甲状腺腫とは?症状・原因・治療法を知ろう!種類や、甲状腺に起こる病気も紹介!

体にはそんなに目立たないながらも、とても重要な役割を果たしている臓器があります。それがなければ、たちどころに体の調子が悪くなってしまうなんてこともあるでしょう。体の健康は、日々そういった臓器が支えてくれています。

甲状腺はそんな臓器の1つです。喉仏にある小さな臓器ですが、その役割はとても大きなものです。この部分に何かしらの病気ができてしまうと、生活に支障をきたすこともあります。精神的な負担もかなりのものとなり、とても億劫になるかもしれません。

甲状腺腫はその名の通り、甲状腺に腫瘍ができる病気です。良性・悪性とありますが、ほとんどが悪さをしない、珍しいタイプの病気です。では、この甲状腺について詳しくみていくことにしましょう。

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甲状腺腫とはどんな病気?

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甲状腺腫は甲状腺に腫瘍ができる病気です。腫瘍と聞くととても重い病気のように思いますが、ほとんどのケースで命の危険に直結するようなことはなく、生存率も高い病気です。

甲状腺腫は以下の3つの種類に分類されます。

腺腫

甲状腺にできた良性腫瘍のことです。多くは喉周辺のしこりを感じますが、体に悪いことをするわけではありません。ただ、外見上、大きくなることもあり、気になる人もいるでしょう。そのため、全く体には問題ないものの、手術でとってしまうという人もいます。

腺腫は甲状腺の左右どちらかに発症します。女性の方が圧倒的に発症率は高く、男性の10倍ともいわれています。腺腫の発症原因について詳しいことはわかっていません。ただ、女性はホルモンバランスが崩れやすい出産や閉経等があるため、ホルモンが関与していると考えられています。

腫瘍のサイズは人それぞれです。触らなければわからない小さいサイズから、見た目でわかる大きなサイズまであります。ただ、腫瘍が大きくなっても、飲み込みにくい、呼吸のしずらさといった症状を発症することはあまりありません。

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首に数多くのしこりを発症する病気です。数が多くなると、首全体が腫れ上がるように見え、かなり気になります。腺腫とは異なり、左右どちらにもしこりが発症します。見た目にはかなり違和感を感じることでしょう。

腺腫と比較すると、しこりのサイズは大きいです。また、鎖骨の下にまで侵入する縦隔内甲状腺腫という病気もあり、その進行には注意を払う必要がありますただ、基本的に良性のものなので、大きくなりすぎない限りは生活に支障をきたすことはありません。一方で、がん細胞が含まれていることもあり、一応の検査は必要でしょう。

悪性腫瘍

甲状腺腫の中でも、注意が必要なタイプです。ですが、他の悪性腫瘍とは異なり、かなり進行が遅いです。検査でも発見されやすく、根本的な治療が期待できます。なので、それほど心配する必要はありません。

首元に何かしこりを発見した時、つまり、甲状腺にしこりを感じる時、5人に1人は甲状腺の悪性腫瘍だといわれています。なんだか、違和感があるというときは検査を受けた方がいいかもしれませんね。放置してしまうと病気が悪化するので注意が必要でしょう。

悪性腫瘍はさらに6つに分類され、「乳頭がん」、「濾胞がん」、「低分化がん」、「未分化がん」、「髄様がん」です。これらがんについては事項でお伝えします。

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甲状腺腫の種類

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先に述べた甲状腺腫のうち、悪性腫瘍がありました。それはさらに分類され、5つのタイプがあります。それぞれのことについて、詳しくみていくことにしましょう。

乳頭がん

甲状腺のがんのうち、約80%〜90%がこの乳頭がんだといわれています。進行が遅く、あまり悪さをしないがんで、大きな症状を発症することもあまりありません。また、他の臓器への転移もあまり起こりません。

乳頭がんの初期症状としては喉仏のしこりです。しこりは硬いですが、触ってみても痛みを感じることはありません。一方で、しこり以外の症状はありません。初期症状もないため、しこりが大きくなり、触って感じられるほどになって初めて自覚します。異常を感じたら、まずは検査をしてみるといいかもしれません。

進行は遅いものの、長い時間をかけて転移することもあります。その場合、近くの食道、気管といった臓器に影響を及ぼすことがあり、早急な治療が必要です。しこりが徐々に大きくなってきているようであれば、医師に相談するようにしましょう。

濾胞がん

甲状腺がんの内、約5%を占めます。乳頭がんに比べると、高齢者に好発します。血液にがん細胞が流れ、転移しやすい特徴があります。転移前であれば予後は良好ですが、転移してしまうと予後は不良です。

