寝る時の姿勢は人によって異なります。仰向けであったり、うつ伏せであったり様々です。寝やすい角度や、その日の状態によっても寝る姿勢は変わってくるでしょう。
昔からの習慣のようなもので、寝る時の姿勢が変わるとなかなか寝付けないという人も少なくないはずです。いつもと違う姿勢だと違和感を感じて気持ち悪く感じてしまいますよね。
睡眠している最中は、寝返りをして姿勢が変わっている場合もありますが、寝始める時はそれぞれ決まった姿勢があるものです。
今回は、寝るときの姿勢によっての長所と短所について紹介したいと思います。自分の姿勢がどのような利点があるのかを知りましう。また、この記事を読んで姿勢を変えてみるのも良いかもしれません。寝ている姿勢によってその人の心理状態や、どの様な性格なのかも診断することが出来ます。
どの様な傾向があるのかを見ていきましょう。
寝るときの姿勢の種類
まず、寝るときの姿勢にはどのような種類があるのかを紹介します。一般的な4種類の名称がついている寝るときの姿勢を見ていきましょう。
・仰向け
顔が真上を向くように睡眠をとる姿勢です。睡眠とイメージして一番頭に思い浮かぶ姿勢ですね。さらに仰向けの状態でも腕の状態で細かく姿勢の変化が現れます。
両腕をバンザイの状態で頭の上に置いている形や、自然に下に下ろしている形、大きく腕を広げている形などがあります。足の状態も手に合わせて大きく開いていたり、曲がった状態で寝る人も居ます。
・うつ伏せ
顔が下に来て、背中が上むきになる姿勢です。疲れてそのまま寝てしまう時などは、うつ伏せのまま睡眠をしてしまう場合が多くあります。呼吸を楽にする為に手を枕にしたり、胸のあたりに手を置いて空間を作っている事もあります。
赤ちゃんの場合は呼吸が出来なくなることもあり危険とされている姿勢でもあります。
・横向き
肩が下にきて、顔が横向きになる姿勢です。女性の方などは、横向きで寝ているという人も多いのではないでしょうか。
左右どちらかの方向が寝やすいなどの個人的な好みもあるようです。また、テレビなどを見ながら寝てしまうと横向きの姿勢で就寝してしまうことが多々あります。
胃もたれや吐き気、頭痛などの症状を患っているときも横向きのどちらかの姿勢で症状の軽減が見られます。
・丸まり
横向きの姿勢のまま、手と足を軽く曲げて寝る姿勢です。赤ちゃんのようなに丸まっているのが特徴です。
抱きまくらなどを使用しての就寝や狭い空間での就寝時にはこの姿勢になりやすいでしょう。寒い場所で寝るときも一時的にこの姿勢になることはありますね。暑い場合はあまり向かない姿勢でもあります。
それぞれの短所と長所、性格について
では寝るときの姿勢によっての、利点と悪い点、どのような心理状態にあるかなどを紹介したいと思います。自分の寝る時の姿勢を思い出して読んでみてください!
