血液の流れも悪くなり、脳へ送られる血液量も減ります。それは、脳へ運ばれる酸素量が減ることも示しています。即ち、脳が血液不足、酸欠状態となる可能性もあり、睡眠障害への引き金となる危険性が出てきます。
寝室のセッティングの問題
寝起きをスムーズにするためには、寝室のセッティングが重要となります。
寝床の頭の部分が朝、太陽の光がさすところにないと、目覚めが悪くなる可能性があります。また、寝室のカーテンを閉じたまま朝を迎えると太陽の光が部屋に差し込まない場合があります。人間は、目に光が入ると眠気が覚め、覚醒が上がります。
そのため、「カーテンの色が暗い」、「カーテンを閉じたままで朝の太陽の光が入ってこない」、「寝床の頭の部分は窓側ではなく、壁で朝の太陽の光が当たらない所」、「寝室の窓が西側」といった条件が揃ってしまった場合には、朝の目覚めは悪くなるでしょう。
病気の可能性
起立性調節障害(OD)や睡眠相後退症候群、睡眠時無呼吸症候群、最高血圧が160以上と高血圧症、最低血圧が50以下と低すぎるといった低血圧症といった病気をもっている場合は、睡眠障害に陥ったり、寝起きにめまいやふらつきが起きる可能性があります。
それぞれの症状を簡単に説明していきます。
・起立性調節障害
これは、朝に起きることができなくなる病気です。思春期の子供に起きやすいです。起床の際に、立ちくらみや、めまい、頭痛、倦怠感といった身体的な症状が見られます。
その他に、食欲不振や動悸、失神発作、悪感、イライラとした感覚、集中力の低下が見られるケースもあります。これらによって、夜の寝つきが悪くなり、朝の目覚めも悪くなるといった悪循環が生じます。基本的な原因は、血圧や血行に関与する自律神経の乱れによって起きます。
・睡眠相後退症候群
これも、朝起きることができなくなる病気です。体内時計のリズムが乱れ、夜眠りたくても眠ることができず、日中に眠くなってしまう状態です。
状態が悪化すると、昼夜逆転する可能性もあります。数日経過しても改善が見られない場合は、や睡眠相後退症候群と診断されます。
・睡眠時無呼吸症候群
これは、上記のような朝起きれなくなる病気ではなく、朝起きにくくなる可能性が高くなる病気です。睡眠中に何度も呼吸が停止するため、睡眠時間が確保できていても、十分に疲れをとることができず、朝起きにくくなります。
状態は、眠っている間に10秒間以上呼吸が停止します。これが1時間に5回以上ある場合、または、7時間睡眠の間に30回以上呼吸が停止していると、睡眠時無呼吸症候群と判断されます。ほとんどのケースがいびきをかく人です。
これが引き起こされる原因には、肥満、飲酒、扁桃腺の肥大、小さい下あご、鼻詰まりがある、鼻炎がある、寝る姿勢が仰向け、病気や加齢によって気道周囲の筋力が低下している、体内の組織の弾力性が低下している場合に起きます。これら全ての内、1つでも当てはまっていると、それが引き金となって起きる可能性があります。
朝起きれない時の対策・改善法
朝起きる方法にはいろいろなコツや方法があります。また、方法を取り入れるだけでは確実性は低く、日常生活のの見直しをして改善や対策をとっていく必要があります。
では、どういった事に気を付けて、どういった事を改善していくと良いのかを見ていきましょう。
副交感神経の活性化
副交感神経を活性化させるためには、ストレスを解消させることと、心身共にリラックスをさせることが大切です。そのために、毎日適度に2~3時間以上の有酸素運動を行うことがオススメです。
また、入浴の際には、ぬるま湯での半身浴をするとリラックスの効果が期待できます。マッサージをして筋肉をほぐすことも大切ですが、技術のしっかりしているマッサージ師に施術をしてもらわなければ、身体を傷めるため、注意が必要です。
睡眠時間の見直し・改善
レム睡眠とノンレム睡眠は約90分間で繰り返される周期があると前述しています。よって、睡眠時間は、6時間、7時間半、9時間といった時間配分でとると、睡眠のリズムが整います。
元々睡眠リズムが崩れている人は、少しずつ自分で調整をしていくと良いでしょう。睡眠時間を見直して、生活リズムを整えていくことが大切です。
栄養バランスを整える
朝起きることが難しくなる原因として、栄養バランスの乱れを挙げています。睡眠に良い栄養素として、Lテアニンとオルニチンが挙げられます。Lテアニンが身体にもたらす作用は、疲労回復と快適な目覚めです。そのため、睡眠中に目が覚める頻度が減る可能性や、よく眠れたという快眠感が得られる可能性があります。
オルニチンは、しじみやエノキ、チーズ、マグロ、ヒラメといった食べ物に含まれています。特に、しじみは注目されている食品です。しじみは、肝臓の機能を助けるため、身体の全身機能を良くする効果が期待されるため、特にオススメとされています。