甲状腺にしこりが見られますが、その発達はかなり遅いものです。深刻になる必要はないでしょう。

未分化がん

甲状腺にできるがんの中でも、かなり予後が悪い病気です。進行が早く、他の臓器に転移しやすいという特徴があります。全体の約1%程度の人にみられます。

症状としては声のかすれ、喉(声帯)の痛みを発症します。ただ、これらは風邪と間違えられやすいため、その発見が遅れてしまうということもあるようです。

先に述べた乳頭がんや濾胞がんが長期間放置され、その後がん化してしまうことが原因とされています。転移すればするほど、病巣は広がっていきます。

低分化がん

進行が遅く、あまり悪さをしない乳頭がんと、進行が早く、注意が必要な未分化がんの中間に位置するのが低分化がんです。甲状腺付近に大きめのしこりを作ります。

患者のうち、15%程度には転移がみられ、リンパ節、骨、肺、脳、肝臓などに及びます。45歳以上に好発し、若い人の発病はあまりありません。女性の方が男性より2倍程度発症しやすいようです。

髄様がん

髄様がんは全体の1〜2%を占めます。乳頭がんや濾胞がんは甲状腺ホルモンを分泌する濾胞細胞ががん化しますが、髄様がんは血中カルシウム濃度を下げる傍濾胞細胞ががん化します。傍濾胞細胞はC細胞とも呼ばれます。

髄様がんは家族の遺伝によって発症することが多く、全体の3分の1ともいわれています。このため、遺伝子検査によって、がん発生のリスクを推定することができます。

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そもそも甲状腺とは?

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ここまで甲状腺種についてお話ししてきました。一方で、そもそも甲状腺ってよくわからないという方もいるでしょう。

喉仏にあるのは知っているけど、役割まで知らない。そういう人もいるかもしれません。一旦、甲状腺について詳しくみていくことにしましょう。

甲状腺の役割とは

甲状腺は喉仏にある重さ10グラムの小さな臓器です。蝶々が羽を広げたような形をしています。喉や食道とは独立した存在で、喉に位置しています。

甲状腺の役割は甲状腺ホルモンの分泌です。ホルモンとは体の臓器に様々な作用を起こし、体調を整える役割のある重要な成分です。甲状腺ホルモンはどのような役割があるのでしょうか。

甲状腺ホルモンとは

甲状腺ホルモンは主に体の新陳代謝に作用します。脳や心臓などの臓器、骨や筋肉といった運動組織、そして皮膚や神経などの代謝を促進します。新生児の成長や子供の脳の発育にも関わっており、とても重要な役割を持っています。

甲状腺ホルモンは脳下垂体にある甲状腺刺激ホルモンによって分泌量が調整されています。しばし、分泌に異常が起こると、体調不良の原因になることがあります。

甲状腺の異常を起こす病気

甲状腺に起こる病気は大きく2つあります。1つは先ほどから述べている甲状腺種。つまり、腫瘍を始めとするしこりができてしまう病気ですね。進行が遅いという特徴があり、それほど気にする病気ではありません。

もう1つが甲状腺ホルモンの分泌に関わる病気。ホルモン分泌が過多の状態を甲状腺機能亢進症。反対に少ない場合を、甲状腺機能低下症を呼びます。

ホルモンの分泌量が変化すると、体に及ぼされる影響は大きいです。症状の進行によっては、生活に支障をきたすこともあり、早急な治療が必要です。

しこりがあるときは要注意

甲状腺にしこりがあるときは甲状腺種の可能性が疑われるでしょう。それは先に述べた良性・悪性の腫瘍が考えられます。検査を受け、具体的な病状を確認する必要があるでしょう。

体に異常が複数現れているときは注意

一方で体の倦怠感ややる気の低下、疲れやすくなったり、汗をかきやすくなった。このような体の異常が起きているときは、甲状腺の機能に異常が起きているかもしれません。

少しの動作で疲れてしまうものですから、精神的にも辛いことがあるかもしれません。早めに病院へ行き、治療を開始するようにしましょう。

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甲状腺種の原因

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甲状腺種の原因については、わかっていないのが現状です。先に述べた髄様がんについては遺伝的要素がありますが、それ以外の病気については原因不明とされています。ただ、以下の方に多い傾向があります。

30代から40代の女性に多い

甲状腺種は男女比で1:10の割合です。女性に多くみられる病気といえるのですね。そして、年齢別にみても30代から40代の女性に多いことがわかっています。一方で年齢が高くなるほど、男女比は縮まっていきます。60代以上となると、男性の方が発症率が高くなります。

甲状腺種の治療

甲状腺種では悪性ではない限り、基本的には経過観察とすることが多いです。定期的な検査は必要ですが、大きくならなければ、手術等はしません。反対に手術適用となるのは以下のようなケースです。

  • 腫瘍が大きくなり、喉の違和感、呼吸に支障をきたしている
  • 経過観察の過程で、腫瘍が徐々に大きくなっている
  • 甲状腺ホルモンの分泌に異常が出ている
  • 腫瘍が転移し、体を侵食している
  • 外見上、かなり気になる等の本人の意思

上記の場合、伴って日常生活に何かしらの異常があるでしょう。そういった場合は早期に手術を行い、病巣を取り除くことが、根本的治療で大切です。手術では甲状腺、及び腫瘍の摘出を行います。