①仰向け
・長所
一番の長所は、寝ている最中に首・肩などに負担をかけないというところです。仰向けで寝ることで、寝起きに体の部位が痛むのを防ぐこともできます。体の一部分に負担がかかるというのを防ぎ、全身にほどよく負荷がかかるためです。
胸や肺を圧迫することがないので、呼吸がスムーズに行えるため睡眠中に息苦しさを感じることが少なくなります。そのため睡眠の途中に起きることが少なく、快適な眠りを手に入れやすいといえます。また、手足をまんべんなく広げることができるので、体温を下げやすく入眠時間を短くし、寝つきを良くすることができます。
また枕を使うことで頭の位置が高くなり、逆流性食道炎を防ぐことができるので、寝起きにムカムカを感じることが少なくなります。
・短所
短所としては仰向けで寝ることで、いびきをかきやすくなってしまうということです。
顔が上を向くので舌が喉に落ちやすくなってしまい、呼吸する際に空気の通り道が狭くなるのでいびきが発生しやすくなったり無呼吸になりやすい問題もあります。
また腰を痛めていたり、骨盤が歪んでいる、骨格が歪んでいるなどの問題があったり、内臓などに疾患がある場合は取りにくい体勢で、この姿勢が辛いという人は寝具があっていないか、身体に何かしらの問題がある可能性があります。
また、妊娠初期はあまり関係ないですが妊娠後期は仰向けの姿勢は腹部の重みで臓器や骨、血管などを圧迫してしまうためよくないとも言われています。基本的に最も一般的で理想とされる睡眠姿勢ですが、最適な睡眠姿勢ではないので仰向けの姿勢にこだわらなくてもいいでしょう。
・性格
開放感溢れる寝方のために、自己中心的な人が多い様です。
積極的にいろんなことに挑戦するチャレンジャータイプの人が多く、寛大な性格をしています。社交的で明るい人は仰向けで寝ている人も多いのではないでしょうか。
②うつ伏せ
・長所
うつ伏せのメリットは、胸が圧迫されることにより、腹式呼吸が自然な形でしやすくなるので、疲労回復の効果が一番強く現れるのです。腹式呼吸は、呼吸法のなかでも体を健康な状態に持って行きやすく、新陳代謝を良くするといった利点もあります。
ただし、うつ伏せで寝る場合は体に負担をかけないような姿勢を探す必要があります。うつ伏せで寝る際に、痛みを感じたり呼吸がしにくい場合は、微調整をする必要があるので気をつけてください。またあまりに硬いベッドで行う場合は、負担になる場合が多いので柔らかめのマットを選ぶようにしましょう。
うつ伏せのもう一つのメリットとして、いびきをかきにくくなるのも利点だといえます。一緒に寝る人がおり、いびきをどうしてもかきたくないという時はうつ伏せで寝ると防止することができます。
・短所
うつ伏せのデメリットとしては、なんといっても体を痛めやすくなってしまうところです。
まず腰が反っている状態になるので、腰痛が起きやすくなります。普段腰に負担のかかる仕事などをしている人は、うつ伏せで寝ると症状が悪化してしまう原因になるので注意してください。
首を曲げる姿勢になるので、首周りを痛めやすくなります。首の片側に負担が一方的にかかってしまうために、寝違えが起きやすくなってしまう可能性があります。
さらに美容面においてもマイナスなことがあります。
顔が布団と接することになるので、肌が刺激を受けやすくシワやシミができやすくなってしまうということがあります。寝返りを打った際に、摩擦が生じてしまい、肌への負担となってしまうのです。
・性格
体を下にするので、何かを守ろうと本能が働いており保守的な人が多い様です。
几帳面な性格であり、計画を練ってから行動することが多く慎重な性格をしています。逆をいえば、あまりミスをすることなく真面目な性格だといえます。
③横向き
・長所
横向きの場合は、体を左側にするか右側にするかで長所が分かれてきます。
まず肝臓がある右側を下にする横向きだと、心臓に負担がかかりにくくなるので、血液を全身に送りやすくなります。そうなると、睡眠中に分泌されるホルモンが全身に届けやすくなります。
次に左側を下にする横向きだと、体はリラックスしやすい状態になります。ただし、血行不良を起こしやすくなるので、内臓系が休息を取りにくくなります。
