結膜炎ってうつるの?種類によってかわる期間について

結膜炎にはうつるタイプとうつらないタイプがあります。ここではうつるタイプの結膜炎を3つ挙げてその傾向と対策を絞り込んでいきます。

学校は登校禁止になりますが会社は休めない、と出社する方もいらっしゃるでしょう。しかし全く人と会わない職種ならともかく人に会う以上、相手に感染させる恐れがあります。

まして接客業でお客様に充血した目でサービスなどすればクレームではすみません、同僚だって迷惑です。予防第一、もしうつれば早期発見・治療が大事です。何にどう気をつけるのかご説明しましょう。

流行性角結膜炎について

結膜炎

俗名で「はやり目」と言われます。流行るくらいにうつる結膜炎と言って過言ではありません。感染力が極めて強く、発症すると外見的にもインパクトが強いので見た人を警戒させます。

潜伏期間が長いのがネック

感染してから潜伏期間は1~2週間くらい遅れて発症します。すぐに発症すれば原因が特定できて集団の中で感染エリアを限定できますが、その間、感染し続けるので気づいた時には集団で発症してしまうのです。これが流行してしまう原因で誰かが発症した時には既にウイルスは大量に拡散しています。

症状は急に目に何か入った異物感から始まります。ゴミでも入ったかな?という感じで気にも止めません。第一症状で流行性角結膜炎を疑う人はごく稀です。つまり、長い潜伏期間に加えて感染力が強くなった発症期でさえ感染予防につながる行動を取りません。自覚がないので学校や会社など集団生活を無意識に行います。

目の中のコロコロ感はなくなるどころか強くなっていきます。病院に行こうかな?と思った時が土曜日の午後なら月曜日の朝まで受診できません。と言って救急病院へ行くような症状でもないので、このケースは最悪の感染状況を保持します。

詳しくは、はやり目の症状は?感染経路や対策法も紹介!の記事を参考にしてください。

原因はアデノウイルス8型

いよいよ受診して流行性角結膜炎と診断されたら犯人はアデノウイルス8型です。園児、児童、学生であれば学校保健安全法により登校を禁止します。受診期によって症状の進行が違うのでいつ治るのかは個人差があります。

もうきれいになったから登校しても良いだろうと自己判断で登校させることはできません。医師が完治と診断して登校許可証を発行してもらい、学校に提出しなくてはならないのです。それくらい危険だという認識を持ちましょう。

症状としては目が充血し、まぶたが腫れて目やにが大量に出ます。特に朝起きると目ヤニでまつ毛が張り付いて目が開かないくらいに大量です。悪化するとまぶたの裏の結膜に白い膜ができて白目の結膜と癒着します。更に進行すると耳の前のリンパ節が腫れてしまいます。ここまでくると全治2~3週間と言われています。

発症して10日も放置して症状が進行すると、角膜に入って炎症を起こし視力が低下します。目のかすみが自覚症状ですが、赤ちゃんや小さなお子さんは見えにくくなったと訴えることができません。こけやすい、ものにぶつかりやすい等は要注意です。角膜まで進行すると症状が完治しても痕は数か月も残ります。

感染予防と注意点

疑問

直接感染だけでなく間接感染もします。自分の目を触った手で人の目を触るというのは考えにくいのですが、流行性角結膜炎を患った目に触れてしまった手で、もう片方の目に触れたら確実に感染します。両目が完治するまで登校日は延びてしまいます。罹った方は他人にうつさないだけでなく、まず自分の片方の目を守りましょう。

手をしっかり流水で洗います。タオルや洗面道具の共有は避けてお風呂も最後に入りましょう。ウイルスは熱に弱いので患者の使用したタオルや食器は煮沸消毒します。部屋の扉のノブなど、屋内で共有して接触する部分はアルコール液で拭いていけば安心です。

見た目に酷いだけではなく痛みも強いので、ついつい触ってしまって悪化させてしまいます。日中は気をつけるのですが夜間、寝入って体温が上昇すると痒みまで加わって目を触ってしまいます。炎症部を触ってしまうので眼球に外傷を負うと重症化します。眼帯は外出時の感染予防というより外気にさらして別のウイルスに感染させない目的で有効ですが、本当は睡眠中の引っかき防止にこそ役立ちます。

急性出血性結膜炎について

結膜炎

この結膜炎のウイルスも強い感染力を持ちますが、体力が弱って免疫力が低下している時によくかかります。同じ感染しやすい状況でもうつる人と感染しない人が出るのはこのためです。

ウイルスだけでなく体力の個人差が問われる症状です。

すぐ発症するのが特徴

感染して約1日で発症します。すぐに感染源を特定できて隔離できるために流行には至りません。しかし、そのためには医師の診断に基づいた登校禁止が必要です。強い充血と目ヤニが一気に現れます。白目にくっきりと出血するのでよく分かります。