放射線ヨウ素による治療

甲状腺の細胞は海藻などに含まれるヨウ素から作り出されます。そして、乳頭がんなどにも同じようにヨウ素から作られる性質があります。このとき、放射性ヨウ素を摂取し、放射線によってがん細胞を破壊する放射線治療があります。

治療は一切手術の必要がなく、放射性ヨウ素の入ったカプセルを服用することで行われます。また、手術で切除しきれなかったがん細胞も破壊することができ、根治が期待できます。

甲状腺種の検査

甲状腺種の検査では超音波検査、血液検査、細胞診などがあります。超音波検査では、甲状腺種の位置、大きさを検査することができ、迅速な診断を可能にします。

血液検査では、腫瘍マーカーによる腫瘍の有無、遺伝子検査を行うことができます。細胞診では、細胞を注射で直接取り出し、良性・悪性の診断を行います。

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甲状腺に起こる他の病気

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甲状腺に起こる病気は腫瘍ともう一つ、ホルモンの分泌異常があります。具体的には「甲状腺機能亢進症」と「甲状腺機能低下症」です。場合によっては、腫瘍によってこれら病気が引き起こされることもあります。詳しくみていくことにしましょう。

甲状腺機能亢進症

その名の通り、甲状腺の機能、つまり甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる病気です。若い女性に多く発症し、20代〜30代に集中します。日本国内で数万人の患者さんがいるといわれています。

症状は?

甲状腺ホルモンは体の代謝、神経バランスに関わります。そのため、以下の症状を複合的に発症します。

  • 動悸
  • イライラ
  • 汗をかきやすくなる
  • 手の震え
  • 下痢
  • 体の火照り
  • 生理不順
  • 疲れやすい
  • 首の腫れ
  • 目が出てくる

上記の症状はどれか一つ発症するというわけではありません。日常的な疲労とは十分区別する必要があります。症状が長期化し、いつまで経っても治らないようであれば注意が必要です。

原因は?

病気の原因は現在もよくわかっていません。ただ、出産をした女性に好発することから、ホルモンバランスの乱れが病気の原因になるといわれています。

この時期に亢進症を発症すると、流産のリスクを高めることがあります。出産に大きな影響を与えてしまうのですね。体の状態を十分管理する必要があるでしょう。

治療法は?

亢進症の治療法は主に3つ。「薬物治療」、「アイソトープ治療」、「手術」 があります。薬物治療は症状が軽い人に適用されます。体への負担が少ないというメリットがあります。薬が甲状腺ホルモンの分泌を抑制し、症状を抑えます。

アイソトープ治療は放射線ヨードと呼ばれる薬剤を服用する治療法です。放射線ヨードが甲状腺組織を破壊し、ホルモンの分泌を抑制することにつながります。

手術は病気が重度の患者に適応されます。腫れが大きい、症状も重く、薬などが効かない人ですね。この場合、甲状腺を切除し、治療を行います。傷口が残るということもありますが、それほど目立たないようです。

詳しくは、甲状腺機能亢進症の症状をチェック!原因や治療方法も紹介!を読んでおきましょう。

甲状腺機能低下症

亢進症とは反対の状態、甲状腺の機能が低下し、ホルモンの分泌量が少なくなってしまう病気です。こちらも女性に好発しますが、40代以上の年齢にもみられ、幅広く発症します。

症状は?

甲状腺機能低下症では以下の症状を発症します。

  • のどの腫れ
  • 太りやすくなる
  • 日中眠くなる
  • やる気の低下
  • 不妊
  • 月経周期が長くなる
  • 肌の乾燥
  • かゆみ
  • 体のむくみ

こちらもどれか一つの症状が出るわけではなく、複合的に発症します。仕事の疲れやストレスとも考えがちですが、長期的に症状が出ているようであれば注意が必要です。

原因は?

甲状腺に炎症症状を発症し、発症します。炎症の原因は自己免疫と呼ばれる、免疫システムが自身の細胞に反応してしまうことによって起こるといわれています。

自己免疫は出産、妊娠といった女性特有の生理現象がきっかけです。若い女性に発症者が多いのも、そのせいです。また、40代以上であれば、閉経に伴ってホルモンバランスが崩れますから、それもまた病気のきっかけになるでしょう。

治療法は?

低下症の治療法は薬によって行われます。甲状腺ホルモンを摂取することで、機能の回復、症状の改善を期待します。症状に合わせて、薬剤の量を調整します。

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まとめ

甲状腺は小さいながらも体にとって大きな役割があります。この部分が病気になってしまうと、体調不良を訴え、生活に支障をきたしてしまうことでしょう。

ただ、甲状腺腫に限って言えば、それほど急ぐ必要のない病気です。なんだか喉にしこりがある、と思っていても大きくならなければそれほど問題はないでしょう。

一方でしこりを初めて確認したときは、きちんとした検査を受けることをオススメします。やはり検査をしてみなければ、それが良性か悪性かはわかりませんから、注意が必要でしょう。

喉を触ってみて、身に覚えのないしこりがある。そして、最近どうも体の調子が優れない。そんなときは、一度検査をしてみてくださいね。

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これらを読んでおきましょう。

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