結膜浮腫ってなに?症状・原因・治療法を紹介!自力で治すことも可能?

朝、起きて鏡を見たら、白目の部分がブヨブヨしている・・・などということがあったら、ビックリ仰天、慌てますよね。

でも、それが結膜浮腫なら、慌てることはありません。眼疾患の中では良性で軽症で、たいてい、放っておいても自然治癒してしまいます。目をこすらないように気をつけるだけで、いいのです。

でも、炎症が起きたために結膜が腫れる眼病は他にもあります。結膜嚢腫(けつまくのうしゅ)や結膜弛緩、上強膜炎、瞼裂斑炎、眼窩蜂窩織炎などです。視力が低下する重篤な眼疾患の場合もあります。

結膜浮腫の症状と原因、治療法とともに、似たような症状の眼病についてお伝えしますね。

結膜浮腫とは?

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結膜浮腫は、子供によく起きる眼疾患ですが、大人にも起きます。視力に関わるような重篤な眼疾患ではありません。自然に治ることが多いようです。

[結膜・角膜・強膜とは?]

眼球は直接外界と触れ合う部分が多いので、結膜・強膜・角膜によって覆われて保護されています。

結膜・角膜・強膜については、混乱することが多いようなので、簡単に述べます。詳しいことは、「目の辞典」や「ライフサイエンス辞書」、医学用語の辞書などで調べられます。

角膜

角膜は、いわゆる黒目の部分を覆う透明な膜です。黒目とは瞳孔と虹彩です。光を通し、屈折させて瞳孔に送り込みます。眼球の形を保っています。

血管がない無血管組織なので、必要な酸素は大気と涙液から摂ります。

強膜

強膜は、眼球全体の外側を覆う強い乳白色の膜です。強膜の1/5がいわゆる白目、外から見える部分です。強膜は角膜とつながっています。強膜の表層を上強膜といいます。

強膜は血管が少なく、光をほとんど通しません。眼球内に余計な光が入るのを防ぎ、眼球を保護しています。眼球の形を保ちます。

結膜

結膜は、瞼(まぶた=眼瞼)の内側と強膜の前面(白目)を覆う透明な膜です。つまり、白目は強膜と結膜が二重になっているのです。

結膜とは、「眼瞼(がんけん)と眼球を結ぶ組織」という意味です。

結膜は、①瞼結膜(けんけつまく) ②円蓋部(えんがいぶ)結膜 ③球結膜(きゅうけつまく)からできています。瞼結膜で、瞼としっかりくっつきます。円蓋部は広いポケットになっていて、外部から目に侵入した異物(ゴミやコンタクトレンズなど)が眼球の裏側に行かないようにしています。球結膜は、強膜を覆い、角膜(黒目)との境で強膜と強く結びついています。眼球運動が円滑にできるようにします。

結膜は、角膜と同じように、冷覚と痛覚しかありません。

[結膜浮腫の症状]

結膜浮腫は、白目を覆う結膜の下に水がたまり、白目がブヨブヨとゼリー状にふくれている状態です。

局所の炎症やアレルギーによる過敏反応により、血管内皮が障害されると、血管内の組織液が滲出して、結膜の下に溜まることで、結膜浮腫が発症します。

初期症状

白目がブヨブヨとゼリー状にふくれます。白目の一部にちょっとシワが寄ったように見えることもあります。白目全体がブヨブヨする感じです。

目が充血して、異物感(なんとなく目がゴロゴロする感じ)があります。

アレルギーが原因の場合、アレルギー性結膜炎が起きているので、目がとてもかゆくなります。

進行すると・・・

黒目の周囲の白目が飛び出たようになり、瞼をきちんと閉じられなくなることがあります。

[結膜浮腫の治療]