痛みも痒みも相当なものなので早く受診する方が多いのが幸いします。感染源の早期特定、集団からの隔離、早期治療によって流行は避けられますが、簡単に考えて治療をないがしろにすると予後の悪い病気になります。悪化すると視力を損なうだけでなく感染後、半年から1年後に手足の麻痺が出るケースもあるのです。

急性出血性結膜炎も強い感染力のために、学校保健安全法により登校停止となっています。医師が診断して完治となれば登校許可が出ます。

原因となるウイルスたち

エンテロウイルス70型、コクサッキーウイルスA24変異型が原因とされています。感染力は強く、即感染・即発症となります。他のウイルスもそうですが有効な薬というのはありません。ただただ炎症を抑えて改善を待つのが基本になります。

抗生物質の服用と抗炎症薬の点眼で対応します。全治1~3週間とされていますが、この急性出血性結膜炎の患者に共通しているのは疲労症状を伴う方が多いことです。出血性急性結膜炎が体力を奪うわけではありません。疲れや風邪など体力を失って免疫力が低下した方がうつりやすい体内環境を作ってしまうのです。

何に感染してもおかしくないくらいに衰弱している時に、強い感染力のあるウイルスに出会えばひとたまりもありません。ここで大事なのは自分の片方の目に感染させないことと休養をしっかり取ることになります。

ウイルスの強さだけでなく体力の弱さが問題ですから治療も結膜炎そのものだけでなく今後の二次感染、三次感染を予防することが先決課題になります。まず、これ以上の被害を出さない、そのための抗生物質投与になります。

免疫力を上げて感染予防

基本、清潔に勝るウイルス対策はありません。充分な手洗い、手指消毒で自分の片方の目を守らなくてはなりません。同じ家に住んでいても頑健な方は比較的安全です。接触感染予防は必要ですが、それほどまでに各自の体内環境の違いによって発症率が変わるということです。

感染しにくい体内環境を作ること、免疫力を向上させることが大きな予防と言えます。まず安静が第一です。身体を休めて水分とビタミンをしっかり摂りましょう。炎症を起こしているわけですから水分が必要です。

また炎症を改善するのにビタミンは欠かせません。風邪の諸症状を伴っている方も多いので栄養もしっかり摂りますが、免疫力が低下していると脂質の消化力も落ちているので雑炊など消化吸収に優れたメニューを心がけましょう。

気分転換もお勧めです。心因性疲労も免疫力を低下させますので視力を酷使しないものであれば有効ですが、ゲーム類は逆効果です。自宅内で視力を使わない気分転換といえば限られてきますが好きな音楽を聴く、ラジオを聴くなどは積極的に楽しんでみてください。

咽頭結膜炎について

プール

咽頭結膜炎は別名、プール熱です。皆さん一度は聞いたことのある名前だと思いますが、プールでうつるという変わったウイルスです。

ウイルスは便の中

アデノウイルス3型がウイルスの名前です。これは便の中に存在します。肛門の括約筋に付着した菌が、水着を通して水中に混入しプール内にいる人に感染します。ゴーグルの使用やプールから出た後しっかり手指消毒する、なども対策として有効ですが一番必要な対策は保菌者をプールに入れないことに尽きます。

この病気も学校保健安全法の適用になりますが登校停止よりもプール禁止の方が厳しくなります。症状そのものは全治2週間、医師が問題なしとすればわりと早く登校できますがプールには1ヵ月くらい入ることができません。便の中にウイルスが1ヵ月は存在するからです。

目だけではない症状

トイレ

感染して5~6日で症状が出ます。充血、目ヤニなど通常の結膜炎の症状に併せて喉が赤くなり炎症を起こし、高熱が出ます。主な症状が全てなくなって2日くらいすれば通常、医師から登校許可が出ます。

直接感染、関節感染への配慮は症状がある間は一応気にした方がいいのですが感染経路が便なので自宅ではトイレの衛生に気をつけましょう。もし患者が下痢をすれば便器はもとよりノブにいたるまでアルコールを浸したティッシュで拭いて専用のビニール袋に入れて戸外で管理して捨ててください。

できれば使い捨てのビニール手袋を使用するのがベストです。患者には排便後の手指消毒がしやすいようにトイレを出た所に手指消毒液を置いてあげてください。家の中でウイルスを持ち歩かなくてすむような工夫が家族を守ります。

まとめ

ウイルスが目にいるのか便にいるのかによって必要な対策はこんなにも違います。感染経路をよく知って予防すれば怖くありません。登校停止というのは保菌者が長く家にいるということです。

家族内の感染リスクは高いものになりますので患者自身の理解が問われます。あまりに小さいお子さんに求められない理解は大人が配慮してあげなくてはなりません。理解できない小さなお子さんが外出できないのは大きなストレスにつながります。家で気が紛れる工夫に心をくだいてあげてください。

お絵描きやブロックなどはさほど視力を要しませんので与えてあげてください。粘度遊びもいいでしょう。治療期間を家で楽しませる工夫は医師にできない大切な治療の一つです。

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