冬になると温かいものが欲しくなりますよね。鍋の季節です。しかし急いで食べて口の中を火傷してしまうことがあります。口の中の皮が剥けてヒリヒリして水ぶくれになったりして、その後の食事が億劫になってしまうなんてことにもなります。
早く治したいと思う方のためのに、今日は口の中の火傷の治し方について紹介していきます。
口の中をやけどした時の対処法
まずはじめに、口の中を火傷してしまったときの治療法を紹介します。
そのまま放置しておくと治りが遅くなったり、場合によっては炎症を引き起こしてしまったりする可能性があるので、はじめの対処は重要です。もともと口の中で分泌される唾液には抗炎症作用があるので、殆どの場合は舐めているだけで十分回復に向かうはずです。
まず、口の中を火傷したときにやる応急処置を挙げていきます。
口の中をきれいにする
水や冷水を使って、口の中を軽くゆすぎます。また、口の中に食べかすがあるといけないので、爪楊枝などを使って、キレイに取り除きましょう。
まず口の中を清潔にすることで、ウイルスや細菌感染を予防できます。
冷水や氷で患部を冷やす
次に、冷水や氷を数分間口の中に含むことによって、患部部分を冷やします。
患部を冷やすことによって痛みを和らげることもできますし、やけどの程度を軽減することもできます。水ぶくれなどにならないように、なるべく早めに患部を冷やすことが重要でしょう。
砂糖、はちみつで痛みを和らげる
砂糖には痛みを和らげてくれる効果があります。砂糖を舐めると、快楽ホルモンであるエンドルフィンという物質が生成され、一時的に火傷の痛みを和らげてくれます。
また、はちみつは口内炎や口の中の火傷に治癒に効果的だと言われています。
もしこれらの食材がない場合は、飴を舐めても良いでしょう。
痛み止めを飲む
上記の方法を行った後、それでも痛みが辛いような重症なときは、痛み止めを飲んで安静にしましょう。また、口の中にできた水ぶくれは破らないようにしましょう。細菌が入り炎症が起きやすくなってしまいます。
痛み止めのなかでは、ボルタレンやロキソニンなどの市販薬の薬が口内の痛み止めとして優秀な効果を発揮するようです。
口の中を火傷したときはその後に粘膜の免疫力が弱まって併発するウイルス性のヘルペス性歯肉口内炎やカンジタ菌に注意しましょう。
火傷のレベル
外傷の火傷と同じで、口内の火傷にも症状の度合いによってレベル分けすることができます。患部の状態によって分けられていて、3段階の程度で分けられます。
口の中は自分ではなかなか確認しづらいので直接患部を確認することは難しいかもしれませんが、鏡などを使って自分の火傷のレベルを確認してみましょう。
第1度
ごく軽いやけどで、粘膜の表面がダメージを負っている状態です。ヒリヒリと感じ、患部が赤く変色します。
舌に火傷を負った場合でも同様の症状が見られます。この時、味蕾が損傷していると、味覚が感じにくくなります。この場合だとおおよそ数日で完治してしまいます。
第2度
第1度と同じ粘膜の表面に加えて、その下の層の内部にまで到達している火傷です。強い痛みを感じるとともに、水ぶくれや血豆、赤く腫れたりケロイド状になり皮がめくれたりしている状態が確認できます。
舌に負った場合も同様で強い痛みを感じます。この段階になると、何を食べても異物に感じ、ビリビリと突き刺すような痛みが強くなります。
第3度
粘膜全体が火傷を負った状態で、その下のそうに加えさらに下の筋肉組織にまで到達している火傷です。患部の粘膜が死滅し白くなったり、黒い状態になったりします。
また、舌に負った場合も同様の色に変色し完治には数ヶ月かかります。味覚も感じなくなり、痛みも患部以外にも広がり大きいです。その後その他の病気の併発を防ぐため感染予防処置を行いましょう。
どのくらいで治る?
やけどの完治は程度によって様々です。やけどの直後の処置によっても若干期間が左右されます。
なかなか、口の中の状態が回復しない、と不安に思う方もいるかもしれません。では口の中のやけどはどのくらいの期間で治るものなのでしょうか?
