総コレステロールが高い原因は?症状や病気について紹介!

日常、よく耳にするコレストロール値ですが気をつけなくてはならないことは分かっていても、詳しく知らない方も多くいらっしゃいます。まるでビタミンやタンパク質なみに知名度は高いのですが、具体的にどんなものか、何をどう工夫すれば良いのか、悪化すればどうなるのか説明できる方になると更に稀です。

まず、敵をよく知ることから始めましょう。コレストロールの中には味方もいます。敵も味方もごちゃまぜになると、必要なコレストロールを失いかえって健康リスクが増大します。ここでは、なんとなくお馴染みになった総コレストロールが高いとどうなるのか、どう改善できるのかについてご説明します。

そもそも総コレストロールとは

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一括りに言われますが、様々な作用を持つコレストロールの総称が「総コレストロール」です。相反する働きを持つ物質が、バランスを取りながら一定の役割を果たす、その意味でどちらのコレストロールは重要です。

コレストロールの正体

コレストロールというと、血管の中に溜まった老廃物、というイメージが一般的です。ですから多いと警戒し、少ないと安心する傾向にあります。

コレストロールというのは確かに体内にある脂肪の一種です。脂肪酸と結合したエステル型と、別々に分かれた遊離型があり、この二つを合わせて総コレストロールと呼びます。

コレストロールの仕事は、主に下記の通りです。

  • 細胞膜を作る
  • 筋肉を作るホルモンの原材料になる
  • 栄養を分解する
  • 栄養を吸収する
  • 胆汁酸の原材料になる

生命の維持に直結したものばかり、これを危険で要らないと疎かにしてしまうのは大変、危険です。

正常値かどうか知るための検査は、皆さんご存知のように血液検査です。ただし、空腹時の採血ですので検査時間に合わせて食事をしないよう病院から指示が出ますので、ご注意ください。

多少の個人差はあるものの、基準値は成人で140~219mg/dlとなっています。ただし、閉経後の女性に関しての基準値は150~239mg/dlとやや高めに設定されています。

この基準値を超えたら、病気の発症リスクを調べるために詳しい検査をします。善玉コレストロール(HDL)、悪玉コレストロール(LDL)、眼底検査、CT,MRI,心電図、冠状動脈造影検査など、医師が必要と思ったものから調べていきます。

善玉コレストロール(HDL)とは?

体内に蓄積された古いコレストロールを回収して肝臓に送り込むのが仕事です。この古いコレストロールが蓄積して動脈硬化になるため、このコレストロールがリスク回避の善玉と呼ばれるわけです。

この善玉コレストロールは工夫次第で増やすこともできるので、ますます人気があります。それも困難で高額な方法なら手がでませんが、日常生活で可能なことです。

有酸素運動で増えます。と、言っても毎日10キロのジョギングなどではありません。一日、30分歩くだけです。これで古いコレストロールを回収する要員を増やすことができます。

意外なことですが、アーモンドチョコも有効です。カカオポリフェノールが70%含まれるチョコと、10gのアーモンド、これが善玉コレストロールを増やしてくれるなんて、まさに朗報と言えましょう。ただし、量はほんの少しですが・・・

ただ、どれだけ善玉コレストロールを増やしても回収すべき古いコレストロールが多すぎると追いつかず、やがて動脈硬化など様々な疾患に結び付いてしまいます。古いコレストロールを作らない工夫と並行して初めて有効です。ダイエットのサプリとケーキを一緒に食べても痩せないのと同じです。

見逃されやすいのですが、善玉コレストロールは古いコレストロールを肝臓に送り込むだけです。肝機能が低下していれば、廃棄処理ができません。これはまた別の問題ですが理解のためにご説明しました。

悪玉コレストロール(LDL)とは?

細胞膜や筋肉を作るホルモンの原材料として、コレストロールを体内に供給するのが仕事です。廃品回収の善玉コレストロールよりも、よっぽど重要な役割です。それなのに、なぜ悪玉と言われてしまうのでしょうか。

それは、供給機能にリミッターがないからです。必要な量だけ供給して、残りが排泄される仕組みなら最高なのですが、残念ながらそうはいきません。

残余分は血管にへばりついて、善玉コレストロールに回収してもらうしかないのです。人体の機能に大きく貢献しながら、悪もの扱いされる理由がここにあります。人間が食べる途中で、もうここまで!と分かればいいのですが血液検査をしないと分からないのでストップがかかりません。

人間が好きなだけ食べたあげく、ストッパーのない悪玉コレストロールが真面目に供給して批判しているわけです。しかし、このコレストロールの本来の使命は、細胞膜や筋肉の材料を人体に供給することです。

飢餓状態で進化してきた人類の身体は、栄養を摂れた時に蓄えられるようなシステムにしています。飽食の時代では過剰な供給になり、廃棄物がパンクするまで溜まって、善玉コレストロールの回収がままならないまでになりました。時代とのミスマッチ現象と言えるでしょう。

しかし、だからといって栄養を摂らないことは危険です。細胞体の塊である人体にとって、細胞膜となる材料の供給がままならないことは、死を意味するからです。

総コレストロールが高いリスク

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老廃物に遮断された血流が、やがて身体の至るところでトラブルを起こします。何となくのイメージでなく正確な現象をご説明しましょう。

動脈硬化

血中の脂質成分が多い時、動脈血管内に残余分が溜まっていきます。その動脈がしなやかで弾力性に富んでいれば、少しくらい血管内に凹凸があっても大きなトラブルにはなりません。

しかし、動脈内に残余分のコレストロールが堆積して、血管の細胞分裂を阻害するようになると大きな問題です。この悪玉コレストロールの方が、総コレストロールよりも症状を正確に把握できると認識されて近年では悪玉コレストロールの検査を優先されています。