目がかゆくて、かいたり、こすったりした結果、結膜浮腫が起きることが多いので、まず、目を触らないようにします。目を触らないことは、感染予防にもなります。

自然治癒することが多いのですが、他の眼疾患という可能性もありますので、治った後でも、必ず眼科を受診することをオススメします。

自分でする治療

「目が飛び出した」と慌てる患者さんが多いのですが、たいていは、数時間もすると、ブヨブヨした腫れはひいていきます。

目をこすらないようにして、絞った冷たいタオルか、タオルにくるんだ保冷剤で目を冷やすようにします。腫れとともに、かゆみに効果があります。

注意点は、自分で目をいじらないことです。慌てたり、気にしたりして、目をいじり廻すと、悪化したり、感染性の眼疾患を引き起こしたりする可能性があります。

自然に治らない場合、ゼリー状のふくらみがひどく、瞼が閉じられない場合、白目全体ではなく一部が腫れている場合は、眼科の診察を受けます。

眼科でする治療

眼科では、結膜浮腫か似たような症状の眼疾患か、問診・視診・検査を行って診断します。

結膜浮腫の原因を見極め、アレルギー性結膜炎などが起きていれば、その治療を行います。他の眼疾患とわかれば、その治療を行います。

結膜浮腫がひどい場合は、点眼薬を処方し、早く腫れがひくようにします。

[結膜浮腫の予防]

結膜浮腫の予防方法は、目がかゆかったり、違和感・異物感があったりしても、目をこすったり、かいたりしないことです。かゆい時は、冷湿布します。

コンタクトを使用している人は、レンズを常に清潔に保つようにします。

目を酷使しないようにします。まばたきをしたり、目薬を使用したりして、眼を乾燥させないように気をつけます。

結膜浮腫の原因

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結膜浮腫はアレルギー性結膜炎により生じることが多いようですが、他の眼疾患の症状として発症することもあります。

また、コンタクトレンズが原因になることがあります。

[アレルギー性結膜炎]

アレルギー性結膜炎とは、目の表面にアレルゲン(アレルギー反応を起こす物質)が付着したために起こる結膜炎の総称です。

アレルギーとは、本来は身体を護る免疫力が過剰に作用して、悪影響を与えることです。

アレルギー作用を起こす物質(原因抗原)には、花粉・ダニ・カビ・ホコリ・ハウスダストなどがあります。アレルゲンは、人によって異なります。

アレルギー性結膜炎とされる眼疾患

アレルギー性結膜炎には、①アレルギー性結膜炎 ②巨大乳頭結膜炎 ③アトピー性角結膜炎 ④春季カタルがあります。

①と②は、角膜の病変(角膜が傷ついたり、混濁したりする)がなく、視力低下を起こすことはありません。良性で軽症型の疾患です。

③と④は、角膜病変や痛み、視力低下が生じる重篤型の疾患です。

①アレルギー性結膜炎

花粉症など季節のものや、通年のものがあります。

瞼の裏側にイチゴ状のブツブツができたり、角膜の周囲の結膜が堤防のように隆起したりする「結膜の増殖性変化」はありません。

目の内側や瞼の裏が猛烈にかゆくなります。ガマンできないかゆみです。つい、目をかいたり、こすったりしてしまいます。目の中が熱くなることもあります。異物感があります。

目が充血します。白色の水っぽい粘り気のない目ヤニが出ます。「はやり目(アデノウィルスの感染による流行性角結膜炎)」などのようにウィルス感染による角結膜炎では、粘り気のある白色の目ヤニ、細菌性結膜炎・細菌性角結膜炎では、黄色または黄緑色の膿のような目ヤニが出ます。

結膜浮腫や眼瞼腫脹(まぶたの腫れ)が生じます。クシャミや鼻水を伴うことが多いようです。

②巨大乳頭結膜炎

コンタクトレンズや義眼、眼科手術の縫合糸など、機械的刺激により起こる炎症症状です。

上瞼の裏に大きなイチゴのようなブツブツができます。

③アトピー性角結膜炎

アトピー性皮膚炎をともなうアレルギー性の慢性型結膜疾患です。

激しいかゆみ、涙、結膜の充血と混濁、結膜浮腫が生じます。結膜が厚くなります。

瞼の皮膚が厚く硬くなり、感染症を起こしやすくなります。まばたきや涙液による角膜保護の働きが低下し、点状表層角膜症や角膜びらんなどの角膜病変が起きます。視力が低下する可能性があります。

アトピー性角結膜炎の患者さんはダニ過敏症が多いようです。

④春季カタル

春から夏にかけて発症する重症のアレルギー性結膜疾患です。春季カタルの患者さんの70%以上が、アトピー性皮膚炎を発症しています。

目のかゆみ、痛み、結膜の充血、結膜浮腫、眼瞼腫脹、水っぽい目ヤニ、眼瞼乳頭が生じます。角膜近くの結膜が発赤して、厚く腫れます。

点状表層角膜症、角膜びらん、角膜潰瘍、角膜混濁、血管の角膜侵入など、重篤な角膜障害が起きます。視力低下が起きる可能性が高くなります。瞼のアトピー性皮膚炎が長引くと、重症の角膜炎を生じることがあります。