一般的な完治するまでの時間を見ていきましょう。
完治までの期間
身体の皮膚のやけどに比べて、口内のやけどは2倍から数倍早く治ると言われています。その理由は唾液腺に含まれているヒスタチン、ラクトフェリン、ペルオキシダーゼ、リゾチームと言った成分が抗菌、抗炎症作用の働きを持っているためです。
殆どの火傷の場合数日、多少程度が重くても2週間あれば完治してしまいます。しかし、やけどを繰り返し続けていたり、重症な場合は1ヶ月近く完治にかかる場合もあります。
味覚については、2週間おきに再生される味蕾の回復によって、順次自然治癒し復活していきます。
カタル性口内炎
口の中をやけどすると、次にやってくるのが口内炎ですよね。火傷の痕にできる口内炎は殆どがカタル性口内炎である場合が多いです。
カタル性口内炎の主な症状を紹介します。
- 粘膜や細胞が痛みピリピリする
- 患部が赤く腫れる
- 患部を舌でなめるとザラザラする
- 水ぶくれができる(粘液膿胞)
- 皮が剥ける
- 味覚が鈍感になる
口内炎ができると、さらに完治までの時間が長くなります。1週間から10日ほどは様子を見ましょう。
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何科にかかればよい?
あまりにも口の中のやけどがひどい時、病院にかかりたいと思っても、何科にかかったらいいのか迷うのではないでしょうか?明らかに酷く口の中を火傷したときは耳鼻咽喉科、口腔外科、歯科医師、歯科治療などを受診しましょう。
痛み止めや状況に応じて、化膿止や抗生物質を処方してくれるでしょう。
火傷の危険性がある食べ物
日本人は世界的にも熱いものを好んで食べる傾向にあるようです。今や色んな国の料理を食べるようになりその中でも熱いものもあるためリスクが高くなっています。
皆さんによく食べられている食事の中で、火傷の危険性のあるものを挙げていきます。
- 鍋(特に白子や肝など)
- 小籠包
- グラタン
- ドリア
- たこ焼き
- 春巻き
- チーズフォンデュ
- カニクリームコロッケ
- お餅
- チーズトースト
- カレーパン
このような食べ物は口の中だけでなく、食道までやけどしてしまう危険性があるので注意が必要です。
ガンの危険性も
熱いものを好む日本人は海外に比べ食道がんや舌がん、舌炎、扁平上皮がんや口腔がん、舌痛症になる確率が多いといいます。これらの原因は食道や口腔粘膜への刺激が強い辛い食べ物や、熱い食べ物などの食事が原因になっていると言われています。このような食事を続けると、免疫力が下がってしまいます。
繰り返しやけどをしている人や、熱いものが好きな方はよく注意したほうが良いでしょう。
火傷したときの食事
口の中を火傷したときにする食事は億劫ですよね。好きなものが食べられなかったり、その日の晩がたまたまカレーで食べられなかったなど、エピソードはたくさんあると思います。
ここでは口の中を火傷したときに避けた方がいい食べ物や、食べられる食べ物を紹介していきます。
避けるべき食べ物
辛いもの、硬いもの、熱いもの、酸っぱいもの等が挙げられます。
- 唐辛子
- スパイス
- わさび
- カレー
- 鍋
- レモン
- 梅干し
主に口への刺激が強い刺激物は、控えたほうが良いでしょう。
食べられるもの
- 豆腐
- そうめん
- うどん
- とろろ
- 納豆
- ふやかしたコーンフレーク
- ゼリー
- バナナ
柔らかいものや、甘いものが火傷したときには特に向いています。
まとめ
いかがだったでしょうか?これから寒い冬がやってくるので熱い食べ物に触れる機会は多いのではないでしょうか?口の中の傷ややけどはすぐに治ってしまうから、などと甘く見ていては思わぬ病気になってしまうかもしれませんよ。
予防法は、よく冷ましてから食べることしかないので難しいかもしれませんが、毎日美味しく食事を楽しむためにも、やけどには注意して食事を行いましょう。
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