この名の通り、軟らかいホースだった動脈が硬くなって裂けやすく、周辺の臓器に致命的なトラブルをもたらしかねないのが動脈硬化です。

コレストロールと、それによる高脂血症が動脈硬化の主因になります。動脈硬化による発症のきっかけは、加齢、肥満、高血圧、糖尿病、腎臓病と多様ですが血管を硬くするものとしては悪玉コレストロール抜きに語れません。

喫煙、アルコールなどの過度の嗜好品をたしなむ習慣は、動脈硬化を悪化させる要因であって、発生の主因とはなりません。コレストロール基準値を超えた時が禁酒・禁煙を決意する時です。

心筋梗塞・脳梗塞

日本人の死因トップが、この心筋梗塞と脳梗塞です。外傷やウイルスによるものではなくて、いわゆる生活習慣病です。

各コレストロールの基準を超えた時に、医療従事者のアドバイスに耳を傾けて食事、運動、習慣の改善に取り組めば発症リスクが下がります。

しかし、無視して夜更かし、暴飲暴食、飲酒、喫煙と重ねれば必ず発症します。いきなり原因となるコレストロールが蓄積するわけではありませんが、発症はある日、突然やってきます。

心臓も脳も、梗塞された場所、発見されて病院に行けた時間などで予後は大きく変わります。場所によっては一気に死に至りますし、場所的にリスクが低くても発見が遅れて病院に行けなければ重い麻痺が残って回復も見込めないでしょう。

そうならないように、無言の血液を検査して情報を引き出し、改善できるように各自で取り組む必要があります。開き直って、どうせいつか死ぬからと侮ってはいけません。生活習慣病が原因でなくても、実際に心筋梗塞や脳梗塞の後遺症と戦っている方のご苦労を知れば、不謹慎な軽視はできないことでしょう。

目標とすべき検査数値の基準は個人によって違います。特に既往歴のない方と、糖尿病や腎臓を持ってらっしゃる方と同じテーブルで語れません。処方箋はオーダーメイドになります。ここからは年齢、性別だけで語れないのです。

心筋梗塞については、心筋梗塞の前兆は?症状を知って適切な処置を!を参考にして下さい!

コレストロールを溜めないために

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日常生活で溜めたものは、日常生活で取り除くしかありません。身体が血管内のコレストロールでパンクする前に、できることはたくさんあります。

避けたい食品

善玉コレストロールのお世話になる前に、一番効果的なコレストロール予防は摂取しないことに尽きます。

コレストロールを多く含む食品を正しく知って、気を付ける。これだけでも大きな改善につながります。毎日、食べないような食品でも外食で出会う可能性はあります。別のオーダーにする努力をした5年と、知らずに食べ続けた5年ではデータもかなり違ってきます。

あん肝 たらこ かずのこ ウニ いか イカ焼き するめ タコ カキ レバー類 鶏卵

いかがでしょう、イメージと合っていたでしょうか?鶏卵に関しては卵白はコレステロールゼロです。卵黄にコレストロールが集中しているのですが、優れた栄養素が詰まっているので完全に食べないのはもったいない話です。量の調整で摂取するなど、工夫する価値があります。

食べたい食品

DHAを多く含む青魚はお勧めです。サンマ、サバなど安価で日常の食卓に上げやすい食品は継続しやすい点で有効です。青魚は不飽和脂肪酸で悪玉コレストロールを減らしてくれます。

悪玉コレストロールを減らしてくれる他の食品は、しそ油、アマニ油、えごま油、くるみ、豆類、緑黄色野菜です。

コレストロールの摂取を抑制するのに有効なのは、海藻類、きのこ類です。大好きで止められない、コレストロールの高い食品を食べたい時、お守りとして一緒に食べましょう。

新しい生活習慣の導入を!

食べる栄養も大事ですが、深夜に食べたり偏食だったりすると期待する効果は得られません。規則正しい食生活あっての栄養です。

脂っこいものとアルコールの組み合わせが肥満のもとになる、というのは今や常識です。月に1回くらいや夕方ならまだしも、毎日深夜であれば少量でも間違いなく悪玉コレストロールが増えてしまいます。

腰回りから腹部にかけて脂肪が溜まってしまったら、食生活全般を見直してみましょう。そして、もう一つ大きな検討課題とて「嗜好品」があります。

嗜好品はストレス解消に欠かせない楽しみです。それがタバコやアルコールのように習慣性のあるものなら、なをさらでしょう。少量のお酒が健康に良いとさえ言われているのに、タバコに関しては厳しい評価です。

コレストロール以前の問題として、タバコの煙は血管を錆びさせ劣化させる物質を持っています。心筋梗塞、虚血性狭心症、もちろん呼吸器のリスクの高く、発がん性物質を含むとまでされて百害あって一利なしとまで言われています。

喫煙という生活習慣だけは、禁煙外来に通って無くしたほうがよさそうです。なぜならタバコの煙は貴重な善玉コレストロールを消してしまうからです。

錆びた血管の中で古いコレストロールの回収が減れば、一気に動脈硬化も進みます。どうしても止められない方は医師と相談してみましょう。

まとめ

健康は一日でなりませんが、生活習慣からくる病気もまた、一日ではなりません。大きなきっかけがないと、なかなか目に見えないリスクに備えようとしないものです。まして、このストレス社会において健康のためにストレスを抱えるのは理不尽な気もします。しかし、死因として日本の第一位であるという事実を考えた時、自分が決してならない保証はありません。死に至らなくても、悪い予後で余生を送る方々の数字はどれほど多いことか想像もつきません。検査結果を手に入れたら、かかりつけ医と相談してアドバイスをもらいましょう。

  
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