うつ伏せと同じくいびきを防止しやすい利点もあります。また背筋を伸びしている状態になるので、猫背になるのを防ぐこともできます。
また、横向きの姿勢での就寝で脳の不要物質となる物質が効率よく除去されることでアルツハイマー病のリスクも軽減できることが報告されています。
腰への負担もかかりにくいので横向きの睡眠姿勢が理想的であるという見解もあります。
・短所
片側の肩や骨盤に負担がかかりやすく、同じ状態を続けていると体の歪みにつながる場合があります。
また顔の側面がマットと擦れることになるので、たるみやほうれい線ができやすくなってしまいます。特に片側だけなので、シワやたるみのでき方が左右非対称になってしまう可能性もあります。
また頬を枕に密着させてしまうので、枕などの寝具が汚れてしまっている、もしくは清潔にされていない状態だと、頭皮に付着した菌や皮脂などの影響を受けて、肌荒れやニキビ吹き出物などの問題になりますくなります。頬や顎の部分に吹き出物ニキビなどができやすい人は、寝具の不衛生の問題があるので、タオルを枕に被せて睡眠をとることや寝具の洗濯を頻繁に行うようにしましょう。
・性格
性格に関して横向きの人は、明るく周りとの協調性を大事にしようと考える人が多い傾向にあります。
自分のことよりも、他人のことを優先的に考える優しい人が多く、思いやりの心があります。女性の人は横向きの方が多く、優しい人が多いのであながち嘘ではないように思えますね。
④丸まり型
・長所
丸まって寝る時の長所は、横向きの長所と同じであり、リラックしやすい点が良いところだといえます。また丸まって寝ている人は、あまり場所を選ばずどこでも寝られる人が多い傾向にあります。
・短所
実は、丸まって寝ている人は悪い点の方が多くあります。
イメージするとお分りになると思いますが、背中を丸めてしまうので、猫背になりやすく骨盤にも負担をかけやすくなってしまいます。また首や肩にも負担がかかりやすく、起きた時にどこかしら体を痛めてしまう可能性が高くなります。
さらに丸くなることで、腹式呼吸を行いにくく、息がしにくくなるので快眠を得にくくなるのです。出来れば治した方が良い姿勢だといえます。
・性格
丸まり型の人は、自分に自信がなく不安な気持ちを持っている人が多いのです。
また寂しがり屋で自分をさらけ出せない性格であり、常に誰かといたいと思う人が多い傾向にあります。
またストレスを感じた時に、丸まった姿勢をとってしまう場合があります。普段は違うのに丸まった姿勢で寝てしまう時は、ストレスを受けている場合があります。
おすすめの体位
体位には、状況や病状に対しておすすめの体位があります。妊娠中の女性や胃腸の弱い高齢者や猫背を矯正したい人におすすめの体位などを紹介していきたいと思います。
当てはまる人は是非参考にしてみてください。
妊娠中の女性におすすめのシムス体位
シムス体位はアメリカの産婦人科医が発明した寝姿勢になります。その歴史は古く19世紀から考案されて推奨されている体位になります。
J・マリオン・シムズが提唱したことにより、その医師の名前が付けられています。シムス体位のやり方は、基本的に身体の左側を下にした横向きの姿勢で行います。
- 下側に当たる左足はまっすぐの状態にのばします
- 右足は股関節と膝を苦しくない程度に曲げて前に起きます。
- お腹に圧力がかからない程度に身体をうつ伏せの状態に近づけてお腹の重みで内臓が圧迫されないようにしましょう。
- 上半身の腕などは好きなように配置し、寝やすい状態を作ります。
この方法は元々直腸検査や意識のない人の気道を確保する場合などの時に行われていた姿勢ですが、この姿勢の利点が妊婦のお腹の腹圧の問題にも効果的に解消できる事を発見し、妊婦にも推奨されることとなりました。
お腹の中の胎児の向いている方向によって向きやすい向きが決まります。赤ちゃんの背中が下に来る方向を下向きにすると寝やすい様です。結果的には母体である自分が寝やすい方向で構いませんなので右下の状態でも問題ありません。