アレルギー性結膜炎の診断

ほとんどの場合、症状の視診と自覚症状の問診で診断されます。結膜擦過(こすって取る)からアレルギー症に特有の好酸球という白血球の1種が検出されます。

アレルゲンについては、パッチテストや血液検査で突き止めます。

アレルギー性結膜炎の治療

治療方法は、アレルギーの原因物質の除去・回避と薬物治療です。

(アレルギー物質の回避と除去)

アレルギー物質の花粉などをできるだけ回避します。ダニやカビ、ハウスダストは徹底的に除去します。

人工涙液により、目の表面のアレルゲンを洗い流します。

(薬物による治療)

抗アレルギー薬(アレルギー剤)とステロイド薬を点眼します。

アレルギー症状が重篤な場合は、ステロイド懸濁液を結膜下に注射したり、ステロイド薬を内服したりします。免疫抑制剤を併用することもあります。

ステロイド薬は長期に使用すると、「緑内障」を発症する危険性があります。症状が軽減したら、非ステロイド系の消炎剤とアレルギー剤に切り替えます。

瞼の裏の乳頭切除や角膜掻爬など外科的処置を行うこともあります。

アトピー性皮膚炎をともなう場合は、ステロイド系炎症剤などを使用して、まぶたの皮膚炎を治療します。

(アレルギーの改善)

アレルギー性結膜炎が改善すれば、結膜浮腫も消えます。でも、アレルギー反応による疾患を完治することは難しいので、結膜浮腫が再発する可能性は少なくありません。対処法は、アレルギーを軽減・改善することです。

アレルギー疾患は、減感作療法・漢方薬・ビタミン剤・生活習慣の改善・アレルギー物質の排除などで改善できます。

[コンタクトレンズの使用]

結膜浮腫は、コンタクトレンズの使用が原因になることもあります。

コンタクトを常時使用していると、眼が乾燥したり、汚れが付着したりします。そのため、目をこすることが多くなり、結膜浮腫が生じます。

対処法

コンタクトレンズによる結膜浮腫に対処する方法は、常にコンタクトを清潔にして、眼の表面に汚れが付着しないようにします。目薬を頻繁に点眼して、乾燥を防ぎます。

結膜浮腫がおさまるまで、コンタクトを外します。

コンタクトレンズで巨大乳頭結膜炎が起きる

「アレルギー性結膜炎」で述べたように、コンタクトが刺激して、巨大乳頭結膜炎が生じ、結膜浮腫が起きることがあります。その場合は、眼科で治療してもらう必要があります。

[眼窩蜂窩織炎]

「眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)」という眼疾患が原因で、結膜浮腫が起きる場合があります。眼窩蜂窩織炎が治れば、結膜浮腫も消えます。

眼窩蜂窩織炎とは?

眼球が入っている骨で囲まれたスペースを眼窩(がんか)といいます。眼窩の脂肪組織に炎症が起きる疾患を「眼窩蜂窩織炎」といいます。

眼窩蜂窩織炎の原因

急性の細菌感染により発症します。黄色ブドウ球菌による感染が多いようです。

副鼻腔炎や歯周病感染巣からの波及、外傷からの細菌侵入によって感染することが多いと言われます。

眼窩蜂窩織炎の症状

眼窩の脂肪組織を中心にして、急激で強い炎症が起きます。

急に眼が充血して赤くなり、痛みが生じます。瞼を触ると、痛みが強くなります。

眼球が飛び出してくる(眼球突出)こともあります。

眼球を動かしにくくなり、物が二重に見える(複視)ことがあります。

結膜浮腫が起きても、アレルギー性結膜炎の場合と違って「数時間経つと腫れがひく」ということは、ありません。

炎症症状が強く、眼内にまで炎症が及ぶと、視力が低下することがあります。

時には、発熱・頭痛・吐き気が生じます。

治療が遅れると、生命に関わる危険があります。

眼窩蜂窩織炎の治療

入院して治療します。

原因菌が特定できるまでは、広域抗菌剤を点滴静脈注射します。原因菌が特定されたら、それに対抗する薬を使用します。

外傷・副鼻腔炎・歯周の炎症などは、それぞれの専門医が治療します。ですから、眼窩蜂窩織炎の可能性がある時は、総合病院か大学病院の眼科を受診することをオススメします。