また、セロトニンはストレスを解消させるために良い栄養素です。摂取することで、ストレスを減らすことができる可能性があります。ビタミンBやミネラルも十分に摂れていないと、栄養バランスが崩れて睡眠に悪い影響が出ます。
寝床の改善
ベッドや布団を買い替えるとどうしてもお金がたくさん必要になってしまいます。それを避けて安価に簡単に睡眠状態を快適にするために最初にすると良い見直しポイントは、枕です。枕を低い物に変えると、原因で挙げたような状態にはならならず、血流や骨、筋肉や関節などにも悪い影響は与えず、睡眠を快適なものにして目覚めの良い朝を迎えることができるでしょう。
ちなみに、枕で押さえておきたいポイントは、スポーツタオルほどの大きさのタオルを三つ折りにした物や、平らに近い高さの枕が丁度良いです。また、寝方は、うつぶせにして寝ると肺や臓器をつぶしてしまい、身体に悪影響なので、仰向けか横向きで寝ましょう。鼻炎などの病気をもっている人の場合は、鼻水のことを考えると横向きで睡眠をとることをオススメします。
すると、鼻水も喉に落ちず、呼吸もしやすいため、睡眠の妨げにならないです。
光目覚ましの利用
光目覚ましを利用するとはどういうことなのか、要するに、寝室のセッティングを改善するということです。枕などの寝具に問題がなければ、朝の太陽光を利用します。太陽の光は、目覚まし時計の役割を果たし、光目覚まし時計として体内の本態性な目覚まし機能に働きかけます。
なお、ここで気を付けておきたい点は、ベッドの配置とカーテンの色です。ベッドの配置は、窓からの太陽の日差しが入る所にセッティングするべきです。また、視界に太陽の光が入るようにする必要があります。太陽は東から昇り、西に降りるため東側に窓がある場所を選びましょう。カーテンの色は暗いと太陽光が視界にしっかりと入らない可能性があります。それでは、せっかくベッドを東の窓際に持ってきても仕方ありません。
黒や茶色などではなく、ピンクや黄色、白、薄い青など、マカロンカラー、薄い色、明るい色を選ぶようにしましょう。カーテンを閉じたままでも明るい陽射しが視界に入りやすくなります。
なお、どうしても暗い色のカーテンが好みで変えたくない!というようであれば、朝までカーテンを開けたままにしておくことをおすすめします。カーテンが空いたままであれば、夜は暗く、朝は明るく太陽の光が入ってきます。
目覚まし時計を利用する
光目覚まし時計を利用しても目覚めが悪い場合は、別の目覚ましグッズを利用すると良いでしょう。
例えば、目覚ましの目覚まし機能にスヌーズ機能が含まれているスマホのアプリを利用すると、繰り返し数分おきに目覚ましの音が鳴ります。また、時計のアラームの音を大きく設定したり、自分の目が覚めやすいような音に変えるといった工夫をすると目が覚めやすくなります。
冷え性の改善
冷え性は眠れない原因の1つです。寒いとなかなか寝付けない人が多いです。特に、寒い冬は体温を奪われやすいです。身体が冷えると血液の流れが悪くなり、血圧にも影響が出る場合があります。特に、女性は男性よりも冷えやすいです。
冬に身体が冷えると、男性は食べ物から得たエネルギーを筋肉に変換していこうとする生理的機能があるため、代謝が良くなりやすいです。一方、女性の場合は、食べ物から得たエネルギーを脂肪に変換していくため、男性よりも代謝効率が低下する可能性があります。よって、冷え性になりやすいのです。
冷え性を改善するためにも、生活の中でいろいろな事に気を付けていきましょう。ホットミルやホットココア、ショウガ湯といった身体の内側から温めてくれる飲み物を飲みましょう。また、カイロや湯たんぽ、電気ストーブやエアコンといった暖房機を利用して身体の外側から温めることも大切です。外側から温めるには、足を締め付けないような緩さの靴下や腹巻を利用すると良いでしょう。
靴下は、足を締め付けると血行不良を起こしてしまい、代謝や血圧に悪影響を与えるため、必ず締め付けない緩い物を利用しましょう。そのような靴下であれば、2枚、3枚と重ね履きしても問題はありません。
アロマの利用
自分が落ち着き和むようなアロマの香りを探して、寝室においておくと良いでしょう。
一般的には、ラベンダーの香りがリラックス感を引き出すとされていますが、好みもあり、合う・合わないは個人差があります。
アロマには添加物の多い物から少ない物、オーガニックまで様々な種類があるため、自分に合うものを探してみましょう。
まとめ
朝起きることが難しいのにはいろいろな原因があります。病気の可能性もあるため、特に夜中に少しでもいびきをかく場合は早期に病院にいくようにしましょう。
特に、無呼吸症候群では、死に至るリスクのある病気であり、運転中に事故をする可能性もあります。
とても恐ろしい病気です。それにも関わらず、自覚できないことが多いため、朝の目覚めが悪い日が続くと思ったら一度医師に相談してみると良いでしょう。
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