仰向けが楽な場合は楽な姿勢で寝ても構いませんが仰臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)と言って、動脈が圧迫されることで血圧が急激に下がってしまう症状になってしまう事がありますので注意してください。
高齢者におすすめの寝姿勢
高齢者におすすめの寝姿勢は横向きの姿勢になります。特に身体の左側を下にして睡眠をとることがおすすめになります。
この姿勢には、高齢者に起こりやすい逆流性食道炎の症状を予防する効果があります。胃の内部に圧力がかからず、胃の内部の食物や水分や胃酸などが口の中に逆流してくるのを防ぎます。
また、長所でも述べましたがアルツハイマー病になってしまう事も予防することが出来ます。
脳内で生成されるアミロイドβというタンパク質が蓄積してしまうことでアルツハイマー病を引き起こしてしまうという事が最近わかってきています。このアミロイドβは脳内のゴミとも呼ばれている物質で、横向きの姿勢で寝ることでこの物質が効率良く体外に排出される事が明らかになりました。
横向きの姿勢は骨格を歪めてしまうと言いますが、4足歩行の動物は基本的に横向きの姿勢では寝ません。正常な筋肉が備わっていれば、基本的には問題ないからです。なので、最も良いのは自分が寝やすい姿勢が良いですが、横向きの就寝姿勢にはこれらのメリットがあることを知っておきましょう。
猫背の人におすすめの姿勢
猫背の人は仰向けで寝る姿勢をとると腰が痛くなったり、息苦しさを感じてしまう事があるケースが多くあります。これは、普段背中が丸まっているために内蔵や骨の位置が変わってしまっていて、仰向けで寝ることで普段とは違う部分に圧力がかかり、内膜も引っ張られるので呼吸がしにくかったり、苦しく感じてしまう事に繋がりるからです、
しかし、猫背の人の中には猫背を矯正したいと言う人も居るでしょう。そんな人におすすめなのが、あえての仰向けの姿勢です。もしいきなり仰向けの姿勢になることが辛い場合は腰にバスタオルを畳んだものを引いて寝ると腰の痛みなどは改善されるでしょう。
また、猫背を矯正することで腰の痛みや肩こりなどの問題が起きにくくなります。中には完全に解消されることもあります。寝ている間にも姿勢の矯正ができる仰向けの姿勢をぜひ採用してみてください。
まとめ
寝る姿勢の種類
- 仰向け
- うつ伏せ
- 横向き
- 丸まり型
寝る姿勢の長所と短所と性格
(仰向けの長所)
- 体に負担をかけない
- 呼吸をスムーズに行える
- 入眠時間が短くなる
- 寝起きにムカムカを感じにくい
(仰向けの短所)
- いびきをかきやすい
(仰向けの性格)
- 自由で自信家であり明るい性格
(うつ伏せの長所)
- 腹式呼吸がスムーズに行える
- 疲労回復の効果が高い
- いびきをかきにくくなる
(うつ伏せの短所)
- 腰を痛めやすい
- 首を痛めやすい
- 肌に負担がかかる
(うつ伏せの性格)
- 保守的であり、慎重な性格
(横向きの長所)
- 右側が下になると、血液を全身に送りやすくなる
- 左側が下になると、リラックス状態になりやすい
(横向きの短所)
- 体が歪みやすくなる
- シワやたるみが左右非対称にできやすくなる
(丸まり型の長所)
- 横向きの長所と同じ
(丸まり型の短所)
- 猫背になりやすい
- 体に負担がかかる
- 呼吸がしにくくなる
(丸まり型の性格)
- 不安で寂しがり屋な性格
以上が今回の記事のまとめになります。
こうしてみると、仰向けで寝るのが一番健康には良いかと思われます。もちろん使用する枕や布団によって差はでてきます。枕選びは非常に重要でしょう。自分に合った快眠枕を探していきましょう。うつ伏せも自分に合った体制を見つけることができている人は、疲れがとれて良いかと思います。
横向きや丸まり型のタイプの人は、体に負担がかかりやすいので改善した方が良いように思います。いきなり姿勢を変えるのは難しいと思いますが、少しづつ理想的な睡眠の姿勢を確保しましょう。
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