[眼疾患以外の病気が原因のこともある]

結膜浮腫は数時間で自然治癒することが多いようです。眼科で治療してもらえば、重症のアレルギー性結膜炎や眼窩蜂窩織炎でない限り、1週間以上かかることは、めったにありません。1ヶ月も長引くことはありません。

眼科で治療しても、結膜浮腫がなかなか治らない時は、眼疾患以外の内臓関係の病気が原因かもしれません。あるいは、眼球周辺の重篤な疾患が原因かもしれません。

眼科医とよく相談して、内科などの精密検査を受ける必要があります。

結膜・強膜の疾患

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結膜浮腫と似た症状の眼の疾患、結膜浮腫のように良性で自然治癒する目の病気など、結膜や強膜に発症する疾患があります。

目の病気は、進行すると視力が低下したり、失明したりすることがあります。回復が難しいこともあります。どのような小さな異常でも、眼に起きた時は、早めに眼科医の診察を受けることが、最善の対処法です。

[白目がブヨブヨになる目の病気]

白目がブヨブヨふくらんだ状態になるのは、結膜浮腫の外に、結膜嚢腫と結膜弛緩があります。

結膜嚢腫(結膜嚢胞)

「結膜嚢腫(けつまくのうしゅ)」は「結膜嚢胞(けつまくのうほう)」ともいいます。

結膜全体に水が溜まってゼリー状にブヨブヨふくらむのではなく、結膜の一部に水泡のような袋ができて、ブヨブヨふくらみます。白目が充血することはありません。

嚢腫が大きくなると、目がゴロゴロする異物感が生じます。

結膜嚢腫は見た目が気になりますが、良性ですから放っておいても心配は要りません。

(結膜嚢腫の原因)

結膜の水(リンパ液)を作る細胞が、間違って結膜の中に水を作ってしまうと、結膜嚢腫(結膜嚢胞)ができます。原因不明の突発性のことが多いようです。

(結膜嚢腫の治療)

嚢腫が大きくなると、嚢胞を穿刺してリンパ液を出してしまいます。

穿刺の方法は、眼科医によって異なります。出血を抑えるためには、血管のない嚢胞部分だけを穿刺します。この方法は再発しやすいので、手術で嚢胞を除去する方法もあります。

穿刺する時に、できるだけ嚢胞内に出血させる方法もあります。結膜の下に出血が起こりますが、そのために結膜と結膜下組織との結合が強くなり、結膜嚢腫が起きにくくなります。

結膜弛緩症

「結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)」とは、球結膜(白目を覆っている部分)の下の組織が緩んでいる状態です。

弛緩する原因は、加齢のようです。コンタクトレンズの使用が原因になるという人もいます。

(結膜弛緩症の症状)

白目が緩んでひだのようなブヨブヨした状態になります。

ドライアイのような症状です。眼が乾いて、ゴロゴロする異物感があります。急に涙が流れ出ます。涙が流れ出てしまうので、球結膜表面の涙の膜の形成が阻害されます。

球結膜の下に出血することがあります。

進行した場合は、手術が必要になりますが、どの眼科医でも対処できるわけではありません。結膜弛緩症の進行に対処できる眼科医を選ぶ必要があります。

[瞼裂斑・瞼裂斑炎]

「瞼裂斑(けんれつはん)」とは、紫外線やコンタクトレンズ、潮風などの刺激により、結膜が厚くなった状態です。加齢も原因になりますが、コンタクトレンズで起きることが最も多いといいます。

まばたきすると、瞼裂斑が瞼(まぶた)でこすれて、炎症が起きます。「瞼裂斑炎(けんれつはんえん)」です。

(瞼裂斑の症状)

鼻側の結膜が厚くなることが多いようですが、耳側や両側の結膜が厚くなることもあります。厚くなった結膜部分は、黄色くシミのように見えます。

瞼裂斑炎が起きると、血管が増えて、白目が赤く見えます。炎症部分が盛り上がり、まばたきする度にこすれて、慢性的なゴロゴロ感があります。見た目が悪くなります。

視力が低下することはありません。

(瞼裂斑炎の治療)

抗アレルギー剤や非ステロイド系消炎剤の点眼薬で治療します。炎症が酷い時は、ステロイド系炎症剤を使うこともあります。

詳しくは、瞼裂斑は治療する必要がある?症状や原因、予防方法も紹介!鼻側に多い理由は?を読んでおきましょう。

[球結膜下出血]

