ものもらいになったのはコンタクトのせい?コンタクトを間違った使い方をしていたら、ものもらいの原因になっているかもしれません。眼科できちんと処方される場合は、保存や管理の方法、装着時間などの説明を受けます。
それでもトラブルがないとは言えないのがコンタクトレンズです。ものもらいとコンタクトについて、症状や目への影響をまとめました。
ものもらいとは
ものもらいは、まつげが生えているすぐ内側にある皮脂や汗を出す腺に、細菌が感染して化膿や炎症が起きている状態です。「めばちこ」や「めいぼ」などともいわれます。上まぶたにも下まぶたにもできます。まぶたにできる腫れや炎症は次の2つが考えられます。
麦粒種(ばくりゅうしゅ)
まぶたの内側にあるマイボーム腺やまつ毛の根もとの脂腺に細菌が感染して、化膿性の炎症がおこります。いわゆる「ものもらい」のことです。マイボーム腺にできるものを内麦粒腫、まつ毛の根元の脂腺にできるものを外麦粒腫といいます。
眼科に行って、ものもらい用の抗菌できる目薬を出してもらう必要があります。潤いを補うような普通の目薬では効果がありません。
霰粒種(さんりゅうしゅ)
マイボーム腺に脂肪が詰まって、白い塊ができたり、腫れて赤くなっている状態です。
女性がメイクをするときに、アイラインを引くいわゆる「粘膜」の部分に分泌腺の開口部が点々と並んでいます。それが詰まると、まぶたのフチの部分や裏側に白っぽい脂肪の塊のようなものができます。
炎症してない場合や、できものが小さい場合は、自然に脂肪が吸収されていつの間にか治っていることもあります。細菌に感染すると、膿んだり炎症を起こして痛みが出てきます。大きく膨らんでしまった場合は、切開して膿や脂肪を取り出すこともあります。
アイラインやマスカラ、アイシャドウなどが開口部を塞いでしまうことも原因になります。
ものもらいの症状
麦粒腫はまぶたが赤く腫れて、ゴロゴロとした違和感や、まばたきをするときに痛みがあります。涙がでる、目やに、かゆみ、充血などの症状もみられます。普通のものもらいの症状なら1週間~10日ほどで治ります。
霰粒腫は、痛みなどがなければ様子を見ます。1ヶ月ほどで自然に消失しますが、大きくなったり、腫れてしまうこともあります。
いずれにしろ、眼科医に診断をしてもらって、治療の方針を決めることが大切です。
ものもらいの原因
ものもらいの主な原因菌は黄色ブドウ球菌です。黄色ブドウ球菌は、常在菌といって、人の手や顔などの皮膚、鼻、のど、頭、腸などに常に存在しています。
体力が落ちているとき、病気などで抗生物質を飲んだ時などは体の抵抗力が落ちていて、そのようなときに目をこすってまぶたの裏側や目を傷つけると、そこから黄色ブドウ球菌が侵入しやすくなります。
まぶたを強くこする、ドライアイで角膜に傷がある、コンタクトレンズをつけっぱなしにしたり、手入れを怠って不衛生になっている、アイメイクが濃いといったことも、ものもらいを引きおこしやすくする習慣といえます。
ものもらいの原因については、ものもらいの原因とは?ストレスや疲れとの関係についての記事を参考にしてください。
ものもらいは人にうつる?