球結膜(白目の部分)の血管から出血することを「球結膜下出血」といいます。

自覚症状はほとんどなく、自分で鏡を見て驚いたり、人に言われて気づいたりします。出血量が多いと、白目半分、あるいは白目全体が真っ赤になります。放っておいても、数日から10日間くらいで、出血が吸収されてしまいます。

原因は不明なことが多いのですが、糖尿病や高血圧、動脈硬化、出血性疾患が原因のことがあります。

[上強膜炎]

強膜の表面の上強膜に炎症が起きると、「上強膜炎」といいます。

原因は、まだよくわからないことが多いようですが、アレルギー反応や、免疫反応が自己組織を攻撃する自己免疫疾患、梅毒や結核などの炎症性疾患によって引き起こされるようです。まれに局所の感染が原因となることもあります。

青年期に多く発症するようです。男性より女性の方が発症しやすいと言われます。

(症状)

眼に強い充血が起きます。炎症が広がると、痛みが生じます。

軽症のまま治癒に向かうことが多く、視力が低下するような重篤な状態には、めったになりません。

副腎皮質ステロイドの点眼薬で容易に改善できます。局所感染が起きていれば、抗菌薬を投与します。

強膜炎

強膜表面に起きる上強膜炎とは異なり、重篤な状態になる可能性があります。

充血も上強膜炎より強く、痛みも激しくなります。炎症が後強膜に広がる(後強膜炎)と、視力がかなり低下します。強膜が溶ける「壊死性強膜炎」では、強膜の下の茶色のブドウ膜が透けて見えるようになります。白目に黒い部分があるように見えます。

強膜炎では、副腎皮質ステロイド薬の全身投与が必要になります。

[眼科医は慎重に選ぶ]

眼の疾患には、放置しても自然治癒するものもあれば、入院して治療する必要があるもの、外科手術が必要なものもあります。

街の眼科医院・クリニック・病院には、入院設備や手術設備がないことがあります。検査機器が揃っていないこともあります。

街の眼科医は親しみやすく、気軽に相談できるので、渡辺眼科高槻クリニックのように地元高槻の総合病院と提携していたり、大学病院や総合病院に強い関係を持っていたりすれば、問題はありません。むしろオススメですね。

入院・手術設備のある眼科専門病院でも、総合病院・大学病院と提携していることが望ましいようです。眼疾患には、糖尿病や動脈硬化症など全身疾患が関係していることがあります。

まとめ 結膜浮腫は自然治癒することが多い

結膜は、白目(強膜)と瞼(まぶた)の内側を覆う薄い透明な膜です。

結膜浮腫は、結膜の下に水が溜まって、ゼリー状にブヨブヨとふくれた状態になる眼疾患です。良性で軽症の結膜疾患です。子供に発症することが多いのですが、大人にも発症します。

結膜浮腫は、アレルギー性結膜炎を発症して、目を強くこすったりかいたりするために起こることが多いようです。進行すると、白目がブヨブヨと盛り上がり、瞼がきちんと閉じられなくなります。

見た目がひどいので慌てますが、目をこすらないようにして、濡れタオルや保冷剤で目を冷やしていれば、たいていは、数時間で腫れがひき、自然治癒します。

なかなか腫れがひかない時や腫れがひどい時は、眼科医の治療を受けます。点眼剤で腫れがひくのを速めるとともに、原因となったアレルギー性結膜炎など眼疾患の治療をします。

結膜浮腫の主な原因はアレルギー性結膜炎ですが、コンタクトレンズの使用や眼窩蜂窩織炎などの眼疾患が原因となることもあります。

アレルギー性結膜炎の中には、花粉症のように軽症のものもありますが、春季カタルやアトピー性角結膜炎は、炎症症状が重篤化すると、視力低下を起こす可能性があります。眼窩蜂窩織炎は、手遅れになると生命の危険があります。

白目がブヨブヨはれる眼疾患は、結膜嚢腫(結膜嚢胞)や結膜弛緩症があります。結膜や強膜(白目)に生じる眼疾患も、瞼裂斑炎や上強膜炎などいろいろあります。

結膜浮腫は自然に治ることが多いのですが、治った後でも眼科医を受診する方が安全です。目の疾患は視力低下や失明の可能性があるものが多いので、ちょっとした異常でも、早めに眼科医に相談することをオススメします。

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