ものもらいはうつりません。しかし、腫れが気になって何度も触ったり、汚れた手で目の周りを掻くと、症状が悪化したり、治りにくくなることもあります。清潔にして、なるべく触らないようにしましょう。
また、ものもらいではなく、ウイルス感染が原因の「はやり目」などは人にうつることがあるので、病院できちんと診断してもらうことが大切です。
ものもらいとコンタクト
コンタクトレンズは使用時間や管理方法を守って正しく使用しないと、すぐに雑菌が繁殖します。そのまま使い続けていると、さまざまな眼病を引きおこす可能性があります。
コンタクトは清潔に
普段からコンタクトを使用している人は、清潔に使用できるように気を配らなくてはなりません。目の充血やドライアイ、最悪の場合は失明することもあります。
雑菌がついた手でコンタクトを触り、そのまま目の中に入れる。コンタクトを取り外すときに目を直接触る。目の中の雑菌がコンタクトについたまま洗浄しないで次の日も使う。このようなことを続けていれば、黄色ブドウ球菌に感染するのも時間の問題といえます。
ものもらいのときはコンタクトを使わない
ものもらいができているときは、コンタクトを使わないようにしましょう。目をいじったり、新たに雑菌が入って炎症を悪化させないためです。治るまでは、清潔にして触らないことが何よりも大切です。早く治したければ、メイクも控えたほうがいいです。
コンタクトを使うのは、医師の許可がおりてからにしましょう。
安いカラコンに気をつける
量販店などで安くて大量に売られているカラコンによって目に障害が起きてしまうケースが多数報告されています。これらは医療目的では作られていないので、質が非常に悪いのです。カラコンに使われているインクが目の中で溶け出したり、角膜を傷つけたり、数時間の使用すらできないものまであります。
目が真っ赤に充血したり、目が開かないほどに腫れてしまっては、せっかくのカラコンもメイクも台無しですし、視力を失ってからでは遅いのです。
まずは治療に専念することが大切です。
ものもらいの治療方法
大きさや炎症、化膿しているかどうかなどによって適した治療法があります。医師とよく相談をして症状に合わせた処置を行いましょう。
目薬や塗り薬
ものもらいの原因となっている黄色ブドウ球菌を殺菌することが大切です。そのための抗菌点眼薬や抗菌眼軟膏が処方されます。
重症の場合や点眼薬では効果がない場合は、抗生物質や抗炎症剤を服用することがあります。通常は約1~2週間ほどで治ります。
手術をする場合
症状が重い場合や霰粒腫で脂肪が詰まっている場合は、手術で切開して、膿を出してしまうほうが早く治ることもあります。
すぐには病院に行けないときの応急処置
病院が終わってしまってすぐに行けないときや、病院に行くまでに少しでも症状を和らげたいというときの応急処置のポイントをご紹介します。
- 目の周りがきれいになるように優しく洗顔する。絶対にこすらない。
- 冷たくしたタオルなどで目を冷やし、安静にする。
- 市販のものでもいいので、もしあれば、ものもらい用の目薬をさす。
- 栄養のバランスがいい食事を摂り、目を休ませるためにも早めに寝る。
ものもらいの予防と対策は?
ものもらいができたときは、目を清潔に保つことと、こすらないことがなによりも大切です。その上で、次の3つも実践してみてください。
湯船につかって体を温める
マイボーム腺に脂肪が詰まらないようにするためには、体を温めることが重要です。体が温まって血行が促進されると、まぶたの血流も活発になり、老廃物を押し流す効果も高まります。10~15分程度入っていられる温度に設定し、ゆっくりとつかってリラックしましょう。
ものもらいになり初めの段階では、ホットタオルなどで目の周りを温めてもいいです。
前髪やアイメイクに注意
アイラインを引く場合は、まつげの間やまぶたのかなりギリギリのところになりますが、そこにはマイボーム腺の出口があります。そこをメイクで塞いでしまえば、詰まりやすくなるのも当然です。
また、前髪を目にかかる長さにしていると、目が傷ついたり、髪についている黄色ブドウ球菌が目に入ってしまいます。これらは自分で予防できることなので、ぜひ気をつけてみてください。
こすらない
かゆくても、涙が出ても、とにかく我慢して掻いたりこすったりしないようにしましょう。目や粘膜を傷つけてしまうと、症状が悪化して、完治するまでに時間がかかってしまいます。
コンタクトをするとゴロゴロするようなときも、使用時間を短くしたり、しばらくはメガネで様子を見ましょう。炎症や腫れがひどい場合は冷やすと楽になります。
まとめ
ものもらいとコンタクトについて、最後におさらいをしておきます。
ものもらいは黄色ブドウ球菌に感染したことが原因で、腫れや赤み、かゆみなどの炎症を引きおこしています。目が開かないほどに腫れたり、触ると痛むこともあります。目やまぶたに傷があるとそこから雑菌が侵入しやすくなります。間違ったコンタクトの使い方をしていると、雑菌だらけのコンタクトを目の中に入れることになり、目の環境は非常に悪くなります。
メガネを使いたくない、メイクやカラコンで可愛くしたい、という気持ちは女の子なら誰にでもあるものです。しかし、それで目が腫れたり、メイクができなくなれば、おしゃれどころではなくなってしまいます。コンタクトにしてから目の調子が良くないと感じたら、一度眼科に行って検査をしてもらい、正しいコンタクトの扱い方を教えてもらいましょう。
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